平成22年第1回定例会一般質問 - 牛久市公式ホームページ

会 議 録 第 4 号
1.招集日時
平成22年3月8日(月) 午後1時
1.招集場所
牛久市役所議場
1.出席議員
22名
1.欠席議員
1番
遠 藤 憲 子 君
2番
鈴 木 かずみ 君
3番
利根川 英 雄 君
4番
市 川 圭 一 君
5番
小松﨑
伸 君
6番
山 越
守 君
7番
柳 井 哲 也 君
8番
杉 森 弘 之 君
9番
須 藤 京 子 君
10番
津 脇 尚 志 君
11番
尾 野 政 子 君
12番
宮 原 節 子 君
13番
茶 谷
14番
石 原 幸 雄 君
15番
根 本 洋 治 君
16番
沼 田 利 光 君
17番
中 根 利兵衛 君
18番
黒 木 のぶ子 君
19番
大 谷 雅 彦 君
20番
田 中 道 治 君
21番
山 本 恵美子 君
22番
板 倉
巖 君
宏 君
なし
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1.出席説明員
市
長
池 邉 勝 幸 君
副
市
長
齋 藤
章 君
教
育
長
淀 川 ゆ き 君
総 務 部 長
吉 田 次 男 君
保健福祉部長
宮 本 久 夫 君
市民生活部長
清 水 治 郎 君
環境経済部長
坂 本 光 男 君
建 設 部 長
木 村 文 雄 君
教 育 次 長
榊
会計管理者
油 原 芳 男 君
監 査 委 員
事 務 局 長
梶
農業委員会
事 務 局 長
坪 井 隆 典 君
進 君
由紀夫 君
1.議会事務局出席者
事 務 局 長
石 山 喜 弘 君
書
記
石 橋 徳 成 君
書
記
飯 田 晴 男 君
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平成22年第1回牛久市議会定例会
議事日程第4号
平成22年3月8日(月)午後1時開議
日程第 1.一般質問
―――――――――――――――――――――――――
午後1時05分開議
○議長(根本洋治君) こんにちは。
本日の会議を開きます。
日程第1、一般質問を行います。
――――――――――――○――――――――――――
一般質問
○議長(根本洋治君) まず、9番須藤京子君。
〔9番須藤京子君登壇〕
○9番(須藤京子君) 皆さん、改めましてこんにちは。会派市民クラブの須藤京子です。通
告に従って一般質問を行いますが、質問に入る前に一言述べさせていただきたいと思います。
金曜日、津脇議員が一般質問で「牛久より財政的にも逼迫している直方市のほうが議会事務
局は議事調査係まで配置し頑張っている」という旨の発言をしたのに対し、市長は「直方市の
議会事務局員も頑張っているかもしれませんが、牛久市議会事務局でも人数が足りない中で、
総務課職員と兼務しながら頑張っていることを御理解ください」と御答弁されました。この質
疑は見事にすれ違っていることにお気づきでしょうか。津脇議員は牛久市の事務局体制の脆弱
さを指摘したのに対し、市長は事務局員の頑張りに転嫁されたわけです。こうしたすれ違いが
正せないのも現在の一般質問の形式の問題点であると言えますが、この発言は、さらに市長、
執行部と議会の関係を図らずも浮き彫りにしたように思えました。これでは議会事務局は総務
部議会事務局課ぐらいの存在ではないのかと思ってしまったのですが、これは私のうがちすぎ
た見方でしょうか。
さて、それでは質問に入らせていただきます。
まず一番目は、平成22年度予算についてであります。予算についての審議は予算特別委員
会で行いたいと思っておりますので、ここでは新年度予算編成における事業仕分け的事業峻別
の経過と成果ということで、予算編成の過程についてお伺いをします。
平成22年度予算では、牛久市財政は歳入の根幹となる市税が景気低迷の影響を受け、21
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年度に引き続き減少となりました。国からの財源では、地方財政計画にあるように、地方が自
由に使える財源をふやしつつ補助金の削減が見込まれています。歳出では、ひたち野うしく小
学校建設がほぼ終わり、大規模な投資的事業が一段落したことにより、身の丈に合った予算編
成ができたということでした。しかしながら、引き続きひたち野うしく小学校のプール建設や
牛久駅東口周辺の整備、田宮西近隣公園の整備、既存施設の改修工事など投資的事業に着手す
ることが予定されています。財源的には、こうした投資的事業の推進には市債発行をせざるを
