URL: www.walden.co.jp 文責: 室谷吉行 E-mail: [email protected] 電話番号:03 (3553) 3769 日本空調サービス(4658) 連結通期 ( 百万円) FY03/2013 FY03/2014 FY03/2015会予 FY03/2014 FY03/2015会予 連結半期 ( 百万円) 1Q-2Q FY03/2014 3Q-4Q FY03/2014 1Q-2Q FY03/2015 3Q-4Q FY03/2015会予 1Q-2Q FY03/2015 3Q-4Q FY03/2015会予 売上高 前年比 前年比 35,574 39,868 39,300 12.1% (1.4%) 売上高 前年比 前年比 17,545 22,323 17,950 21,350 2.3% (4.4%) 営業利益 1,317 1,869 1,800 41.9% (3.7%) 営業利益 814 1,055 877 923 7.7% (12.5%) 経常利益 1,404 1,926 1,900 37.2% (1.4%) 経常利益 846 1,080 922 978 9.0% (9.4%) 純利益 711 1,100 950 54.6% (13.7%) 純利益 448 652 450 500 0.5% (23.3%) EPS DPS BPS ( 円) 41.3 63.8 55.1 EPS ( 円) 16.0 18.5 20.0 DPS ( 円) 617.8 665.4 BPS ( 円) ( 円) ( 円) - - - 出所:会社データ、弊社計算 1.0 エグゼクティブサマリー(2014 年 12 月 17 日) 着実な業績拡大 病院及び研究施設における空調設備などのメンテナンスサービスを中核事業とする日本空調サービスの短期的 な業績推移が堅調である。また、2012 年 4 月のトップマネジメントの交代を経て、不採算案件の受注回避を徹 底する一方、受託施設別では、自社の強みが活かせる大規模病院などへの経営リソースの集中を進めてきた同社 では、中長期的にも着実な業績拡大が享受される見通しである。同社の中期経営計画によれば、2014 年 3 月期 から 2018 年 3 月期の 5 年間に向けて、CAGR増収率 3.1%、増益率 10.8%(営業利益ベース)が見込まれて いる。ただし、直近の業績動向に鑑みれば、同社は、ここでの想定以上の成長率を達成していく方向性にある。 また、同社は、中期経営計画の最終年度である 2018 年 3 月期に対して、1 株当たり配当金 30.0 円(配当性向 50.0%、2014 年 4 月 1 日付けの 1:2 株式分割調整済み)の達成を計画している。2013 年 3 月期の実績である 1 株当たり配当金 16.0 円(配当性向 38.7%)との比較では、絶対額がほぼ倍増する一方、配当性向も上昇する。 同社は、中長期的な業績拡大を着実に達成していくと同時に、積極的な配当を通した株主への利益還元を進めて いきたいとしている。 2015 年 3 月期第 2 四半期累計期間は、売上高 17,950 百万円(前年同期比 2.3%増) 、営業利益 877 百万円(7.7% 増)、営業利益率 4.9%(0.3%ポイント上昇)での着地となった。同社の収益源であるメンテナンスサービスで、 売上高 13,845 百万円(6.9%増) 、リニューアル工事で売上高 4,104 百万円(10.5%減)である。前者においては、 主力の病院及び研究施設における新規受注案件 5 件の獲得が大きく寄与した。一方、後者においては、コンビニ 向け省エネ高圧化工事及びソーラーパネル設置工事の受注一巡が大きな減収要因となった。また、売上総利益率 17.6%(0.6%ポイント上昇)、販管費売上高比率 12.7%(0.3%ポイント上昇)である。メンテナンスサービス においては、上述の不採算案件の受注回避及び自社の強みが活かせる受託施設への集中が奏功し、売上総利益率 19.7%(0.4%ポイント上昇)と、着実に売上総利益率が上昇した。これに対して、リニューアル工事では、売上 1 総利益率 10.4%(0.1%ポイント低下)と、メンテナンスサービスとの売上総利益率の格差が拡大する方向性で の推移となった。更には、一時的な要因で販売管理費の増加が大きくなったものの、メンテナンスサービスにお ける増収及び売上総利益率の上昇がより大きく寄与した。