第13回平岡不整脈研究会 プログラム 日 時 : 平 成 26 年 12 月 13 日 12:45 ~ 18:30 場 所 :「 KKR ホ テ ル 熱 海 」 静岡県熱海市春日町7-39 Tel: 0557-85-2000 FAX: 0557-85-6604 12:45~12:50 開会挨拶 新田 順一(さいたま赤十字病院) 12:50~13:26 セッション I:高度ブロック 座長:土井 大友 庄三郎(東京医科歯科大学病院小児科) 建一郎(青梅市立総合病院循環器内科) 1) 12:50~13:02 「 体 育 の 授 業 中 に 失 神 を 認 め た 高 度 房 室 ブ ロ ッ ク 、完 全 左 脚 ブ ロ ッ ク と 多 形 性 心 室 頻 拍 の 11歳 男 児 例 」 東京医科歯科大学小児科 ○ 廣 木 遥 ( 卒 後 4年 ) 、 松 村 雄 、 倉 信 大 、 細 川 奨 、 梶川優介、土井庄三郎 川口市立医療センター小児科 高橋暁子、西岡正人 東京医科歯科大学不整脈センター・循環器内科 田尾 進、佐々木毅、川端美穂子、平尾見三 2) 13:02~13:14 「原因不明の発作性完全房室ブロックを呈した若年男性の一例」 青梅市立総合病院循環器内科 ○佐藤弘典 (卒後 8 年)、大坂友希、矢田沙和子、小野裕一、 大友建一郎、 13:15~13:39 セッション II 不整脈の遺伝子素因 座長:笹野 哲郎(東京医科歯科大学難治疾患研究所) 佐々木 毅(東京医科歯科大学不整脈センター) 3) 13:15~13:27 「 水 泳 中 に 心 室 細 動 と な り AED で 蘇 生 さ れ た QT 延 長 症 候 群 の 1 例 」 東京医科歯科大学医学部小児科 ○ 松 村 雄 (卒 後 6 年 )、細 川 梶川優介、土井庄三郎 奨 、山 口 紗 代 、廣 木 遥 、倉 信 大、 4) 13:27~13:42 「 Plakophilin-2 遺 伝 子 変 異 に よ る 表 現 的 多 様 性 に 関 す る 検 討 」 1 . 慶 應 義 塾 大 学 病 院 循 環 器 内 科 、 2. 同 臨 床 遺 伝 学 セ ン タ ー ○ 相 澤 義 泰 1、 高 月 誠 司 1、 小 崎 健 次 郎 2、 福 田 恵 一 1 5) 13:43~13:58 「 High-Fat Diet Increases Vulnerability to Atrial Arrhythmia by Conduction Disturbance via miR-X」 東京医科歯科大学難治疾患研究所・生体情報薬理学 ○ 高 橋 健 太 郎 ( 卒 後 9 年 )、 笹 野 哲 郎 、 古 川 哲 史 13:59~14:37 座長;山根 高橋 セッション III AF アブレーション関連 禎一(東京慈恵会医科大学循環器内科) 淳 (横須賀共済病院循環器センター内科) 6) 13:59~14:11 「心外膜側からの左房焼灼により根治し得た肥大型心筋症に伴う発作 性心房細動の1例」 さいたま赤十字病院・循環器科 ○ 稲 村 幸 洋 ( 卒 後 8 年 )、 林 達 哉 、 鈴 木 雅 仁 、 渡 辺 敬 太 、 佐藤慶和、林 洋介、新田順一 7) 14:12~14:24 「 肺 静 脈 隔 離 後 に Pseudo rate-dependent LA-PV re-conduction を 認 め た発作性心房細動の1例」 武蔵野赤十字病院循環器科 ○ 稲 葉 理 (卒 後 10 年 ), 山 内 康 照 , 山 下 周 、 関 川 雅 裕 、 平尾龍彦 8) 14:25~14:37 「 肺 静 脈 隔 離 後 に お け る 肺 静 脈 か ら 左 房 方 向 へ の dormant conduction についての検証」 東京都立広尾病院・循環器科 ○ 宮 澤 聡 ( 卒 後 6 年 )、 深 水 誠 二 、 吉 田 精 孝 、 中 田 晃 弘 、 河 村 岩 成 、森 山 優 一 、荒 井 研 、貝 原 俊 樹 、麻 喜 幹 博 、北 村 健 、 