平成24年度近畿農政局水土里の環境創造懇談会(第3回) 1.日 時 平成25年2月26日(火)14:00~16:30 2.場 所 ホテル ルビノ京都堀川「ひえいの間」 3.出席者 (近畿農政局水土里の環境創造懇談会委員) 元和歌山県立自然博物館学芸課長 入江正己 滋賀県琵琶湖環境科学研究センター総合解析部門 部門長 大久保卓也 京都大学名誉教授 河地利彦 大阪府立大学学術研究院第2学群緑地環境系助教 工藤庸介 ジャーナリスト 古谷千絵 (近畿農政局) 農村計画部長、農村振興課長、土地改良管理課長、資源課長、事業計画課長 整備部長、設計課長、水利整備課長、農地整備課長、防災課長 (事務所) 淀川水系土地改良調査管理事務所長 南近畿土地改良調査管理事務所長 4.議事 (1)国営総合農地防災事業「和歌山平野地区」環境配慮計画(案)について (2)国営緊急農地再編整備事業「亀岡中部地区」環境配慮計画(案)について 5.議事概要 (1)国営総合農地防災事業「和歌山平野地区」環境配慮計画(案)について ○委員 ・ 資料1-1 P13にある排水路の改修・新設は、排水路だけで50kmなのか。用 水路はないのか。 ○農政局 ・ この地域全域が農業用用排水路で用排兼用の水路である。今回は排水の事業なので このような表現としたが、実際は農業用用排水路で一本である。用排兼用の水路を拡 幅する部分もあり、あるいは部分的には新設する等色々なタイプがある地区である。 ○委員 ・ 資料1-1 P22に生態系と景観について排水路で配慮するという案が出ているが もう少し多様な形で配慮してほしい。通常、護岸は垂直に近いが、緩斜面にして一部 土にして草の生えるような場所にするなど。石積みだけではなく色々な形で配慮する -1- 方法があると思う。 ○農政局 ・ 資料1-1 P22で紹介した水路は環境懇談会の現地調査でも案内した●●水路で ある。メダカ、ドジョウを保全すべき種と設定し、生息する場が●●水路なので特徴 的に紹介している。 多様な整備については実際の工事の現場・状況を見ながら可能なものは取り入れて いきたい。現時点では詳細設計は行っていないので、今後の課題としたい。 ○委員 ・ 非かんがい期は水が枯れてしまい、部分的にしか水が残らないとの話だが、生物に とって大事なので、整備する際に非かんがい期でも水が残る場を積極的に作ってほし い。 ○農政局 ・ 非かんがい期で水が残っているのも●●水路。水が残っているからメダカ、ドジョ ウも生育できている面があるので、非かんがい期でも水が残るように検討したい。自 然状態でそのような状態なので整備を行ったからといって状況が変わるわけではない が、そういう視点で常に現場を見ていきたい。 ○委員 ・ 石積みだけではなく周りの草も大事。草陰に卵を産む種もある。周りの木が作る影 も生物にとって大事なので、できるだけ多様な形の環境を作ってほしい。 ○農政局 ・ ●●水路は周辺には木が茂っている。こういうものをなるべく残せるよう検討した い。 ○委員 ・ ため池が何箇所かあるが、水質は測定しているのか。どのような状態なのか。 ○農政局 ・ 水質は工事が予定されている全てのため池で8月と12月に水質調査を行った。調 査項目はCOD、DO、pH、EC、濁度、水の色などについて調査を行った。結果 についてはDOは比較的高く、CODもそれほど高くない。比較的きれいな水質だと 思っている。 ○委員 ・ もしも水質が悪ければできるだけ利用したほうがよいと思ったが水質が良ければ問 題ないと思う。 ○委員 ・ ●●水路は全体に対して配慮をするのか。 ○農政局 ・ 全域ではなく、その区間の一部において取り組む。 -2- ○委員 ・ ●●水路の全体の長さはどれくらいなのか。また配慮すべき区間延長はどのくらい か。 ○農政局 ・ 延長がおよそ1kmあり、そのうち200m程度を配慮区間としている。 ○委員 ・ 石積み水路の延長はどれくらいなのか。部分的に石積みがあるのか。 ○農政局 ・ ●●神社の周りに石積み水路があるが、実延長はおさえていない。 ○委員 ・ 現在石積みのところを化粧型枠でやる方向なのか。 ○農政局 ・ その方向である。 ○委員 ・ ●●水路でメダカ、ドジョウのための魚巣ブロックとあるが、水路底も改修するの か。底はそのままなのか。 ○農政局 ・ この区間は基本的に水路底を下げるため、水路底も改修する考えである。 ○委員 ・ ドジョウは泥の中に住んでいるので、ブロックの中に泥がたまる構造であればドジ ョウは入るかもしれないが、 ブロックに穴が開いているだけではドジョウは入らない。 ○農政局 ・ 魚巣ブロックは側壁のあたりを考えており、水路底の部分をなるべく自然状態で 覆っておきたいと考えている。 ○委員 ・ ドジョウは底にある程度の厚さの泥があれば、そこで生活するので、横の壁面でド ジョウのことを考える必要はないのではないか。底にコンクリートを張ってしまうと ドジョウはそこからいなくなる。 ○農政局 ・ 資料1-2 P53の右下に写真があるが、中段にメダカ用の魚巣ブロック、下段に ドジョウ用の魚巣ブロックの設置を考えている。 ○委員 ・ その中に泥が入るような構造になるのか。 ○農政局 -3- ・ 農業用水なので、泥が徐々にたまっていく。魚巣ブロックには石が入っており、そ の隙間に泥が入るような構造となっている。 ○委員 ・ 資料1-1のp5で紀の川の生態系のところでボラやアカエイという河口域にいる 魚を入れるのであれば、希少なアカメも入れてほしい。何個体も捕獲されており、今 後色々なところで出てくるのではないかと思う。また、ここ最近ウナギが激減してい る。今後、川、水路を触る中でウナギの存在がピックアップされると思う。今後の課 題の対象としてウナギが入るのはほぼ確実なので留意してほしい。ウナギについては 紀の川のみではなく日本全国の話である。 ○委員 ・ 資料1-1P24のヌマハリイについて、「同様な環境の場所に移植するか検討す る」とあるが、非常に生息環境が特殊なところに生える植物なので、人間側で同じよ うな環境とみてもヌマハリイにとって同じかどうか難しいところである。もし可能な らば移植する場合、まずは一部をテストケースとして、根付いて株が分かれて成長す るのか確認される場所であるかどうか、時間がかかるができればそのような配慮をし てほしい。 ○農政局 ・ 実施にあたってはしっかりと留意したい。 ○委員 ・ 洪水調整池について、水の少ない時期に水を張っておくか抜いておくか地元との利 用方法も検討していくそうだが、生き物の側からすると中途半端な水が残っているの が一番うれしい。深さも様々な環境があるのが良く、深いところはアオサギ等から逃 げられるし、浅いところは夜中に出てきて餌を食べたり泥の中に住んでいる生物もい る。 公共工事では設計図に合わせて工事をし、画一的な構造物ができてしまい、生物に とっては利用しにくい環境になってしまうので、色々な環境を作ってもらえるとあり がたい。調整池全部ではなく、地元の方が利用するスペースが必要ならばその壁の方 に生物のための環境もおいてもらえればうれしい。 ○委員 ・ 景観配慮について調査を行うのは若干手間がかかるが、よい調査をしていると思う。 資料1-1 P12において、「歴史的景観を有する水路について」と書かれている。 P20では「生態系に配慮した整備を行う水路」と書かれている。どちらも同じ対象 だと思うが、同じ対象を特定の名称を出さずに形容詞を変えて表現する必要があるの か。今は石積み云々の話であるがP12での「環境に配慮」の環境という言葉はもう 少し広いので、少しずれて読めてしまう。区間が一致しているのでたまたま石積みに する区間と生態系配慮をする区間が同じだと理解できるが、これだと生態系配慮と景 観配慮との間に別の関係があるような印象があったので、統一したりシンプルにした りしたほうがよいのではないか。 ○委員 ・ 資料1-2 P43について、下から4行目の「ほとんどすべての水路では景観配慮 は行わない」という書き方だと折角色々検討した上で配慮の必要が無いと結論付けた -4- 真意が伝わらないので、「新たな配慮を行わない」などの文言に改めた方ががよいと 思う。 ○農政局 ・ 言葉遣いについてはしっかりと定義付けを行いたいと思う。 ○委員 ・ 資料1-1 P22、化粧型枠については、実際にシミュレートしてみないと分から ないが、水路や河川では景観の連続性という観点から、区間ごとに景観が激変するこ とは望ましくないので、化粧型枠と普通のコンクリートとの境目が例えば橋の下など 人の目に触れないところにくるよう詳細設計の際に配慮するとよい。 ○委員 ・ 資料1-1 P25、資料1-2 P55について。法面をアースカラーで水田の緑 にするというのは具体的には緑化工で対応するという理解でよいか。P55では整備 後の留意点や工夫点、残された課題について書かれているが、緑化工を使うと若干の 維持管理負担も発生するのではないか。