会議要録(Adobe PDFファイル 204.3KB) - 那須塩原市役所

平成22年度第2回那須塩原市行財政改革懇談会会議要録
○ 日 時:平成22年11月17日(水)9時30分~11時30分
○ 場 所:本庁303会議室
○ 出席者:*委員7名
中村祐司、大島三千三、越前谷平八郎、菊地信之、坂内敏夫
澤井修、田代茂樹
※欠席3名(印南勝日、大澤則之、国井初男)
*市側20名
副市長2名、企画部長、総務部長、保健福祉部長、産業観光部長、
教育部長、議会事務局長、選挙管理委員会事務局長、
農業委員会事務局長、上下水道部長、西那須野支所長、
塩原支所長、会計管理者、環境対策課長、生活課長、
事務局(企画情報課)
《懇談会の内容》
1.開 会
2.あいさつ(副市長、会長)
3.議 事
(1)意見・提言等への回答について
《会長》
本日は、議題1「意見・提言等への回答」の方を中心に、じっくり時間を
かけていきたい。前回の懇談会から 1 ヶ月間で意見・提言を提出することにな
っていたが、複数の委員から非常に鋭い指摘や意見をいただいており、また、
市ではそれに対して検討を行い、回答を作っていただいた。本日は、せっかく
この場に一同に会しているので、やりとりを中心に行いたい。提出した質問の
ことはもちろんそれ以外でもいいので、ぜひ直接意見を述べてもらいたい。
事前に提出された意見提言とそれに対する回答について、最初に事務局に説
明をいただく。資料の説明はコンパクトに、それに対する意見交換に時間をか
けたいと思うのでよろしくお願いしたい。
《事務局》
資料1により説明
【資料1 意見提言№1についての意見交換】
《委員》
市政に関わるのはこの機会が初めてで、地域の行政ニーズについて総合計画
や財政的に完全にカバーできないのはどの部分なのかをよく知らないので、自
分の位置が定まらないでいる。社会一般では人口減少時代のまちづくりが大き
なテーマといわれているが、少なくとも現状の行政ニーズについては破綻なく
継続されることを願望している。財政的な面で長期的に現在の行政ニーズに十
分満足できるようになっているかを明示することで私たち市民の安心感が高ま
る。
先日、大阪府知事が今後 10 年の財政見通しを公表し、これを基に問題点を考え
ていく、と説明していた。本市も 24 年度から次の行財政改革の計画をスタート
させる中で、10 年間ベースの財政見通しなど数字的に押さえておきたい。社会
全体の人口減少・人口構成の変化などの要因だけでなく、本市は合併から 5 年
がたち、今後 5 年間で地方交付税の減少や合併特例債の償還開始などの状況が
確実に予定されているなどの特殊状況もあるので、数字的にどうなのかという
ことである。現在の行政サービスが今後も問題なく受けられるかどうか心配し
ている。次の計画においてそこを市民にはっきり示し、問題点については何を
すべきかをあらかじめ整理されていると望ましい。市からの回答の中に「収入
と支出のバランスをとることがより困難になる」とあるが、どの程度困難にな
り、そのためには何をするべきかという指針を次の計画に明示できればよい。
回答中の「選択と集中」
「重点化と効率化」については、対象と手段は何なのか
をはっきりさせ、切り捨てられるものなどマイナスの面があれば予め市民に示
して心構えをしてもらったり、いろいろな考え方を出してもらったり、一歩踏
み込んだものができればよりいいのではないか。
《総務部長》
財政計画については今までも作成していたが内部資料としてのみで公表には
至っていなかった。今年度からは10年間の財政計画を策定し、公表予定であ
る。ご指摘のあった地方交付税の減少や合併特例債の問題、社会情勢など見込
んで策定していきたい。策定後も社会情勢等の変化があるのでローリング方式
により見直しをしていきたい。
また、回答中の「収支のバランスをとるのが困難になる」については、財政
はあくまで施策と連動しており、施策をどう数値的にフォローしていくかとい
うものであると考えている。行政はもちろん、市民の方々もこれまでのように
「あれもこれも」ではなく「あれかこれか」選択していかなければならない時
代になってきている。同時にその中で受益者負担となるものも考えられる。こ
れからは市民がどういうサービスを選択していくか、それにより収入はどうし
ていくかということが肝要であり、財政計画を単独で作っていくのではなく、
総合計画に合わせて作っていかなければならないと考えている。
【資料1 意見提言№4についての意見交換】