北條林太郎、青山裕也、手島 保 14:38~15:09 座長;蜂谷 山内 セッション IV AT・AF 仁 (土浦協同病院循環器センター内科) 康照(武蔵野赤十字病院循環器内科) 9) 14:38~14:53 「開心術後の心房中隔を回路に含む心房頻拍 7 症例の検討」 聖路加国際病院循環器内科 ○ 安 達 亨 ( 卒 後 10年 )、 横 山 泰 廣 筑波大学循環器内科 吉田健太郎、青沼和隆 10) 14:54~15:09 「睡眠時無呼吸を合併した心房細動に対するカテーテルアブレーショ ン」 東京慈恵会医科大学 循環器内科 ○ 鳴 井 亮 介 ( 卒 後 9 年 )、 松 尾 征 一 郎 、 徳 竹 賢 一 、 横 山 賢 一 、 日置美香、谷川真一、徳田道史、稲田慶一、山根禎一 15:10~15:35 座長;横山 相澤 セッション V ブルガダ症候群と類似病態 泰廣(聖路加国際病院循環器内科) 義泰(慶応義塾大学循環器内科) 11) 15:10~15:22 「右 冠 動 脈 円 錐 枝 の 一 過 性 閉 塞 に よ り Brugada 型 心 電 図 を 呈 し 心 室 細 動 を 発 症 し た 一 例 -当 院 で の 右 冠 動 脈 円 錐 枝 閉 塞 症 例 に お け る 心 電 図 変 化 の 検 討 -」 横 浜 南 共 済 病 院 ・循 環 器 科 ○李 基 鎬 (卒 後 4年 )、飯 谷 宗 弘 、増 田 怜 、中 村 玲 奈 、羽 田 泰 晃 、 中 野 国 晃 、島 田 博 史 、高 宮 智 正 、清 水 雅 人 、 藤 井 洋 之 、山 分 規 義 、 西 﨑光 弘 12) 15:23~15:35 「 ICD 頻 回 適 切 作 動 を 認 め た ブ ル ガ ダ 症 候 群 に 対 し て 心 内 膜 側 か ら の 右 室流出路領域の広汎なカテーテル焼灼が奏功した1例」 さいたま赤十字病院・循環器科 ○ 渡 辺 敬 太 ( 卒 後 4 年 )、 林 達 哉 、 稲 村 幸 洋 、 鈴 木 雅 仁 、 佐藤慶和、林 洋介、新田順一 15:36~16:04 セッション VI 心室不整脈のアブレーション 座長;新田 深水 順一(さいたま赤十字病院循環器科) 誠二(都立広尾病院循環器科) 13) 15:36~15:51 「「心 室 性 期 外 収 縮 ア ブ レ ー シ ョ ン に お け る VOICE マ ッ ピ ン グ の 有 用 性」 横須賀共済病院 循環器センター内科 ○ 佐 川 雄 一 朗 ( 卒 後 5 年 )、 桑 原 大 志 、 高 木 克 昌 、 大 久 保 健 史 、 滝川正晃、中島永美子、山尾一哉、山上洋介、小嶋啓介、 早坂和人、水澤真文、中島 淳、高橋 淳 14) 15:52~16:04 「 Wide QRS 頻 拍 と Narrow QRS 頻 拍 を呈 した脚 枝 間 リエントリー性 心 室 頻 拍 の1例 」 土浦協同病院循環器センター内科 ○ 高 木 崇 光 (卒 後 7年 )、久 佐 茂 樹 、宮 崎 晋 介 、臼 井 英 祐 、市 原 登 、 岩 澤 仁 、黒 井 章 央 、中 村 浩 章 、谷 口 宏 史 、蜂 谷 仁 、家 坂 義 人 16:05~16:20 16:20~18:20 Coffee Break セッション VII 特別講演 15) 16:20 ~ 17:20 特 別 講 演 I . 座長:西崎 光弘 (横浜南共済病院循環器科) 「早期再分極と再分極異常;遺伝性不整脈における意義」 新潟大学医歯学総合大学循環器・検査医学講座 渡辺 裕 先生 16) 17:20 ~ 18:20 特 別 講 演 I I . 座長:桜田 春水 (東京都保健公社大久保病院・病院長) 「心サルコイドーシス診療:現状と課題」 国 立 循 環 器 病 研 究 センター心 臓 血 管 内 科 部 長 草 野 研 吾 先 生 17) 講 評 1 家 坂 義 人 ( 18:20~18:25) 18) 講評 2 平岡 昌 和 ( 18:25~18:30) 19:00 ~ 21:00 忘年会 司 会:鈴木 忘年会・開会挨拶:家坂 乾杯 泉田 直己 誠 義人 (亀田総合病院循環器内科) (土浦協同病院・院長) (東京医科歯科大学小児科) 総括及び閉会挨拶:桜田 春水 (東京都保健公社大久保病院・院長) 「2014年平岡不整脈研究会抄録」 I. 