6 本時の指導(基本・学び合いコース 指導者 吉川隆雄 6年2組教室) (1) 本時のねらい ○割合の差の問題の数量関係を正しくとらえた上で立式し,数直線を用いてその根拠を説明する ことを通して,比較量=基準量×割合の考え方のより簡便な計算方法のよさに気づかせる。 (2) 予想される児童の実態 ①このコースは,5年で学習した割合についての理解がおおむね十分な児童を対象としている。 自分なりに式を立てて,数量関係をとらえて数直線に書き表すことができる児童が多い。 ②自分なりに解決の方法の見通しを立て,数直線に数値を記入して立式することはできるが,立 式の根拠を問われた場合に,説明することがうまくできない児童がいるので支援したい。 ③授業で自分と友達の考えと比較し,自分の考え方がどのように広まったり,深まったりしたの かをうまく表現できない児童がいるので,具体的に支援していきたい。 (3) 指導にあたって ①本時の前半部分では,35%割引の値を比較量の割合としてとらえている児童が考えられるので, 0.35 は割引された割合であることを線分図で確認させ,比較量の割合は 0.65 であることに気 づかせてから進みたい。 ②後半部分では,割合の第2用法の(基準量)×(割合)=(比較量)に基づいて自力解決させ ていくが,学び合いの部分では,2つの式から1つの式の方が,さらに割合を1つにまとめて 求める方が簡潔に求められるよさを,学び合いを通して気づかせていきたい。 ③自力解決を机間指導で支援しながら児童の実態を把握し,4 つの典型的な考え方を選び発表さ せる。4つの考え方を検討することを通して,他人の考えのよさに気づかせたり,自分の考え 方を広げたりできるように学び合いをさせたい。さらに,前時との比較や友達の考えのよさを 素直に文章表現できるようにしていきたい。 (4) 段 階 指導過程(基本・学び合いコース) 学習活動(予想される児童の反応) 支援の手だてと留意点 1 本時の学習問題を知る。 つ A 店では,2000円で売っているゲームを,B 店では A 店の定価の 35% 引きで売っています。B 店では,いくらで売っていますか。 か 2 む 題意を線分図でとらえる。 (1) 値段から値引分と売り値をとらえる。 ・求める B 店の売り値□円は,定 価から値引き額を引いて求めら れることを,線分図で確かめる。 2000 円 定価 売値 □円 値引分 (2) 割合で値引きと求める値をとらえる。 1 定価 売値 1−■ 0.35 ・0.35 は値引きされた割合であっ て,支払う額の割合は,1−0.35 =0.65 であることを線分図で確 かめる。 ・さらに,2000 円の 35%である 700 円も数直線上で確かめる。 評 価 3 自分の考えをグループの中で発表し,友達 の考えと比べてみる。 (1)自分で式を立て,答えを求める。 ・自力解決させることで,自分な (自力解決) りの考えを持たせる。 (2)数直線で自分の考えが正しいか,数直線を ・自分で考えた式や答えが,数直 線を書くことによって,変更し 書いて確かめる。 (3)自分の考えの説明のしかたを考え,自分で てもよいことを知らせる。 練習する。 (4)代表者は自分の数直線,式と答えを小黒板 ・机間指導しながら児童の考え方 を分類把握し,発表児童を決め, に書いて発表の準備をする。 小黒板を渡して書かせる。 4 問題の解き方を全体で発表し合い,解き方 ・立式の根拠を説明しやすいよう をみんなで検討する。 に,数値間に矢印を書いて,何 倍になっているかを表すように 助言していく。 ①(定価)−(値引き)=(代金) (2 つの式) 0 0 □ 0.35 ×0.35 ×0.35 2000 (円) 1 式 2000×0.35=700 2000−700=1300 割合 ・ (定価)×(値引率)=(値引額) が出ることで終わっている児童 には,代金は(定価)−(値引 額)で求められることを線分図 で確認する。 答え 1300 円 ②(定価)−(値引き)=(代金) (1つの式) ・(1)の考えを,一つの式でまとめ 2000−2000×0.35 式 る(2)の方が,計算の決まりを使 =2000−700 答え 1300 円 っていること,式が1つで見や すいことを話し合いで確かめ =1300 る。 ③ 1−(値引き率)=(支払う割合) (2つの式) ・割合に目をつけると,基準量の 0 割合は 1 とすると,比較量の割 □ ×0.65 2000 (円) 合は,1−(○%引き)=(比 (1-0.35) 較量の割合)が求められ,あと は(基準量)×(割合)=(比 割合 0 0.65 ×0.65 1 較量)の考え方でできることに 気づかせる。 式 1−0.35=0.65 2000×0.65=1300 答え 1300 円 ④ 1−(値引き率)=(支払う割合) (1つの式) 0 □ ×0.65 2000 (円) (1-0.35) 0 0.65 ×0.65 1 式 2000×(1−0.35) =2000×0.65=1300 割合 答え 1300 円 ・割合も1つの式にまとめること ができることを理解し,その見 やすさや計算のしかたの簡便さ を分からせる。 ・(1)から(4)の式になるにしたがっ て, (基準量)×(割合)=(比 較量)の考え方にもとづいて,1 つの式で計算できるよさに気づ かせる。 ・割合の差 に着目する 問題につい て立式し, 数直線を使 って説明す ることがで きる。 (観察・ノ ート) ま 5 全体で話し合ったことをまとめる。 と め る ・全体で話し合ったことや,前時 で学習したことを,児童の言葉 でまとめる。 ・式は 1 にまとめた方が計算が楽だ。 (基準量)× ・割合の差の割合は,1−(値引き率)で出る。 ・割合の差の問題も, ・ (もとにする量)×(割合)=(比べられる (割合)=(基準量)の考え方 量)でできる。 でできることに気づかせる。 ・割合の差の問題も和の問題と同じ考えでで ・割合の和と差の問題は,割合を きる。 先に求めてから計算すると分か ・割合の値が 1 より小さかった。 りやすいことにまとめる。 6 本時の学習を振り返り,学習カードに自己 評価をする。 ・学習カードに,分かったことや 友達から学んだことを具体的に 書かせるようにする。 (5) 評 価 考 割合の差の問題の数量関係を正しくとらえた上で立式し,数直線を用いてその根拠を説明 することを通して,比較量=基準量×割合の考え方のより簡便な計算方法のよさに気づきい ているか。 (観察・ノート) (6) 板書予定 11/18 割引きを数直線を使って考えよう A 店では,2000円で売っているゲームを, B 店では,A 店の定価の 35%引きで売っていま す。B 店では,いくらで売っていますか。 ① 2000×0.35=700 2000−700=1300 0 0 ② 2000−2000×0.35 =2000−700=1300 □ 1−0.35 2000 0.35 1 (円) 割合 <まとめ> ①もとにする量×割合 =比べられる量 ③ 1−0.35=0.65 2000×0.65=1300 2000×(1−0.35) =2000×0.65=1300 ④ ②1−割引率 =代金の割合
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