第93号 2014年11月28日発行 全12ページ [9MB] - 津田塾大学

Empowering Women since 1900
TsudaToday
93
no.
津田梅子生誕 150 周年記念事業 各イベント開催報告 P.❻ 第 15 回エッセー・コンテスト結果発表
index
P.❼ 学位授与報告、学生報告、他
P.❽ 教員活動
P.❾ 千駄ヶ谷教育研究機構プロジェクト、津田塾大学オフィ
P.❸「国際化」の歩みを繋ぐ─ブリンマー大学からの学生を迎えて、
シャルウェブマガジン「plum garden」
、他
留学・海外活動に関する奨学金 2014 年度後期募集、他
P. 最終講義のご案内、理事会・評議員会報告、他
P.❹ ホームカミングデー報告、記念礼拝
P. 2015 年度一般入学試験日程、正門・テニスコート改修、他
P.❶ 津田梅子生誕 150 周年記念シンポジウム
P.❷ 総合 2014 津田直氏講演、他
P.❺ 2014 年度津田梅子賞選考結果報告
P.
公開講座、クリスマス礼拝、お知らせ
発行日 2014年11月28日
発 行 津田塾大学
編 集 企画広報課
〒187-8577
東京都小平市津田町2-1-1
Tel.042-342-5113
Fax 042-342-5121
http://www.tsuda.ac.jp/
津田梅子生誕150周年記念事業 各イベント開催報告
津田梅子生誕150周年記念シンポジウム
わた
「海を航って ─ 梅子、捨松の先進性」を開催
10 月 12 日(日)、津田梅子記念会&ホームカミングデー午後の部
う事実が紹介されました。さらに、ホストファミリーで姉妹のように
の 2 人に焦点を当てたシンポジウムが開催されました。
結果、捨松が国費留学生として日本のために何ができるかを悩んでい
に、津田梅子生誕 150 年を記念して、津田梅子と大山(山川)捨松
日本初の女子留学生として渡米し、アメリカ式の学校教育を受ける
なか、日本の女子教育にどのように貢献したらよいのかを真剣に考え
た留学生たち。梅子は最初の留学から帰国後、華族女学校に英語教員
の職を得ますが、休職して再度渡米しブリンマー大学で生物学を学び
ました。捨松は留学時代、アメリカの女子大学の草分けであるヴァッ
サー大学で学び学士号を取得、さらにアメリカのコネティカットで看
護に関する短期間の訓練を受けています。多くのことを学び、知り、
考え、感じ、日本の女子高等教育のために力を合わせた梅子と捨松。
本シンポジウムは両名の先進性に焦点を当て、髙橋裕子英文学科教授
をモデレーターとして、3名のパネリストにお話をいただきました。
やす
古川安・日本大学生物資源科学部教授からは科学史の立場から、津
田梅子が留学先のブリンマー大学で生物学を学んだ意味についてお話
をいただきました。1885 年の明治天皇の華族女学校創立前のご親喩
に「自然科学のような『高尚な学問』は女子教育の本分ではないので
控えるべし」とあり、当時自然科学は女子教育において「禁断」の学
問であったこと、梅子が2度目に留学した時期はアメリカの生物学の
勃興期にあたり、ブリンマー大学には、花形といわれる優秀な教授が
多く在籍していたこと、留学にあたっては英語の教授法を学ぶといっ
て願い出たため、生物学を学んでいるということは表に出さなかった
ことなどが指摘されました。古川教授は、梅子が女性科学者のロール
モデルとならなかった理由について、当時の日本にそのような選択肢
はまだ存在しなかったこと、日本女性のため学校を設立し、英語を通
育ったアリス・ベーコンに宛てた 60 通もの手紙を久野氏が調査した
た様子が記されており、捨松が大山巌との結婚を選択したのも、
「結
婚して一人前」という当時の女性観を逆に活用し、自らの責務を果た
そうする、アメリカでの経験から培われた合理性が表れており、捨松
の先進性につながっているとの指摘がなされました。
飯野正子・前津田塾大学学長からは、当時の女子留学生を取り巻く
時代背景の説明とともに、先進性はどのようなところに見られ、今に
つながっているかについてお話をいただきました。梅子、捨松ら留学
生は、アメリカ社会の中に身を置くことで先進性を育み、海外に日本
の女子教育を支援するためのネットワークを構築、その結果、日本で
女性のための高等教育機関を設立しました。そこには「国家を担うよ
うな男子を育てるには家庭に賢い母が必要である、よって女子を留学
させる」という日本政府の目的をはるかに超える先進性があったとの
指摘がなされました。さらに、昨年ブリンマー大学に招聘された時の
体験から、大学が発展するには他の教育機関との協力関係がいかに大
切であるかについて話され、津田塾大学は設立の経緯そのものに国際
性があり先進性があったこと、そして、今大学に携わる人たちにはそ
の国際的なネットワーク、先進性を引き継ぎ、さらなる発展をしてほ
しいとのエールが送られました。
シンポジウムは津田梅子生誕 150 年を記念するにふさわしい内容
となり、参加者からも多数の質問が寄せられ、シンポジウムは盛会の
うちに幕を下ろしました。
して海外の世界、科学、思想に目を開かせるという考えが根底にあり、
その点でジェンダーへの自覚を鋭く持っていたと説明されました。
く
の
久 野 明子・一般社団法人日米協会副会長からは捨松、梅子とアリ
ス・ベーコンの三人の友情についてのお話をいただきました。捨松と
梅子は、「鹿鳴館の華」と女子教育の先駆者という対比で語られるこ
とが多いですが、実際には捨松は生涯を通して女子教育や社会の改革
に関わり、梅子に対しても様々な形で協力を惜しまなかったこと、特
に女子英学塾開設前には顧問として、開設後には理事として、また初
代同窓会長、校資募集委員会委員長として活動を最大限に支えたとい
写真左よりモデレーターの髙橋裕子氏、パネリストの古川安氏、
久野明子氏、飯野正子氏
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津田梅子生誕 150 周年記念事業
公開講座 総合2014「ウチとソト─壁を越えて」津田直氏講演
国際関係学科1年 総合スタッフ 大谷
10 月 9 日(木)、
「津田梅子生誕 150 周年記念事業」の一環として、
えるほど、人間中心が当たり前
座「総合 2014」にお招きしました。普段私達が想像したことのない
津田氏が世界を歩き回りフィル
津田梅子の生家である津田家を継承された写真家の津田直氏を公開講
世界を静かな語り口で話される津田氏が鮮明に印象に残っています。
4 千年前のアイルランドや、サーメ人の暮らす北極圏、震災前の東北、
霧の中の中国など、写真を通して様々な世界へ私達を連れて行ってく