また、ここでの一時的な要因とは、2014 年 4 月 28 日、 創業 50 周年を迎えた同社がこれに際して一定の費用を拠出したことに起因する。 2015 年 3 月期に対する会社予想は据え置かれている、売上高 39,300 百万円(前年比 1.4%減)、営業利益 1,800 百万円(3.7%減) 、営業利益率 4.6%(0.1%ポイント低下)の見込みである。これを基準とした場合、第 2 四半 期累計期間における業績の進捗率は、例年以上に高い水準を示している模様である。同社の収益源であるメンテ ナンスサービスの売上高の中核(67%:2014 年 3 月期の実績)を占めるのが、年間を通して一定の売上高を期 待できる期間契約業務であることに鑑みれば、通期の業績推移が当初の会社予想に対して上振れる可能性が指摘 できよう。また、上述の創業 50 周年に際する費用拠出は、第 2 四半期累計期間に集中しているとのことで、下 半期、そして、2016 年 3 月期に向けては、ここでの費用拠出の一巡が発生する。 IR窓口:総務部 広報チーム リーダー 山村 俊郎 (052 773 2513 [email protected]) 2.0 会社概要 空調設備などのメンテナンスサービスを展開 商号 日本空調サービス株式会社 Web サイト IR情報 株価情報 設立年月日 1964 年 4 月 28 日 上場年月日 2007 年 10 月 12 日:東京証券取引所第 1 部、名古屋証券取引所 1 部(証券コード:4658) 1996 年 11 月 27 日:株式店頭登録 資本金 1,139 百万円(2014 年 9 月末) 発行済株式数 19,892,000 株、自己株式内数 2,652,454 株(2014 年 9 月末) 特色 空調設備などのメンテナンスサービスが収益源 高い技術力が必要とされ、差別化の余地が大きい病院及び研究施設などに注力 2018 年 3 月期までに全県制覇(47 都道府県中 6 県が未進出) 、中国にも拠点 事業内容 Ⅰ. メンテナンスサービス Ⅱ. リニューアル工事 代表者 代表取締役社長 橋本 東海男 主要株主 自社(自己株口)13.3%、自社株従業員持株会 8.2%(2014 年 9 月末) 本社 愛知県名古屋市 従業員数 連結 1,682 名、単体 950 名(2014 年 9 月末) 出所:会社データ 2 3.0 業績推移 2015 年 3 月期第 2 四半期累計期間 2015 年 3 月期第 2 四半期累計期間は、売上高 17,950 百万円(前年同期比 2.3%増) 、営業利益 877 百万円(7.7% 増)、経常利益 922 百万円(9.0%増) 、純利益 450 百万円(0.5%増)での着地となった。通期会社予想に対する 進捗率としては、売上高で 45.7%、営業利益で 48.7%である。一方、2014 年 3 月期の実績における、第 2 四半 期累計期間の進捗率は、売上高で 44.0%、営業利益で 43.6%である。前者を後者と比較した場合、売上高で 1.7% ポイント、営業利益で 5.1%ポイントに及んで進捗率が高い。また、同社の収益源であるメンテナンスサービス の中核を形成するのが、年間を通して一定の売上高が期待できる期間契約業務であることに鑑みれば、下半期に 向けて、当初の会社予想に対して上振れた業績推移がより明らかになる可能性がある。 事業別売上高の推移 メンテナンスサービス (百万円) リニューアル工事 20,000 15,000 10,000 5,000 0 1H FY03/2013 2H FY03/2013 1H FY03/2014 2H FY03/2014 1H FY03/2015 2H FY03/2015 出所:会社データ、弊社計算 同社の事業は、メンテナンスサービス及びリニューアル工事によって構成されている。いずれにおいても季節性 の影響が大きく、例年、第 2 四半期累計期間から下半期に向けて売上高が増加する。メンテナンスサービスに関 しては、売上高の中核(67%:2014 年 3 月期の実績)を占めるのが、年間を通して一定の売上高を期待できる 期間契約業務である。ただし、残る 33%を占めるスポット業務及びその他の売上高に関しては、通期の売上高 の 60%程度が下半期に発生するため、メンテナンスサービス全体としても売上高が下半期にやや偏る傾向があ る。 