高度ブロック 1) 「 体 育 の 授 業 中 に 失 神 を 認 め た 高 度 房 室 ブ ロ ッ ク 、 完 全 左 脚 ブ ロ ッ ク と 多 形 性 心 室 頻 拍 の 11歳 男 児 例 」 ○ 廣木 遥、松村 雄、倉信 大、細川 奨、梶川優介、 土井庄三郎 (東京医科歯科大学小児科) 高橋暁子、西岡正人 (川口市立医療センター小児科) 田尾 進、佐々木毅、川端美穂子、平尾見三 (東京医科歯科大学循環器内科) 6歳 時 に 幼 稚 園 の 内 科 検 診 で 2:1房 室 ブ ロ ッ ク と 完 全 左 脚 ブ ロ ッ ク を 指 摘 さ れ 、前 医 で 経 過 観 察 さ れ て い た 。8歳 時 の 運 動 負 荷 心 電 図 で 、 運 動 強 度 増 加 に 伴 い 房 室 伝 導 は 悪 化 し 、心 拍 数 の 減 少 所 見 を 認 め た た め 、 D管 理 ( 中 等 度 の 運 動 ま で ) と さ れ て い た 。 11歳 時 の 体 育 授 業 中 に 失 神 し 前 医 へ 搬 送 入 院 と な っ た 。ホ ル タ ー 心 電 図 で 高 度 房 室 ブ ロ ッ ク と と も に 、数 秒 間 の 多 形 性 心 室 頻 拍 を 認 め た た め 、精 査 加 療 目 的 で 当 院 紹 介 と な っ た 。家 族 歴 は 無 い が 、臨 床 経 過 か ら 進 行 性 心 臓 伝 導 障 害 (PCCD)が 強 く 疑 わ れ た 。 電 気 生 理 学 的 検 査 の 結 果 、 ICD付 き ペ ー スメーカー植込みを行い、遺伝子検査を行っている。患児の経過を PCCDの 文 献 的 考 察 を 交 え て 報 告 す る 。 2) 「 原 因 不 明 の 発 作 性 完 全 房 室 ブ ロ ッ ク を 呈 し た 若 年 男 性 の 一 例 」 ○ 佐藤弘典、大坂友希、矢田沙和子、小野裕一、大友建一郎、 (青梅市立総合病院・循環器内科) 症 例 は 生 来 健 康 な 32 歳 男 性 。 め ま い 症 状 が あ り 、 ホ ル タ ー 心 電 図 で 日 中 活 動 時 に 3 拍 以 上 の QRS 波 脱 落 が 複 数 回 記 録 さ れ 、 当 院 に 紹 介 と な り 精 査 を 行 っ た 。各 種 検 査 で 器 質 的 心 疾 患 の 存 在 は 否 定 的 だ っ た 。発 作 時 に 洞 性 徐 脈 も 認 め な か っ た 。有 症 候 性 の 発 作 性 完 全 房 室 ブ ロ ッ ク に 対 し 恒 久 的 ペ ー ス メ ー カ ー 植 え 込 み を 行 っ た 。発 作 性 完 全 房 室ブロックはいまだ病態に不明な点が多く文献的考察を含め報告す る。 II 不 整 脈 の 遺 伝 子 素 因 3) 「 水 泳 中 に 心 室 細 動 と な り AED で 蘇 生 さ れ た QT 延 長 症 候 群 の 一 例 」 松村 雄、細川 奨、山口紗代、廣木 遥、倉信 大、 梶川優介、土井庄三郎 (東京医科歯科大学附属病院・小児科) 小 学 校 1 年 生 の 学 校 心 臓 検 診 で QT 延 長 症 候 群 を 指 摘 さ れ 、前 医 で 経 過 観 察 さ れ て い た 11 歳 男 児 。 初 診 時 は QTc440 程 度 と 境 界 域 で あ っ た が 、 10 歳 時 の 定 期 検 診 で QTc520 と 延 長 し 、 11 歳 時 に は 運 動 負 荷 心 電 図 で 陽 性 所 見 を 認 め た た め 、運 動 制 限 を 施 行 さ れ て い た 。当 院 紹 介 受 診 予 定 の 前 日 に 、 体 育 授 業 で 水 泳 中 に 失 神 し 、 AED で 蘇 生 さ れ 前 医 へ 搬 送 入 院 と な っ た 。