FM4マイコンのSDRAM&

U-Boot/uClinux/.Net Micro Framework を移植しながら試す
OS がサックサク! Cortex-M4 搭載
FM4 マイコンの SDRAM&
NAND フラッシュ拡張法
Cortex-M4 搭載 FM4 シリーズ(スパンション)は,
Cortex-M3 搭載 FM3 シリーズと比べて演算能力や周
辺機能がさらに強化され,高度かつ高速な演算処理を
要求される領域に適しています.今回,FM4 シリー
ズ の MB9BF568R(120 ピ ン 版 )を 搭 載 し た 評 価 基 板
SK-FM4 や MB9BF568R チップを使った自作の評価基
板を例に,SDRAM コントローラや NAND フラッシュ・
インターフェースを使って RAM/ROM を大拡張する
方法を紹介します(表 1)
.OS もサクサク動かせて非常
に便利です.本誌 2012 年 6 月号付属の FM3 マイコン
MB9BF618T 搭載基板向けの .Net Micro Framework,
U-Boot および uClinuxを移植しながら説明していきます.
ARM Cortex-M4 搭載
FM4 マイコンの特徴
●R
AM は大きい方がいい! SDRAM コントロー
ラ搭載
Cortex-M4 搭載 FM4 の FM3 からの主な強化点は,
表 1 メモリ拡張 OK! Cortex-M4 搭載 FM4 評価基板
機 能
CPU
外部 RAM
自作基板
Spansion SK-FM4
MB9BF560R
MB9BF560R
SDRAM 32M バイト SDRAM 16M バイト
内蔵フラッシュ・
メモリ
1M バイト
1M バイト
NAND 型 フ ラ ッ
シュ・メモリ
─
1G バイト
SPI フラッ シュ・
メモリ
4M バイト
─
SD カード
設定可能
設定可能* 1
USB デバイス
○
○
USB ホスト
○
設定可能* 2
JTAG
JTAG * 3
CMSIS-DAP
LED × 3
RGB LED × 1
Arduino
互換ピン・ヘッダ
Arduino
互換ピン・ヘッダ
W5500 シールド
W5500 シールド
デバッグ
その他
拡張
* 1:SD カードは SDRAM と共存不可
* 2:USB ホスト・コネクタは未実装
* 3:MB9AF311K/MB9BF321K 使用の独立したデバッガ回路
128
ワンチ
ッ
モノ足 プじゃ
りな
ときは い
関本 健太郎
次の通りです.筆者個人的には,SDRAM コントロー
ラが追加されたことで,大容量のメモリが安価で利用
可能となり,.NET Micro Framework や uClinux に活
用しやすくなって,非常に魅力を感じました.
・CPU コアとして Cortex-M4 を搭載
FM3 の Cortex-M3 と比較して CPU 性能を向上
・外部インターフェースの追加
SDRAM のサポートおよび SD カード・コントロー
ラ(SDIO インターフェース)のサポート追加
・スタンバイ時の消費電力低減
RTC(Real Time Clock)動作時の電流を約 1.5 μA
まで抑えることが可能
・フラッシュ・メモリ機能の向上
CPU 動作にノーウェイトでリード・アクセスが可
能となり,処理速度の向上と同時に低消費電力化
・タイマ機能の強化
最小分解能が 6.25ns に改善され,非対称 PWM 波
形出力対応やアナログ / ディジタル起動トリガの
複数化などタイマ機能が強化された.3 相モータ
制御などにおいてエネルギ効率を改善
・アナログ機能の強化
アナログ回路が全面的に見直しされ,内蔵発振器
の精度改善,12 ビット分解能の D-A コンバータの
追加,A-D コンバータの高速化(従来比 2 倍)
・通信機能の強化
SPI インターフェースの 9 ビットから 16 ビットま
での拡張と高速化(20MHz)
,CPU を介さずにデー
タを高速に転送できる DSTC(Descriptor System
data Transfer Controller)の追加
● FM4 マイコン MB9B568R の概要
今回使用した FM4 は MB9BF568R です.CPU コア
の最高動作周波数が 160MHz で,FPU を搭載し,内
蔵フラッシュ・メモリは 1M バイト(メイン)+ 32K バ
イト(ワーク)
,内蔵 SRAM は 128K バイトです.
内蔵周辺機能としては,USB ファンクションとホス
ト共用の USB インターフェース(1 チャネル)
,CAN
2
(最大 2 チャネル)
,UART,CSIO,LIN,I C をサポー
2015 年 2 月号