第 2 四半期累計期間においては、同社の売上高 17,950 百万円(405 百万円純増)に対して、メンテナンスサー ビスで、売上高 13,845 百万円(888 百万円純増) 、リニューアル工事で売上高 4,104 百万円(483 百万円純減) となった。また、メンテナンスサービスの内訳としては、期間契約業務で 570 百万円純増、スポット業務及びそ の他で 317 百万円純増とのことである。 メンテナンスサービスにおける期間契約業務では、受託施設別で主力となる病院及び研究施設における新規受注 案件 5 件の獲得がここでの増収に大きく寄与した。約 350 百万円の純増をもたらしたとのことである。従って、 期間契約業務の売上高純増額の 60%以上がこれによって占められたことになる。一方、スポット業務では、官 公庁向けの売上高が前年同期に対して減少したものの、民間企業向けの売上高がそれ以上に増加した。また、メ ンテナンスサービスでは、2015 年 3 月期からの新規事業である自社運営のソーラー発電による売電売上高約 50 百万円が計上された。 3 一方、リニューアル工事では、コンビニ向け省エネ高圧化工事及びソーラーパネル設置工事の受注一巡が大きな 減収要因となった。それぞれの売上高は、前年同期に対して 318 百万円純減、200 百万円純減とのことである。 ただし、そもそも同社は、主力事業であり、競争力が高く、売上総利益率も相対的に高いメンテナンスサービス への経営リソースの集中を進めている。ここでの減収は、むしろ、同社が意図するところであり、期初に発表さ れた通期業績予想の通りに推移していると考えられる。一方、同社では、メンテナンスサービスのなかでも特に 同社の強みが活かせると同時に相対的に売上総利益率が高いとされる病院及び研究施設への注力が進められて いる。 受託施設別売上高構成比 50.0% 病院及び研究施設 製造工場等 その他 40.0% オフィスビル 37.9% 30.0% 28.2% 20.0% 18.1% 10.0% 15.8% 0.0% 1H FY03/2013 2H FY03/2013 1H FY03/2014 2H FY03/2014 1H FY03/2015 2H FY03/2015 出所:会社データ、弊社計算 同社の売上高に対して病院及び研究施設が占める比率は、過去 2 年間から現在に至る経緯において漸増傾向にあ るものの、顕著に大きなエクスポージャーの拡大は認められない。第 2 四半期累計期間においては、37.9%(前 年同期比 1.1%ポイント上昇)である。ただし、これには、病院及び研究施設に関連する売上高のなかでもリニ ューアル工事が減少したことが一定の影響を及ぼしている模様である。即ち、同社の収益源であるメンテナンス サービスにおける病院及び研究施設の売上高構成比は、着実に上昇を続けている模様である。 4 損益計算書(四半期累計、四半期) 損益計算書 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 1Q 2 Q累計 3 Q累計 4 Q累計 1Q 2 Q累計 3 Q累計 4 Q累計 前年比 1 4 年3 月期 1 4 年3 月期 1 4 年3 月期 1 4 年3 月期 1 5 年3 月期 1 5 年3 月期 1 5 年3 月期 1 5 年3 月期 純増減 8,082 17,545 27,364 39,868 8,018 17,950 - - +405 売上原価 6,772 14,560 22,842 33,509 6,555 14,793 - - +233 売上総利益 1,309 2,984 4,522 6,359 1,463 3,157 - - +173 販売費及び一般管理費 1,121 2,169 3,247 4,490 1,230 2,279 - - +110 188 814 1,275 1,869 232 877 - - +63 16 32 51 58 13 45 - - +13 ( 百万円) 売上高 営業利益 営業外損益 経常利益 連結実績 204 846 1,326 1,926 245 922 - - +76 特別損益 (14) 36 76 209 (0) (59) - - (95) 税金等調整前純利益 190 882 1,402 2,135 245 863 - - (19) 法人税等合計 96 370 591 880 114 340 - - (30) 少数株主利益 6 64 109 154 28 72 - - +8 87 448 701 1,100 101 