《委員》
水道の開閉栓手数料金を2倍いただく論理的根拠は分かったが、水道使用者
へのサービスの定義とは何なのか。2倍の料金を徴し、水道使用者に何のサー
ビスが返せるのか。
《上下水道部長》
きれいな水をできるだけ安価に、安心安全な水を供給することが水道事業に
おけるサービスと考えている。開閉栓の費用は、従来は特定者以外の方の水道
料金からも充てていたが、今回から原価に基づいた手数料を設定し受益者負担
とした。その分を水道施設工事などの安心安全な水の供給のための経費に向け
ていきたい。
【資料1 意見提言№5についての意見交換】
《委員》
塩原保健福祉センターは土砂災害区域にあるということだが、建物があって
いけないということではない。専門家によるとコンクリートは 30 年経過すると
強度が増すとも言うように、建物は強固にできているし、対処する方法もある。
建物を取り壊すのには相当高額の費用がかかると見込まれる。それであれば行
政のお金の使い方の効率として、擁壁を造る又は建物自体を擁壁として利用し
て小規模でも代替建物を作って現在の機能を維持していくこともできるのでは
ないか。また、
「場所を変更して関係団体が実施していく」とはどういうことか。
《保健福祉部長》
当該施設は老朽化が進んでおり、現在の建物は修繕に経費がかさみ、また耐
震強度不足の問題があるが耐震化にはかなりの費用がかかることになる。建て
替えという方法もあるが、施設の裏側は約 30mの岩になっておりそれを防護す
る壁が必要となってくる。また建物も強固なものにするが必要があり、相当の
投資が必要となってくる。そのような状況であるため、取り壊しの方向で進め
ていきたいということである。
したがって、そこで現在行っているものにデイサービス関係・検診関係・シ
ルバー人材センター及び社会福祉協議会の事務所等があるので、場所の変更に
ついてどこが可能なのか等について検討しているところだが、まとまったら地
元に提示していきたい。また、温泉施設は年間2万人以上が使用する施設であ
るが、老朽化したままの施設に公共施設として集客してよいのかという課題も
あり、その辺りも考慮しなければならない。
【資料1 意見提言№6についての意見交換】
《委員》
回答を見たときに、議会事務局が市民の側ではなく議員の側に立っているの
ではないかと感じた。このような回答では「改革」にならないのではないか。
考え方を変えていただかなければならないのでは。
《議会事務局長》
議会事務局として、中立の立場で執務を行っている。報酬については高いと
いう客観的根拠が見当たらず、また金額は報酬等審議会に基づき決定されるた
めこのような回答となった。また議会の歳費関係については、決算ベースで平
成 21 年度は前年度比 1,400 万円程度減額している。
また、地方自治法の一部改正が国会に提出され、それによると人口別の議員
定数の枠がはずされるということであり、地方分権の関係からも、議会も大き
く変わろうとしている時期である。したがって議会では議会活性化検討特別委
員会を立ち上げ、様々な問題をクリアすべく取り組んでいる。
《副市長》
議会事務局は中立的な立場で業務を遂行するのが前提である。報酬の額につ
いては私ども特別職を含めて、勝手に上げ下げすることはできず、市長の諮問
に応じて報酬等審議会という特別な機関で十分審議いただき、最終的に議会に
提出し決定されるという手順となっていることをご理解いただきたい。今回の
回答についても決して議会側の立場に立ったものではないので、ご理解いただ
きたい。
【資料1 意見提言№9についての意見交換】
《会長》
質問№9の市営バスの回答にあるが、利用状況と役割などについてはどうか。
《副市長》
市営バスについては、市政懇談会等いろいろな場面で様々な路線にバスを走
らせて欲しいというニーズがあるが、地域が広く人口密度が低い場所にバスを
走らせるとなれば、民間が撤退した路線等になるため、行政としても黒字にす
るのは難しい。その中でも利用しやすい時間や病院に行きやすい時間帯等にダ
イヤを改正するなどにより利用者数は伸びてきている状況である。また、
「無料
回数券の発行」というご意見もあったが、民間と比較しても運賃は安価に設定
しており、最小限の負担をいただくということでやっている。
また、高齢者の足の確保の対策という点については、他にもタクシー利用券
等いろいろな手法がある。バスのみをたくさん走らせても、一方で昼間は人が
乗っていないバスが走るということになってしまうので、他の施策と併せてト