ださいました。「自然と人の関係がまずくなっている」世の中に生き
ていることを自覚させられたとともに、津田氏のお話は普段の生活を
丁寧に見つめなおすきっかけにもなりました。例えば、1 万 3 千年と
いう長い時間を刻んできた縄文時代、信仰心、遠い北のサーメ人たち
の「言葉」であるヨイクが今の私達に訴えるものは何か。考えれば考
苑子
の世界に違和感を覚えました。
ムに残したものは、私達が気づ
こうとしなければ見落としてし
まうものばかりでした。この世
界の知りたいこと、留めたいも
のが見えてきた今、さらなる好
奇心がかきたてられます。本を
読み、「歩いて」確かめに行きたいと思います。
女子中高生のための情報・メディア工房2014
女性研究者支援センターは、津田梅子生誕 150 周年記念事業の一
プログラミング学習普及プロジェクト「PEG」の支援を受けました。
2014」を開催しました。このイベントは女子中高生に情報・メディア
てのイメージが今回のイベントのおかげでわいてきた」といった感想が
この形式での開催は今年で 4 年目です。今回も全国から定員を大き
しています。
環として情報科学科と共催で「女子中高生のための情報・メディア工房
分野の魅力を伝え、同分野への進路選択を促すことを目的としており、
参加者からは「理系に進む気持ちが強くなった」
「理系の進路につい
寄せられました。本イベントの様子は http://rikei.tsuda.ac.jp/ で公開
く越える応募があり、抽選で選ばれた中学 1 年生~高校 3 年生の 31 名
が参加しました。
8 月 26 日は午前中に株式会社サイバーエージェントを訪問し、
オフィ
ス見学後、女性社員の方とのソーシャルゲームデザイン・ワークショッ
プを体験しました。午後は、株式会社アーテックが開発したマイコン
ボードを活用したロボットプログラミングを体験しました。
8 月 27 日午前中には、日本マイクロソフト株式会社を訪問し、女性
社員の方から IT 企業での仕事などのお話を伺い、オフィス見学をしま
した。午後は、
「学研 大人の科学」より発売された「ポケットミク」と
いう音声合成ハードウェアに指令を出し、曲を歌わせるプログラミング
を体験しました。
午後のワークショップは、両日とも、NPO 法人 CANVAS による
算数を使って楽しもう ─ 折り紙とグローバルマス ─
数学科 講師 菊池
8 月 1 日、津田梅子生誕 150 周年記念事業のひとつである小学生
公開講座が終わり、子供たちが満足しているようで、安心しました。
久美子先生が折り紙を使った授業を行いました。折り紙と数学という
れば幸いと思います。
向けの算数講座が行われました。まず、本学の非常勤講師である足立
のは関係が深く、そのことについて学びながら、みんなでカッパの顔
を折りました。休憩時間にも、足立先生が過去の授業で用いた教材等
を展示し、子供たちが興味深く見ていました。その次の授業は、ベネッ
セホールディングスの星千枝さんによる「グローバルマス」でした。
グローバルマスとは、ベネッセホールディングスが携わっている数学・
算数ゲームのプラットフォームです。ここでは、「スーパーショット
ゲーム」というゲームをしました。このゲームでは、問題を自ら考え、
それを互いに出し合う形式で行いました。ルールは単純ですが、なか
なか奥が深く、数学としても興味深いものではないかと思います。中
には、大人でも思いつかないような面白い問題を考える子がおり、感
心しました。
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弘明
Tsuda Today
この体験を通して、地域の人たちが津田塾大に親しみを持ってもらえ
最後になりましたが、講師の足立先生と星さん、授業を手伝ってく
れた学生たち、
太田先生および
ベネッセホール
ディングスの
方々には多大な
ご尽力を頂き、
この場を借りて
お礼申し上げま
す。
Empowering Women since 1900
津田梅子生誕 150 周年記念事業
「国際化」の歩みを繋ぐ ─ ブリンマー大学からの学生を迎えて
国際センター長 英文学科 教授 早川
敦子
ブリンマー大学から、日本の復興をテーマとするプログラム(360°:
パルバース氏 ─ を迎えてのレクチャーへと続く企画が実現しまし
and Rebuilding)の履修生 Angie Koo さんと Xue Jin さんが来日
繋がる、こういった出会いそのものが国際化の一歩なのだと思います。
Perspectives on Urban Sustainability in Japan: Disaster, War,
し、それぞれ「3.11 後の日本のエネルギー政策」と「2020 年東京
た。新たな視点や知見に出会うことでパワフルで活気にみちた展開に
オリンピックと都市計画」という研究テーマのリサーチを行い、行政
やジャーナリズム、市民運動関係者へのインタビューをはじめ、本学
の学生たちとも交流を深めました。
7 月 3 日には、日本の過去と現在を外の視点から分析する興味深
いプログラムの取り組みのプレゼンテーションを二人が行うことから
始まり、本学の学生との意見交換、学外からの講演者 ─ 映像人類学
専門の写真家、港千尋氏(多摩美術大学教授)と、作家・脚本家・演
出家であり、復興支援ソング「花は咲く」の英訳者でもあるロジャー・
コペンハーゲン大学 DNP 特任教授 長島要一氏講演
明治の国際人・石井筆子
~津田梅子、ヨハンネ・ミューターとの交流~
1880 年にヨーロッパ派遣女子留学生となり、帰国後、津田梅子と
同じ華族女学校でフランス語を教え、女子教育の振興を目指した石井
筆子。1898 年には、梅子と共に文部省の要請で婦人倶楽部万国大会
に日本代表として参加します。しかし、志半ばで親の決めた許嫁と結
婚。娘の知的障害や夫の死去など紆余曲折を経て、筆子は知的障害児
施設「滝乃川学園」の園長として終生障害児教育に尽力します。
一方、筆子はデンマーク武器商人の妻ヨハンネ・ミュンターと交流
を持ち、筆子の影響からヨハンネはデンマークで婦人参政権運動を発
展させました。本講演では、これまで政治運動には距離を置いていた
とされてきた津田梅子が、ヨハンネ来日の折に「婦人参政権運動の
女性の集合写真」に写っていたという新たな事実が示され、石井筆
子、ヨハンネ・ミュンター、
そして筆子を通じての梅子
津田梅子生誕 150 周年記念事業
の一環として、写真家・中川正子さ
ん(1997 年津田塾大学英文学科卒
業)の写真展が津田梅子記念交流館
にて開催されました。昨年 10 月に
発 表 し た 写 真 集「IMMIGRANTS」
