社保の栞 - 広島県医師会 - 日本医師会

広島県医師会速報(第1904号)昭和26年8月27日 第3種郵便物認可(18)
2005年(平成17年)5月25日
保の栞
支払基金審査情報提供事例について
審査支払機関における診療報酬請求に関する審査は、健康保険法、療養担当規則、診療報酬点数
表並びに関係諸通知等を踏まえ各審査委員会の医学的見解に基づいて行われています。
一方、審査の透明性を高め、審査の公平・公正性に対する関係方面からの信頼を確保するため、
審査における一般的な取扱いについて広く関係者に情報提供することとしました。
このため平成16年7月に「審査情報提供検討委員会」を設置し、情報提供事例の検討を進めてき
ましたが、このたび、審査情報提供検討委員会の意見を踏まえ、25事例について審査上の一般的な
取扱いについて情報提供することとしました。
今後とも、審査情報提供検討委員会を重ね提供事例を逐次拡充することとしておりますので、関
係者の皆様のご参考となれば幸いと考えております。
なお、このたび情報提供する審査の一般的な取扱いについては、療養担当規則等に照らし、当該
医療行為の必要性、妥当な回数、類似する検査等の併施の有用性等に係る医学的判断に基づいた審
査が行われることを前提としていますので、本提供事例に示された適否が、全ての個別診療内容に
係る審査において、画一的あるいは一律的に適用されるものでないことにご留意ください。
平成17年4月
(参考) 社会保険診療報酬支払基金
http://www.ssk.or.jp [審査情報提供] 1 赤血球沈降速度測定(ESR)とC反応性蛋白(CRP定量)
《平成17年4月25日新規》
○ 取扱い
原則として、同一検体での赤血球沈降速度測定(ESR)とC反応性蛋白(CRP定量)の併
施算定は認められる。
○ 取扱いを定めた理由
ESRとCRP検査データは、通常、並行的に変化するものであるが、両者のデータの乖離(か
いり)は炎症初期及び回復期等に認められる場合がある。また、血管内凝固症候群など両者の乖
離(かいり)が診断のきっかけとなることもあるなど、両者の併施は有用である。
2 赤血球沈降速度測定(ESR)(高血圧症)
《平成17年4月25日新規》
○ 取扱い
初診時以外で、「高血圧症」のみの病名に対する赤血球沈降速度測定(ESR)の算定は認め
られない。
○ 取扱いを定めた理由
「高血圧症」とESRは病態生理学的にみて、必然的な検査とは認められない。
(19)2005年(平成17年)5月25日
広島県医師会速報(第1904号)昭和26年8月27日 第3種郵便物認可
3 HbAlc検査(膵臓疾患)
《平成17年4月25日新規》
○ 取扱い
原則として、糖尿病若しくは糖尿病疑いの明示がなく、膵臓疾患のみの場合のHbAlc検査
は認められない。
○ 取扱いを定めた理由
HbAlc検査は、糖尿病の治療のコントロールを目的として実施される検査であり、
「糖尿病」
または「糖尿病疑い」の場合に認められる検査である。
○ 留意事項
膵臓疾患、特に慢性膵炎では糖尿病の合併が多く見られ、血糖値の平均を評価することには臨
床的有用性がある。こうした場合は「糖尿病」または「糖尿病疑い」等の病名を明細書に記載す
ることとなるが、これらの病名がない場合には、詳記等により検査をする医学的な必要性が認め
られる場合に限られる。
4 HbAlc検査(肝臓疾患)
《平成17年4月25日新規》
○ 取扱い
原則として、糖尿病若しくは糖尿病疑いの明示がなく、肝臓疾患のみの場合のHbAlc検査
は認められない。
○ 取扱いを定めた理由
HbAlc検査は、糖尿病の治療のコントロールを目的として実施される検査であり、
「糖尿病」
または「糖尿病疑い」の場合に認められる検査である。
○ 留意事項
肝疾患、特に肝硬変等では糖尿病の合併が多く見られ、血糖値の平均を評価することには臨床
的有用性がある。こうした場合は「糖尿病」または「糖尿病疑い」等の病名を明細書に記載する
こととなるが、これらの病名がない場合には、詳記等により検査をする医学的な必要性が認めら
れる場合に限られる。
5 出血時間測定(心臓カテーテル法)
《平成17年4月25日新規》
○ 取扱い
心臓カテ一テル法による諸検査施行前の出血時間測定は認められる。
○ 取扱いを定めた理由
心臓カテーテル法による諸検査には、右心・左心カテーテルを含む。それぞれ静脈、動脈にシー
スイントロデューサーを挿入し、必要とするカテーテルにより検査を施行する。検査終了時の止
血は主に圧迫止血である。
活性化部分トロンボプラスチン時間測定、プロトロンビン時間測定はそれぞれ内因系及び外因
系の止血異常を、また、出血時間測定は血小板機能を始め血管壁やその周囲組織の状況を含めた
止血検査の基本となるものであり、心臓カテーテル検査を実施するに当たって有意義な検査と認
められる。
2005年(平成17年)5月25日
広島県医師会速報(第1904号)昭和26年8月27日 第3種郵便物認可(20)
6 プロトロンビン時間測定(心臓カテーテル法)
《平成17年4月25日新規》
○ 取扱い
心臓カテーテル法による諸検査施行前のプロトロンビン時間測定は認められる。
○ 取扱いを定めた理由
心臓カテ一テル法による諸検査には、右心・左心カテーテルを含む。それぞれ静脈、動脈にシー
スイントロデューサーを挿入し、必要とするカテーテルにより検査を施行する。検査終了時の止
血は主に圧迫止血である。
活性化部分トロンボプラスチン時間測定、プロトロンビン時間測定はそれぞれ内因系及び外因
系の止血異常を、また、出血時間測定は血小板機能を始め血管壁やその周囲組織の状況を含めた
止血検査の基本となるものであり、心臓カテーテル検査を実施するに当たって有意義な検査と認
められる。
7 活性化部分トロンボプラスチン時間測定(心臓カテーテル法)
《平成17年4月25日新規》
○ 取扱い
心臓カテーテル法による諸検査施行前の活性化部分トロンボプラスチン時間測定は認められる。
○ 取扱いを定めた理由
心臓カテーテル法による諸検査には、右心・左心カテーテルを含む。それぞれ静脈、動脈にシー
スイントロデューサーを挿入し、必要とするカテーテルにより検査を施行する。検査終了時の止
血は主に圧迫止血である。
活性化部分トロンボプラスチン時間測定、プロトロンビン時間測定はそれぞれ内因系及び外因