ータルで考えていきたい。ゆーバス運行開始から 5 年間は民間業者に委託して
運行してもらっているところだが、それ以降の対応についてどうするか検討を
開始している。デマンドバスやデマンドタクシー等も含め、市民の皆さんの意
見をいただきながら、総合的に現在検討しているところである。
《委員》
市営バスの塩原上三依線は温泉街の路線であるが、利用客数が多く収入増に
貢献しているが、利用者の多くは来客・観光客である。市民のためのバスとい
うことなのでいたしかたない面もあるが、現地で見る限りもっと利用客数及び
収入を増やす手段はあるだろうと考える。しかし、路線やバス停の位置、ある
いは観光客が利用しやすいように一体化のクーポンなどで乗せてもらえるか、
などについてなかなかうまくいかない。そういったところで弾力的運営を図っ
ていただくと、少しでも赤字補填などに貢献できることはあるのではないかと
考える。
【資料1 意見提言№10、11 についての意見交換】
《委員》
先ほど意見のあった「選択と集中」に関連してくると思うが、長期の総合計
画と財政計画がリンクしているというように、行財政改革も総合計画とは表裏
一体であると思う。現在の総合計画の中にインフラ整備・質の向上を図る計画
があるが、10~20 年後のまちがどんなまちにしていくのかという戦略的なイメ
ージができない。行政では具体的イメージ・将来像があるのか。例えば国で言
えばスウェーデン型の福祉国家を目指すのか、マレーシアのような通商国家を
目指すのかという議論が市のレベルで必要だと思っている。その方向性を行政
全体で共有し、また、市民全体でもそのイメージを持っていなければならない。
それでないと議論のしようがないと思う。行革イコール無駄の排除・合理化で
はなく、前提として将来像を示して市民のコンセンサスを得る。これがあって
こその選択と集中である。
また、地域性の問題について、先ほど水道開閉栓手数料の負担の件で「負担
の公平性」が述べられたが、それであれば快適な市民生活享受の公平性も考え
ながら行政サービスを進めていただきたい。例えば自治消防組織を作るにも高
齢化が進み作れない、そういった地域性を(距離の離れた)本庁にいる職員が
想像することができるのか、地域の実情や意識を分かってくれているのか。ま
だ十分に分かっていないので、いろいろな問題がでてくるのではないかと思う。
《総務部長》
補助金審査会の件で説明させていただきたい。補助金については担当する課
が本来は直接それぞれの団体に会い補助金交付の可否ついて判断する。それが
第一のスクリーンである。ただし、市の単独補助金は全体で概ね 200 件 11 億円
になる。そういうものを、担当課の判断という第一スクリーンだけで妥当性は
どうなのか、二つ目のスクリーンとして補助金審査会で方向性を審査する。そ
の結果、廃止や継続など方向性は出すけれども、結果どおりすべて廃止になる
というわけではなく、最後にもう一度担当課と団体が協議してから決めること
となっている。そのため補助金審査会で団体からの聞き取りをしないですべて
を決定するということではないので、その辺をご理解いただきたい。
《企画部長》
組織機構見直しの件について、平成 20 年度に移行した本庁方式がおおむね今
年度完成形となったところであるが、現在、不具合があるかどうか、支所も含
め庁内で検証中である。必要があれば運用面でできるだけの改善をしていきた
い。
《委員》
補助金審査について、内容によっては成果方式を導入してもいいのではない
かと思う。全部ではないが、例えば温泉街の観光振興は、入湯税の増減で、努
力が多少反映される。一定の補助金プラス成果方式ということでも、もし市民
の意見として客観性があり納得できるということであれば甘んじて受けなけれ
ばならないと思うが、努力してある程度成果がでたときにはいただける、そん
なことを個人的には考えるところである。
《会長》
こういった懇談会の意見を総合計画策定の方にも生かしてもらいたいと思う。
【資料1 意見提言№12~16 についての意見交換】
《委員》
財政状況が先日広報にタイムリーに掲載されよく周知されていた。行政のデ
ィスクロージャーとしてはすばらしいと思う。また、人件費について、広報で
周知していた市の人件費の状況をみると一人当たりおよそ 650 万円で約 800 人、
総額 60 億円であり、一割の 6 億円を削減するには人に換算すると 100 人を減ら
さなければならなくなるので、人だけではなく他のあらゆる面で知恵をめぐら