もしその可能性があるのならば、それに対す る配慮や指摘が一言あったほうがよいと思う。 ○農政局 ・ 残された課題については慎重に状況を見て、法面での課題があればしっかりと載せ たいと思う。 ○委員 ・ ●●水路を改修せずにそのまま残すという選択肢はないのか。リュウノヒゲモのと ころは保全区間の整備は行わないという判断がされている。ということはこちらにも 適用することが可能なのか。●●水路では、水が漏れているか等、技術的な分析も必 要なのかもしれないが、景観だけではなく歴史的建造物としての価値も評価しなけれ ばいけない状況にあるかと思う。 ○農政局 ・ ●●水路の周辺は和田川という昨年6月に全国ニュースになった湛水被害が出て地 域住民が避難したところである。水路には末端にポンプ場があり、その能力をフルに 生かすために●●水路の水路底を下げて水を下流に集まりやすくしようとしており、 事業目的として考えると●●水路は整備しなければならない。その中で少しでも環境 に配慮したものができないかと、お互いが両立できないかという視点で取り組んでい る。結論としては●●水路の区間は改修せざるを得ない。 ○委員 ・ 現地調査の際に見た●●池というため池の周りの環境がすごく印象に残っている。 かなり標高が高い場所にあり、下に住宅地がたくさん建っており、混住化が非常に進 んでいる。もしため池が決壊した場合、下の住宅が広範囲で飲み込まれてしまうとい う話を聞き、印象に残っている。この改修に関して、資料1-2のP54では地域住 民等の意見として「環境配慮について地区環境配慮検討委員会の承認を得た」とある が、地域の話し合いの場に非農家の方がどれくらい入っているのか。配慮について地 域の方に伝えることも大事だが、ため池の存在と危険性、改修を検討していることに ついて、社会的な位置づけを上乗せした地域住民との懇談がなされたのか、あるいは -5- これから行うのか。 ○農政局 ・ 現在は地区調査の段階であり、今後、全体実施設計、着工に向けてもう少しステー ジが上がるので、着工という姿が明確になった時点で地元の方にしっかり説明しなけ ればならないと思っている。現在は地区調査の段階なので環境配慮検討委員会という 限定した中で議論している。地元の方への説明は、今後行っていきたい。 ○委員 ・ 資料1-1 P9の法令関係について、「●●池が鳥獣保護区特別保護地区に隣接 するため許可申請が必要」とあるが、地区内に入っているわけではないのに許可申 請が必要なのか。 ○農政局 ・ ●●池の裏山近くに鳥獣保護区特別保護地区が設定されている。●●池は過去に堤 体の工事をした際にも許可を申請するように言われており、今回のため池工事の際に も許可申請するよう言われていると関係者から聞いている。 ○委員 ・ 隣接というのは曖昧な表現だと思うが、許可申請において何km以内という規定 はあるのか。 ○農政局 ・ 確認する。 ○委員 ・ 洪水調整池を新たに2箇所ほど作るとあるが、これは大雨が降った際に一旦溜めて、 その後どういう運用をするのか。ある程度水位が下がったらポンプで吐き出すのか、 どのくらい溜めておく計画なのか。 ○農政局 ・ 一時的に貯留し、可搬式ポンプを設置して、水路の方で水が引けた後に影響ないよ うに少しずつ可搬式ポンプで水をくみ上げ水路に放流する考えである。 ○委員 ・ 溜めておくと用排兼用水路なので排水も入ってくるので窒素・リン濃度がある程度 高くなると思うので、放置しておくと植物プランクトンが増殖することを危惧してい る。ある程度水を残しておいた方が生物にとって良いとのことだったが、できるだけ 早めに排出したほうが水質(植物プランクトンの増殖抑制)にとっては望ましいと思 う。 ○農政局 ・ 事業目的からすると、次の降雨に備え、早く一時貯留容量を確保しなければならな いので、放置しておくのではなく、速やかに排除することになると思う。 -6- (2)国営緊急農地再編整備事業「亀岡中部地区」環境配慮計画(案)について ○委員 ・ 資料2-1 P27の水系の連続性が必要なグループとしてフナを代表として考えて いるとの話であったが、他にも色々な生物がいるのになぜフナが出てきたのか分から ない。特に川から水路、水田ではナマズの存在が非常に大きい。川から細い水路に入 って田んぼに入って卵を産み、孵ったナマズの子が水田で夏場に沢山わいてくるミジ ンコ等を食べて大きくなり、また水路から川に戻っていく。ナマズの生態系も考慮に 入れてほしい。ナマズは夜に行動するので一般には見にくいが非常に大きな存在であ る。