2014年12月 - ノークリサーチ

2014年度上期 PCサーバー国内出荷調査リリース
PRESS RELEASE(報道関係者各位)
2014年12月25日
2014年度上期PCサーバー出荷調査報告
調査設計/分析/執筆: 伊嶋謙二
ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1 東京芸術センター1705:代表 伊嶋謙ニ 03-5244-6691
URL:http//www.norkresearch.co.jp)では2014年度上期の国内PCサーバーの出荷状況を調査した。2014年度の予
測も併せて調査、報告している。
<2014年度上期PCサーバー市場のポイント>
■2014年度上期は239,025台で対前年比96.3%で若干減少
-台数は前年比3.7%ダウンで、239,025台
-金額は前年比3.6%アップで、1,480億円
■シェアは富士通とNECがほぼ並ぶ。NECは僅差で2位に。
事業譲渡後のIBMは大幅ダウン
■2014年度はぎりぎり50万台を維持する見通し。
景気回復とWindowsマイグレーション需要がカギ
◇対象期間:(2014年度上期実績)2014年4月~2014年9月(2014年度予測)2014年4月~2015年3月
◇対象メーカ:電子情報技術産業協会(JEITA) 自主統計参加及び未参加メーカー
日本電気、富士通、デル、日本IBM、日本HP、日立製作所、東芝、三菱電機など
◇対象機種:電子情報技術産業協会(JEITA)定義に準ずる
◇調査方法:当該メーカーに対する直接取材及び弊社データベースによる分析
◇調査時期:2014年12月
[2014年度上期出荷状況]
―2014年度上期は239,025台で対前年比96.3%で若干減少
・2014年度上期のPCサーバー市場は期初見込んでいたよりも大きく下振れした結果となった。まず前年度末の特需の反動で、
上期前半は実績が落ち込んだ。消費増税の影響は、景気回復との相殺することや、マイグレーション需要などで持ちこたえるとみて
いたが、実際には次の3点の要因で上期は前年比マイナス成長となった。
1.消費増税後の消費の冷え込みが需要に響く
2.サーバーOSのマイグレーションによる効果は限定的
3.大手企業のサーバー需要は堅調、中堅中小が低迷
などの要因で、結果として2014年度上期の出荷台数は239,025台と前年比96.3%の若干の減少となった。一方金額ベース
では前年比103.6%で1,480億円となった。
サーバーの形状別にみると、ラック型サーバーが構成比では54.7%と相変わらず高い比率を占めている。台数も13万台を維持。
タワーサーバーは9万台で前年同期比102.5%の伸長。NEC、HPでの伸びが寄与した。ブレードは、前年同期比で70.7%と減
少が続いている。形状別構成比では7.6%とさらに低くなった。
一方金額ベースでは、1,480億円となり、対前年比103.6%で前年を上回っている。仮想化を背景にしたHDDやメモリーを多く
搭載したサーバーが多くなっており、平均単価が高まったことが背景となっている。
1
Nork Research Co.,Ltd
2014年度上期 PCサーバー国内出荷調査リリース
国内PCサーバー総出荷台数推移(04年度~14年度)
上期
出荷台数
下期
前年期比
出荷台数
合計
前年期比
出荷台数
前年比
04年度実績
203,800
123.1%
240,100
118.6%
443,900
120.6%
05年度実績
239,100
117.3%
280,800
117.0%
519,900
117.1%
06年度実績
270,120
113.0%
280,100
99.8%
550,220
105.8%
07年度実績
256,700
95.0%
293,630
104.8%
550,330
100.0%
08年度実績
267,900
104.4%
267,587
91.1%
535,487
97.3%
09年度実績
225,671
84.2%
278,635
104.1%
504,306
94.2%
10年度実績
250,944
111.2%
260,021
93.3%
510,965
101.3%
11年度実績
267,852
106.7%
269,991
103.8%
537,843
105.3%
12年度実績
256,010
95.6%
254,060
94.1%
510,070
94.8%
13年度実績
248,240
97.0%
284,940
112.2%
533,180
104.5%
14年度実績/予測
239,025
96.3%
262,400
92.1%
501,425
94.0%
国内PCサーバー市場推移
(出荷台数ベース)
国内PCサーバ市場推移(出荷台数ベース)
0
01年度実績
04年度実績
0
200,000
400,000
200,000
149,000
203,800
(台)
(台)
600,000
400,000
800,000
600,000
800,000
上期 出荷台数
181,300
330,300 443,900
240,100
下期 出荷台数
02年度実績
05年度実績
03年度実績
06年度実績
04年度実績
07年度実績
142,600
239,100
165,600
270,120
203,800
256,700
167,500
310,100
280,800
202,500
368,100
280,100
519,900 合計
550,220
240,100
443,900
293,630
550,330
05年度実績
08年度実績
239,100
267,900
06年度実績
09年度実績
270,120
225,671
280,100
278,635
550,220
504,306
07年度実績
10年度実績
256,700
250,944
293,630
260,021
550,330
510,965
08年度実績
11年度実績
267,900
267,852
267,587
269,991
280,800
267,587
09年度実績
12年度実績
225,671
256,010
10年度実績
13年度実績
250,944
248,240