系の止血異常を、また、出血時間測定は血小板機能を始め血管壁やその周囲組織の状況を含めた
止血検査の基本となるものであり、心臓カテーテル検査を実施するに当たって有意義な検査と認
められる。
8 血液ガス分析
《平成17年4月25日新規》
○ 取扱い
急性期の呼吸不全の場合、毎日複数回の血液ガス分析の算定は認められる。
○ 取扱いを定めた理由
急性期の呼吸不全とは、血液ガス上PaO2の低下、PaCO2の上昇がもたらされる状態で
あり、血液ガスを正常化させる呼吸管理が治療上最も重要であり、その為には複数回の血液ガス
分析は必要と認められる。
○ 留意事項
1日の必要回数については、個々の病状により異なる。急性期とは、通常、1∼2週間程度で
ある。
9 T3、FT3、T4、FT4
《平成17年4月25日新規》
○ 取扱い
原則として、T3とFT3、T4とFT4の併施は認められない。
T3およびT4、あるいはFT3およびFT4の組み合わせによる併施は認められる。
(21)2005年(平成17年)5月25日
広島県医師会速報(第1904号)昭和26年8月27日 第3種郵便物認可
○ 取扱いを定めた理由
日常の臨床の場で、甲状腺ホルモンの動向をみるためには、特定の場合を除き総甲状腺ホルモ
ンT3、T4の測定によってのみでも可能であるが、総甲状腺ホルモン(T3やT4)は、血中
ではその大部分が蛋白(TBG等)と結合した形で存在しており、実際の生体での作用は遊離系
のfreeT3(FT3)
、freeT4(FT4)濃度によって決定されることから、病態の
把握には遊離ホルモンの測定がより有用となる。また、甲状腺ホルモンの総量と遊離系ホルモン
量とは概ね相関して増減することから、特定の場合を除き、甲状腺ホルモンの測定は、その遊離
系ホルモン量あるいは甲状腺ホルモン総量測定のいずれかによることが望ましい。
○ 留意事項
まれに、TBG異常症等でT3・T4とFT3・FT4との間に乖離(かいり)が見られるこ
とがあり、臨床的にそのようなことが想定されT3とFT3、T4とFT4の併施測定の医学的
必要性が認められる場合に限り認められる。
10 梅毒脂質抗原使用検査(定性)(心臓カテーテル法)
《平成17年4月25日新規》
○ 取扱い
心臓カテーテル法による諸検査など観血的検査やPTCA施行前の梅毒脂質抗原使用検査(定
性)は認められる。
○ 取扱いを定めた理由
梅毒は、血液を介して感染が広がるおそれがあることから、観血的検査等を実施するに当たっ
て感染の有無の確認を行うことに意義は認められる。
○ 留意事項
梅毒脂質抗原使用検査(定量)の算定は認められない。
11 HBs抗原(心臓カテーテル法)
《平成17年4月25日新規》
○ 取扱い
心臓カテーテル法による諸検査など観血的検査やPTCA施行前のHBs抗原は認められる。
○ 取扱いを定めた理由
B型肝炎は、日常の臨床現場で遭遇することが稀ではない感染症であるが、血液を介して感染
が広がるおそれがあることから、観血的検査等を実施するに当たって感染の有無の確認を行うこ
とに意義は認められる。
12 HCV抗体価精密測定(心臓カテーテル法)
《平成17年4月25日新規》
○ 取扱い
心臓カテーテル法による諸検査など観血的検査やPTCA施行前のHCV抗体価精密測定は認
められる。
○ 取扱いを定めた理由
C型肝炎は、日常の臨床現場で遭遇することが稀ではない感染症であるが、血液を介して感染
が広がるおそれがあることから、観血的検査等を実施するに当たって感染の有無の確認を行うこ
とに意義は認められる。
2005年(平成17年)5月25日
広島県医師会速報(第1904号)昭和26年8月27日 第3種郵便物認可(22)
13 梅毒脂質抗原使用検査(定性)(人工腎臓実施時)
《平成17年4月25日新規》
○ 取扱い
人工腎臓実施時(初回)に梅毒脂質抗原使用検査(定性)の算定は認められる。
○ 取扱いを定めた理由
梅毒は、血液を介して感染が広がるおそれがあることから、観血的検査等を実施するに当たっ
て感染の有無の確認を行うことに意義は認められる。
○ 留意事項
梅毒脂質抗原使用検査(定量)の算定は認められない。
14 HBs抗原(人工腎臓実施時)
《平成17年4月25日新規》
○ 取扱い
人工腎臓実施時(初回)にHBs抗原の算定は認められる。
○ 取扱いを定めた理由
B型肝炎は、日常の臨床現場で遭遇することが稀ではない感染症であるが、血液を介して感染
が広がるおそれがあることから、観血的検査等を実施するに当たって、感染の有無の確認を行う
ことに意義は認められる。
15 HCV抗体価精密測定(人工腎臓実施時)
《平成17年4月25日新規》
○ 取扱い
人工腎臓実施時(初回)にHCV抗体価精密測定の算定は認められる。
○ 取扱いを定めた理由
C型肝炎は、日常の臨床現場で遭遇することが稀ではない感染症であるが、血液を介して感染
が広がるおそれがあることから、観血的検査等を実施するに当たって、感染の有無の確認を行う
ことに意義は認められる。
16 細菌顕微鏡検査
《平成17年4月25日新規》
○ 取扱い
原則として、血液培養の際の検体での細菌顕微鏡検査は認められない。
○ 取扱いを定めた理由
臨床的に感染症の診療に当っては、原虫類、一部のスピロヘータ類は塗抹検査でその種類を特
定できるが、細菌類、真菌類の多くは培養検査の結果を待たなければならない。
また、検体塗抹検査によって菌が検出されるためには、材料中に多量の菌の存在が必要であり、
化学療法の普及した今日にあっては、塗抹検査で菌の検出されることは極めて限られており、日
常診療での有用性は極めて限られていると判断される。
○ 留意事項
原則として、血液培養の際の検体からの細菌顕微鏡検査は認められないが、マラリア、アメー
バ赤痢等顕微鏡検査による形態学的診断が極めて重要な役割を演じる疾患であって、当該疾病を
疑う医学的必要性が認められる場合は、D005−7血中微生物検査により算定する。
(23)2005年(平成17年)5月25日
広島県医師会速報(第1904号)昭和26年8月27日 第3種郵便物認可
17 ネブライザー(気管支炎)
《平成17年4月25日新規》
○ 取扱い
原則として、気管支炎に対する喉頭及び喉頭下ネブライザーの算定は認められる。
○ 取扱いを定めた理由
喉頭及び喉頭下ネブライザーによる吸入療法は、気管支へも到達し得るものであり、全身療法
