岡山大学 大学院自然科学研究科 教授 塚田 啓二 スポット溶接内部構造解析用 スポット溶接内部構造解析用 非破壊検査装置 1 ナゲット 溶接条件 加圧力(kgf,kN) 溶接電流(A) 通電時間(cyc) 下部電極チップ 溶接用電源 上部電極チップ 鋼板 鋼板 不良品 熱影響部 良品 ナゲット スポット溶接部断面図 スポット溶接 スポット溶接 2 溶接部におけるナゲットの深さを解析する 表皮効果により磁場の浸透深さが異なる 溶接部に様々な周波数成分の高周波磁場を印加 渦電流測定法 減衰の度合いを検出することにより検査を行う マルテンサイトにより透過磁場が減衰 溶接部に低周波磁場を印加 透過磁場測定法 計測方法 3 渦電流測定法 検出コイル 印加コイル 測定試料 透過磁場測定法 印加コイル 検出コイル フェライトコア 計測システム 計測システム 参照信号 PC ロックインアンプ 発振器 交流電流源 4 500 通電時間[ms] 450 22.5 A-3 A-4 良品 25.0 サイクル数[cycles] 1 cycle = 20 ms A-1 A-2 サンプル番号 1.2 50 400 20.0 A-5 A-6 350 17.5 A-7 A-8 50 120 190 300 15.0 A-9 A-10 250 12.5 A-11 A-12 200 10.0 A-13 A-14 150 7.5 A-15 A-16 単位 : mm 2 mm間隔で7点計測 鋼板: :SECC-NP (SECC: Electro galvanized Steel Sheet, NP: Chromate Free Phosphate Process) 測定試料 不良品 100 5.0 A-17 A-18 5 0.02 20 -8 -8 00 44 測定位置 [mm] -4 -4 88 A-17 (5.0 cycles) A-15 (7.5 cycles) A-13 (10.0 cycles) A-11 (12.5 cycles) A-9 (15.0 cycles) A-7 (17.5 cycles) A-5 (20.0 cycles) A-3 (22.5 cycles) A-1 (25.0 cycles) 透過磁場測定結果 サイクル数の増加に伴い差分磁場強度が減少している -5 -0.005 -1E-170 0.0055 0.01 10 0.015 15 差分磁場強度 [µ µV] 6 0.020 20 00 2 4 6 引張せん断荷重 [kN] 相関係数: : -0.947 8 A-17, A-18 (5.0 cycles) A-15, A-16 (7.5 cycles) A-13, A-14 (10.0 cycles) A-11, A-12 (12.5 cycles) A-9, A-10 (15.0 cycles) A-7, A-8 (17.5 cycles) A-5, A-6 (20.0 cycles) 開発した装置の有用性が示された 引張せん断試験と磁気計測との間に強い相関性がみられる 0.0000 0.0055 10 0.010 0.015 15 A-3, A-4 (22.5 cycles) A-1, A-2 (25.0 cycles) 溶接部接合強度と 溶接部接合強度と磁場変化との 磁場変化との比較 との比較 差分磁場強度 [µ µV] 7 0 8 15.0 15.5 15.0 -8 0 8 15.0 0 15.0 8 -8 -8 0 8 B-9 (5.0 cycles) -8 8 測定位置 [mm] 0 ナゲットが十分に形成されている ナゲットが十分に形成されていない 溶接部での透磁率の変化が少ない 8 15.5 16.0 15.0 溶接部の両端で透磁率が変化している 0 8 15.5 16.0 B-5 (15.0 cycles) サイクル数が少ないサンプル -8 15.5 16.0 0 B-8 (7.5 cycles) -8 15.5 16.0 B-4 (17.5 cycles) サイクル数が多いサンプル 15.0 15.0 8 15.5 15.5 0 16.0 -8 -8 B-3 (20.0 cycles) 16.0 B-7 (10.0 cycles) 16.0 B-6 (12.5 cycles) 15.0 8 15.0 0 15.5 15.5 -8 16.0 B-2 (22.5 cycles) 16.0 B-1 (25.0 cycles) 測定周波数:1 kHz 渦電流測定結果 磁場強度 [mV] 8 1 10 溶接部におけるナゲットの深さを解析する 深部の検査が可能 表面の検査を高感度で計測可能 6 交流磁場の浸透深さが深くなる 0 測定位置 [mm] 導体表面の電流密度が高くなる -6 1.25 1.35 1.45 1.55 1.65 低周波磁場 0.1 周波数 [kHz] 高周波磁場 深い 浅い 深さ解析 信号強度 [a.u.] 9 6 6 0.1 0.1 0 1 1 -6 10 10 10.0 cycles 0.1 0.1 0 1 1 -6 10 10 25.0 cycles -6 -6 0 7.5 cycles 