から約 20 点を展示、多くの皆様に
足を運んでいただき、大変好評の中幕を閉じました。
写真家・津田直氏制作
「You Me 2001-2010」
本学創立者 津田梅子の家系を継承された写真
とヨハンネ・ミュンターと
家・津田直氏が発行された冊子「You Me 2001-
の交流が多数紹介されまし
2010」は、本学が 2010 年に創立 110 周年を迎え
た。また、筆子の活躍の裏
た際、津田氏より制作及びご寄贈のお申し出をいただき、デザインか
には、梅子の献身的な協力
ら発行まで、すべて津田氏が手がけられたものです。この度、10 月
と支えがあったこともお話
12 日(日)に開催された津田梅子生誕 150 周年記念シンポジウムで
いただき、大変有意義な講
演となりました。
中川正子写真展
「IMMIGRANTS」が開催されました
参加者に記念品として配布されました。心を込めて制作して下さった
10月20日(月)、講演される長島要一氏 津田氏に心より感謝を申し上げます。
留学・海外活動に関する奨学金2014年度後期募集
津田塾大学では独自の奨学金・奨励金制度を数多く設けていますが、今年度より、創立者津田梅子の生誕 150 年を記念して、海外で学ぶ、
または活動する学生への給付型奨学金を大幅に拡充しました。10 月より後期分募集を開始しています。多数の応募をお待ちしています。
奨学金名
種別
交付額
海外留学(派遣・受入)奨学金
給付
大学院海外学術研究奨励金
給付
海外活動奨励金
給付
8 万円
海外語学研修奨学金
給付
10 万円
対 象
30 万円を限度
学部 2 年生以上及び大学院生で海外の大学に 1 学年間以上の留学を希望する者
30 万円を限度
本学との交換協定に基づいて海外から本学へ留学する者
15 万円を限度
海外で学会参加または学術調査をする大学院生
海外でボランティア活動、フィールドワーク、インターンシップ等を予定している学部学生(1 年次〜 3 年次)
春期休暇中に海外で短期間語学研修コース等を利用して学習を行う本学学部生(原則:1 年次、2 年次)
※研修言語:英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、中国語、朝鮮語、ロシア語
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2014年度 津田梅子記念会&ホームカミングデー報告
10 月12 日(日)
、本学小平キャンパスで津田梅子記念会&ホーム
同窓会副会長 英文学科 教授 髙橋
カミングデーが開催されました。受付で配付された、当日のプログラ
裕子
ムが入った手提げの中に、津田梅子生誕 150 周年を記念して、津田家
を継承され当主でいらっしゃる写真家・津田直氏がご寄贈下さった、
『You Me 2001-2010』という写真集が入っていました。津田梅子
生誕 150 周年の記念行事がたくさん詰まった津田梅子記念会&ホー
ムカミングデーにいらした参加者への、なんとすてきな贈り物でしょ
う。お心のこもったプレゼントをありがとうございました。
津田梅子記念会は國枝マリ学長と久保内総子同窓会会長による挨拶
で幕が開き、続いて津田梅子記念礼拝では、三砂ちづる国際関係学科
教授による司会のもと、奨励者としてお招きした元フェリス女学院学
院長・国際基督教大学名誉教授岡野昌雄氏による「出会い」と題する
奨励がありました。
記念礼拝後は、津田梅子賞贈賞式が行われました。創立 110 周年
を記念して創設された津田梅子賞は今年で 5 年目を迎え、今年の受賞
者は財団法人日本ユニセフ協会理事長・赤松良子氏、東京大学名誉教
授・中根千枝氏、松江市立女子高等学校生徒会執行部でした。贈賞式
では、中根氏と松江市立女子高等学校生徒会執行部を代表して生徒会
長の安達優華さんから挨拶があり、海外に出張中の赤松氏からはビデ
オレターで喜びの声を頂きました。
続く第 15 回高校生エッセーコンテスト表彰式では、最優秀賞を受
賞した東京学芸大学附属国際中等教育学校 1 年 中島彰斗さんが英語
の受賞作品を見事に朗読しました。今年のテーマは「わたしの航路を
照らす『灯台』」。難病という「航路」を、家族や友人の支えなどを
「灯台」にたとえ、病気と正面から向き合いながら前進する覚悟が伝
わってきました。その他の入賞作品など詳細は大学ホームページに掲
載していますので、ぜひご覧ください。
午後は、津田梅子生誕 150 周年記念シンポジウム(詳細は本誌 1
ページ目に掲載)の他に、多文化・国際協力コース OG によるラウン
ドテーブル・シンポジウム、小・中学生のための英語を使った国際交
流フォーラム、茶道部によるお点前や華道部の展示が催され、とても
賑やかな雰囲気に包まれました。受付の隣のテントでは同窓会の委員
の方々が留学生支援のためのバザーも行っていました。また、20 周
年から 60 周年の同期会や専門学校理科会、からし種の会、影絵同好
会、ユースホステルクラブの集い、30 周年と 50 周年同窓生共催の古
典芸能の会なども開催され、旧交を暖める歓談の輪があちこちに広が
りました。
記念礼拝 要約
津田梅子記念礼拝 2014 年 10 月 12 日
「出会い」 聖書:ルカによる福音書 第 19 章 1-10 節
ローマの支配下にあったエリコの徴税人ザアカイは、ローマ人の手
先となって同胞から法外な税金を取りたてて、町の人から冷ややかな
目で見られていました。イエスがエリコに来られると知ったザアカ
イは、一目イエスを見たいと、先回りし
て道端にあるいちじく桑の木に登って待
ちました。そこへ来られたイエスは、木
の上のザアカイの姿をしっかり目にとめ
て「ザアカイ、急いで降りて来なさい。
今日は、ぜひあなたの家に泊りたい」と
おっしゃいました。思いもかけぬこの呼
びかけにザアカイは急いで降りて来て、
喜んでイエスを迎えました。「主よ、わ
たしは財産の半分を貧しい人々に施しま
す。また、だれかから何かだまし取って
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奨励者:岡野
昌雄
(元フェリス女学院学院長、国際基督教大学名誉教授)
いたら、それを四倍にして返します」との言葉が彼の口からほとばし
りでました。このイエスの呼びかけに、生まれ変ったザアカイは今ま
で大事にしていたものはどうでもよいものになり、とってかわっては
じめて、他者への思いやり、人格的関係
が生まれたのです。イエスは「今日、救
いがこの家を訪れた」と言われました。
イエスはこのような私達を無条件で友と
して受け入れてくださいました。
「互い
に愛し合いなさい。これがわたしの掟で
