機関誌 - 全国内水面漁業協同組合連合会

7月
号
刊 行 物 案 内
年間契約 四[回発行
年間契約 四[回発行
25
第
漁業者以外の購読者
平成24年
漁業者︵会員漁連の傘下漁協組合員︶
機関誌
] 定価二、八〇〇円︵本体二、六六七円︶ 単品 定価七〇〇円︵本体六六七円︶
] 定価三、〇〇〇円︵本体二、八五八円︶ 単品 定価七五〇円︵本体七一五円︶
「良好なアユ漁場を維持するため
の河川環境調査の指針
∼漁場環境調査指針作成事業報告書∼」
「江戸前アユの復活をめざして」
“アユのいる川、いない川“を科学的に調べ、現場で使える
ています。多摩川におけるアユを中心に魚類資源の利用
雑誌:海洋と生物197号(33巻6号 2011)
多摩川を中心としたアユの話題が特集(東京都監修)され
手引き書を作成しました。
状況や、砂利採取・河川工作物設置および水質変化に伴
これは、水産庁の委託事業として本会が検討委員を組織
なう影響について、江戸時代から現在まで多摩川のアユ
し、委員 会において検 討された(独)水 産 総合研究セン
のおかれた状況を取りまとめたものです。
ターや県水産試験機関のみなさんによる研究成果の中か
定価:1,680円[本体1,600円](送 料160円)で販 売され
ら、現場で活用できる要旨を取りまとめたものです。
ています。
A4版 定価:1,300円(税・送料込み)
問合せ先:全国内水面漁連 事務局
問合せ先:株式会社 生物研究社
電話 0 3( 3 4 5 5 )6 5 8 7
荒川の鮎釣り(埼玉県秩父漁協 提供)
CONTENTS
巻頭の言葉
2
関係団体総会
18
専務理事就任の挨拶
4
カワウ特措法解説 ∼被害防止の取り組みへの支援∼
20
平成24年度 第60回通常総会
5
第14回日本水大賞 ∼受賞した活動とは∼
22
全内開催の各会議について
6
渓流魚(第10回)
23
ブロック協議会を開催
7
渓流釣り「禁漁区解禁の価値評価」
24
水産庁委託事業計画検討会(渓流資源・外来魚抑制)
8
「地域の状況を踏まえた効果的な増殖手法開発事業」検討会
9
“ビギナー フィッシィング in 青梅”にトライ
26
各県内水面漁連新会長紹介
27
放射性物質に係る情報共有会議開催
10
日光支所から
28
我が漁協(埼玉県入間漁協)
12
業務日誌
30
我が水産試験場(秋田県水産振興センター)
14
職員のつぶやき
31
ウナギの資源管理について(宮崎県取り組み)
16
編集後記
31
全国内水面漁業協同組合連合会
機関誌
第25号
全国内水面漁業協同組合連合会機関誌
平成24年7月発行
ation
inform
平成24年度
第55回
全国内水面漁業振興大会
日 時
平成24年10月18日
(木)
場 所
山形テルサ テルサホール
山形市双葉町1丁目2番3号
午後1時30分から4時30分
発行人:全国内水面漁業協同組合連合会
代表理事会長 櫻 井 新
編 集:本所 機関誌編集委員会
発行所:全国内水面漁業協同組合連合会
〒107-0052
東京都港区赤坂1-9-13 三会堂ビル3階
TEL:03-3586-4821 FAX:03-3586-4898
ホームページ:http://www.naisuimen.or.jp
印 刷:鵜川印刷株式会社
〒923-0053 石川県小松市河田町丁33番地
七 百 九 十 五 漁 協、約 三 十 万 人 の 会 員 を 擁
今、全内漁連は、全国四十三都道府県、
申し上げます。
り た い と 存 じ ま す の で、よ ろ し く お 願 い
協 力 を い た だ き な が ら、事 業 を 進 め て 参
会 員 の 皆 様 を は じ め、関 係 の 皆 様 の ご
ん で参る所存です。
と こ ろ も あ り ま す が、腰 を 据 え て 取 り 組
で、役 員 と し て の 責 任 あ る 仕 事 に 戸 惑 う
で作業をしている方が好きなものですの
本 来 私 は、長 靴 を 履 い て 池 や 川 の 周 り
た感じです。
慨 に ふ け る 時 間 も な い ま ま、過 ご し て き
か の よ う で、未 だ に 県 を 退 職 し た と の 感
ら れ ま し た こ と か ら、あ た か も 異 動 し た
県 を 退 職 し た 翌 日 か ら 全 内 漁 連 に 迎 え
に係わる仕事をして参りました。
画 及 び 管 理 を 行 う な ど、一 貫 し て 淡 水 魚
いたま水族館で飼育展示や啓発業務の企
業 の 振 興 や 漁 業 調 整 を 担 当 し た ほ か、さ
農 家 へ の 普 及 指 導、ま た 県 庁 で 内 水 面 漁
八 年 間、水 産 試 験 場 で 養 殖 技 術 の 開 発 や
そ れ 以 前、私 は 埼 玉 県 職 員 と し て 三 十