0 12.5 cycles 6 6 周波数 [kHz] 1.25 1.35 1.45 1.55 1.65 測定位置 [mm] 溶接時間による 溶接時間による深 による深さ分布変化 信号強度 [a.u.] 10 溶融亜鉛メッキ普通鋼板 (0.7mm) 溶融亜鉛メッキ高張力鋼板(1.6mm) 溶接電流 8.6 kA 溶接条件 加圧力 4000 N 通電時間 1~20 cyc 使用鋼板 三層鋼板試料 11 サイクル数が増加するとナゲット径が増加し, 中心部においての組織変化も観察できる 断面試験 12 11 cycles 7 cycles 3 cycles 0.114 0.116 0.118 0.12 0.122 -12 0 12 0.11 0.102 0.124 0.115 0.13 0.105 19 cycles -12 -12 0.12 12 12 0.108 0 0 0.096 0.098 0.1 0.102 0.104 0.106 0.125 -12 -12 15 cycles 0.111 0.114 0.112 0.114 0.116 0.118 0.12 透過磁場測定結果 0 0 12 12 13 66 測定位置[mm] 33 10 cycles 99 3 6 9 測定位置[mm] 20 cycles 00 0.01 0.1 1 10 0 0.01 0.1 1 10 33 66 測定位置[mm] 5 cycles 99 3 6 9 測定位置[mm] 15 cycles 変化が 変化が小さい 0.88 0.94 1.0 浸透深さを 浸透深さを利用 さを利用した 利用した深 した深さ分布評価によって 分布評価によって溶接内部状態 によって溶接内部状態の 溶接内部状態の可視化が 可視化が可能 0.01 00 0.1 1 10 0 0.01 0.1 1 10 変化が 変化が大きい 周波数[kHz] 周波数[kHz] 周波数[kHz] 周波数[kHz] 渦電流測定結果 規格値 14 断面 (周波数スキャンニング 周波数スキャンニング) スキャンニング) 平面 (2次元 次元スキャンニング 次元スキャンニング) スキャンニング) Y [mm] 0 3 6 9 0 3 X [mm] 6 9 929.8 950.3 970.8 991.3 1011 3次元化 3次元化 次元化 断面 平面 15 周波数[kHz] 周波数[kHz] 10cycles 6 測定位置[mm] 3 9 9 0.010 0 0.1 1 10 0.01 0 0.1 1 10 3 6 測定位置[mm] 5cycles 測定位置[mm] 99 9 0.88 0.94 1.0 内部構造 15cycles Y 中心ライン 中心ライン 0.010 3 6 0 測定位置[mm] 99 0.1 1 10 0.01 00 0.1 1 10 20cycles Y X 周波数[kHz] 周波数[kHz] 周波数[kHz] 周波数[kHz] 規格値 0 0 0 0.01 10 0.01 10 0 X [mm] 9 X [mm] 15 cycles 9 20 cycles 9 9 16 超音波や磁気を使った検査装置が既にあるが、 ナゲット径からスポット溶接の接合部の信頼性評 価を行っていた。しかし,ナゲットの大きさだけで は接合強度などを正確に評価できない問題が あった。このため,検査装置として広くは使われ ていない。 従来技術とその 従来技術とその問題点 とその問題点 17 • ナゲット径のみならず,ナゲット内部構造の変 化を評価できる。 • 装置構成が安価にできる。 新技術の 新技術の特徴・ 特徴・従来技術との 従来技術との比較 との比較 18 • 本技術はスポット溶接の内部評価ができるの で,接合強度など信頼性を非破壊で検査でき る。 • スポット溶接が使われている,車両や装置な どの筺体等ひろく使用することができる。 想定される 想定される用途 される用途 19 • 現在、基本的なデータが得られている段階な ので,目的仕様に応じた特性評価を行う必要 がある。 • 高速測定用磁気プローブの開発と,そのシス テム化を検討する必要がある。 実用化に 実用化に向けた課題 けた課題 20 • 各種金属材料でのデータはまだないが,用途 を明確化してもらうと,装置の仕様を決定する ことができる。 • 溶接技術と計測器組立技術を持つ、企業との 共同研究を希望。 • 溶接装置の品質検査を検討している企業や, 検査装置を開発している企業には、本技術の 導入が有効と思われる。 企業への 企業への期待 への期待 21 • • • • 発明の名称 :スポット溶接の検査装置 出願番号 :特願2011-002800 出願人 :岡山大学 発明者 :塚田啓二 本技術に 本技術に関する知的財産権 する知的財産権 22 岡山大学 知的財産プロデューサー 平野芳彦 TEL 086-251-8476 e-mail y-hirano@cc.okayama-u.ac.jp お問い合わせ先 わせ先 23
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