ある。友のために命を捨てること。これ
以上に大きな愛はない」と言われて、十
字架の上で私達のために命を捨て、私達
の真の友であることを自ら証しされまし
た。
Empowering Women since 1900
2014年度津田梅子賞 選考結果報告
2010 年、津田塾大学では創立 110 周年を記念し、「津田梅子賞」を創設しました。そして今年は津田梅子が生まれて 150
年にあたります。本賞は、津田梅子のパイオニア精神にちなみ、女性の未来を拓く可能性への挑戦を顕彰することを目的とし
ます。
選考の結果、今年度の津田梅子賞は、次の2名、1団体に決定し、10 月 12 日(日)、津田梅子記念会において贈賞式が執
り行われました。
〈選考対象〉
以下の1.または 2.に該当する個人/団体で、現代
社会に顕著な影響を与えた方
1. 女性の可能性を広げる取り組みを行う個人または
団体・組織(性別を問いません)
2. さまざまな分野で先駆的な活動を展開した女性
津田梅子賞選考委員と受賞者・受賞団体と共に
◎受賞者・受賞団体紹介
赤松 良子(財団法人日本ユニセフ協会理事長)
元労働省婦人局長、元駐ウルグアイ大使、元文部大臣。赤松氏の最大の功績は、1985 年の男女雇用機会均等法である。
日本ではじめて男女平等を法制化したことにより、赤松氏は「均等法の母」と言われている。また、日本女性 2 人目の大使
として外交畑でも活躍。国連公使としてその制定に携わった女性差別撤廃条約のモニター機関である国連女性差別撤廃委員
会を 2 期 8 年務め、国際的な活動も顕著である。NGO についても深い理解があり、労働省を退官後は女性差別撤廃条約の研
究・普及団体「国際女性の地位協会」会長に就任し、以後日本に女性差別撤廃条約を根付かせる活動を続けている。女性政
治家を増やすことを目的とする WINWIN でも長年にわたり卓越したリーダーシップを発揮している。
中根 千枝(東京大学名誉教授)
日本の社会人類学者であり、特にインド・チベット・日本に関する専門家として国際的にもっとも著名な研究者の一人。女
性として最初の東京大学教授であり、日本学士院会員としても女性では初めてであり、また、学者として女性で最初の文化勲
章受章者である。人類学のみならず、また人文系諸学に限らず、わが国における女性研究者としてパイオニアであり、トップ
クラスを極めた学者である。研究者個人として国際的な業績を挙げているばかりでなく、次世代養成にも大きく貢献している。
また、国立民族学博物館では 1977 年の開館より運営に寄与し、東京大学退官後は、民族学振興会の理事長として民族学の発
展を推進し、日本民族学会が 2004 年に日本文化人類学会へ発展する基盤を形成した。
松江市立女子高等学校 生徒会執行部
松江市立女子高等学校は1954(昭和29)年創立。目指す生徒像として、①自分の未来を確実に描き、その実現に向けて努
力できる生徒、②男女共同参画社会をリードするための基礎力を備えた生徒、③ホスピタリティー精神に満ちた生徒、④節度
ある生活習慣とコミュニケーション力を備えた生徒、⑤故郷を愛し自国の文化理解の上でグローバルな視点に立てる生徒を
掲げている。
今回授賞対象となった生徒会執行部は、1996(平成 8)当時の文部科学省から「エイズ研究指定校」の指定を受け、それ
をきっかけとしてエイズの啓発活動を 20 年近く続けている。地域の小中学校、高校への出張講座を行い、近年は児童労働、
貧困、平和問題など海外の問題に目を向け、赤十字や国際協力機構(JICA)等の団体から学び、さまざまな問題について高校生としてできるこ
とを提案し続けている。また、多くの地域で問題となっている「女性差別」についても目を向け、同じ女性でありながら多くの苦難を強いられて
いる人々に対してできることを模索している。学校の掲げる目指す生徒像にそって、女子高校としてのできることを長年地道に実践し、地域社会
に大きく貢献していることは優れた取り組みとして高く評価できる。今後のさらなる活動の発展を期待し、津田梅子賞を贈賞する。
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第 15 回 高校生エッセー・コンテスト 結果発表
10 月 12 日(日)、津田梅子記念会において第 15 回高校生
エッセー・コンテストの選考結果発表が執り行われ、当日は
最優秀賞受賞者の中島彰斗さんが受賞作品を朗読されました。
応募総数:71 編(女子 59 名/男子 12 名)
応募言語:英語作品 33 編 日本語作品 38 編
最優秀賞 1 名(敬称略) 中島 彰斗 東京学芸大学附属国際中等教育学校 1 年
優秀賞 3 名(敬称略) 稲又 成美 明光学園高等学校 3 年
柴田 涼子 国際基督教大学高等学校 2 年
山田 茉鈴 The Archer School for Girls 10 年
(東京都)
(英 語)
最優秀作品及び優秀作品は、本学ウェブサイトに掲載しています。
(福岡県)
(日本語)
(東京都)
(英 語)
(米 国)
(英 語)
最優秀作品
Dear Ms. Tsuda,
I am truly honored to be able to write to you on this
special occasion. I was overwhelmed with mixed emotions and
thoughts after reading the words you sent to the school’s
graduates. In this letter, I will convey the thoughts and feelings
that crossed my mind, and write about the hard voyage I have
lived through to this date.
do the usual things such as walking, going up the stairs and
more. With their great help, I was able to get used to life and
live without any difficulties, with some exceptions. My friends
did not treat me differently because of the disease and tried
to help me. It was a big relief for me and also lifted my spirits
up. I cannot thank them enough.