AED の 解 析 に よ り 心 室 細 動 が 認 め ら れ 、 ICD 植 込 み 目 的 で 当 院 へ 転 院 と な っ た 。そ の 後 の 経 過 と と も に 、当 院 に お け る QT 延 長 症 候 群 の 管 理 基 準 を 示 す 。 4) 「 Plakophilin-2 遺 伝 子 変 異 に よ る 表 現 的 多 様 性 に 関 す る 検 討 」 相 澤 義 泰 1、 高 月 誠 司 1、 小 崎 健 次 郎 2、 福 田 恵 一 1 ( 1 . 慶 應 義 塾 大 学 病 院 循 環 器 内 科 )、 ( 2. 同 臨 床 遺 伝 学 セ ン タ ー ) Plakophilin-2( PKP2)は 細 胞 間 結 合 に 関 与 す る デ ス モ ソ ー ム 関 連 蛋 白 の 1 つ で ARVC の 主 要 な 原 因 遺 伝 子 の 一 つ で あ る が 、電 位 依 存 性 Na チ ャ ネ ル 群 と 直 接 的 ま た は 間 接 的 に 相 互 作 用 す る こ と が 示 さ れ 、 最 近 ブ ル ガ ダ 症 候 群 の 原 因 遺 伝 子 と し て 報 告 さ れ た 。当 院 で は 次 世 代 シ ー ケ ン サ ー を 用 い た 網 羅 的 遺 伝 子 解 析 を 行 っ て い る が 、PKP2 変 異 は ARVC、 ブ ル ガ ダ の み な ら ず 、 DCM、 房 室 ブ ロ ッ ク 症 例 に お い て も 検 出 さ れ 、SCN5A disease 様 の 表 現 的 多 様 性 も 示 唆 さ れ る 。個 々 の 症 例 を 提 示 し 、当 院 で の 遺 伝 子 解 析 、遺 伝 診 療 お よ び カ ウ ン セ リ ン グ の現状を報告する。 5) 「 High-Fat Diet Increases Vulnerability to Atrial Arrhythmia by Conduction Disturbance via miR-X」 高橋健太郎、笹野哲郎、古川哲史 (東京医科歯科大学難治疾患研究所・生体情報薬理学) Dyslipidemia is one of the important risk factors developing atrial fibrillation. However, the mechanism linking dyslipidemia and atrial fibrillation has not been fully investigated. In obesity-model mice, we found that high-fat diet increased the vulnerability to atrial arrhythmia by downregulation of Cx40 via miR-X, rather than atrial fibrosis. III AF ア ブ レ ー シ ョ ン 関 連 6) 「 心 外 膜 側 か ら の 左 房 焼 灼 に よ り 根 治 し 得 た 肥 大 型 心 筋 症 に 伴 う 発 作性心房細動の1例」 稲村幸洋、林 達哉、鈴木雅仁、渡辺慶太、佐藤敬和、林 洋介、 新田順一 (さいたま赤十字病院・循環器科) 症 例 は 4 4 歳 男 性 、 肥 大 型 心 筋 症 に 合 併 し た 発 作 性 心 房 細 動 (PAF) に対して他院で2回カテーテルアブレーションを施行されるも効果 な く 当 院 へ 紹 介 と な っ た 。当 院 1 回 目 の ア ブ レ ー シ ョ ン で は 肺 静 脈 の 再 隔 離 と 左 房 後 壁 の 隔 離 を 施 行 し た 。そ の 後 、持 続 性 心 房 頻 拍 と な り 、 2 回 目 の ア ブ レ ー シ ョ ン を 施 行 し た 。