450 - - +2 - 純利益 売上高伸び率 +11.8% +8.2% +11.0% +12.1% (0.8%) +2.3% - - 営業利益伸び率 - +202.6% +120.8% +41.9% +23.4% +7.7% - - - 経常利益伸び率 - +163.9% +99.8% +37.2% +20.1% +9.0% - - - 純利益伸び率 - +242.3% +119.6% +54.6% +16.8% +0.5% - - - 売上総利益率 16.2% 17.0% 16.5% 16.0% 18.2% 17.6% - - +0.6% 販管費売上高比率 13.9% 12.4% 11.9% 11.3% 15.3% 12.7% - - +0.3% 営業利益率 2.3% 4.6% 4.7% 4.7% 2.9% 4.9% - - +0.2% 経常利益率 2.5% 4.8% 4.8% 4.8% 3.1% 5.1% - - +0.3% 純利益率 1.1% 2.6% 2.6% 2.8% 1.3% 2.5% - - (0.0%) 50.5% 42.0% 42.2% 41.2% 46.5% 39.4% - - (2.6%) 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 前年比 1 4 年3 月期 1 4 年3 月期 1 4 年3 月期 1 4 年3 月期 1 5 年3 月期 1 5 年3 月期 1 5 年3 月期 1 5 年3 月期 純増減 8,082 9,463 9,819 12,504 8,018 9,932 - - +469 売上原価 6,772 7,788 8,282 10,667 6,555 8,238 - - +450 売上総利益 1,309 1,675 1,538 1,837 1,463 1,694 - - +19 販売費及び一般管理費 1,121 1,048 1,078 1,243 1,230 1,049 - - +1 188 626 461 594 232 645 - - +19 16 16 19 7 13 32 - - +16 法人税等 / 税前利益 損益計算書 ( 百万円) 売上高 営業利益 営業外損益 経常利益 204 642 480 600 245 677 - - +35 特別損益 (14) 50 40 133 (0) (59) - - (109) 税金等調整前純利益 190 692 520 733 245 618 - - (74) 法人税等合計 96 274 221 289 114 226 - - (48) 少数株主利益 6 58 45 45 28 44 - - (14) 87 361 253 399 101 349 - - (12) 純利益 売上高伸び率 +11.8% +5.3% +16.5% +14.4% (0.8%) +5.0% - - - 営業利益伸び率 - +75.4% +49.7% (19.7%) +23.4% +3.0% - - - 経常利益伸び率 - +60.9% +39.9% (19.0%) +20.1% +5.5% - - - 純利益伸び率 - +71.1% +33.9% +1.8% +16.8% (3.3%) - - - 売上総利益率 16.2% 17.7% 15.7% 14.7% 18.2% 17.1% - - (0.6%) 販管費売上高比率 13.9% 11.1% 11.0% 9.9% 15.3% 10.6% - - (0.5%) 営業利益率 2.3% 6.6% 4.7% 4.8% 2.9% 6.5% - - (0.1%) 経常利益率 2.5% 6.8% 4.9% 4.8% 3.1% 6.8% - - +0.0% 純利益率 1.1% 3.8% 2.6% 3.2% 1.3% 3.5% - - (0.3%) 50.5% 39.6% 42.5% 39.4% 46.5% 36.6% - - (3.0%) 法人税等 / 税前利益 出所:会社データ、弊社計算 5 貸借対照表(四半期) 貸借対照表 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 前年比 1 4 年3 月期 1 4 年3 月期 1 4 年3 月期 1 4 年3 月期 1 5 年3 月期 1 5 年3 月期 1 5 年3 月期 1 5 年3 月期 純増減 現金及び預金 4,881 3,866 4,890 4,906 5,295 4,211 - - +345 