Until now, my life has been a difficult voyage. In my early
childhood, I was suddenly diagnosed with a disease that
causes loss of muscle tissue and touch sensation of my feet,
thus not being able to walk, run and stand normally or control
my feet very well. It is currently incurable. For a child who had
just entered elementary school, it was too hard to accept that
fact. For a while, I lost hope and meaning in life, thinking that
life was cruel and fate had brought an unfortunate event to
me, not others. Still, I gradually started to accept this fate and
as of now, I have overcome this hard voyage with my heart
and the beacon lights that guided me.
Another light that guided me was “truth” as you mentioned
in the speech. I came to an understanding that this disease
is also what makes up my body, personality and pattern of
thinking. This is the truth that I have to accept. This helped me
overcome the hardships and look forward to the future filled
with truth, love and devotion.
Life sometimes can be cruel. However, I learned from my
voyage that these are challenges brought to us by fate we
have to overcome. Thank you for your precious heart-warming
words and giving me this opportunity to look back at my life. I
give you my full respect.
One light that guided me was my family and friends. They
became a big support when trying to accept the disease and
to live with it. As the disease progressed, it became harder to
Yours Truly,
Akito Nakajima
講評
第15 回高校生エッセー・コンテスト審査委員長 英文学科 教授 髙橋
本学創立 100 周年の 2000 年から開始した高校生エッセー・コン
テストも、今年で 15 回目を迎えました。2014 年度のエッセー・コ
ンテストは、津田梅子生誕 150 周年記念事業の一環として実施し、
今回は津田梅子にちなみ、エッセーのテーマも、開校から 13 年後の
卒業式で梅子が卒業生たちに贈った言葉をとりあげました。
いくどもの「航海」を経験した梅子は、このスピーチの中で人生を航
海にたとえています。そして、荒波の中でも志を捨てることなく、暗闇
を照らす「真実」
「愛」
「献身」という「灯台」に導かれ、
勇気と情熱を持っ
て前進していくことの大切さを若い人たちに語りかけています。
高校生の皆さんには、あなたの航路を照らす「灯台」は何でしょう
か、という問いを投げかけました。苦しい時、迷った時、何か新たな
ことにチャレンジしなければならない時、あなたを導いてくれる「灯
台」について、梅子への手紙という形式でエッセーを書いてほしい、
というのが今年のテーマでした。
今回の応募総数は 71 編(内訳:英語 33 編、日本語 38 編)で、
特に英語で書かれたエッセーが多いのが特色でした。これまで自分が
6
Tsuda Today
裕子
直面した「暗闇」として、家族や学校のこと、友人との関係、また、
社会的不公正や闘病のことなど、様々な問題について考察し、皆さん
の真摯な気持ちが伝わってくる作品が多くありました。
しかし、「灯台」は単に具体的な指導をしてくれる人という以上に、
皆さんがこれから未来を切り拓いていく上で指針となるものでもあり
ます。そしてそれは必然的に、どこに自分自身が向かおうとしている
のかを考えることに繋がるという意味で、決して受け身で捉えられる
課題ではありませんでした。その点に今回のテーマの難しさがあった
と思います。
最優秀賞の中島さんは、幼少時から難病とともに生きるこれまでの
人生を過酷な「航海」にたとえ、支えてくれた家族や友人といった「灯
台」の存在に、感謝の気持ちを綴っています。さらに、「真実」もま
た自分を導く光の1つであったと述べ、病気を正面から受け止め、病
気と向き合っていく覚悟を、冷静で直截な文章で見事に表現しました。
明解な英語で書かれており、構成もしっかりとした作品であるという
評価を受け、審査員全員一致で最優秀賞に選ばれました。
Empowering Women since 1900
学位授与報告
■西尾
ななえ
学位授与の日付:2014 年 10 月 8 日
学位の番号:博士乙第 22 号
学位の種類:博士(文学)
学位論文題目:Emerson and His Ideas of Social Reform: Evolution, Race, and Gender
(エマソンと社会改革思想 ─ 進化、人種、ジェンダーからの考察)
学生報告
ダスキン障害者リーダー育成 海外派遣事業 ジュニアリーダー育成グループ研修
国際関係学科1年 道原
佳歩
この夏休み、私は公益財団法人ダスキン愛の輪基金「障害者ジュニ
クルーシブ教育にも問題点や課題がたくさんあることを知り、一概に
2 週間のイギリス研修に行って来ました。私がこの研修に参加した目
今回の研修で、私はイギリスの視覚障害教育を学べただけでなく、
アリーダー育成海外グループ研修プログラム」の第 34 期生として、
的は、イギリスの視覚障害教育の制度や現状を学ぶことです。今回の
研修で特に印象に残っているのが、オールダムの教育局で視覚障害教
育の支援をされている先生から、イギリスの視覚障害児教育の現状に
ついてのお話を聞いたことです。
イギリスでは障害のある者とない者が共に学ぶインクルーシブ教育
制度が進んでおり、ほとんどの視覚障害児は専門家から必要な支援を
受けながら一般の学校で健常者と一緒に学ぶことができています。し
かし、日常生活の自立を促進するための教育のしかたなど、改善しな
ければならない課題はまだまだ山積みだそうです。これまで私は、日
本もイギリスの進んだインクルーシブ教育制度をもっと積極的に取り
入れるべきだと思っていました。しかし、今回のお話を聞いて、イン
はこの教育制度を見習うべきだとは言えないと感じました。
視覚障碍者にとって本当に必要な教育とは何かということを当事者の
視点からじっくり考えることもできました。そして、充実した2週間
の研修を終え、私は以前から興味を持っていた視覚障害教育について
もっと知りたくなりました。
今後は、イギリス以外の国
にもどんどん行ってみたい
と思っています。
最後に、今回の研修でお
世話になった方々に心から
感謝しています。ありがと
うございました。
記念式典開催報告
津田塾大学─インディアナ大学 パーデュー大学インディアナポリス 協定20周年記念
アメリカ南西部のインディアナ大学 パーデュー大学インディアナポリスでは、1994 年より津田塾大学の学生のために独自の夏期
語学研修プログラムが実施されています。テーマは“Women in Leadership”。3 週間集中して英語を学ぶだけでなく、女性のリー
ダーシップについても焦点を当て理解を深めます。今年 8 月、同校にてサマープログラムの 20 周年を祝う式典が開催されました。
英文学科 教授 Mary
E. Althaus
On August 21, a reception was held in Indianapolis, Indiana,
to celebrate the 20th anniversary of the Tsuda-IUPUI (Indiana
University-Purdue University in Indianapolis) summer program.
