理文融合科目開講 - 津田塾大学

津田塾大学 女性研究者支援センター
Center for Women in Research Newsletter No.3
Jul 2009
目次:
 理文融合科目開講
 メンター制度始動
 第 3 回・4 回メンターカフェを開催
 夏の合宿 2009 開催
 SNS と Web サイトの最新情報
 第 2 回シンポジウム開催決定
 センターのあゆみ(2009 年 4 月~6 月)
津 田 塾 大 学 女 性 研 究 者 支 援 セ ン タ ー (Center for Women in
Research) では、平成 20 年度文部科学省科学技術振興調整費
「女性研究者支援モデル育成」による委託事業として採択された「世代
連携・理文融合による女性研究者支援」を推進しています。本プログ
ラムでは、出産・育児を抱える女性研究者をさらに積極的に支援し
つつ、世代連携と理文融合を両輪として、次世代研究者を育成して
いきます。このニュースレターでは、本プログラムの進捗状況・最新情報
をお伝えいたします。
TOP NEWS
理文融合科目開講
2009 年度より、理文融合科目を開講しました。理文融合科目は、理系的・文系的視点を持ち合わせた柔軟性の
高い学生、および ICT 分野の研究者を目指す学生の輩出を狙った科目です。
技術英語 A: 山元里美特任講師 (女性研究者支援センター)
この授業は、アメリカの社会調査データを用いて、英語で数表を正確に読み取れる力
をつけることをねらいとしています。教材には、米国の文化、社会、政治等のテーマを
扱います。理系の学生は、統計学の英語表現に慣れ親しむだけでなく、英語で解析結
果を書くことで文系的思考力を培うことを目標とします。また、文系の学生は数表を正
確に読み取る際に必要な計算方法を理解し、統計解析ソフト SPSS を使うことで、理
系的思考力を培うことを最終目標とします。
技術英語 B: 川添愛特任准教授 (女性研究者支援センター)
この授業では、情報科学の歴史を英語で読むことによって、情報科学・数学分野の語
彙を増やし、読解力を高めるとともに、「コンピュータとは何か」について考察を深める
ことをねらいとしています。特に、理系の学生には、現在取り組んでいるテーマの歴史
的な位置付けを学ぶことでより深い理解を促し、文系の学生には、理系分野の翻訳や
通訳に必要な基礎知識を身につけることを目指します。また、情報科学史における女
性の貢献にも焦点を当てて解説します。
知的財産概論 A: 平塚三好准教授 (東京理科大学専門職大学院)
知財の世界で活躍する女性は、弁理士や企業のブランドマネジメント担当等、非常に多く存在
します。そこでこの授業では、単なる法律知識の詰め込みではなく、将来、社会で活躍する者
が必要とされる実務能力の基礎を習得すると共に、知的財産に関する身近なトピックスを事例
としてあげつつ、国際的センスの獲得を視野に入れ、知的財産全般の基礎的な実践能力の涵
養を目指します。
テクノロジー特別講義 A 講師一覧
・小舘香椎子氏(日本女子大学)
・秋田カオリ氏(東京農工大学)
・和泉順子氏(奈良先端科学技術大学院大学)
・寺﨑明氏(総務審議官)
・山田敬嗣氏(NEC C&Cイノベーション研究所)
・岡谷重雄氏(文部科学省)
・齋藤加代子氏(東京女子医科大学)
・塩満典子氏(お茶の水女子大学)
・由井典子氏(Queen’s University)
・田中智子氏(フランステレコム(株))
・宮川祥子氏(慶應義塾大学)
テクノロジー特別講義 A: 来住伸子教授・小舘亮之准教授・
高橋裕子教授 (女性研究者支援センター)
この授業では、理文融合領域のさまざまな話題を、学内、学外の講
師から伺います。理文融合とは、本学での取り組みを表現するた
めの造語ですが、理系分野の学生が、研究者や専門職に必要とさ
れる幅広い教養を身につけることと、文系分野の学生にテクノロジ
ーへの関心を深めてもらうことの 2 点を意味しています。そのた
め、企業、学界、官界などで活躍されている方をお招きし、テクノロ
ジー、とくに情報通信技術とその学際分野に関するさまざま話題に
ついてお話して頂きます。
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メンター制度始動
2009 年 1 月から 3 月までのメンター制度の試験的運用の結果
に基づき、メンター制度の概要を以下のように決定いたしました。
定期相談窓口を中心に、相談者に合ったメンターのマッチング、
およびメンターによる講演会(メンターカフェの開催)を通して、研
究者を目指す学生および現役研究者の支援に努めます。
<定期相談窓口>
4 月中旬から窓口相談員として本学理学研究科の大学院生 10
人が、毎週水曜日に以下の相談を受け付けています。
 研究者の仕事やキャリアパスについての質問・疑問
 大学院進学、留学、研究職への就職など、研究者を目
指す学生の進路相談
 結婚、子育て、介護と研究の両立