に比べ、より少量の薬剤が効率的に病変部位に達し優れた効果と安全性を両立するものであるこ
とから気管支炎に対しても有効であると認められる。
○ 留意事項
薬剤塗布の目的をもって行った加圧スプレー使用は、J098口腔・咽頭処置により算定する。
18 ネブライザー(喘息)
《平成17年4月25日新規》
○ 取扱い
原則として、喘息に対する喉頭及び喉頭下ネブライザーの算定は認められる。
○ 取扱いを定めた理由
喉頭及び喉頭下ネブライザーによる吸入療法は、気管支へも到達し得るものであり、全身療法
に比べ、より少量の薬剤が効率的に病変部位に達し優れた効果と安全性を両立するものであるこ
とから気管支炎に対しても有効であると認められる。
○ 留意事項
薬剤塗布の目的をもって行った加圧スプレー使用は、J098口腔・咽頭処置により算定する。
19 超音波ネブライザー(気管支炎)
《平成17年4月25日新規》
○ 取扱い
気管支炎に超音波ネブライザーの算定は認められる。
○ 取扱いを定めた理由
吸入療法は、全身療法に比べ、より少量の薬剤が効率的に病変部位に達し、優れた効果と安全
性を両立するものであり、気管支炎に対して有効であると認められる。
20 超音波ネブライザー(喘息)
《平成17年4月25日新規》
○ 取扱い
喘息に超音波ネブライザーの算定は認められる。
○ 取扱いを定めた理由
吸入療法は、全身療法に比べ、より少量の薬剤が効率的に病変部位に達し、優れた効果と安全
性を両立するものであり、喘息に対して有効であると認められる。
21 介達牽引(腰痛症)
《平成17年4月25日新規》
○ 取扱い
原則として、腰痛症に対しての介達牽引は認められる。
○ 取扱いを定めた理由
腰痛症に対する介達牽引は教科書にも有効な治療法として記載されている。
2005年(平成17年)5月25日
広島県医師会速報(第1904号)昭和26年8月27日 第3種郵便物認可(24)
○ 留意事項
原則として、腰痛症に対して介達牽引は認められるが、急性期や筋膜性腰痛症等には症状を悪
化させることがあるので、事例によっては適応とならない場合もある。
22 消炎鎮痛処置とトリガーポイント注射
《平成17年4月25日新規》
○ 取扱い
消炎鎮痛処置とトリガーポイント注射の併施は認められる。
○ 取扱いを定めた理由
トリガーポイント注射は、圧痛点に局麻剤又は局麻剤を主剤とする薬剤を注射して疼痛の軽減
を図る手技であり、一方、消炎鎮痛処置は、湿布・マッサージ・器具などを用いて患部の消炎・
鎮痛を図る処置で別範疇の医療行為である。
両者ともそれぞれ有効な治療手段であり、それらの併施を過剰とする考え方は適切とはいえな
い。
23 真皮縫合加算(頭部)
《平成17年4月25日新規》
○ 取扱い
頭部(前額部を除く)にあっては、真皮縫合加算は認められない。
○ 取扱いを定めた理由
真皮縫合は縫合痕を目立ちにくく縫う方法であり,露出部において算定可能である。頭部の被
髪部位や踵部は通常縫合痕が自立つ部位ではないため、真皮縫合加算の算定は適当とはいえない。
24 真皮縫合加算(踵)
《平成17年4月25日新規》
○ 取扱い
踵にあっては、真皮縫合加算は認められない。
○ 取扱いを定めた理由
真皮縫合は縫合痕を目立ちにくく縫う方法であり,露出部において算定可能である。頭部の被
髪部位や踵部は通常縫合痕が目立つ部位ではないため、真皮縫合加算の算定は適当とはいえない。
25 仙骨部硬膜外ブロック
《平成17年4月25日新規》
○ 取扱い
原則として、陳旧例であっても、しばしば再発、症状の増悪を繰り返す「坐骨神経痛」に対し、
仙骨部硬膜外ブロックは認められる。
○ 取扱いを定めた理由
神経ブロックは坐骨神経痛に対して有効な治療手段である。
坐骨神経痛は難治性で陳旧例であっても、しばしば再発・症状の増悪を繰り返すことが多い疾
患であるため、症状に応じては神経ブロックをその都度施行せざるを得ない事例がある。
(保険医療課)
(25)2005年(平成17年)5月25日
広島県医師会速報(第1904号)昭和26年8月27日 第3種郵便物認可
医薬品および医療機器に係る特定療養費制度について
平成17年4月26日
日医発第109号(保18)
日本医師会長 植 松 治 雄
「医薬品および医療機器に係る医師主導の治験等における特定療養費」につきましては、いわゆ
る「混合診療」問題に係る課題の1つとして、中医協においてその給付範囲の拡大等を議論して参
りました。今般、中医協総会(3月9日開催)での諮問・答申を受け、関連する告示・通知が改正
されましたので、お知らせいたします。
今回の改正内容は下記の通りであります。
また、今回の改正に伴い、医師主導の治験を実施する場合等の診療報酬明細書の記載方法が示されました。
なお、同時に、4月1日に施行された薬事法の一部改正に合わせ、引用する薬事法の条文や用語
の整理が行われております。
つきましては、今回の改正内容に関して、貴会会員に周知くださるようお願い申し上げます。
また、本件の概要につきましては、日本医師会ホームページ(メンバーズルーム−医療保険)に
掲載いたします。
記
1.医薬品に係る特定療養費制度について
医師主導の治験の枠組みの中で患者に未承認薬の使用機会が提供されるに際し、治験医師・
医療機関の経済的負担を軽減し、治験が円滑に実施されるよう、医師主導の治験について保険
給付範囲を拡大し、医師主導の医薬品の治験に係る診療にあっては、検査、画像診断に係る費
用について特定療養費の支給対象とする。
(健康保険法第八十六条第一項に規定する療養についての費用の額の算定方法の一部を改正
する件(平成17年3月23日 厚生労働省告示第102号) 等)
医師主導の治験において、患者に当該治験対象である薬物の薬剤料等の費用負担を求めるこ
とが可能であることを明確化し、その場合の手続きおよび留意すべき事項を示した。
(「「療担規則および薬担規則ならびに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」
および「選定療養および特定療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の制定に伴う実
施上の留意事項について」の一部改正について(平成17年3月3
1日 保医発第0331011号厚生
労働省保険局医療課長通知))