This program focuses on women's leadership, and features
presentations by important local women who can serve as
role models. Started in 1994 by Dr. Ulla Connor of IUPUI and
faculty of the English Department at Tsuda, the program has
now provided training for approximately 500 Tsuda students.
Speakers at the reception included Dr. Charles R. Bantz,
the Chancellor of IUPUI, Dr. William Blomquist, Dean of the
IUPUI School of Liberal Arts, Theresa Kulczak, Executive
Director of the Japan-America Society of Indiana, Dr. Ulla
Connor, Director of the International Center for Intercultural
Communication (IUPUI), and Mary Althaus, Vice-President for
Academic Affairs at Tsuda College.
Five Tsuda students also gave speeches, and were much
praised for the content of their remarks, their poise, and their
English.
英文学科2年 長澤
史織 私はパブリックスピーキングの力を養うためにこのサマープログラ
ムに参加し、発言する力や言葉以外で伝えるノン・バーバルコミュニ
ケーションの技術などを学びました。また、式典では学生代表の一人
としてスピーチをしました。
式典では、プログラムに関わった方々がジョークで会場をどっと沸か
せるスピーチをしていましたが、聞き取れず、また、ジョークのつぼが
分からず自身の語学力のなさに悔しさを覚えました。しかし、先生が外
国人学生向けに平易な英語を使う教室内とは違い、よりフォーマルな
場でスピーチを聞き、私
自身もスピーチ台に立つ
と、身が引きしまる思い
でした。毎日が刺激の連
続だったこの研修から得
て、持ち帰ったことをこ
れからも携えていきたい
と思います。
Tsuda Today
7
no. 93
教員活動
国際関係学科 中村元哉准教授が中国、香港で講演されました
国際関係学科 准教授 中村
元哉
日中関係が好転の兆しをみせない中、中国国内では民主と憲政をめ
体性は大学キャンパス内で自明の前提であり、その最低ラインを基に、
法をめぐって、中国と香港は、台湾を巻き込みながら、複雑な関係性
ろん、情緒のコミュニケーション力ではなく理性的な教養力と専門力
ぐる摩擦が繰り返し発生している。さらに、香港の行政長官の選出方
日本の各大学は何をどう探究するのかを問われているのだろう。もち
を改めて露呈した。まさに私の研究テーマそのものが、日本を含む東
の往復に基づいてである。
アジア内部で問われている。
講演会「日本の中国観、台湾観、香港観と歴史認識問題」は、雨傘
革命の最中の香港大学で行われた(中国での講演会は延期)。この名
門大学に限らず、東アジアの学生と研究者はすでに濃密な交流を重ね
ている。学期中に月単位で、あるいは隔週で、日中・日台で講義をう
けもつ専任教員がいることも常態化した。日本側事務局代表としてオ
ブザーバー招聘された「両岸四地」(中国・台湾・香港・マカオ)シ
ンポジウムも、既に 15 年目を迎えた。
こうした時代潮流のなか、中国語圏の学生たちは、講演会を通じて
「日本の東アジア認識」を一緒に考えてくれた。もはや東アジアの一
主催者の香港大学 St. Jonh’s college 張院長
国際関係学科 柴田邦臣准教授が 2014 年社会情報学会「優秀文献賞」を受賞されました
国際関係学科 准教授 柴田
邦臣
「周りにある本の中で、一番“ありえない”研究書をつくろう」と
もうひとつの理由は、本書が社会学の本だからです。そう言うと
“健
理由は2つあります。ひとつめは、通常の研究書では、あの 2011
筆者のわがままを徹させてもらいました。社会学という知の本来の魅
いう意図で、本書『思い出をつなぐネットワーク』は企画されました。
年の大震災を描くことができない、と考えたからです。研究は実際に
はドロドロな苦悶と錯誤の反復作業ですが、特に書籍としてまとめた
場合には、美しく整理されて描かれがちです。しかし、今なお艱苦す
る被災地に正対するうち、それを素材として彩管を揮うような研究で
良いのか、悩みはじめました。「震災研究だけは、美しく描画されて
はならない」。そんな葛藤で刻苦するうちに、この“ありえない”出
来になってしまいました。
全な”社会学者や、共著の社会情報学者にも怒られそうですが、代表
力は、身近な違和感から全体社会そのものを射抜く飛躍力にありま
す。その意味で、一見“ありえない”違和感と飛躍に満ちた本書は、
まさにザ・社会学といえるでしょう。このような“ありえなさ”を貫
けたのも、私が「マイノリティの社会参加」を専攻する福祉領域の社
会学者だからと感じています。美談と固陋に包囲された潮流に棹さす
「Sociological Imagination」を、禿筆なりに記せていたら幸いです。
谷川俊太郎 & ユルク・ハルター〈日独連詩プロジェクト〉in 津田塾大学 が開催されました
9 月 8 日から 12 日まで、谷川俊太郎さん、ユルク・ハルターさん
を津田塾大学にお迎えして、日独連詩創作プロジェクトを催しまし
た。今年 5 月には「総合」でも講演された 1930 年生まれの谷川さん
は言わずとしれた日本を代表する現代詩人、1980 年生まれのユルク
さんはスイスの若手詩人であると同時に「Kutti MC」としても大活
躍中のラップミュージシャン。二人の電子メールを介しての詩的コ
ミュニケーションは、すでに 2012 年には連作詩集『Sprechendes
Wasser /話す水』Secession 社刊)に結実し、ベルン文学賞、ド
イツ装丁デザイン賞など数々の賞を受賞しています。今回のプロジェ
クトでは、前回とは対照的に、詩人と翻訳者 4 人が 5 日間にわたり