また、今後はウナギの話も出てくると思う。 ○農政局 ・ ウナギとナマズについては今後の調査で引き続き確認する。 ○委員 ・ 資料2-1 P22の外来種について、桂川は下流の方で鴨川と合流するが、鴨川水 系では現在、中国オオサンショウウオが話題となっている。鴨川水系を調査したとこ ろ日本産のDNAのものがごく一部しかおらず、中国オオサンショウウオとのハイブ リッドの数がかなり増えていると聞いている。同じ水系の桂川にも中国オオサンショ ウウオが入っていないかどうか非常に気になる。一度調べたほうがよい。外来種のと ころでオオサンショウウオがかなり大きな問題になってくると思う。 ○農政局 ・ オオサンショウウオは地区内では確認されていないが、山手の方にいると言われて おり、河川を通じて時々地区内の河川で確認されている。その際は元の場所に戻すと いう手当てをする考えでいる。ハイブリッドの区別は確認されていない。 ○委員 ・ オオキンケイギクも今あちこちで蔓延っている。地元の方が結構きれいだからとお いておくことが多い。道端の草刈の際にもオオキンケイギクを残し、周りを刈り取る ところをよく見る。今後、地区の人たちに説明して刈り取るように重々指導していく ことが必要だと思う。 ○農政局 ・ 外来種については地元と環境について話をする機会もあるので十分地元の方に伝え ていく。 ○委員 ・ 水環境について話が出ているが、耕作放棄地に冬場の非かんがい期に水を張れない か。一部水路で水を残すところと耕作放棄地をつないでおけば非常に良い水環境がで きる。実際に耕作放棄地に水を張ったり抜いたりするのにどれくらいの手間がかかる か分からないが、ここに水を張っておけば雑草が生えても根腐れを起こして枯れるの ではないか。夏場には水を抜いたり張ったりして水の中に生える植物や乾燥したとこ ろに生える植物をうまく駆除するような水の張り方をしていけば草刈りの手間がない ようにもできるのではないか。耕作放棄地に冬場水を張ることができれば生き物にと っては非常にありがたいと思う。 ○農政局 -7- ・ 事業自体が耕作放棄地を解消するという事業である。事業を行って耕作放棄地を農 地に戻すという形なので、耕作放棄地をそのままおいておくということはない。 ○委員 ・ 全般的によく考えられている計画だと思う。滋賀県では、ほ場整備により生物の生 息環境が破壊されてしまったという経験もある。現地調査の際にも本地区はよい環境 が残っていると印象を受けているので、そのような環境をできるだけ残すという計画 は良いと思う。 資料2-1 P16のほ場整備でどう変わるかという概念図があるが、私の印象では 乾田化で生物がいなくなったという影響も大きいのではないかと思っている。基本的 に畑にもできるようにと、すぐ水が抜けるような形のほ場整備を行い、冬の間はカラ カラに乾き、滋賀県では生物がいなくなったと認識している。もしも乾田化を狙って いるのであれば生物への影響も出てくるのでその辺りも考慮してほしい。 ○農政局 ・ 事業の中でも乾田化する計画になっている。種を守る場所については配慮をし、平 場であれば乾田化する方向など、地区の中でも区分して検討することを考えている。 具体的な場所の検討については実施時と考えているので、現段階では細かいところま で決めていない。 ○委員 ・ 資料2-1 P20で河川からの遡上ができなくなっているとの話だが、滋賀県の河 川で私が調査をした結果によると堰があることが魚にとって良いのか悪いのかは微妙 な問題だと思う。外来種が入ってきた場合、堰があることによって外来種が遡上でき ず、上流の在来種が守られている面もあるので、一概に段差が悪いと決め付けること はできないのではないか。どう在来種を守っていくかを考えて地域の特性に応じた配 慮を行っていってはどうか。 ○農政局 ・ 現状がどうなのかに重きを置いて検討し、現状が河川と繋がっている状況であれば 残していきたい。 ○委員 ・ 琵琶湖の場合、ナマズはほ場整備をしたところは上ってこられないことが明確なの でナマズは段差の良い指標になると思う。フナ類を水系連続性の指標にしようという 案だが、地域が限定されるがアユモドキなど、もう少しアピール力のある魚の方がよ いのでは。 ○農政局 ・ フナだけというわけではなく、フナも保全対象種の一種に含まれているという考え。 アユモドキは現在地区内にはいない。一部の地区の下流側に生息している状況。色々 な組織が河川の改修に合わせ上流へ遡上できるような取り組みを行っている。