2.医療機器に係る特定療養費制度について
医師主導の治験の枠組みの中で患者に未承認医療機器の使用機会が提供されるに際し、治験
医師・医療機関の経済的負担を軽減し、治験が円滑に実施されるよう、医師主導の治験につい
て保険給付範囲を拡大し、医師主導の医療機器の治験に係る診療にあっては、検査、画像診断
に係る費用について特定療養費の支給対象とする。(当該検査、画像診断が当該治験対象機械
器具等を使用した手術・処置等の前後1週間に行われたものであるか否かにかかわらず特定療
養費の支給対象とする。)
(健康保険法第八十六条第一項に規定する療養についての費用の額の算定方法の一部を改正
する件(平成17年3月23日 厚生労働省告示第102号) 等)
医師主導の治験において、患者に当該治験対象である機械器具等の費用負担を求めることが
可能であることを明確化し、その場合の手続きおよび留意すべき事項を示した。 (「「療担規則および薬担規則ならびに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」
および「選定療養および特定療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の制定に伴う実
広島県医師会速報(第1904号)昭和26年8月27日 第3種郵便物認可(26)
2005年(平成17年)5月25日
施上の留意事項について」の一部改正について(平成17年3月3
1日 保医発第0331011号厚生
労働省保険局医療課長通知))
薬事法承認後、保険適用前の医療機器について、保険医療機関等において当該医療機器の使
用を適切に行うことのできる体制が整っている場合には、保険適用を希望してから2年以内に
限り、特定療養費制度の対象とする。
(健康保険法第六十三条第二項の規定に基づき厚生労働大臣の定める療養の一部を改正する
件(平成17年3月23日 厚生労働省告示第103号) 等)
(参考:新旧対照表)
○「診療報酬請求書等の記載要領等について」(昭和51年8月7日保険発第82号)
現 行
改 正 後
別紙1 診療報酬請求書等の記載要領
診療報酬請求書及び診療報酬明細書の記載要領
第3 診療報酬明細書の記載要領(様式第2)
2 診療報酬明細書の記載要領に関する事項
「特記事項」欄について
記載する略号をまとめると、以下のとおりである
こと。なお、電子計算機の場合はコードと略号を記
載すること。
別紙1 診療報酬請求書等の記載要領
診療報酬請求書及び診療報酬明細書の記載要領
第3 診療報酬明細書の記載要領(様式第2)
2 診療報酬明細書の記載要領に関する事項
「特記事項」欄について
記載する略号をまとめると、以下のとおりである
こと。なお、電子計算機の場合はコードと略号を記
載すること。
コード
略号
内 容
01から10(略)
コード
略号
内 容
01から10(略)
11
薬治
健康保険法第6
3条第2項の規定に基
づき厚生労働大臣の定める療養を定める
件第7号の規定に基づく薬事法に規定す
る治験に係る診療報酬の請求である場合
12
材治
健康保険法第63条第2項の規定に基
づき厚生労働大臣の定める療養を定め
る件第10号の規定に基づく薬事法に規
定する治験に係る診療報酬の請求であ
る場合
11
薬治
健康保険法第63条第2項の規定に基
づき厚生労働大臣の定める療養を定め
る件第7号の規定に基づく薬事法に規
定する治験(人体に直接使用される薬
物に係るものに限る。)に係る診療報酬
の請求である場合。
12
器治
健康保険法第63条第2項の規定に基
づき厚生労働大臣の定める療養を定め
る件第10号の規定に基づく薬事法に規
定する治験(機械器具等に係るものに
限る。)に係る診療報酬の請求である
場合 なお、電子計算機を使用する場合
は、当分の間、「材治」と記載するこ
ととしても差し支えないこと。
その他
その他
ア∼キ(略)
ア∼キ(略)
ク 健康保険法第63条第2項の規定に基づき厚生労働
ク 健康保険法第63条第2項の規定に基づき厚生労働
大臣の定める療養を定める件(平成6年8月厚生省
大臣の定める療養を定める件(平成6年8月厚生省
告示第236号)第7号の規定に基づく薬事法(昭和35
告示第236号)第7号の規定に基づく薬事法(昭和35
年法律第145号)に規定する治験に係る診療報酬の請
年法律第1
45号)に規定する治験(人体に直接使用さ
れる薬物に係るものに限る。)に係る診療報酬の請求
求については、次に掲げる方法によること。
ア 1月中に治験期間とそれ以外の期間が併存す
については、次に掲げる方法によること。
ア 1月中に治験期間とそれ以外の期間が併存する場
る場合であっても、明細書は1枚として請求す
ること。
合であっても、明細書は1枚として請求すること。
イ イ 「特記事項」欄に「薬治」と記載すること。
「特記事項」欄に「薬治」と記載すること。
ウ 明細書に以下の事項を記載した治験の概要を
ウ 治験依頼者の依頼による治験の場合は、明細
添付すること。
書に以下の事項を記載した治験の概要を添付す
a 治験の依頼者の氏名及び連絡先
ること。
b 治験薬等の名称及び予定される効能効果
なお、この場合、治験の概要には「企業依頼」
と記載すること。
c 当該患者に対する治験実施期間(開始日及
a 治験の依頼者の氏名及び連絡先 び終了日)
b 治験薬等の名称及び予定される効能効果
c 当該患者に対する治験実施期間(開始日及
び終了日)
(27)2005年(平成17年)5月25日
広島県医師会速報(第1904号)昭和26年8月27日 第3種郵便物認可
現 行
改 正 後
エ 自ら治験を実施する者による治験の場合は、
エ
上記 ア の場合においては、治験期間外に実施
し請求の対象となる検査、画像診断、投薬及び
注射(投薬及び注射については、当該治験の対
象とされる薬物の予定されている効能又は効果
と同様の効能又は効果を有する医薬品に係るも
のに限る。)について、その実施日を「摘要」欄
に記載すること。
オ 特定入院料等いわゆる包括化されていた項目
を算定している保険医療機関の場合の当該項目
に係る記載については、当該項目の点数から当
該項目に包括されるもののうち診療報酬の請求
ができない項目の所定点数の合計を差し引いた
点数を記載するとともに、
「摘要」欄に診療報酬
の請求ができない項目及び所定点数を記載する
