10/28メディリハアウトプット大会「機能的脚長差を胸郭から治す

2012/10/18
はじめに
10/28メディリハアウトプット大会
今回、右膝OA患者の症例を提示します。
来院当初（今年３月）は右下肢痛と、右足の
短さを訴えており、治療を開始しました。
8月頃に、右下肢の痛みは消失しましたが、
「右足が短い。」という訴えが残っていました。
これに対し、胸郭へアプローチを行った結果、
「機能的脚長差を胸郭から治す！」
~歩行時の重心上下動に着目して~
右足の短さが軽減しましたので、このプロセス
について発表したいと思います。
医療法人親仁会佐藤病院
理学療法士佐藤珠江
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症例紹介
現病歴と主訴
【現病歴】
H22年12月頃ゴルフのラウンドから帰宅した夜
から右膝に痛みが出現。整骨院
へ通って様子を見る。
【年齢】70歳
【診断名】右変形性膝関節症
【既往歴】腰椎変性辷り症（L4前方辷り）
右坐骨神経痛、腰椎椎間板ヘルニア
【スポーツ歴】ゴルフ（20年間）月1でラウンド
痛みが出てから行っていない。
【手術経験】帝王切開（２回）
盲腸（20歳の頃）
【脚長差】右棘果長・転子果長が－3㎝
H24.3月下旬右下肢に安静時痛が出現した
ため当院受診。
【主訴】来院当初（３月）
「右足が痛くて夜も眠れない。」
「足が短くなったように感じる。」
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ASIS付近
Gerdy結節
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疼痛評価（動作時痛）
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右下肢痛に対する考察
【歩行時】右ASIS付近に痛みが出現。
右TSｔ～右TSｗ（右遊脚期）
→右TSｔ～ISｗで痛みが最も強い。
歩行時の右TSｔを想定して再現痛を見た。
側臥位で股関節伸展位を作り、大腿直筋を収縮
させる。
股関節
内旋位ではPain －
外旋位ではPain ＋
「右足を振り上げる時
足の付け根が痛い。」
↑
(前スライドのASIS部分)
腸腰筋・大腿直筋・大腿筋膜張筋の短縮があり、
股関節伸展が制限される。加えて股関節内転・
内旋制限があるため、大腿骨頭が前方に回旋し、
大腿直筋を圧迫したことが原因と考えた。
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治療結果
視点を変えてみる。
治療プログラム（3月～8月まで）
①股関節伸展ROMex
②背腰部リラクゼーション
③腹部筋トレーニング
足が痛くない！(^□^)
8月
【なぜ右足が短く感じるのか？】
実際に脚長差が3㎝あるが、以前は短く感じて
いなかった。つまり・・
→脚長差を代償出来ない原因が何かありそう！
【歩行分析（8月）から】
・腕の振りが少ない。
・体幹回旋が少ない。
けど・・・
右足は短い感じだわ。
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体幹の可動域は
どうなのか？
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問題点
考察
【体幹回旋】
左回旋では右骨盤の挙上・前傾がみられる。
【なぜ胸椎での回旋がおこらないのか？】
①Stiffnessの存在
股関節：腸腰筋・TFL・大腿直筋（R>L）
腹部：右外腹斜筋・左内腹斜筋
背部：左広背筋・脊柱起立筋群・胸腰肋筋
（棘筋・胸背棘筋・胸半棘筋・多裂筋）
Question：
骨盤を固定するとどうなの！？
Answer：
体幹回旋が行えなかった。
②Hypo toneの存在
腹直筋・腹横筋
つまり・・・
胸椎での回旋が作れない！！(*^□^*)
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胸郭治療と結果＆まとめ
右腸腰筋の短縮により、腰椎の右側屈左回旋が
起こる。
治療プログラム
①背腰部リラクゼーション
②腹部筋トレーニング
③胸郭ストレッチ
足が短く感じない！
歩きやすいわ(*^□^*)
10月
右肋骨前方回旋・左肋骨後方回旋がおこる。右
外腹斜筋・左内腹斜筋と左脊柱起立筋・
左胸腰肋筋のStiffness＋
まとめ：
局所だけでなく、全身を診る
重要性に気付かされた。
これらにより脊柱や胸郭の可動域が低下し、歩
行時に必要な体幹の回旋が行えず、腰椎と骨盤
で代償。
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