ととなりました。
で、専 務 理 事 に 指 名 さ れ 選 任 を 受 け る こ
て 参 り ま し た が、四 月 十 八 日 の 臨 時 総 会
兼日光支所長として勤めさせていただい
こ れ ま で 二 年 間、全 内 漁 連 の 技 術 顧 問
としてのしかかって来ました。
資源の減少に係る課題が、大きなテーマ
害と放射性セシウムの残留、またウナギ
策に加え、昨年からは東日本大震災の被
る外来害魚の問題やカワウによる食害対
ま た 現 場 で は、古 く て 新 し い 課 題 で あ
す。
沼を復元することが緊要であると考えま
ることで多くの種類の魚が棲める川や湖
場所の復元、また水質や植生の維持を図
挙げられます。蛇行した流れと魚の隠れ
ける生き物の生息環境が悪化したことが
魚 類 の 減 少 要 因 と し て は、内 水 面 に お
務となっています。
魚類資源の維持培養と利活用の推進が急
で二・七分の一に減少していることから、
全 国 の 内 水 面 漁 獲 量 は、過 去 二 十 年 間
となって参りました。
が懸念され、抜本的な改革が必要な時代
少傾向が一段と進み、漁協運営にも影響
伴って、漁協組合員の減少や遊漁者の減
折 か ら、社 会 環 境 や 生 活 環 境 の 変 化 に
りました。 が一体となって課題に取り組むことにな
り、放 流 を 通 じ て、内 水 面 漁 業 と 養 殖 業
全国養鱒振興協会も賛助会員として加わ
殖 漁 業 組 合 連 合 会・全 日 本 養 鰻 協 議 会・
し て い ま す。今 年 四 月 か ら は、全 国 鮎 養
いたします。
で、よろしくご協力くださるようお願い
立つ組織として業務を進めて参りますの
全 内 漁 連 と し て も、会 員 の 皆 様 に 役 に
団結と行動力が必要です。
ためには、内水面漁業に係わ る皆さん の
協を元気にしその力を発揮していただく
の活動を止めるわ けには行きません。漁
し、釣 り の 文 化 を 後 世 に 残 す た め、漁 協
自然豊かな水辺環境を保全して魚を増や
の 維 持 培 養 と 利 活 用 の 推 進 に あ り ま す。
内 水 面 漁 協 の 基 本 的 業 務 は、魚 類 資 源
平成二十四年度 通常総会
午後一時より、樋口副会長理事︵高
の 議 員 出 席 者 数 は、六 月 十 四 日 に 設
拶 を い た だ き ま し た。な お、こ の 日
第一号議案 ︵通常総会議案︶
六月二十一日、石垣記念ホール︵東京都港区赤坂︶において、総会、並びに会員と
内水面漁業振興議員連盟との合同懇親会が開催されました
知 県 内 水 面 漁 連 会 長︶が 開 会 を 宣 し、
平成二十四年度借入金限度額決定の件
第七号議案
平成二十四年度預入先決定の件
第六号議案
事の報酬額決定の件
平成二十四年度における理事及び監
第五号議案
方法決定の件
平成二十四年度経費の賦課及び徴収
第四号議案
予算案決定の件
平成二十四年度事業計画並びに収支
第三号議案
件
平成二十三年度剰余金処分案承認の
第二号議案 平成二十三年度事業報告並びに収支
人出席が三十二名、代理出席が二十三
立された民主党内水面漁業振興議員連
きました。
名となり、盛会でした。 桜井会長の挨拶のあと、水産庁増殖推
富 山 県 内 水 面 漁 連 米 澤 博 孝 代 表 理
鈴 木 理 事︵茨 城 県 内 水 面 漁 連 会 長︶
決算承認の件
事会長を議長に選出し、第一号議案か
の乾杯の発声の後、しばし和やかに懇
盟からの出席者も合計すると、議員本
ら第七号議案について審議し、原案ど
談のあと散会となりました。
進部長 木實谷浩史様からご祝辞を頂
おり可決承認され、
山口副会長理事
︵石
川県内水面漁連会長︶の閉会の辞によ
り終了いたしました。
今年の総会では、全国養鱒振興協会
︵小堀彰彦会長理事︶
、全国鮎養殖漁業
組 合 連 合 会︵阪 本 伸 哉 会 長︶
、全 日 本
養鰻協議会︵村上寅美会長︶が賛助会
員として加盟したことも特徴の一つで
した。
引き続き午後三時半から、会員と内
水面漁業振興議員連盟との合同懇親会
が開催され、桜井会長に続き、内水面
漁業振興議員連盟会長の鳩山邦夫先生
4
ぜんない 7月第25号
ぜんない 7月第25号
5
全国内水面漁業協同組合連合会 専務理事 大越徹夫
をはじめ、出席された先生方からご挨
総会あいさつ 桜井会長
アユ魚拓:徹夫作
懇親会
就任のあいさつ
が出ています。この会議では、放射性
面漁業や養殖魚にも予想以上の影響
ベクレル)が適用されたことで、内水
まれる放射性物質量にも新基準値(百
月一日から食品としての淡水魚に含
全 内 漁 連 主 催 の 標 記 会 議 を、 六 月
十三日に水産庁で開きました。今年四