そうな ると隣接する河川まで上がってくる可能性もあるのでその際は組織と連携を取りなが ら協力して取り組むという形を考えている。 ○委員 ・ 資料2-1 P32について、コンクリートでスロープを作るとのことだが、場所に -8- よっては土でスロープを作ることが可能であれば是非作ってほしい。土があれば草木 も茂り、小さな草でも魚の卵を産むにはよい環境となるので、土水路も可能であれば 残してほしい。 ○農政局 ・ スロープについては基本的に桝にはコンクリートのスロープの設置を考えている。 山手など土水路で幅を取れるところであれば土水路を考えている。 ○委員 ・ 色々と細かいところまで目配りのついた立派な案だと思う。景観の方はそもそもこ の地区は配慮する余地のない地区だということで、私の方からは何もないが、資料2 -1 P23と資料2-2 P38にて「生産景観を阻害する要因のひとつ」とあるが、 基本的に阻害は邪魔するという意味なので、資料2-2 P29の表現の「損なう」 に統一した方がよい。 ○農政局 ・ 了解した。 ○委員 ・ 資料2-1 P37のヒガンバナについて、保全対策案の方策 2 は、水路を石積みに 直すということなのか、現況のままの水路にするということなのか。 ○農政局 ・ 隣接する水路についてはこういうことも含めて検討していきたいと考えている。 ○委員 ・ 今回の整備の方針からすると、反するとまでは言わないが若干不利なものになる気 がするが、この方針について当該地区の土地所有者、管理者、関係者の了解はとれて いるのか。 ○農政局 ・ この地域ではヒガンバナで町おこしではないが、秋になれば人が沢山来てヒガンバ ナを見てもらう取り組みをしている組織もある。それを踏まえて区画の計画段階で地 域に計画を投げかけて区画を決めていくという形で進めるように考えている。 ○委員 ・ ヒガンバナに対する経済効果と営農上の若干の不利益がどうバランスしているのか に興味があった。 ○農政局 ・ 地域と十分意見交換しながら進めていきたい。 ○委員 ・ 動植物に対しての非常に細やかな配慮がなされている印象を持ったが、同時にソフ ト対策については、一番最後に付け加えられているだけという印象を持った。地域の 現状を見ると高齢化や担い手不足であれだけ大きな広いところでも耕作放棄地が点々 とある。実際営農活動を維持できるのかという問題を考えた場合、これだけ景観に配 -9- 慮した事業が実施されても、営農自体が維持できなければ、意味は無くなる。事業の 効果を継続できるようなソフト対策はこの地域に関しては非常に大きいと思う。農業 者の意識改革が進んでいないという現状分析があるようなので、事業の効果を十分に 発現させる意味においても重点的に取り組む必要がある。 ○農政局 ・ 耕作放棄地を解消した後どうするかはテーマになっている。事業に合わせて営農も 今の体系ではなく集落営農など大きな組織を作り農地を守っていくという営農の観点 で進めている。6つの工区ごとに集落営農組織を立ち上げる取り組みをしているので、 それを母体として将来また大きな組織という形を見据えた形で営農への取り組みを進 めている。 ○農政局 ・ オオサンショウウオのハイブリッドについて、仮にハイブリッドのオオサンショウ ウオの存在が確認された場合、どういう対応をすればよいか。 ○委員 ・ 今、苦労している。外来種なので一度捕まえたら外に戻すことはできないので関係 施設で預かっているものの、水槽に余裕が無くなってきている。自然界に出すことは できないので、今後は処分してしまうしかないのではないかと思っている。日本のサ ンショウウオは特別天然記念物であり、外来種は大きく違うので、これからどうする のか行政でも決まっていないし、これからかなり議論になるのではないかと思われる。 目視ではほぼ区別がつかず、DNA鑑定をしなければならないため余計に厄介で関係 者は苦労している。 ○委員 ・ 資料2-2 P41の方策4で、コンクリート水路からの脱出経路または落下防止策 の設置とあるが、この防止策とは何か。 ○農政局 ・ 蓋の設置である。記載が悪いが、実際行うのは蓋とスロープを考えている。 ○委員 ・ 「脱出経路の設置または落下防止対策」とするなど、もう一度よく検討するように。 P42の方策2も同様である。 ○農政局 ・ 了解した。 以上 - 10 -
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