受取手形・完成工事未収入金等 6,759 7,334 7,280 10,033 7,153 7,865 - - +531 たな卸資産 1,037 1,058 1,192 398 989 1,009 - - (49) その他 681 742 713 800 896 993 - - +251 流動資産 (百万円) 連結実績 13,358 13,000 14,075 16,137 14,333 14,078 - - +1,078 有形固定資産 7,827 7,794 7,812 8,233 8,209 8,092 - - +298 無形固定資産 124 118 127 125 117 166 - - +48 2,006 2,237 2,531 2,429 2,563 2,607 - - +370 投資その他の資産合計 固定資産 9,957 10,150 10,471 10,787 10,890 10,866 - - +716 資産合計 23,316 23,150 24,546 26,925 25,223 24,945 - - +1,795 3,543 3,622 3,868 5,259 3,703 3,735 - - +113 547 555 1,054 939 547 573 - - +18 その他 4,635 3,941 4,226 4,734 5,045 4,347 - - +406 流動負債 +537 支払手形・工事未払金等 短期借入金 8,725 8,118 9,148 10,932 9,295 8,655 - - 長期借入金 1,119 1,009 921 1,264 1,205 1,094 - - +85 その他 1,341 1,364 1,471 1,854 1,857 1,881 - - +517 固定負債 2,460 2,373 2,392 3,118 3,062 2,975 - - +602 負債合計 11,185 10,492 11,541 14,051 12,358 11,631 - - +1,139 株主資本 10,212 10,570 10,686 11,085 10,960 11,309 - - +739 その他 1,918 2,088 2,319 1,788 1,905 2,004 - - (84) 純資産 12,130 12,658 13,005 12,873 12,865 13,313 - - +655 負債純資産合計 23,316 23,150 24,546 26,925 25,223 24,945 - - +1,795 自己資本 10,685 11,219 11,504 11,471 11,463 11,858 - - +639 1,666 1,564 1,975 2,203 1,752 1,667 - - +103 ネットデット (3,215) (2,302) (2,915) (2,703) (3,543) (2,544) - - (242) 自己資本比率 45.8% 48.5% 46.9% 42.6% 45.4% 47.5% - - (0.9%) 有利子負債 ネットデットエクイティ比率 (31.5%) (21.8%) (27.3%) (24.4%) (32.3%) (22.5%) - - (0.7%) 自己資本純利益率(ROE) 3.3% 8.2% 8.4% 10.0% 3.5% 7.7% - - (0.5%) 総資産経常利益率(ROA) 3.4% 7.1% 7.2% 7.5% 3.8% 7.1% - - +0.0% 14 12 13 3 14 11 - - - 在庫回転日数 在庫回転率 26.1 29.4 27.8 107.2 26.5 32.7 - - - 当座比率 133.4% 138.0% 133.0% 136.7% 133.9% 139.5% - - - 流動比率 153.1% 160.1% 153.9% 147.6% 154.2% 162.7% - - - 連結実績 出所:会社データ、弊社計算 キャッシュフロー計算書(四半期累計) キャッ シ ュ フロー計算書 (百万円) 営業活動によるキャッシュフロー 投資活動によるキャッシュフロー 営業活動CF+投資活動CF 財務活動によるキャッシュフロー 出所:会社データ、弊社計算 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 1Q 2 Q累計 3 Q累計 4 Q累計 1Q 2 Q累計 3 Q累計 4 Q累計 1 4 年3 月期 1 4 年3 月期 1 4 年3 月期 1 4 年3 月期 1 5 年3 月期 1 5 年3 月期 1 5 年3 月期 1 5 年3 月期 純増減 na 1,389 na 2,459 na 360 - - (1,029) 前年比 na 180 na (369) na (207) - - (387) na 1,569 na 2,090 na 153 - - (1,416) na (1,334) na (834) na (753) - - +581 6 2015 年 3 月期会社予想 2015 年 3 月期に対する当初の会社予想は据え置かれている。