 本学の女性研究者支援制度および当センターへの要望
4 月から 6 月までの 3 か月間で、7 名の相談者がありました。相談内容は大学院進学や留学に加え、文系から理
系への進学など専門分野の変更についての相談もありました。
<メンター登録者の募集>
定期相談窓口の本格運用開始に伴い、大学院生および卒業生から広く「メンター」と
して登録してくださる方の募集を始めました。定期相談窓口だけでは対応しきれない
特定の専門分野や職種、キャリアパスについての相談があった場合、当センターがメ
ンター登録者から適任者を選んで紹介を行います。
<メンタリング講習会の開催>
4 月 15 日に東京農工大学からカウンセラーの上遠文恵氏をお招きし、メンターの役
割、傾聴の仕方、相手の話を整理する方法、アドバイスの仕方等についてご講演い
ただきました。女性研究者支援センターの教員と窓口相談員が参加し、相談を受ける
際の基本的な姿勢について学ぶことができました。
第 3 回、第 4 回メンターカフェを開催
第 3 回メンターカフェ 講演概要
「なぜ一般企業に就職しなかったか?
研究生活を続けている理由」
講師:杉浦学特任助教(女性研究者支援センター)
なぜ企業に就職せずに研究生活を続けているのか?と
いう問いに対して、研究に対する情熱が伝わる講演であ
ったことが、その答えであったようです。具体的に研究生
活を続けている理由として「研究内容」「指導教員の存
在」「仲間の存在」「家族の応援」を挙げ、全て大事な要
素であると語りました。講演の最後には「夏の合宿」担当
者である講演者みずから、学生チューターの募集案内を
行い、学生からの質問に答えるという場面もあり、講演
者・参加者ともに有益な講演会となりました。
第 4 回メンターカフェ 講演概要
「とある卒業生が“研究職”を選んだわけ」
講師:山本千尋氏(NTT サイバーソリューション
研究所 社員)
山本氏は、本学情報数理科学科を卒業後、早稲田大
学大学院 国際情報通信研究科修士課程を卒業。
2008 年より現職に就かれました。山本氏の修士課程
に進学した理由やインターン・留学経験は、現役の学
生にとって非常に魅力ある話題で、講演後には質問を
待つ学生の列が出来ていた程です。講演では、独自
に研究者とは何か?を学生にわかりやすく説明する
ために、職場の先輩(同僚)にアンケートを行い、研究
職の魅力を十分に伝えてくれました。
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夏の合宿2009開催
女子高校生を対象に、2 泊 3 日の夏の合宿を 8 月 14 日
(金)~16 日(日)に、小平キャンパスにて開催します。
この合宿では、(1)最新の情報テクノロジーによる「ものづく
り」の楽しさや数学の面白さを学ぶための実習、(2)津田塾
大学の学生・卒業生との交流、などを企画しています。実習
は、以下を予定しています。
 みらいのメディアで情報発信
「iPod Touch で Let’s Podcast!」 (8 月 14 日、16 日)
 あたらしいテクノロジーでものづくり
「ソフトウェアを手作りしてみよう」(8 月 14 日)
「パーソナルロボットをデザインしてみよう」(8 月 15 日)
 数学のたのしさ再発見
「触って、見て、楽しむ微積分」(8 月 15 日)
「音階の成り立ち調べと楽器づくり」(8 月 15 日)
実習を担当する講師の1人である足立久美子先生(津田塾大学、
横浜市立大学非常勤講師)より、メッセージをお寄せ頂きました。
「音楽の中の数学 iPod を利用して秘密発見」
音楽の中には数学的なことがいろいろとたくさんふくまれています。グラ
ンドピアノはなぜあのように S 字を延ばしたような形なのでしょうか、また
ギターのフレットは等間隔でなく、徐々に狭くなるように作られているのは
何故なのでしょうか。今回の講座では音階ドレミファソラシドがどのように
して成り立っているのかを解明してみます。音階の仕組みが分かれば、
楽器を作ることができます。工作用紙で紙笛を作り、みんなで演奏をして
みたいと思っています。またおなじみ円周率π =3.14592653・・・・の
数の並びを音階におきかえた音楽があります。それも聞いてみたいと思
っています。今回の講座では携帯音楽プレーヤーの iPod Touch を利用
します。私は iPod を知りませんでしたが、女性研究者支援センターの協
力により、iPod を利用した講座の内容構成を考えることができました。年
をとってもこのように教えていただき学べることに出会えて感謝していま
す。まさにこのセンターの目的である世代連携が名実ともになされている
存在意義をありがたく思いました。
SNS と Web サイトの最新情報
メッセージページを公開しました。
テクノロジー特別講義の講師や外
部メンターなど本センターに関わっ
てくださった方々に、質問形式でメ
ッセージをお寄せ頂きました。
質問は下記の 3 つです。