心 房 頻 拍 は 冠 状 静 脈 洞 起 源 が 疑 われたが冠状静脈洞が通常の左房後壁に開口していないためブロッ ケ ン ブ ロ ー 針 に て 穿 刺 し ア ブ レ ー シ ョ ン カ テ ー テ ル を 進 め 、同 部 の 焼 灼 で 心 房 頻 拍 は 停 止 し た 。し か し 、術 後 2 日 目 に PAF が 再 発 し た た め 3 回 目 の ア ブ レ ー シ ョ ン を 施 行 し た 。 PAF の 起 源 は マ ー シ ャ ル 静 脈 領 域から冠状静脈洞に隣接する左房後壁で心内膜側からでは通電中に は停止するものの根治には至らず、心外膜側よりカテーテルを進め、 同 部 の 焼 灼 に よ り 完 全 に 誘 発 不 能 と な っ た 。マ ー シ ャ ル 静 脈 領 域 起 源 の不整脈に対してはエタノール注入によるアブレーションが有効で あるとの報告があるが本例ではそれも困難であり心外膜側アプロー チを選択した。 7) 「 肺 静 脈 隔 離 後 に Pseudo rate-dependent LA-PV re-conduction を 認めた発作性心房細動の一例 稲葉 理,山内康照,山下 周、関川雅裕、平尾龍彦、宮本貴庸, 尾林徹、 (武 蔵 野 赤 十 字 病 院 ・循 環 器 科 ) 症 例 は 心 不 全 既 往 の あ る 47 歳 男 性 。 発 作 性 心 房 細 動 に 対 し 、 ア ミ オ ダ ロ ン や べ プ リ ジ ル を 内 服 し て い た が 、徐 々 に 心 房 細 動 の 出 現 頻 度 が 増 加 し 、心 不 全 コ ン ト ロ ー ル も 不 良 と な る た め 、カ テ ー テ ル ア ブ レ ー シ ョ ン 目 的 で 入 院 し た 。入 室 時 は 洞 調 律 で あ り 、電 気 的 肺 静 脈 隔 離 を 行 っ た 。左 上 下 肺 静 脈 の 電 気 的 隔 離 後 、CS distal pacing を 行 う と 、 pacing 時 の み LIPV の 再 伝 導 を 認 め た (図 )。こ の 現 象 を 電 気 生 理 学 的 、 解剖学的な検証を踏まえて考察したので報告する。 8) 「 肺 静 脈 隔 離 後 に お け る 肺 静 脈 か ら 左 房 方 向 へ の dormant conduction に つ い て の 検 証 」 宮澤 聡、深水誠二、吉田精孝、中田晃弘、河村岩成、森山優一、 荒 井 研 、貝 原 俊 樹 、麻 喜 幹 博 、北 村 健 、北 條 林 太 郎 、青 山 裕 也 、 手島 保 (東京都立広尾病院・循環器科) PVI 時 の dormant conduction 確 認 は 広 く 行 わ れ て い る が 、 exit 方 向 の dormant conduction に つ い て 検 証 し た 報 告 は こ れ ま で に な い 。 今 回 、我 々 は PVI 2 nd session 時 、PV 内 pacing 中 に ATP を 投 与 す る 事 で 、exit dormant conduction が 認 め ら れ る か 否 か の 確 認 を 行 っ た 。 15 症 例 に て こ れ を 検 証 し 、 exit dormant conduction が 認 め ら れ た も の は 1 例 (6.7%) で あ っ た 。 な お こ の 症 例 で は entrance dormant conduction も 認 め ら れ て い た 。exit 陽 性 entrance 陰 性 と な っ た 症 例 は認められなかった。 IV AT/AF 9) 「 開 心 術 後 の 心 房 中 隔 を 回 路 に 含 む 心 房 頻 拍 7 症 例 の 検 討 」 安達 亨、横山泰廣 (聖路加国際病院循環器内科) 吉田健太郎、青沼和隆 (筑波大学循環器内科) 開 心 術 後 の 心 房 中 隔 を 回 路 に 含 む 心 房 頻 拍 症 例 を 検 討 し た 。