顔を突き合わせ、計 48 編の連詩を日独二言語バージョンで書き上げ
ました。日本語への翻訳は前作に続いて、本学国際関係学科教授の新
本史斉が担当しています。その制作過程は YouTube で生中継され、
成果はスイス国営テレビのニュースでも紹介されました。
8
Tsuda Today
国際関係学科 教授 新本
史斉
Empowering Women since 1900
B I L LBOA R D
千駄ヶ谷教育研究機構プロジェクト
「感じる、気づく、そして未来を考える ― 表現者が問いかけるもの」
いわさきちひろ × 松本猛・大島ミチル・村治佳織・高畑勲
「子どもの本を通しての国際理解を」という理念のもと、ドイツ
けています。
が 1953 年にスイスのチューリッヒに IBBY(International Board
のコラボレーションの企画を行います。出演者は、絵本画家・いわ
のユダヤ系ジャーナリスト、イェラ・レップマン(Jella Lepman)
今回、津田塾大学ならびにちひろ美術館共催でことばと絵と音楽
on Books for Young People:国際児童図書評議会)を創設。
さきちひろの仕事を広く紹介してきた松本猛、作曲家・大島ミチル、
2014 年で 40 周年を迎えました。子どもの本をめぐる国際的ネッ
してきた高畑勲です(敬称略)。
JBBY(日本国際児童図書評議会)が IBBY の支部として加盟して、
ギタリスト・村治佳織、そして独自のアニメーションの世界を開拓
トワークを通して、被災地の子どもたちを支援するなどの活動を続
■定 員:490 人(無料、申し込み要)
■プログラム:
第一部: 松本猛「ちひろの絵を読む」
いわさきちひろの映像+大島ミチル/村治佳織(演奏)
第二部:高畑勲「映画を作りながら考えたこと」
■お問い合わせ先:
JBBY(日本国際児童図書評議会)
〒 162-0828 東京都新宿区袋町 6 日本出版クラブ会館
象徴的に描かれているような気がします。
15
﹁やっぱり、﹃いのち﹄なんだろうと思うんです。
18
●
その﹃いのち﹄が大切だって言うのはものすごく
21 1
●
壮大なスケールの思想だと思うんです。﹂
30
●
﹃いのち﹄というものが、
﹃子ども﹄という形をとって、
東京
体育館
18
︵ 松本猛﹁母との﹃三度の出会い﹄﹂より︶
●大江戸線・国立競技場駅
A4 出口
︵定員490名 申し込み先着順︶
千駄ヶ谷
キャンパス
︵津田塾大学千駄ヶ谷キャンパス内︶
津田塾大学
会場 津田ホール
神宮外苑
代々木
●主催 J BBY︵日本国際児童図書評議会︶
東京
無料
始めさせてください―IBBY とイェラ・レップマン」の展示も行います。
JR 千駄ヶ谷駅
新宿
●お問い合わせ
1
ロビーにて、JBBY40 周年記念企画「平和というなら、まず子どもたちから
6
●共催 ちひろ美術館
︵公益財団法人いわさきちひろ記念事業団︶
津田塾大学
︵千駄ヶ谷教育研究機構 メディアスタディーズ・コース︶
1
TEL 03-5228-0051
FAX 03-5228-0053
E-MAIL [email protected]
Email:[email protected]
JR
J BBY︵日本国際児童図書評議会︶
〒 162-0828
東京都新宿区袋町 日本出版クラブ会館
●会場のご案内
﹁千駄ヶ谷駅﹂より徒歩 分
または都営大江戸線﹁国立競技場駅﹂
出口より徒歩 分
A4
2015年 月 日︵木︶
時 分∼ 時︵ 時開場︶
いわさきちひろ「ガーベラを持つ少女」1970年頃
TEL:03-5228-0051 / FAX:03-5228-0053
感じる、気づく、そして未来 を 考 える
■場 所:津田ホール(本学千駄ヶ谷キャンパス内)
松本猛・大島ミ チル・村冶佳織・ 高畑勲
×
︵J BBY/ちひろ美術館/津田塾大学千駄ヶ谷教育研究機構/同メディアスタディーズ・コース︶
午後 18:30 ~ 21:00(18:00 開場)
表現者 が 問いかけるもの
̶̶
いわさきちひろ
■日 時:2015 年 1 月 15 日(木)
青山
津田塾大学オフィシャルウェブマガジン
「plum garden」開設
英文学科 3 年生 泉 優花さんが
「MOS 世界学生大会 2014」に日本代表として出場しました。
津田塾大学の「いま」を世界に向けて発信する、津田塾大
2014 年 7 月 27 日~ 30 日(現地時間)
、マイクロソフト社のソフ
学オフィシャルウェブマガジン「plum garden」を開設しま
トウェアスキルを競う「MOS 世界学生大会 2014」決勝戦がアメリカ
した。教員・職員・学生が集う編集部が、津田塾大学の「ひ
のディズニーランド(カリフォルニア)で開催されました。
「MOS 世
と」
「まなび」
「キャンパス」
「できごと」を、写真や記事でお
界学生大会 2014」には、世界 130 ヶ国から延べ 74 万人の学生が参
伝えします。是非ご覧ください。
加し、日本代表を選ぶ国内選考には、延べ 4 万 5 千人が参加しました。
その中から選ばれた各国の代表達がそれぞれワード、エクセル、パワー
ポイントのスキルを競いました。
英文学科 3 年生泉優花さんはパワーポイント 2010 部門に日本代表
URL : http://pg.tsuda.ac.jp/
として出場し、20 位となりました。おめでとうございます。
絵画を寄贈いただきました
2014 年 10 月、日本画 1 点が小平キャンパスに寄贈され
ました。東京都在住の卒業生、
堤玲子様(英大 13)の作品「春」
です。
Tsuda Today
9
no. 93
最終講義のご案内
今年度で定年を迎えられる教員の最終講義を、以下のとおり予定しております。在学生、卒業生問わず、ぜひご出席下さい。
国際関係学科 山口
順子 先生
■日時:1 月 23 日(金)
2 限 10:30 ~ 12:00
「生きること、感覚すること、考えること
─ 身体とことばと私の研究」
■お問い合わせ:国際関係学科事務室 Tel.042-342-5155
ようこそ、津田塾大学へ
寄付者ご芳名
(2014 年 10 月 31 日現在 ABC 順 掲載希望者のみ)
2014 年 9 月に 8 名の交換留学生が津田塾大学に入学しました。
皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
教育研究のため
鶴田 敏 様
50,000 円
日光 豊典様、和美様(故章子様〔英大 44 回卒〕 ご両親)
1,000,000 円
高野 裕子 様
30,000 円
40 周年同期会(1974 年卒業)様
