中越森林管理署 小出森林事務所 森林官 細野 勝男

中越森林管理署
小出森林事務所 森林官 細野
勝男
私の勤務する小出森林事務所は、新潟県中越地方の
魚 沼 市に 位 置 し 、尾 瀬 、 銀 山湖 ( 奥 只 見 ダ ム 湖) 、 越 後
三 山 の駒 ヶ 岳 、 中ノ 岳 等 自 然に あ ふ れ た 約 2 万1 千 ㌶ の
広大 な面 積 を管 理し てい ます 。
新 潟県 の 中 で も魚 沼 地 方 は特 に 積 雪 量 が 多 いこ と で 有
名 で すが 、 今 年 もま た 軽 く 2㍍ を 超 え る 積 雪 があ り ま し
た 。 昨年 、 一 昨 年と 少 雪 で 除雪 作 業 も 少 な か った の で す
が 、 今年 は ほ ぼ 毎日 除 雪 を して い ま す 。 ( メ タボ な 私 に
はと ても よ い運 動で すが ・・ ・)
夏のゆきまつり
巡視の途中ちょっと休憩
雪国 の 生活 は不 便 なこ と も多 い の です が 、こ の 地方 に
と って は 雪も 貴重 な 観光 資 源 で、 管 内に あ る奥 只 見丸 山
ス キ ー 場 は 、 営 業 期 間 が 12月 中 旬 か ら 正 月 ま で 、 3 月 中
旬 から 5 月中 旬ま で と春 ス キ ーを メ イン に した 営 業を し
て おり 、 特に 春ス キ ーは ブ ナ の芽 吹 きの 頃 まで 滑 れる の
で 多く のス キー ヤー やス ノー ボー ダー が訪 れま す。
また 、 銀山 平地 区 では 、 キ ャン プ 場内 に 積も っ た雪 を
保 温シ ー トを 掛け て 保存 し 、 毎年 7 月下 旬 に開 か れる 夏
の ゆき ま つり の折 り 、会 場 に 約8 万 トン の 巨大 な 雪山 が
作 られ 、 そり や雪 遊 びを 楽 し みに 大 勢の 親 子、 観 光客 が
来 場し ま す。 こ のお ま つり で は 、当 署 も 木工 教 室 を開 き、
木の 葉 のバ ッチ 、自 然 木の 枝で マイ 箸 作り 等 を行 い 、来
場 者か ら好 評を 得て いま す。
管 内 の 国 有 林 は 、 大 部分 が ブ ナ な ど の 広 葉 樹 林 で あ り 、 多
種 多 様 な 生 物 が 生 息 し てい ま す が 、 そ の 中 で も 特 に 私 が 紹 介
し た い の は 北 ノ 又 国 有 林 内 を 流 れ る 北 ノ 又 川 の 大 イ ワ ナ で す。
釣 り 好 き で こ の 地 に よく 訪 れ て い た 、 作 家 の 故 開 高 健 が 愛
した川として知られていますが、 その開高さんの呼びかけ
が き っ か け と な り 、 銀 山 湖 の 種 川 と し て 昭 和 56年 、 永 年 禁 漁
河 川 に 指 定 され ま し た 。 ま た 、 全 国的 に 見 て も 珍 し い こ と で
す が 漁 場 監 視 員 が 川 の そ ば の 監 視 小 屋 に 泊 ま り 込 み で 常 駐 し、
昼夜を問わず密猟者から魚を守っており、このため、非常に
多 くの 魚が 生息 して いま す。
8月のお盆頃になると、銀山湖から大イワナの群れが、秋
の産卵に向けて遡上を始めます。宮ノ渕という少し深い場所
があって、お盆すぎから9月下旬頃まで沢山の大イワナを見
る こ と が 出 来 ま す 。 ま た 、 以 前 10 月 頃 巡 視 業 務 の 途 中 、 ひ と
ま た ぎ で き る よ う な 沢 を 渡 ろ う と し た と こ ろ 、 50㌢ く ら い の
大イワナがバシャバシャと飛び出して来てビックリしたこと
も あり まし た。
魚の多さ、大きさに感動すると思います。紅葉の頃がシー
ズンですので、リバーウォッチング(魚たちを驚かさない程
度 に) は如 何で しょ うか 。
このように自然豊かな環境で勤務していますが、その自然
を 後世 に残 さな けれ ばい けな いと 責任 を 感じ てい ます 。
国民の財産である国有林を適切に管理し、地域の皆さんと
交 流を 深め 、期 待さ れる 国有 林で あり た いと 思い ます 。
宮ノ渕の大イワナ
「河は眠らない」開高健記念碑
北ノ又川河畔