頻 拍 は 厚みをもった心房中隔かつ広い低電位領域を必須緩徐伝導部位とし て お り 、焼 灼 に よ り 段 階 的 な 頻 拍 周 期 の 延 長 が 認 め ら れ た 。頻 拍 の 再 発 症 例 に 対 し て は 、両 心 房 か ら の 必 須 緩 徐 伝 導 部 位 へ の 焼 灼 が 有 効 で あった。 10) 「 睡 眠 時 無 呼 吸 を 合 併 し た 心 房 細 動 に 対 す る カ テ ー テ ル ア ブ レ ー シ ョン」 鳴井亮介、松尾征一郎、徳竹賢一、横山賢一、日置美香、 谷川真一、徳田道史、稲田慶一、山根禎一 (東京慈恵会医科大学・循環器内科) 睡 眠 時 無 呼 吸 は 多 く の 心 房 細 動 患 者 に 認 め ら れ る 。本 研 究 で は 睡 眠 時無呼吸を有する心房細動患者に対するカテーテルアブレーション について検討した。 対象は術前にパルスオキシメトリーを用いて睡眠時の動脈酸素飽和 度 を 評 価 し 、カ テ ー テ ル ア ブ レ ー シ ョ ン ア ブ レ ー シ ョ ン を 施 行 し た 心 房 細 動 244 症 例 。3% oxygen desaturation index(3%ODI)≧ 10 を 睡 眠 時無呼吸有りとした。 睡 眠 時 無 呼 吸 は 32.0%(78/244)に 認 め ら れ た 。 総 手 技 時 間 や 肺 静 脈 隔 離 の 成 功 率 は 2 群 間 に 有 意 差 は 認 め な か っ た が 、手 技 関 連 の 合 併 症 発 生 率 は 睡 眠 時 無 呼 吸 を 有 す る 群 で 有 意 に 高 か っ た (7.7% (6/78) vs. 0.6% (1/166) P=0.0048)。 合 併 症 の 内 訳 は 睡 眠 時 無 呼 吸 を 有 す る 群 で 心 タ ン ポ ナ ー デ 4 例 、横 隔 神 経 麻 痺 1 例 、可 逆 性 の 低 酸 素 脳 症 1 例 で あ り 、睡 眠 時 無 呼 吸 を 有 さ な い 群 で は 心 タ ン ポ ナ ー デ 1 例 の み で あ っ た 。初 回 ア ブ レ ー シ ョ ン 後 の 心 房 細 動 再 発 率 に 有 意 な 差 は 認 め な か っ た ( 30% vs. 21% P=0.098)。 睡眠時無呼吸を合併した心房細動症例に対するカテーテルアブレー シ ョ ン は 非 合 併 例 と 比 較 し て 同 等 に 有 効 で あ っ た 。し か し 、睡 眠 時 無 呼吸の存在が術関連合併症の発症と関連していることが示唆された。 V ブルガダ症候群と関連病態 11) 「右 冠 動 脈 円 錐 枝 の 一 過 性 閉 塞 に よ り Brugada 型 心 電 図 を 呈 し 心 室 細 動 を 発 症 し た 一 例 -当 院 で の 右 冠 動 脈 円 錐 枝 閉 塞 症 例 に お け る 心 電 図 変 化 の 検 討 -」 李 基 鎬 、飯 谷 宗 弘 、増 田 怜 、中 村 玲 奈 、羽 田 泰 晃 、中 野 国 晃 、 島 田 博 史 、高 宮 智 正 、清 水 雅 人 、藤 井 洋 之 、山 分 規 義 、西 﨑光 弘 (横 浜 南 共 済 病 院 ・循 環 器 科 ) 症 例 は 80 歳 男 性 。 冠 攣 縮 性 狭 心 症 疑 い に 対 し 、 心 臓 カ テ ー テ ル 検 査 を 行 っ て い る 際 に Judkins カ テ ー テ ル に よ り 右 冠 動 脈 円 錐 枝 が 一 過 性 に 閉 塞 状 態 と な っ た 。 そ の 際 、 右 側 胸 部 誘 導 ( V1,V2) に お い て saddleback 型 ST 上 昇 を 呈 し 、さ ら に coved 型 ST 上 昇 波 形 に 移 行 し た 直 後 に 心 室 細 動 が 生 じ た 。 Brugada 症 候 群 と 右 室 流 出 路 の 虚 血 に は 類 似 の 病 態 変 化 が あ る こ と を 示 唆 す る 貴 重 な 一 例 で あ り 、当 院 で 経 験 した右冠動脈円錐枝閉塞症例と心電図変化の考察を加えて報告をす る。 