40,000 円
文具代として(教育研究用)
穴沢 素子 様
写真:左端より
1,000 円
図書費として
穴沢 素子 様
土居光知先生記念基金として
匿名 (辞書の印税)
■場所:5101 教室
フィリピン大学(フィリピン)
国際関係学科
ソフィア・メヒア
メトロポリタン自治大学(メキシコ)
国際関係学科
マリア・カペル
ウエスタン・ワシントン大学(アメリカ) 国際関係学科
ロザリン・ルーカス
153,695 円
東日本大震災被災学生支援募金
井上 孝雄 様 小林 隆広 様 椿 清文 様
40 周年同期会(1974 年卒業)様他 52 名様
育児と学業の両立支援
津田梅子生誕 150 周年記念募金
長谷川 道雄 様
井上 孝雄 様 小林 隆広 様
高橋 隆 様
ミネソタ州立大学モアヘッド(アメリカ) 国際関係学科
アリエル・サーマンス ミネソタ州立大学モアヘッド(アメリカ) 国際関係学科
1,000 円
教育振興資金
井上 孝雄 様 小林 隆広 様 岡本 友香 様
セーラ・リッチ
ユニス・パマ
カンザス大学(アメリカ)
国際関係学科
ニコール・プレネボ
カンザス大学(アメリカ)
国際関係学科
ベス・フォイト
ミネソタ州立大学モアヘッド(アメリカ) 国際関係学科
他 56 名様
3 名様
9 月に入学した交換留学生の皆さんと國枝学長(写真中央)
他 46 名様
理事会・評議員会報告
策について
▼
第 231 回理事会 2014 年 6 月 26 日
1. 千駄ヶ谷キャンパスの新教学組織に関する件
▼
4. 大学院後期博士課程の学位授与状況について
2. 千駄ヶ谷キャンパスの整備に関する件
【審議事項】
5. 各種ハラスメントの相談窓口について
1. 2014 年度入学試験の他大学の状況について
▼
第 232 回理事会 2014 年 7 月 25 日
【審議事項】
1. 津田塾大学学則の一部改正に関する件
第 233 回理事会 2014 年 9 月 26 日
1. 2014 年度補正予算(案)に関する件
2. 千駄ヶ谷キャンパス新教学組織に関する件
▼
【報告事項】
3. 千駄ヶ谷キャンパスの整備に関する件
【審議事項】
【報告事項】
2. 2014 年度在学生学費に関する件
3. 千駄ヶ谷キャンパス新教学組織に関する件
4. 千駄ヶ谷キャンパスの整備に関する件
▼
4. 千駄ヶ谷キャンパスの整備に関する件
【諮問事項】
【報告事項】
1. 学校教育法及び国立大学法人法改正への対応
Tsuda Today
1. 2014 年度補正予算(案)に関する件
2. 学校教育法の一部改正について
3. 千駄ヶ谷キャンパスの新教学組織に関する件
5. 外務省主催のシンポジウムへの参加に関する件
第 234 回理事会 2014 年 10 月 24 日
1. 外務省主催のシンポジウムへの参加について
2. 津田塾大学大学院学則の一部改正に関する件
10
2. 千駄ヶ谷キャンパスの整備について
3. 学校教育法等の改正について
【審議事項】
第 168 回評議員会 2014 年 10 月 24 日
1. 2014 年度補正予算(案)に関する件
【報告事項】
1. 千駄ヶ谷キャンパス新教学組織について
【報告事項】
1. 学校教育法等の改正について
2. スーパーグローバル大学創成事業に関する経
緯について
Empowering Women since 1900
2015 年度 一般入学試験日程
A 方式(本学独自入試)
出願期間
英 文 学 科
国際関係学科
数
学
科
2015 年
1/5(月)
~
1/27(火 )
情報科学科
B 方式(センター試験+個別学力試験)
試験日
募集人員
2/6(金)
110
2/5(木)
155
2/7(土)
25
出願期間
試験日
募集人員
C 方式(センター試験のみで選考)
出願期間
試験日
募集人員
40
30
2015 年
1/5(月)
2/28(土)
~
2/17(火)
25
25
5
2015 年
大学入試
1/5(月) センター試験
1/17(土)
~
1/16(金) 1/18(日 )
5
30
5
10
B 方式入試が受験しやすくなります!
Point 1
新たに 3 会場を新設し、全国 9 都市で受験可能です。
受験会場:札幌、仙台、水戸、東京(本学小平キャンパス)
新潟、静岡、名古屋、大阪、福岡
Point 2 試験を 1 日のみとし、併願しやすくなります。
2015 年 2 月 28 日 10:00 〜 12:00 国際関係学科、数学科
13:30 〜 15:30 英文学科、情報科学科
Point 3 複数学科に出願すると、受験料が割引になります。
1 学科単願の場合:25,000 円
2 学科併願の場合:40,000 円
【1 学科につき 5,000 円割引】
正門が改修されました!
経年により老朽化していた正門とその周辺の環境を整備しました。バス停留所の
段差をなくしたことで、広々とした歩きやすいスペースになりました。また、門扉
やインターロッキングは、本学の
シンボルであるハーツホン・ホー
ル(本館)との調和を意識したカ
ラーを採用し、より一層、統一感
のある景観になっています。あわ
せて、周囲の木々を整理すること
で明るく開放的な雰囲気になり、
ハーツホン・ホールがさらに際立
つようになりました。
テニスコートがリニューアル
されました!
授業やサークル活動でテニスコートを利用す
る機会が増えています。これまでのクレイコート
は天候に左右されやすいという難点がありました
が、今回の人工芝整備事業により、雨後も短時
間でプレーが再開できるなど使いやすい環境にな
りました。採用した人工芝は、数多くの国際大会
やインターハイの会場でも使用されている製品
で、人工芝と細かな砂を組み合わせたコートは、
ウェットでもドライでも適度な滑りと弾力性が保
持され、足腰への負担が軽減されます。
津田梅子伝記 The White Plum が
再出版されます
本学名誉教授古木宜志子先生が 1991 年に出版された津
田梅子の英語の伝記 The White Plum(初版 New York :
Weatherhill, 1991)が再出版されます。この書籍は絶版と
なり入手困難でしたが、古木先生のご尽力により再度出版
されることになりました。ご希望の方は企画広報課、津田
塾大学生活協同組合、洋書店にお問い合わせください。
出版社 University of Hawaii Press ISBN:978-0-8248-5339-6 予価:$31.00
出版予定 12 月中
Tsuda Today
11
no. 93
12
Tsuda Today