せなければならないと理解した。
退職手当については、起債つまり借金でまかなっている地方公共団体もある
が、当市においてはそのようなことにならないよう、健全財政でまかなっても
らいたい。
民間活力の件については、今後の財政の逼迫状況を考えると、市として身軽
になっておいてもらいたい。民間でできるものは任せ、そのノウハウを生かす
ことにより行財政改革の一助になればと思う。特に商業活動は行政がもっとも
苦手な分野だと思う。行政のやる商売をみるとあまりよくないように思う。商
売に不可欠な笑顔も行政をやっている人にはなじんでないように思う。これか
らは身軽な市政で他の分野に力を注いでもらいたい。
職員の意識改革については、政策に関わるとりわけ上のクラス、部長の研修
に力を入れてもらいたい。
大企業のボランティアの件だが、先週社会福祉協議会主催の人材育成の講習
会があり、そのときの講師の大学教授が「大企業の地方組織はすべて東京・本
社を向いている。地方の事務所・工場は、ソーシャルコーポレートレスポンシ
ビリティといって、営利追及だけでは立ち行かないという考え方で専門の部署
も設けきちんと対応してくれる」と紹介していた。当市にも大企業の出先など
があり、本件についてもうひとつ大きな視点で見ることができるかもしれない
と、この話を紹介させていただいた。
《産業観光部長》
青木ふるさと物産センターについては、青木地域の活性化を目的に農林関係
の補助事業を受けて設置した施設で、現在は農業公社が指定管理者として運営
している。今後は指定管理者制度の中で、民間への委託も検討中である。
《委員》
先ほど委員の方から「市は今後どういう風になりたいか明確にすると分かり
やすい」という発言があったが、当市のこの良好な自然環境という現状を上手
に活かし維持していくということを強く願望する。
広報にでていたが産業廃棄物処理場建設に反対する全国市長会の会長に当市
長が就任したということだが、りっぱな決断である。しかし、実際にどう処理
していくかということについては難しい問題である。その件について具体的な
案をひとつ提案したい。那珂川を水源とする全ての市町村から財源を出しても
らい「那珂川里山基金」のようなものを設置し、県に申請の出た産業廃棄物処
理場の用地を基金で買い取るという案である。これは、流域経営という考え方
「流域における森林等の自然環境の公益機能を享受する都市住民の受益に見合
う費用を負担することにより自然環境を保全する仕組み」によるもので、具体
的例として、横浜市は市が利用している道志川の水源がある山梨県道志村の面
積の 35%に相当する原有林を買い取って水の調達をしている。似たような考え
方で当市もできないものか。行財政改革大綱でも「行政は、市民では取組むこ
とが難しい行政課題の解決に取組む」とされており、今の問題はまさにそうい
うもので、里山基金のようなものにより産業廃棄物処理場ができないようにし
ていくというようなことは、ひとつの行政手法ではないかと思う。また、この
ようなことが社会全体に広まれば、那須塩原市は立派な考え方をもち市民生活
の安定のために対応しているというPRにもなり、ひいては地価の上昇・集客・
人口増加につながるのではないか。
《会長》
私は懇談会の段取りに関するこの№12 の指摘は非常に重要なことだと思って
いる。会議の回数が限られた中でできることは限られてくるが、前回と今回の
わずか 2 回でこれだけ貴重な提言があった。来年度以降はもう少し回数を増や
していけば、外からのチェックというのを超えて、今のような提案を形にして
いくことにもつながる。市政にとっても、意見を提案する場が、あるひとつの
場ではなく、複数の場があることが重要で、行財政改革懇談会についても、よ
り展開されていくものであると思う。
(2)集中行財政改革プラン(22 年度改訂)について
《事務局》
資料2により説明。(現在のプランに太字部分を追加・修正した。)
(3)その他
《委員》
いろいろな意見があっていいと思うが、
「行政改革」というのだから、やはり
常識的には、今あるところから無いところへ、というのを基本的な考え方とし
て持っている。これから何か作り出すとか増収を目指すことも大事だが、私ど
もはそのへんには意見が至らないと思うので、今現在の予算の使い方について、
あるところから無いところへ、より市民の側に立ったものを実施していただき
たい、という立場でこの会に参加させていただきたい。
4その他
事務連絡
5閉会