12) 「 ICD 頻 回 適 切 作 動 を 認 め た ブ ル ガ ダ 症 候 群 に 対 し て 心 内 膜 側 か ら の右室流出路領域の広汎なカテーテル焼灼が奏功した1例」 渡 辺 敬 太 、林 達 哉 、稲 村 幸 洋 、鈴 木 雅 仁 、渡 辺 慶 太 、佐 藤 敬 和 、 林 洋介、新田順一 (さいたま赤十字病院・循環器科) 症 例 は 40 歳 男 性 。 36 歳 時 に 心 室 細 動 に て 発 症 し た ブ ル ガ ダ 症 候 群 に 対 し 、 ICD 植 込 み を 行 っ た 。 そ の 後 、 徐 々 に ICD の 適 切 作 動 が 頻 回 と な り 、薬 剤 抵 抗 性 で プ レ タ ー ル や ベ プ リ コ ー ル を 増 量・併 用 し て も 効 果 が な い た め 、2014 年 8 月 カ テ ー テ ル ア ブ レ ー シ ョ ン を 行 っ た 。心 外 膜 側 へ の 通 電 は 必 要 時 に 追 加 す る 方 針 と し 、ま ず 心 内 膜 側 の マ ッ ピ ン グ を 行 っ た 。 右 室 の voltage mapping を 作 成 す る と 、 右 室 流 出 路 に 低 電 位 領 域 を 認 め 、ま た そ こ か ら 右 室 前 壁 、側 壁 、中 隔 側 ま で 一 部 低 電 位 領 域 の 拡 大 を 認 め て い た 。局 所 電 位 を マ ッ ピ ン グ す る と 、右 室 側 壁 に QRS よ り 220msec 程 度 持 続 す る fragmented potential、右 室 前 壁 に は 著 明 な delayed potential が 観 察 さ れ 、 activation mapping を 作 成 す る と 、 遅 延 電 位 の 存 在 部 位 は voltage mapping に お け る 低 電 位 領 域 と 概 ね 一 致 し た 。同 領 域 が 右 室 心 内 膜 側 に お け る 不 整 脈 基 質 で あ る と 判 断 し 、こ れ ら の 領 域 全 て に 広 汎 に 通 電 を 行 っ た 。術 直 後 よ り coved 型 の ST 上 昇 は な く な り 、術 後 2 カ 月 で ほ ぼ ST は 正 常 化 し た 。抗 不 整 脈 薬 も 漸 減 中 止 し た が 術 後 ICD 作 働 は 認 め て い な い 。右 室 心 内 膜 側 か らの通電にて良好な経過を得た、ブルガダ症候群の一例を経験した。 右 室 流 出 路 か ら 広 が る 低 電 位 領 域 に お け る delayed potential を 指 標 に、広範囲に行った通電が有効であったと考えられた。 VI 心 室 不 整 脈 の ア ブ レ ー シ ョ ン 13) 「心 室 性 期 外 収 縮 ア ブ レ ー シ ョ ン に お け る VOICE マ ッ ピ ン グ の 有 用性」 佐川雄一朗、桑原大志、高木克昌、大久保健史、滝川正晃、 中 島 永 美 子 、山 尾 一 哉 、山 上 洋 介 、小 嶋 啓 介 、早 坂 和 人 、水 澤 真 文 、 中島 淳、高橋 淳 (横須賀共済病院・循環器センター内科) 心 室 性 期 外 収 縮 ( VPC) ア ブ レ ー シ ョ ン 施 行 中 の 低 頻 度 VPC 症 例 は 、標 的 部 位 の 決 定 に 迷 う こ と が し ば し ば 経 験 さ れ る 。我 々 は 、VPC 時の発生部位や伝導様式を正確に感じ取れる症例が存在するのでは な い か と い う 仮 説 を 立 て 、こ れ を 検 証 す る た め 、連 続 90 例 の VPC 症 例においてアブレーションカテーテルによる起源近傍ペーシング時 と 自 然 発 生 VPC 時 と の 症 状 の 一 致 性 を 検 討 し た 。 