び内水面漁業への制限やその基礎と
基準値が設定されるまでの状況、およ
基調講演では、水産庁須田分析官か
ら、放射線についての基礎から新たな
報交換が行なわれました。
問題や情報などを話し合い、活発な情
され、参加者はそれぞれが抱えている
県からは賠償や除染に係る要望も出
トやアドバイスなどを頂きました。
賠償請求を進めて行く上でのポイン
的な提示を交えながら、内水面漁協が
た。請求事例や、文書様式などの具体
一原発事故に係る賠償請求について、
JF全漁連の道下次長からは、全漁
連が行なっている東京電力㈱福島第
での制限状況等の説明がありました。
内水面における放射性物質新基準
値に係る情報共有会議の開催
物質についての情報や水産業への影
なる検査方法、また検査結果や現在ま
に流下することから、源流域の状況は
川へ流入するものの時間の経過と共
代によって放射性物質が泥と共に河
響は避けられない。しかし、豪雨や雪
とから、底性生物を餌とする魚への影
・放射性物質は泥に吸着されやすいこ
今後は、賠償請求の進み具合や、放射
養殖二団体および全内漁連)でした。
者は合計二十八名(六漁協・十二漁連・
ロックおよび養殖団体に行ない、出席
ブロック、東海ブロック、近畿北陸ブ
漁連会員の東北北海道ブロック、中央
この会議への参加呼び掛けは、放射
性物質による被害が想定される全内
初期費用はかかりません。販売手数料15%のみです。
考え方と進め方をお話いただきまし
響、およびそれに係る賠償請求など、
会員同士で情報を共有しながら、影響
の軽減と問題の解決を図る場とする
ことを目的にし、水産庁の協力を得て
開きました。
始めに、「放射能問題と漁業及び遊
漁」(講演者 水産庁漁業調整課 須田
健二国際水産情報分析官)、および「東
京電力㈱福島第一原発事故にかかる
賠償請求の対応等について」(講演者
JF 全 漁 連 漁 政 部 道 下 善 明 次 長 )
と題する講演をしていただき、その後
改善する傾向にあると思われる。これ
性物質により受ける影響を見ながら、
主な質疑応答
ースによる釣りは認められる。
ただし、
理が可能な場合には、キャッチ&リリ
体が食用として流通しないような管
・新基準値を超過しても、超過した魚
には抵触する)。
業法上の罰則規定がない(原災特措法
た場合でも、釣りを行なった人には漁
・基準値超えによって漁獲が制限され
ものについてまだ決まっていない。
制限の解除については、実質、具体的な
き、県知事から指示が出されているが、
策特別措置法以下(原災特措法)に基づ
・内水面漁業への制限は、原子力災害対
午後は賠償請求について実践的な講演
これには、魚を持ち出さないための啓
担当/村木 電話番号:
に、遊漁や放流指示量についての考え
から問題なのは中・下流域であり、今
内水面業界における放射性物質に係
03-5909-8061 電子メール:h_muraki896@bw t.jtb.jp
●購入方法は、ホームページ「フィッシングナビ .com」http://fishing-navi.com/ をご欄下さい。
方、規制の解除や風評被害などについ
後の状況変化が注目される。放射性物
る影響の軽減を図り、内水面の振興を
●お問合わせ・ご相談は下記までご連絡ください
て質疑を行ないました。福島県と岩手
質の自然界での動きは、
(独)水産総合
進めて行きたいと思います。
コンビニ
端末
発や漁場監視の徹底が求められる。
研究センターや文部科学省でも調べ
株式会社 JTB法人東京 フィッシングデスク(第六事業部内)
東京都新宿区西新宿3-7-1 新宿パークタワー27階
マルチコピー
カルワザステーション
Loppi
Famiポート
ているので状況は今後明らか
になると思われる。
・河川の除染については、機械
装置の開発など始まったとは
聞いているが、実用化には至っ
ていない。水産庁としては、今
後も情報収集を図る。
利用できる
午前中は放射性物質問題と漁業に関する講演
手続きは簡単です。年度の途中からでも始めることが出来ます。
ポイント3
毎月、販売実績と販売都道府県の入った明細書をお送りします。
ポイント2
・損害の賠償交渉は当事者が
既に全国の22漁協が契約し、漁協・釣り人の両方から好評を得ています。
ポイント1
東電と行うべきで、全内は東電
本社との交渉を続けて、内水面
漁協の活動と漁業制度の理解
を求めることにしている。その
上で、各県の東電㈱福島原子力
補償相談室との交渉が円滑に
進むよう、本社を通じて問題解
決に当たることにしている。
全国のコンビニで24時間販売できる
遊漁券システムについて
10
ぜんない 7月第25号
ぜんない 7月第25号
11
JTB
漁協の皆様へ
1都 13 県の内水面漁業・養殖業関係者が参集
参加者・講師の活発な情報交換が行なわれました