SNS サイト「うめこみゅ」に新し
いコミュニティが、誕生しまし
た。その名も「研究のススメ」で
す。
女性研究者の環境・支援につい
て紹介するコミュニティです。
週に 1 回、センターの教員が中
心となってリレー形式で書き込
んでいきます。
(1)本センターに対して期待してい
ることは何ですか?
(2)学生時代にやってよかったこと
は何ですか?
(3)若い世代にメッセージをお願い
します。
メッセージページ URL はこちら↓
http://cwr.tsuda.ac.jp/message/index.htm
l
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第 2 回シンポジウム開催決定
「ICT 分野で国際的に活躍できる女性人材の育成を考えるー日欧の事例を中心に」
津田塾大学女性研究者支援センターでは、シンポジウムをシリーズで開催しています。今回はその第2回として、情報通信及び
関連分野における女性研究者支援、女子教育の取り組みについて、ヨーロッパの事例と日本の事例について紹介すると共に、
国際的に活躍できる女性人材をどのように育成すべきかについて、議論します。
特別講演

我が国における女性研究者支援の現状と課題
藤澤美穂(内閣府 男女共同参画局 推進課長)

グローバル競争時代の情報通信 –国際競争力の向上と安心ネット社会の構築に向けて
山田真貴子(総務省 総合通信基盤局 総務課長)
基調講演

フィンランドにおける女性研究者支援-情報科学の理文融合分野を中心に
Dr. Helinä Melkas (Adjunct Professor, Lappeenranta University of Technology, Lahti School of Innovation, Finland)

ドイツ・ブレーメン大学における女性のための国際情報科学教育プログラム
Prof. Dr. Heide-Rose Vatterrott, Prof. Dr. Axel Viereck (Hochschule Bremen, Germany)
パネル討論

ICT 分野で国際的に活躍できる女性人材の育成と情報科学教育
パネリスト:特別講演者 2 名、基調講演者 3 名、重木昭信氏(株式会社 NTT データ:代表取締役副社長)、来住伸子(津田塾大学
教授)、杉浦学(津田塾大学女性研究者支援センター特任助教 / 学習院高等科 非常勤講師(情報担当))
日時: 2009 年 10 月 17 日(土)13:00〜17:00(終了後懇親会)
場所: 東京都渋谷区千駄ヶ谷 1-18-24 津田塾大学 津田ホール 1 階 会議室 T101
主催: 津田塾大学
協賛: 男女共同参画学協会連絡会、電子情報通信学会、情報処理学会、ACM Japan Chapter、IEEE Japan Council Women in Engineering
後援: 総務省、国立女性教育会館、フィンランド大使館、フィンランドセンター、ドイツ大使館、ドイツ学術交流会、ドイツ研究振興協会、駐日欧州
委員会代表部
センターのあゆみ(2009 年 4 月~6 月)
4月1日
4 月 15 日
・柳澤智子特任職員着任
・メンター講習会開催
於:津田塾大学交流館スペース 2
センターの事務全般を
6 月 15 日
・夏の合宿申し込み〆切
(応募人数:51 名)
講演者:上遠文恵氏(東京農工大学)
担当いたします。女性
研究者の方々の環境
6 月 24 日
が、より良くなるお手
5 月 15 日
伝いができればと思
います。どうぞよろしく
・夏の合宿申し込み開始
お願いします。
(募集人数:32 名)
・第 4 回メンターカフェ開催
於:津田塾大学小平キャンパス
津田梅子記念交流館スペース 2
講演者:山本千尋氏
(NTT サイバー ソリューション研究所)
・理文融合科目開講
5 月 27 日
技術英語 A:木曜日 2 限
・第 3 回メンターカフェ開催
技術英語 B:月曜日 3 限
知的財産権 A:水曜日 3 限
テクノロジー特別講義 A:木曜日 4 限
編集後記
於:津田塾大学小平キャンパス 津田梅子記念交流館スペース 2
講演者:杉浦学特任助教(本学女性研究者支援センター)
(編集責任者
久保 順子)
2009 年度を迎え、津田塾大学女性研究者支援センターも多くのプロジェクト
を本格始動させることができました。夏の合宿や秋のシンポジウムなど、この
後もイベントが目白押しですが、引き続き関係者の皆様のご協力を頂ければ
幸いです。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
〒187-8577
東京都小平市津田町 2-1-1
津田塾大学女性研究者支援センター
TEL&FAX:042-342-5142
E-MAIL:[email protected]
URL:http://cwr.tsuda.ac.jp/