260,021
284,940
263,500
239,025
274,200
262,400
11年度予測
14年度実績/予測
278,635
254,060
2
519,900
535,487
535,487
537,843
504,306
510,070
510,965
533,180
537,700
501,425
Nork Research Co.,Ltd
2014年度上期 PCサーバー国内出荷調査リリース
[2014年度上期メーカシェア]
■シェアは富士通とNECがほぼ並ぶ。NECは僅差で2位に。事業譲渡後のIBMは大幅ダウン
1位は富士通。2014年度上期は24.3%でトップシェア。上位6社で唯一104.4%と対前年比プラスとなった。形状別ではタワーが
28.6%と昨年の30.6%よりも落としているがトップシェアを維持。ラックは19.6%から23.3%に上げHPをかわしトップシェアとなった。タ
ワーは、オープンチャネルでの伸びが寄与。ラックは、直販によるデータセンタ向け、公共向け等の案件が好調に推移したことが背景。また
組み込み案件が順調に伸びていることもシェア向上に貢献している。
2位はNEC。シェアは24.1%とわずかに落とした。タワーこそ対前年比101.5%と伸ばしたが、ラックは対前年比94.0%、ブレードは対
前年比78.4%と落とし、全体は対前年比95.6%となりシェアダウンとなった。データセンタ、官公庁など首都圏での実績は好調に推移し
たが、地方、中堅中小での伸び悩みが響いた。
3位はHP。シェアは21.3%と前年の20.8%よりアップとなった。ブレードは、対前年比87.5%と減少はしたもののシェアは27.9%と昨
年の22.5%を5ポイント以上上回った。ラックは対前年比93.6%と減少し、シェアは21.7%と昨年の22.6%と約1ポイント落とした。円
安の影響は大きいものの、大手製造業、ネット関連企業は堅調に実績を残すことが出来た。また、地方の実績向上も見られるようになっ
てきている。
4位はデル。シェアは11.1%と二桁シェアを維持した。昨年度の12.7%から若干下回った。しかし、販売台数は対前年比84.6%と
15ポイント以上のダウンとなった。昨年度下期の物流システムの不具合によるトラブルの影響は、今年度に入り回復に努めたもののデータ
センタを中心に大口案件で他社に流れる等の影響は続いた。
5位は日立製作所。シェアは6.4%となり、前年同期比6.6%から0.2ポイントダウンしたが、IBMに変わって順位を一つ上げた。主力の
ブレードは対前年比52.6%と半数近く落としている。同社はサーバーだけでなく、ストレージなどシステム全体を提供し、また国内のみなら
ず海外を含めた展開を行っており、よりエンタープライズ市場に特化しつつある。
6位は日本IBM。台数は対前年比59.3%と大幅に落ち込み、シェアは5.4%となり前年の8.8%から3.4ポイント落とした。形状別で
見てもブレードは対前年比41.3%と半数以下に落ち込んでいる。2014年初にサーバー事業のレノボへの事業譲渡に関連した風評も
含めて、同社にとっての逆風は、ユーザー企業だけでなく販売店/パートナーにも影響を与え、2014年度上期は実績の低下が目立つ結
果となってしまった。
2014年度上期PCサーバーメーカーシェア
その他
日立製作所
富士通
7.4%
日本IBM
6.4%
24.3%
8.3%
24.3%
7.7%
5.4%
6.0%
外円:台数
239,025台
11.1%
デル
内円:金額
1,480億円
9.9%
24.9%
18.9%
24.1%
NEC
21.3%
日本HP
3
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2014年度上期 PCサーバー国内出荷調査リリース
[2014年度の市場展望]
■2014年度はぎりぎり50万台を維持する見通し。景気回復とWindowsマイグレーション需要がカギ
2014年度は昨年度に比べマイナス成長となり、501,425台とかろうじて50万台を維持する規模になりそうだ。昨年度は
WindowsXPマイグレーション対応、消費税増税前の駆け込み需要などの特需があったことに比べ、EOSや景気の不透明感
などもあり、年間を通じてナイマス成長となる見込みだ。
ただし2014年度の下期も含め、年度通期での市場を支えるポイントは次の5点だ。
1.ITサービス業、データセンタのサーバー需要は継続して堅調
2.企業全般に対する仮想化、集約化によるインフラ整備、増強のための需要は増加傾向
3.円安による輸出を中心とする企業の投資意欲の向上、国内景気の回復
4.Windows2003のサポート終了によるマイグレーション需要
5. クラウドやビッグデータなどの“攻めのIT”がもたらすであろうサーバー需要への寄与
さらに2015年度は、上記5点に加えマイナンバー制度対応などによる増加が見込まれるため、再び増勢に転ずる可能性を秘
めている。
PCサーバーの形状別構成比(出荷台数ベース)
0%
20%
40%
60%
80%
04年度実績
50.4%
05年度実績
49.3%
45.0%
06年度実績
50.1%
42.3%
07年度実績
43.0%
08年度実績
09年度実績
10年度実績
45.4%
38.0%
33.5%
4.2%
5.7%
7.6%
47.4%
41.3%
100%
9.6%
47.1%
11.5%
48.9%
13.1%
図表貼り替え 53.4%
13.1%
11年度実績
35.4%
51.5%
13.1%
12年度実績
34.7%
53.0%
12.3%
13年度実績
35.4%
14年度実績/予測
55.4%
37.2%
9.3%
54.7%
タワー
ラック
8.1%
ブレード
当調査データに関するお問い合わせ
株式会社 ノークリサーチ
担当:伊嶋謙二
東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692
[email protected]
www.norkresearch.co.jp
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