ハバード模型とモット転移 Department of Physics, Nagoya University 1 モット絶縁体 ( 第 1 回の復習 ) 電子の波動性が強調された状態 ( 金属 ) と、電子の粒子性が強 調された状態 ( モット絶縁体 ) の間で生じる新現象がある → そのひとつが高温超伝導 Department of Physics, Nagoya University 2 ハバード模型 ハバード模型の近似解 LaTiO3 のモット転移 V2O3 のモット転移 Department of Physics, Nagoya University 3 場の量子化 arXiv: 0906.1640 Department of Physics, Nagoya University 4 ハバード模型 強相関電子の標準理論 cond-mat/9801294 Department of Physics, Nagoya University 5 2 サイトのハバード模型 Department of Physics, Nagoya University 6 固有エネルギー Department of Physics, Nagoya University 7 エネルギー準位 Department of Physics, Nagoya University 8 ハバード模型 ハバード模型の近似解 LaTiO3 のモット転移 V2O3 のモット転移 Department of Physics, Nagoya University 9 Hartree-Fock 近似による相図 U/t Penn, Phys. Rev. 142 (1966) 350 Department of Physics, Nagoya University 10 RPA 近似による解法 埼玉大学佐宗先生 の Web サイトから 電子を一つだけしか収容できない 2 つのバンド ( 幅は t 程度 ) に分裂し、 U 程度のギャップが開く。 これらを upper (lower) Hubbard band という Department of Physics, Nagoya University 11 動的平均場近似による解法 Z ~ 1/m* Rev. Mod. Phys. 68 (1996) 13 有効質量の増大( Brinkman-Rice 描像 ) と インコヒーレント部分 (Hubbard バンド ) の分離 U が大きくなると有効質量が増大する Department of Physics, Nagoya University 12 コヒーレンスピークの温度変化 Rev. Mod. Phys. 68 (1996) 13 Department of Physics, Nagoya University 13 ハバード模型 ハバード模型の近似解 LaTiO3 のモット転移 V2O3 のモット転移 Department of Physics, Nagoya University 14 Sr1-xLaxTiO3 の物性 PRL 70 (1993) 2126 ペロブスカイト構造 ランタニド ( 黄色 ) の単純立 方格子の体心に TiO 八面体 Department of Physics, Nagoya University 15 有効質量の増大 σ∝n/m MI 転移 σ→0 n → 0 ( 半導体 ) m → ∞ ( モット絶縁体 ) Ti 系では m→∞ PRL 70 (1993) 2126 Department of Physics, Nagoya University 16 バンド幅の制御 PRL 75 (1995) 3497 ランタニドのイオン半径を小さくすると TiO 八面体が傾く → Ti-O-Ti の角度が 180 度より小さくなっていく → バンド幅が小さくなる Department of Physics, Nagoya University 17 ハバード模型 ハバード模型の近似解 LaTiO3 のモット転移 V2O3 のモット転移 Department of Physics, Nagoya University 18 V2O3 のモット転移 Limelette et al. Science 302 (2003) 89 Department of Physics, Nagoya University 19 電子相図 McWhan et al. Phys. Rev. B7 (1973) 1920 Limelette et al. Science 302 (2003) 89 Department of Physics, Nagoya University 20 モット転移の臨界性 Limelette et al. Science 302 (2003) 89 Department of Physics, Nagoya University 21 スケーリング Limelette et al. Science 302 (2003) 89 モット転移は、液 体ー気体転移と同 じ臨界指数を持つ Department of Physics, Nagoya University 22 有機導体の場合 Kagawa et al. Nature 436 (2005) 534 Department of Physics, Nagoya University 23 あたらしい臨界指数 Kagawa et al. Nature 436 (2005) 534 Department of Physics, Nagoya University 24 第 2 回のまとめ ハバード模型は、同一サイト上での電子間斥力だけを 扱った簡単なハミルトニアンにも関わらず、多彩な振る 舞いを示す 動的平均場近似では、モット転移は有効質量の発散と ともにギャップが開く転移と理解される 有効質量の増大は LaTiO3 で実際に観測されている。 モット転移の臨界性も精密に調べられ、臨界指数は液 体ー気体転移と同じであることがわかった ( すべての モット転移系でというわけではない ) Department of Physics, Nagoya University 25
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