こと(別葉にしても差し支えない。)
ケ 健康保険法第6
3条第2項の規定に基づき厚生労働
大臣が定める療養を定める件第10号の規定に基づく
薬事法に規定する治験に係る診療報酬請求について
は、次に掲げる方法によること。
ア 1月中に治験期間とそれ以外の期間が併存す
る場合であっても、明細書は1枚として請求す
ること。
イ 「特記事項」欄に「材治」と記載すること。
ウ 明細書に以下の事項を記載した治験の概要を
添付すること。
a 治験の依頼者の氏名及び連絡先
b 治験用具等の名称
c 当該患者に対する治験実施期間(開始日及
び終了日)及び治験用具等を用いた手術又は
処置が行われた日
明細書に以下の事項を記載した治験の概要を添
付すること。
なお、この場合、治験の概要には「医師主導」
と記載すること。
a 治験責任医師の氏名及び連絡先
b 治験薬等の名称及び予定される効能効果
c 当該患者に対する治験実施期間(開始日及
び終了日)
オ 上記 ア の場合であって、治験依頼者の依頼に
よる治験においては、治験期間外に実施し請求
の対象となる検査、画像診断、投薬及び注射
(投薬および注射については、当該治験の対象と
される薬物の予定されている効能又は効果と同
様の効能又は効果を有する医薬品に係るものに
限る。)について、その実施日を「摘要」欄に記
載すること。
カ 上記 ア の場合であって、自ら治験を実施する
者による治験においては、治験期間外に実施し
請求の対象となる投薬及び注射(当該治験の対
象とされる薬物の予定されている効能又は効果
と同様の効能又は効果を有する医薬品に係るも
のに限る。
)について、その実施日を「摘要」欄
に記載すること。
キ 特定入院料等いわゆる包括化されていた項目
を算定している保険医療機関の場合の当該項目
に係る記載については、当該項目の点数から当
該項目に包括されるもののうち診療報酬の請求
ができない項目の所定点数の合計を差し引いた
点数を記載するとともに、
「摘要」欄に診療報酬
の請求ができない項目及び所定点数を記載する
こと(別葉にしても差し支えない。)。
ケ 健康保険法第63条第2項の規定に基づき厚生労働
大臣が定める療養を定める件第10号の規定に基づく
薬事法に規定する治験(機械器具等に係るものに限
る。)に係る診療報酬請求については、次に掲げる方
法によること。
ア 1月中に治験期間とそれ以外の期間が併存す
る場合であっても、明細書は1枚として請求す
ること。
イ 「特記事項」欄に「器治」と記載すること。
なお、電子計算機を使用する場合は、当分の
間、
「材治」と記載することとしても差し支えな
いこと。
ウ 治験依頼者の依頼による治験の場合は、明細
書に以下の事項を記載した治験の概要を添付す
ること。
なお、この場合、治験の概要には「企業依頼」
と記載すること。
a 治験の依頼者の氏名及び連絡先 b 治験機械器具等の名称
c 当該患者に対する治験実施期間(開始日及
び終了日)及び治験機械器具等を用いた手術
又は処置が行われた日
エ 自ら治験を実施する者による治験の場合は、
明細書に以下の事項を記載した治験の概要を添
付すること。
なお、この場合、治験の概要には「医師主導」
と記載すること。
a 治験責任医師の氏名及び連絡先
b 治験機械器具等の名称
広島県医師会速報(第1904号)昭和26年8月27日 第3種郵便物認可(28)
2005年(平成17年)5月25日
現 行
改 正 後
エ 上記の ア の場合においては、請求の対象とな
る検査、画像診断、処置及び手術について、そ
の実施日を「摘要」欄に記載すること。
オ 特定入院料等いわゆる包括化されていた項目
を算定している保険医療機関の場合の当該項目
に係る記載については、当該項目の点数から当
該項目に包括されるもののうち診療報酬の請求
ができない項目の所定点数の合計を差し引いた
点数を記載するとともに、
「摘要」欄に診療報酬
の請求ができない項目及び所定点数を記載する
こと(別葉にしても差し支えない。
)。
コ 公費負担医療のみの場合において、請求点数
を老人医療の診療報酬点数表による場合は、
「特
記事項」欄に「老保」と表示すること。
歯科診療に係る診療報酬請求書及び診療報酬明細書
の記載要領
第3 歯科診療に係る診療報酬明細書の記載要領(様式
第3)
2 歯科診療に係る診療報酬明細書の記載要領に関す
る事項
その他
ア∼ク(略)
調剤報酬請求書及び調剤報酬明細書に関する事項
第2 調剤報酬明細書の記載要領(様式第5)
2 調剤報酬明細書に関する事項
その他
ア∼ウ(略)
c 当該患者に対する治験実施期間(開始日及
び終了日)及び治験機械器具等を用いた手術
又は処置が行われた日
オ 上記 ア の場合であって、治験依頼者の依頼に
よる治験の場合においては、請求の対象となる
検査、画像診断、処置及び手術について、その
実施日を「摘要」欄に記載すること。
カ 治験依頼者の依頼による治験の場合であって、
特定入院料等いわゆる包括化されていた項目を
算定している保険医療機関の場合の当該項目に
係る記載については、当該項目の点数から当該
項目に包括されるもののうち診療報酬の請求が
できない項目の所定点数の合計を差し引いた点
数を記載するとともに、
「摘要」欄に診療報酬の
請求ができない項目及び所定点数を記載するこ
と(別葉にしても差し支えない。)。
コ 健康保険法第63条第2項の規定に基づき厚生労働
大臣が定める療養を定める件第14号に規定する医療
機器を使用又は支給した場合は、「摘要」欄に「器
選」と記載し、当該医療機器名を他の特定保険医療
材料と区別して記載すること。
サ 公費負担医療のみの場合において、請求点数を老
人医療の診療報酬点数表による場合は、「特記事項」
欄に「老保」と表示すること。
歯科診療に係る診療報酬請求書及び診療報酬明細書
の記載要領
第3 歯科診療に係る診療報酬明細書の記載要領(様式
第3)
2 歯科診療に係る診療報酬明細書の記載要領に関す
る事項
その他
ア∼ク(略)
ケ 「健康保険法第6
3条第2項の規定に基づき厚生労働
大臣が定める療養」第14号又は「老人保健法第17条
第2項の規定に基づき厚生労働大臣が定める療養」
第13号に規定する医療機器を使用又は支給した場合
は、 の第3の2の のコの例により「摘要」欄に
「器選」と記載し、当該医療機器名を他の特定保険医
療材料と区別して記載すること。