売上高 39,300 百万円(前年比 1.4%減) 、営業利益 1,800 百万円(3.7%減) 、経常利益 1,900 百万円(1.4%減) 、純利益 950 百万円(13.7%減)の見込みである。 また、営業利益率 4.6%(0.1%ポイント低下)である。ただし、第 2 四半期累計期間における実績などに鑑みれ ば、実際には、上振れた業績推移となる可能性が指摘できよう。 四半期売上高及び営業利益率 売上高(百万円) 15,000 2.3% 4.7% 4.8% 6.5% 2.9% 4.3% 4.3% (1.2%) 10.0% 5.0% 8,986 8,425 10,931 8,082 9,463 9,819 12,504 8,018 9,932 10,675 10,675 3Q FY03/2013 4Q FY03/2013 1Q FY03/2014 2Q FY03/2014 3Q FY03/2014 4Q FY03/2014 1Q FY03/2015 2Q FY03/2015 3Q FY03/2015 4Q FY03/2015 0.0% 2Q FY03/2013 0 6.6% 7,232 5,000 6.8% 3.7% 1Q FY03/2013 10,000 4.0% 営業利益率(%) (5.0%) (10.0%) 出所:会社データ、弊社計算(2015 年 3 月期 3Q予想及び 4Q予想:半期会社予想を均等に按分) 上述の当初の会社予想では、純利益の減益幅が経常利益段階以上に大きくなることが見込まれている。ここでの ひとつの大きな要因となるのは、2014 年 3 月期に特別利益として計上された負ののれん発生益 125 百万円が一 巡することである。また、1 株当たり配当金も 20.0 円(配当性向 36.3%)で据え置かれている。記念配 2.5 円を 含んだ 2014 年 3 月期の実績である 18.5 円(配当性向 29.0%)に対して 1.5 円の増配となり、配当性向も上昇す る。 また、当初の会社予想で見込まれている同社の売上高 39,300 百万円(1.4%減)は、メンテナンスサービス 30,300 百万円(7.9%増) 、リニューアル工事 9,000 百万円(23.7%減)によって構成されている。また、メンテナンス サービスの内訳としては、期間契約業務 20,500 百万円(9.5%増)、スポット業務 9,100 百万円(5.6%増)、そ の他 700 百万円(5.5%減)である。 第 2 四半期累計期間の業績動向に鑑みれば、期間契約業務が上振れて推移している模様である。また、これは年 間を通して一定の売上高を計上できるものであるため、通期を通してもここでの想定を上回る着地になる可能性 が高い。ただし、スポット業務に関しては、不透明感があるとも考えられる。ここでは、主に期間契約業務の顧 客を対象として行われる定期的な消耗品の代替及び追加的なメンテナンスサービスに対するニーズの発生に伴 う売上高が計上されている。メンテナンスサービスの売上高は、安定的な期間契約業務の動向に大きく依存して いると考えられる一方、スポット業務は、追加的なニーズの発生に依存する部分があることから、短期的にも合 理的な受注見通しをたてるのが容易ではないとのことである。 7 中長期業績見通し 2013 年 2 月 1 日に公表された「2013 中期 5 ヵ年経営計画(2014 年 3 月期∼2018 年 3 月期)」によれば、同社 は、最終年度である 2018 年 3 月期に対して、売上高 41,500 百万円、営業利益 2,200 百万円、経常利益 2,300 百万円、純利益 1,050 百万円、1 株当たり純利益 60.0 円、1 株当たり配当金 30.0 円(配当性向 50.0%)の達成 を計画している(2014 年 4 月 1 日付けの 1:2 株式分割調整済み) 。 