自然科学入門(化学) 第 8 回 8-1 前回のまとめ ( pH の計算 :水素イオン濃度の逆数の対数、 水中ではH3O+ ) 問 1. 以下の水素イオン濃度 ([H+] )及び水酸化物イオン濃度([OH-])溶液の pH を求めなさい。 1) [H ] 0.1 mol / L 3) [OH ] 0.05 mol / L 2) [H ] 2 10 6 mol / L 4) [OH ] 3 10 4 mol / L 問 2. 以下のpH 又はpOH を示す溶液の 水素イオン濃度([H+] )を求めなさい。 1) pH 1.0 3) pH 2.30 2) pOH 4 4) pOH 8.70 問 3. 以下の強酸・強塩基溶液の pH を求めなさい。 1) 0.1 mol / L HCl 3) 5 10 4 mol / L HNO 3 5) 0.05 mol / L KOH 7) 3 10 5 mol / L NaOH 2) 0.1 mol / L H2 SO 4 4) 3.65%( w / v ) HCl 6) 0.2 mol / L Ca(OH) 2 8) 1% NaOH 問 4. 以下の弱酸・弱塩基溶液の pH を求めなさい。 1) 0.05 mol / L CH3 COOH ( 0.015 ) 3) 5 10 4 mol / L CH3 COOH ( 0.02) 5) 0.05 mol / L NH3 ( 0.015 ) 7) 3 10 5 mol / L NH3 ( 0.03) 2) 0.1 mol / L HCOOH ( 0.005 ) 4) 0.2%( w / v ) CH3 COOH ( 0.01) 6) 0.1 mol / L CH3NH2 ( 0.008 ) 8) 1.7% NH3 ( 0.006 ) 3 中和滴定 (p 46 ) 8-2 中和反応:水中では、酸と塩基が反応して塩と水が生成する HCl NaOH NaCl H2 O 酸 + 塩基 塩 + 水 酸 H2 SO 4 CH3 COOH HCl + 塩基 塩 + 水 2 NaOH Na 2 SO 4 H2 O NaOH CH3 COONa H2 O NH3 ( NH 4 OH) NH 4 Cl H2 O 水中では、 H+ とOH- が 反応し、H2O が生じる 標準液 ビュレット中には 10個/mLの * 中和=中性になることとは違う 中和滴定:中和反応(化学反応)を利用して、試料中の濃度(量)を測定する HCl NaOH NaCl (? 個) ( V個) ( V個) ? V (mol) H2 O 100 個の だけになった 何 mol づつ反応 (何個) 〇 試料濃度 N’(mol/Lの濃度)、試料溶液量 V’(mL) を使用 その中には N’ x V’ mol が含まれる 10 mL 加えたら がなくなった 標準液濃度 N (mol/L)、標準液量 V (mL)と反応 (標準液 V mL中には N x V mol が含まれる) NV N' V' 未知数は N’ 〇 試料量 S mg (その中にy mg = x mmol)、 滴定(標準液 N mol/L、 V mL) x NV y NV Aの分子量 y 純度(%) 100 S *NV=N’V’ を用いるときは、H+ と OH- の反応であることを忘れずに! 試料中には 100個の があった。 P 46 練習問題改 1) 濃度未知の酢酸 (CH3COOH : 60.0) 水溶液 20 mL を中和するのに、0.25 mol/L の水酸化ナトリウム (NaOH : 40.0)水溶液 40 mL を要した。この酢酸のモル濃度 (mol/L) 及びパーセント濃度 (w/v %) を求めなさい。 <モル濃度> NV N' V ' より 0.25 (mol / L ) 40 (mL ) N' (mol / L ) 20 (mL ) <パーセント濃度> 2) 3 100 3 w / v% 100 濃度未知の硫酸 (H2SO4: 98.0) 10 mL を中和するのに、0.30 mol/L の水酸化ナトリウム(NaOH : 40.0)水溶液 40 mL を要した。この硫酸のモル濃度 (mol/L) 及びパーセント濃度 (w/v %) を求めなさい。 <モル濃度> 硫酸の濃度を N' mol / Lとすると、その水素イオン濃度は 2 N' mol / L となるので、 0.30 (mol / L ) 40 (mL ) 2 N' (mol / L ) 10 (mL ) N' 0.6 (mol / L ) <パーセント濃度> 3) 0.5 (mol / L ) 0.5 60 g / L 30 g / L 3 g / 100 mL N' 0.5 (mol / L ) 0.6 (mol / L ) 0.6 98 g / L 58.8 g / L 5.88 g / 100 mL 5.88 100 5.88 w / v% 100 水酸化ナトリウム(NaOH: 40.0) 1 g 水に溶かした。この溶液を中和するのに、1.0 mol/L の塩酸 20 mL を要した。この水酸化ナトリウムの純度 (%) はいくらか。 中和反応式(化学反応式)は NaOH HCl NaCl H2 O 1 (mol) : 1 (mol) の反応である 1 mol / L HCl 1 mL 1 (mol / L ) 1 (mL ) 1 mmol HCl 1 mmol NaoH 1 40 40 mg NaOH 1 mol / L HCl 20 mL を要したから 20 40(mg) 800 mg 0.8 g 0 .8 100 80% 1 8-3 滴定の終点(当量点、中和点)はどのように決めるか 8-4 滴定曲線: 標準液の添加量 (mL) とそのpH 変化を示したもの 14 pH 酢酸、塩酸、アンモニア を標準液で滴定したときの pH 変化 12 0.1 mol / L NH3 0.1 mol / L HCl 終点(過不足なく反応した点)ではpH が大きく変化している。 10 PP 8 0.1 mol / L CH3 COOH 0.1 mol / L NaOH 6 pH ジャンプ この付近の滴定量では、1滴でpH が大きく変化 MR 4 0.1 mol / L HCl 0.1 mol / L NaOH 20.00 mL HCl 19.95 mL NaOH 20.00 mL HCl 20.05 mL NaOH 2 pH 3.90 pH 10.10 1滴で 6 変化 0 0 10 20 30 40 mL この間であれば誤差はほとんどない! 終点付近のpHとなるように滴定する 0.1 mol / L HCl 0.1 mol / L NaOH pH 指示薬 : pH により構造が変わり、色が変化する(変色域) 代表的な pH 指示薬 指示薬 例 フェノールフタレイン (PP) 変色域(pH) メチルレッド (MR) 3.1 (赤) ~ 4.4 (橙黄) メチルオレンジ (MO) 4.2 (赤) ~ 6.2 (黄) ブロモチモールブルー (BTB) 6.0 (赤) ~7.6 (青) フェノールフタレイン (PP) 8.0 (無) ~ 9.8 (赤) 無色(酸性) 赤紫色(塩基性)
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