調剤報酬請求書及び調剤報酬明細書に関する事項
第2 調剤報酬明細書の記載要領(様式第5)
2 調剤報酬明細書に関する事項
その他
ア∼ウ(略)
エ 「健康保険法第6
3条第2項の規定に基づき厚生労働
大臣が定める療養」第14号又は「老人保健法第17条
第2項の規定に基づき厚生労働大臣が定める療養」
第13号に規定する医療機器を使用又は支給した場合
は、 の第3の2の のコの例により「摘要」欄に
「器選」と記載し、当該医療機器名を他の特定保険医
療材料と区別して記載すること。
別添3 法別番号及び制度の略称表
別添3 法別番号及び制度の略称表
区 分
法別番号
制度の略称
小児慢性特定疾患治療研究事
業に係る医療の給付
52
−
区 分
法別番号
制度の略称
児童福祉法による小児慢性特
定疾患治療研究事業に係る医
療の給付(法第21条の9の2
関係)
52
−
(保険医療課)
(29)2005年(平成17年)5月25日
広島県医師会速報(第1904号)昭和26年8月27日 第3種郵便物認可
診療報酬明細書等の被保険者への開示について
(診療報酬明細書等の開示に係る取扱要領)
平成17年4月28日
日医発第119号(保22)
日本医師会長 植 松 治 雄
本年4月1日から「個人情報の保護に関する法律」等個人情報保護関連法令が全面施行されたこ
とに伴い、個人情報としての診療報酬明細書等の開示についてとりまとめた通知(添付資料参照)
が厚生労働省より発出され、4月1日から適用されましたのでご連絡申し上げます。
診療報酬明細書等の被保険者への開示につきましては、平成9年6月25日付け厚生省老人保健福
祉局長、保険局長、社会保険庁運営部長連名通知並びに各課長通知で運用されてきたところであり
ますが、今回の通知により「診療報酬明細書等の被保険者への開示等について」(平成9年6月25
日付け老企第64号、保発第82号、庁保発第16号)および「遺族に対する診療報酬明細書等の開示の
際の保険医療機関等に対する連絡の見直しについて(通知)」
(平成14年11月25日付け保総第1125001
号、保国発第1125001号)は廃止されました。
同時に、政府管掌健康保険及び船員保険の診療報酬明細書等の開示につきましても、本年3月31
日付け庁保険発第033
1002号で、別添「診療報酬明細書等の開示に係る取扱要領」が従前の内容を
踏襲する形で、具体的な取扱いが改められ、平成1
7年4月1日から施行されました。
これに伴いまして、平成9年7月1
4日付け「政府管掌健康保険及び船員保険に係る診療報酬明細
書等の開示の実施について」の一部改正通知(平成1
5年3月24日庁保険発第12号「診療報酬明細書
等の開示に係る取扱要領の改正について」
)が、今回の通知により廃止されました。 同様に、健康保険組合に対しては、政管健保等の取扱要領を例にしていた通知(平成9年7月1
4
日付保文発第587号)が廃止されましたのでご連絡申し上げます
今回の通知の概要は下記のとおりでありますので、貴会会員に周知くださいますようお願い申し
上げます。
記
.今回の改正での開示方法の概要
個人情報保護法の対象となるのは、生存している被保険者本人又は被扶養者(家族)本人のレセ
プトであって、非生存者のレセプトは個人情報保護法の対象としていない。レセプト開示は医療機
関が行うものではなく、保険者が行うものである。
1.被保険者本人又は被扶養者本人が開示を請求する場合は、被保険者及び被扶養者が加入して
いる保険者に開示請求する。保険者は保険医療機関に治療上問題がないか開示についての意見
を照会し、その意見を踏まえて保険者の判断で開示等の決定を行う。
この場合は、法に基づく開示であるため、開示請求者は1件につき300円の手数料を保険者
に支払う。
(別添資料【参考1】「
.被保険者等からレセプトの開示請求の流れ」参照)
2.遺族に対するレセプト開示は行政サービス等の一貫として実施しているものであり、遺族か
ら手数料を徴収しない。遺族からの開示依頼の場合は、レセプトの内容が医師の個人情報に該
広島県医師会速報(第1904号)昭和26年8月27日 第3種郵便物認可(30)
2005年(平成17年)5月25日
当する場合と該当しない場合とがある。
(別添資料【参考
】「
.遺族からのレセプトの開示依頼の流れ」参照)
レセプトが医師の個人情報に該当する場合
依頼者(被保険者の父母、配偶者、子、祖父母、孫等)は保険者に開示依頼する。保険者
は依頼者の同意を得て、保険医療機関に開示についての意見を照会する。保険医療機関は開
示についての意見等を保険者に回答する。保険者は保険医療機関の回答等を踏まえ、開示等
を決定する。保険者が開示を決定し、依頼者の同意が得られていれば、開示した旨を保険医
療機関に連絡する。
レセプトが医師の個人情報に該当しない場合
依頼者(被保険者の父母、配偶者、子、祖父母、孫等)は保険者に開示依頼する。保険者
が開示を決定した場合、依頼者の同意が得られていれば、開示した旨を保険医療機関に連絡
する。保険医療機関に連絡することについて、依頼者が同意しない場合は、保険医療機関に
は依頼者が特定されない形で開示したことを連絡する。
.診療報酬明細書等の被保険者への開示について(保険局長通知)
(※ 下線部分等が変更された)
1.被保険者から保険者(老人医療受給対象者についてはその者が居住する市町村の長。以下同
じ。)に対し、診療報酬明細書、調剤報酬明細書、施設療養費明細書及び老人訪問看護療養費・
訪問看護療養費請求書(以下「診療報酬明細書等」という。
)の開示(診療報酬明細書等の写し
の交付を含む。以下同じ。)の求めがあった場合にあっては、以下のとおり確認した上で、当該
診療報酬明細書等を開示すること。
診療報酬明細書等の開示を求める者と当該診療報酬明細書等に記載されている者とが同一
であることを確認すること。
保険医療機関、特定承認保険医療機関、老人保健施設、指定老人訪問看護事業者及び指定
訪問看護事業者(以下「保険医療機関等」という。
)に対して、当該診療報酬明細書等を開示
することによって、個人情報の保護に関する法律第25条第1項第1号に規定する「本人の生命、
身体、財産その他の権利利益を害する」おそれがないかどうか確認すること。その際、保険
医療機関等においては、主治医の判断を求めるものとすること。
調剤報酬明細書に係る