中長期業績見通し 営業利益率(実績値、会予、%) 4.7% 5.8% 5.0% 4.0% 41,500 2.0% 1.0% 0.0% FY03/2018 FY03/2017 39,300 3.0% FY03/2015 36,000 35,574 3.7% FY03/2013 31,446 FY03/2011 31,994 FY03/2010 31,243 4.2% 39,868 4.3% 3.7% FY03/2009 0 6.0% 4.6% FY03/2014 4.9% 20,000 10,000 7.0% 5.3% 35,156 30,000 営業利益率(中期計画、%) FY03/2012 40,000 売上高(実績値、会予、百万円) FY03/2016 50,000 売上高(中期計画、百万円) 出所:会社データ、弊社計算 2013 年 3 月期の実績を起点とすれば、5 年後に当たる 2018 年 3 月期に向けてCAGR増収率 3.1%、 増益率 10.8% (営業利益ベース)が達成される一方、営業利益率は、3.7%から 5.3%へと 1.6%ポイント上昇することになる。 1 株当たり配当金に関しては、2013 年 3 月期の実績である 16.0 円(配当性向 38.7%)との比較で、絶対額がほ ぼ倍増する一方、配当性向も上昇する。また、直近の業績動向に鑑みれば、ここでの計画は当初の予定以上に早 いタイミングで達成される方向性が明らかになりつつある。また、同社としても早期達成を実現したいとしてい る。 1 株当たり純利益、1 株当たり配当金、配当性向 1株当たり純利益(円) 1株当たり配当金(円) 配当性向(%) 62.8% 70.0 70.0% 60.0 50.0% 50.0 40.0 32.1% 38.7% 33.4% 38.7% 29.0% 30.0 36.3% 30.0% 出所:会社データ、弊社計算 30.0 60.0 FY03/2018 FY03/2017 FY03/2016 20.0 55.1 FY03/2015 18.5 63.8 FY03/2014 16.0 41.3 FY03/2013 16.0 41.3 FY03/2012 16.0 25.5 FY03/2011 16.0 47.9 FY03/2010 16.0 49.9 20.0% FY03/2009 0.0 50.0% 40.0% 20.0 10.0 60.0% 10.0% 0.0% 8 4.0 ビジネスモデル 空調設備などのメンテナンスサービスを展開 同社は、空調設備などのメンテナンスサービスを主要事業としている。2014 年 3 月期の実績におけるメンテナ ンスサービスは、売上高構成比 70.4%であったが、ここには、期間契約業務、スポット業務、その他が含まれて いる。メンテナンスサービスの売上高に対して、それぞれの構成比は、66.7%、30.7%、2.6%であった。一方、 同社の売上高の残る 29.6%を占めたのがリニューアル工事である。 メンテナンスサービス(イメージ画像) 出所:会社データ 9 また、同社における主要事業は、あくまでもメンテナンスサービスであり、リニューアル工事に関しては、前者 における顧客からの受注案件が多数を占めており、前者の補完的な事業として展開されているに過ぎない。また、 後者に関しては、大手サブコンとの競争が不可避であるため利益率の追求にも限界があるとされている。 2012 年 4 月のトップマネジメント交代を経ている同社においては、主要事業であるメンテナンスサービスにお けるセールスミックスの向上を進めて、同社としての利益率を引き上げていくことが計画されている。また、同 社が対峙する市場には中長期的にも大きな成長が望めないため、市場シェアを継続的に引き上げていくことも重 要な経営課題とされている。同社では、以上を推進することを目的として営業体制の切り替えを進めてきたのだ が、ここにきてその成果が表れつつあるとのことである。具体的には、純粋に新経営方針に基づいた営業活動を 展開できる若年層の営業担当者を増加させたとのことである。 同社は、ビルメンテナンス業界に属するとされているが、ここでの国内市場規模は、ここ数年において 3.5 兆円 前後での推移を続けている(全国ビルメンテナンス協会「実態調査」に基づく同社推計値)とのことである。ま た、中長期的にも大きく拡大する方向性にはないとされている。