90 例 中 5 例 ( 5.6%) の 症 例 に お い て 、 起 源 近 傍 ペ ー シ ン グ 時 と 自 然 発 生 VPC 時 と の 症 状 の 一 致 を 認 め 、 内 3 例 に お い て は 、 ペ ー シ ン グ 時 あ る い は 通 電 時 の 症 状 を ガ イ ド ( VOICE マ ッ ピ ン グ ) に ア ブ レ ー シ ョ ン を 施 行 し た 。 本 5 例 全 例 、 ア ブ レ ー シ ョ ン 後 の VPC の 消 失 あ るいは有意な減少を認めた。 結 語:自 覚 症 状 が 強 く 、低 頻 度 VPC 症 例 に お い て 、VOICE マ ッ ピ ン グは新たなマッピング法となる可能性が示唆された。 14) 「 Wide QRS 頻 拍 と Narrow QRS 頻 拍 を 呈 し た 脚 枝 間 リ エ ン ト リ ー 性心室頻拍の一例」 高 木 崇 光 、久 佐 茂 樹 、宮 崎 晋 介 、臼 井 英 祐 、市 原 登 、岩 澤 仁 、黒 井 章央、中村浩章、谷口宏史、蜂谷仁、家坂義人 (土浦協同病院循環器センター・内科) 症 例 ; 39 歳 、 男 性 ワ ソ ラ ン に て 停 止 す る 左 脚 ブ ロ ッ ク 、 左 軸 偏 位 の wide QRS tachycardia (216bpm)に 対 す る 精 査 加 療 目 的 に 紹 介 入 院 と な る 。洞 調 律 時 の 心 電 図 は 軽 度 の 右 軸 偏 位 の み で 明 ら か な 伝 導 障 害 を 示 唆 す る 所 見 が な く 、 ま た 、 心 臓 超 音 波 検 査 に お い て も LVEF 62% で 明 ら か な 壁 運 動 異 常 、弁 膜 症 は 認 め ら れ な か っ た 。心 臓 電 気 生 理 学 的 検 査 で は 、洞 調 律 時 の HV 時 間 は 48ms と 正 常 範 囲 で あ っ た 。し か し な が ら 心 室 期 外 刺 激 法 に お い て 逆 行 性 His 束 伝 導 時 間 は Stimulus-His 時 間 :140ms の 延 長 に 伴 い V3 が 生 じ 、そ の 後 左 脚 ブ ロ ッ ク タ イ プ の 心 室 性 頻 拍 が 誘 発 さ れ た 。 HV 時 間 は 66ms と 延 長 し 、 先 行 す る H-H 時 間 は V-V 時 間 を 規 定 し て お り 頻 拍 は 脚 枝 間 リ エ ン ト リ ー 性 頻拍と診断した。また、同頻拍中の右室心尖部よりの心室連続刺激、 心 室 単 発 刺 激 に て QRS 波 形 が 洞 調 律 時 と 一 致 す る narrow QRS tachycardia へ の 移 行 が 認 め ら れ た 。 同 頻 拍 は His 束 内 に 2 つ の 拡 張 期 電 位 が 記 録 さ れ 、 HV 時 間 は 40ms と 洞 調 律 と 比 し 短 縮 し H-H 時 間 に よ り V-V 時 間 が 規 定 さ れ て い る た め 縦 解 離 His- 右 脚 内 リ エ ン ト リ ー 性 心 室 頻 拍 と 考 え ら れ た 。臨 床 的 に 認 め ら れ た 脚 枝 間 リ エ ン ト リ ー 性 頻拍に対し施行した右脚に対するアブレーション治療にて頻拍は誘 発 さ れ な く な っ た 。 基 礎 心 疾 患 を 伴 わ ず His-Purkinje 系 の 潜 在 性 伝 導障害により複数の心室頻拍を認めた症例は稀であり報告する。 VII 特別講演 15) 特 別 講 演 I . 「早期再分極と再分極異常;遺伝性不整脈における意義」 渡辺 裕 (新潟大学医歯学総合大学循環器・検査医学講座) 16) 特 別 講 演 I I . 「心サルコイドーシス診療:現状と課題」 草野研吾 (国 立 循 環 器 病 研 究 センター・心 臓 血 管 内 科 部 長 )
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