の確認については、当該調剤報酬明細書に記載された保険医療機
関等に対して行われるものであること。なお、
の確認を取った上、当該調剤報酬明細書を
開示する場合においては、被保険者の同意を得た上で、当該調剤報酬明細書を発行した保険
薬局に対してその旨通知を行うこと。
2.被保険者が未成年者若しくは成年被後見人である場合の法定代理人又は被保険者の委任を受
けた弁護士代理人から被保険者本人に代わって当該被保険者等に係る診療報酬明細書等の開示
の求めがあった場合についても、1.の取扱いに準ずること。
3.被保険者であった者の遺族から診療報酬明細書等の開示の求めがあった場合については、各
保険者の判断において、社会通念に照らし適当と認められるときは被保険者本人の生前の意思、
名誉等を十分に尊重しつつ、以下の点に留意した上で、開示して差し支えないこと。
診療報酬明細書等が医師の個人情報となる場合がある。
(31)2005年(平成17年)5月25日
広島県医師会速報(第1904号)昭和26年8月27日 第3種郵便物認可
遺族が診療報酬明細書等の開示を求めているという情報は個人情報に該当すること。
.診療報酬明細書等の開示に係る取扱要領(概要)
[政管健保、船員保険の場合。組合健保、国民健康保険も準ずる内容]
第1 開示対象レセプトの範囲
原則として過去5年間分のレセプト
第2 開示請求の取扱いの整理
個人情報の保護に関する法律において、
「個人情報」は「生存する個人」に関する情報に限定
される(法第2条2項)ことから、被保険者本人又は被扶養者本人からの開示請求は、法に基
づく「開示請求」として取り扱う。
遺族からの「開示依頼」については、行政サービスの一環として対応する。
第3 開示請求者、開示依頼者の範囲
被保険者等
被保険者本人又は被扶養者本人(被保険者であった者及び被扶養者であった者を含む。以
下「被保険者」という。)
被保険者が未成年者又は成年被後見人である場合における法定代理人 被保険者からレセプトの開示依頼に関する委任を受けた弁護士
遺族等
被保険者が死亡している場合にあって、当該被保険者の父母、配偶者若しくは子又はこれ
らに準ずる者(以下「遺族」という。)
遺族が未成年者又は成年被後見人である場合における法定代理人
遺族からレセプトの開示依頼に関する委任を受けた弁護士
第4 開示請求又は開示依頼の受付社会保険事務所
開示請求又は開示依頼があった場合は、当該開示請求又は開示依頼を行う者の利便性を考慮し、
いずれの社会保険事務所でも受け付ける。
第5 社会保険事務所等の業務処理方法
1 被保険者等からの開示請求の場合
開示請求に係る書類の受付
開示請求者は「診療報酬明細書等開示請求書」
(様式1 略)を提出する。社会保険事務所
では請求者に対して、「診療報酬明細書等の開示請求をされる方へのお知らせ(本人用)」を
配布又は送付し、次に掲げる13項目について十分説明し理解を求める。
請求者の本人確認の必要性
保険医療機関等(保険医療機関、特定承認保険医療機関、指定訪問看護事業者)に対す
る事前確認の必要性
調剤報酬明細書については、開示請求があったことを事後的に調剤薬局に知らせる旨
本人の診療上支障が生ずると考えられる場合については開示できない旨
開示請求のあったレセプトが存在しない場合については開示できない旨
2005年(平成17年)5月25日
広島県医師会速報(第1904号)昭和26年8月27日 第3種郵便物認可(32)
診療内容に係る照会については対応できない旨
レセプトには必ずしも診療内容全てが記載されているものではない旨
交付の方法について
交付までの所要日数について
開示請求に必要な書類について
開示請求には手数料の支払いが必要である旨
郵送による開示を希望する場合は送料がかかる旨
部分開示又は不開示の決定の場合には社会保険庁長官に対する不服申立て又は国を被告
とする処分の取消しの訴えを提起できる旨
保険医療機関等への照会
レセプトの開示に当たっては、開示することによって本人が傷病名等を知ったとして
も本人の診療上支障が生じないことを事前に保険医療機関等に対して確認する。
この確認に当たっては、
「診療報酬明細書等の開示について(照会)
」
(様式2 略)に
回答期限(発信日より1
4日間)を記入し、
「診療報酬明細書等の開示について(回答)
」
(様式3 略)
、開示用レセプト(開示請求のあったレセプトに係るレセプト情報管理
システムから出力した開示用のレセプト)及び切手を貼付した返信用封筒を添えて、
当該レセプトを発行した保険医療機関等(調剤報酬明細書については、当該調剤報酬
明細書に記載された保険医療機関等)に対し、レセプト開示についての意見を照会す
る。
当該レセプトを開示することにより本人の診療上支障が生じない場合は「開示」、診
療上支障が生じる部分を伏して開示する場合は「部分開示」、当該レセプトを開示す
ることにより診療上支障が生じる場合については「不開示」と区分する。
部分開示又は不開示とすることができるのは、レセプトを開示することによって、患
者本人に重大な心理的影響を与え、その後の治療効果等に悪影響を及ぼす恐れがある
場合に限られるため、部分開示又は不開示との回答については、その理由もあわせて
記入を求めるとともに、開示が可能となる時期についてもできる限り記入してもらう
よう努める。
また、部分開示又は不開示の理由の記入がない場合や回答期限が経過しても回答がな
い場合は、当該保険医療機関等に対して電話等により回答の要請をするなど適切な対
応を図る。
開示、部分開示又は不開示の決定
保険医療機関等より、当該レセプトについて前記
の回答があった場合は、その回答を踏
まえ、開示、部分開示又は不開示を決定する。
なお、次に掲げる場合にあっては、当該レセプトについては開示の取扱いとする。
保険医療機関等に対して照会を行った際に示した回答期限内に当該保険医療機関等から
回答がなかった場合において、電話等により回答の要請をしてもなお回答が得られないと
き。(ただし、主治医と連絡中である等遅延に相当な事由が認められる場合を除く。
)
当該保険医療機関等の廃止等の事情により、保険医療機関等に対して前記
の照会を行
うことができない場合。
照会の結果、送達不能で返戻された場合において、当該保険医療機関等を管轄する地方
(33)2005年(平成17年)5月25日
広島県医師会速報(第1904号)昭和26年8月27日 第3種郵便物認可