一方、同社を含めた東証上場企業 4 社の売上高 総計はここでの市場規模の約 10%前後に過ぎないとのことである。これに鑑みれば、同業界にはかなり多くの 参入業者が存在すると考えられる。 また、同業界の国内市場規模ベースでの構成比は、一般清掃 61.2%、保安警備他 21.4%、設備管理 17.4%との ことである。一方、同社は、設備管理にほぼ特化している。同社の売上高規模と設備管理の市場規模を比較した 場合、現在の同社の市場シェアは 6%前後と推定される。 一方、同社の強みは、病院及び研究施設に代表される特殊な環境や高精度な環境を有する建物など、高い技術力 が必要とされる分野に関して競争力が高いことである。一般的な同業他社においては、空調、衛生、電気、給排 水といった建物に付帯する設備全般のメンテナンスを担うに過ぎないのだが、同社においては、各種の総合環境 診断も自社で対応可能とのことである。例えば、環境測定(ホルムアルデヒド)、手術室の無菌化、放射線の漏 洩測定、水質検査(レジオネラ属菌)などが総合環境診断の内容である。 同社は、以上に代表される強みを持って積極的に主要事業であるメンテナンスサービスにおける大手病院への関 与を深めていくことを計画している。現状では、国内の 1,000 床以上を有する大病院(施設数 33)の 18%(関 東のみ:30%)に及んでメンテナンスサービスを提供するに至っているとのことだが、更なる開拓余地があるこ とは明らかである。また、600 床以上(施設数 245)では、占有率 11%(関東のみ:20%)とのことで、更なる 開拓余地があると考えられよう。 先述のトップマネジメントの交代以前の同社においては、同社の強みが活かせる受託施設への経営リソースの集 中が十分徹底されていなかった。ただし、現在の同社は、ここへの経営リソースの集中を積極的に進めている一 方、中長期的な観点から売上総利益率が低くなる受託設備へのエクスポージャーを意図的に引き下げる戦略を展 開するに至っている。例えば、オフィスビルに関しては、将来に向けて空調の分散化が進捗することが予測され るため、中長期的には空調システムの一括管理に係るメンテナンスサービスに対するニーズが低下する方向性に ある模様である。これに鑑みた同社では、ここでの新規の営業活動を既に停止しているとのことである。 一方、同社は、海外市場の開拓の本格化に向けての準備を始めつつある。地域的にはアジア、ターゲットとして は日系企業の製造工場である。現状の中国での業務に関しては、直近の同社の営業利益の 4%前後を占めるまで に拡大しているとのことである。また、同社は、海外市場の開拓の本格化に向けて、2014 年 6 月 25 日、英文商 号を「NIPPON KUCHO SERVICE CO., LTD.」から「Nippon Air conditioning Services Co., Ltd.」へと変更 している。これは、海外での認知度向上を意図したものである。 基本的には、前者の「KUCHO」という日本語のアルファベット表記を排して、後者では、これを「Air conditioning」で代替していることになる。敢えて「Air Conditioning」としないことによって独自のデザイン 性を追求すると同時に、英文商号自体が海外でも一般的に事業内容を示唆するようにしたとのことである。加え て、「SERVICE」を「 Services」と複数形にしたのも多様なサービスを提供するという拘りが感じられる。 Disclaimer ここでの情報は、ウォールデンリサーチジャパンが当該事業会社の発信する「IR情報」を中立的かつ専門的な 立場から要約して、レポート形式にまとめたものである。「IR情報」とは、すなわち当該事業会社に係る①弊 社との個別取材の内容、②機関投資家向け説明会の内容、③適時開示情報、④ホームページの内容等である。 商号: 株式会社ウォールデンリサーチジャパン 本店所在地: 〒104-0032 東京都中央区八丁堀 4-12-4-1110 クイーンズパレス東京中央 URL: www.walden.co.jp E-mail: [email protected] 電話番号:03 (3553) 3769 Copyright 2014 Walden Research Japan Incorporated 10
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