社会保険事務局に確認してもなお当該保険医療機関等の所在が確認できないとき。
照会の結果、部分開示・不開示の理由が記載されていない場合において、理由の記載を
要請してもなお回答が得られないとき。(ただし、主治医と連絡中である等遅延に相当な
理由が認められる場合を除く。)
再審査請求中又は返戻中のレセプトの取り扱い
再審査請求中又は返戻中のレセプトについて開示請求があった場合には、基本的には、戻っ
てきたレセプトについて、開示等の決定をするが、再審査請求前又は返戻前のレセプトの開
示請求があった場合は、前記
により、保険医療機関等へ本人の診療上支障が生じないか照
会した上で決定を行う。
2 遺族等からの開示依頼の場合
開示依頼に係る書類の受付
開示依頼者は「診療報酬明細書等開示依頼書」(様式9 略)を提出する。社会保険事務
所では依頼者に対して、「診療報酬明細書等の開示依頼をされる方へのお知らせ(遺族用)」
を配布又は送付し、次に掲げる12項目について十分説明し理解を求める。
依頼者の本人確認の必要性
レセプトが医師の個人情報である場合において、保険医療機関等から開示について事前
に同意が得られない場合は、原則として開示ができない旨
レセプトが医師の個人情報である場合において、遺族から保険医療機関等に対する事前
の照会について同意が得られていない場合は、不開示決定を行わざるを得ない旨
レセプトを開示する場合については、遺族の同意が得られていれば、レセプトを開示した
ことを事後的に保険医療機関等に連絡する旨。また、保険医療機関等への連絡について遺族
の同意が得られていない場合に、医師の個人情報に該当しないレセプトを開示した場合には、
依頼者たる遺族の特定をしない形でレセプトを開示したことを保険医療機関等に連絡する旨
被保険者の生前の意思、名誉を傷つける恐れがある場合については開示できない旨
開示依頼のあったレセプトが存在しない場合については開示できない旨
診療内容に係る照会については対応できない旨
交付の方法について
交付までの標準的な所要日数について
開示依頼に必要な書類について
開示依頼に手数料は徴収しない旨
レセプトには必ずしも診療内容全てが記載されているものではない旨
また、依頼者には、以下の事項について診療報酬明細書等開示依頼書に記入させること。
a 保険医療機関等に開示についての意見を照会し、又は開示した旨を保険医療機関等に
連絡することに同意するか否か
b レセプトを開示することが、亡くなった患者の生前の意思や名誉との関係で問題があるか否か
c レセプトの開示を依頼するに当たって特別な理由がある場合はその理由
保険医療機関等への照会
レセプトが医師の個人情報となる場合については、遺族同意が得られていれば、開示
についての意見を事前に保険医療機関等に確認する。
「診療報酬明細書等の遺族への開示について(照会)
」
(様式10 略)
この確認に当たっては、
広島県医師会速報(第1904号)昭和26年8月27日 第3種郵便物認可(34)
2005年(平成17年)5月25日
に回答期限(発信日より14日間)を記入し、
「診療報酬明細書等の遺族への開示について
(回答)
」(様式11 略)
、開示依頼のあったレセプトに係るレセプト情報管理システムか
ら出力した開示用のレセプト及び切手を貼付した返信用封筒を添えて、当該レセプトを
発行した保険医療機関等(調剤報酬明細書については、当該調剤報酬明細書に記載され
た保険医療機関等)に対し、レセプト開示についての意見を照会する。
当該レセプトを開示することに問題がない場合は「開示」、問題がある部分を伏して
開示する場合は「部分開示」、問題がある場合は「不開示」と区分する。部分開示又
は不開示との回答については、その理由もあわせて記入を求める。
部分開示又は不開示の理由が被保険者の生前の意思や名誉との関係から問題があると
いう理由の場合は、その旨を確認できる書類の写しの添付を求める。
部分開示又は不開示の理由の記入がない場合や回答期限が経過しても回答がない場合は、
当該保険医療機関等に対して電話等により回答の要請をするなど適切な対応を図る。
開示、部分開示又は不開示の決定
保険医療機関等より、当該レセプトについて前記
の回答があった場合は、その回答を踏
まえ、かつ、レセプトの開示を依頼するに当たっての特別な理由が存在する場合にはその内
容も勘案して開示、部分開示、不開示を決定する。
なお、レセプトが医師の個人情報である場合においては、保険医療機関等に開示について
の意見を照会することについて遺族の同意が得られていないときは、不開示の決定を行うも
のとし、また、レセプトが医師の個人情報でない場合には、開示の決定を行うものとする。
再審査請求中又は返戻中のレセプト情報の取扱い
再審査請求中又は返戻中のレセプトについて開示依頼があった場合には、基本的には、戻っ
てきたレセプトについて開示等の決定をするが、再審査請求又は返戻前のレセプトの開示依
頼があった場合は、前記
により当該レセプトについて開示等の決定を行う。
保険医療機関等への連絡
レセプトを開示した場合には、遺族の同意が得られていれば、保険医療機関等に対し、
「診療報酬明細書等の開示について(お知らせ)」(様式15 略)により、その旨を速や
かに連絡すること。
保険医療機関等への連絡について遺族の同意が得られていない場合に、医師の個人情
報に該当しないレセプトを開示した場合には、依頼者たる遺族を特定しない形で、その
旨を速やかに保険医療機関等に連絡する。
なお、前記
の回答が不開示である場合において、最終的に開示すると決定した場合
には、保険医療機関等に対し、開示することとした理由を付記した上で、開示した旨の
連絡をする。
(保険医療課)
(35)2005年(平成17年)5月25日
広島県医師会速報(第1904号)昭和26年8月27日 第3種郵便物認可
【参考1】
被保険者等からのレセプトの開示請求の流れ
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広島県医師会速報(第1904号)昭和26年8月27日 第3種郵便物認可(36)
2005年(平成17年)5月25日
遺族からのレセプトの開示依頼の流れ
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