得ない状況に置かれています。市債発行は、ひたち野うしく小学校の建設がほぼ終わったこと
により前年度のおよそ半分となったものの、市債残高は依然として横ばいの状況です。
今後も住みよいまちづくりのためには投資的事業が欠かせないものであることから、財源の
確保は大きな課題であることは間違いありません。年々厳しさをます財政の中でどう市政運営
していくか、まさに首長の手腕であるということになるのでしょう。市長は、税金の無駄遣い
を洗い出す有効な手段の一つと言われている事業仕分けについて、毎年予算編成時にまさに同
様の行為を実施していると12月議会の一般質問で答弁されました。質問した時期がまさに予
算編成の終盤であったので、その編成に当たっての姿勢を自信を持って回答されたのだと思い
ました。また、金曜日の津脇議員への答弁の中では、毎日事業仕分けを行っているとも発言さ
れました。この言葉は、まさにそのくらい厳しい覚悟で市政運営、市政経営を行っているのだ
という市長の覚悟だと受けとめました。では、そういう覚悟を持って臨んだ平成22年度予算
はどのような編成過程を経てまとめられたのでしょうか。
まず、22年度予算の編成において、どのようなコンセプトのもとに予算の方針が立てられ
たのかということです。今、新しい公共という考え方が打ち出されてきました。世界的な経済
危機は国のあり方までも見直す要因となり、私たちの暮らしをどう守っていくのかという公共
サービスのあり方が問われるところまで来ています。牛久市は国や県の財政のような破綻状態
にまで陥ってはいませんが、経済状況の低迷による財政の悪化は確実にやって来ました。こう
した時代の変化に敏感に対応していくという市長の発言もありましたが、こした状況やこれか
らの財政状況をどうとらえて新年度予算が提示されたのでしょうか、お伺いをするものです。
次に、その方針に沿ってどのような形で事業の峻別が行われたのかについてであります。市
長は、事業仕分けは地域経営に総力を挙げている市長、執行部だからこそできることというよ
うな趣旨の発言をされています。そういう市長、執行部が、現在実施されている事業の中の無
駄を実際にどのような形でどう峻別し22年度予算に反映させたのかということです。
また、市長は常々庁議の重要性も口にされていますが、22年度予算における庁議での議論
はどのようなものに及んだのでしょうか。各部局は、ややもすればそれぞれの部局にとらわれ
がちだと思われます。しかし、これまでの予算枠にとらわれてしまってはフレキシブルな事業
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展開はできないとも言えます。予算編成時における議論はどのように行われ、どう評価査定さ
れたのか。市長の発言された事業仕分けのように厳しい事業峻別とはどのように行われたのか
をお伺いします。
さらに、そうした事業の峻別は予算編成にどのような成果をもたらすことができたのかもお
伺いします。これは具体的な事例を挙げてお示しいただきたいと思います。
一方で、私たちは残念ながらその厳しい予算編成の過程を知ることができません。先進的自
治体では、予算編成過程、担当から上がった予算要求が財政担当、部長、理事官、首長の査定
でどう変わったのかを公開しているところがあります。先鞭をつけたのは鳥取市ですが、改革
派首長と言われる自治体には公開しているところが多いようです。こうした予算編成過程を公
開することは、市政の透明性を図る上で重要なばかりでなく、市民は市政運営の方針を理解し、
さらに市の執行部や市長の市政運営の苦悩をも共有できるのではないかと考えますが、いかが
でしょうか。今後予算編成過程を公開していく考えはないかもあわせて伺います。
次に、2番目の、これからの地域福祉について伺います。
地域福祉に関する質問はこれまで数回一般質問で取り上げた問題です。これまでの福祉は、
生活困窮者、高齢者、子供、障害者など対象者別に施策が展開され、それぞれ種別ごとにニー
ズを特化し、その対策を講じてきました。しかし、ニーズも複雑多様化し、支援する側の体制
も財政の逼迫や家庭、地域の相互扶助の弱体化など大きく変容してきています。こうした点か
ら地域福祉の重要性が広く認識され、社会福祉法にも地域福祉の推進や地域福祉計画の策定が
求められることとなりました。
牛久市は地域福祉計画の策定に20年度から取り組み、この3月に計画をとりまとめ公表す
る予定です。そこで、地域福祉計画の策定の状況について伺うとともに今後の取り組みについ
ても伺います。
1、孤独死を防ぐ地域福祉社会の構築。
昨年、私は身近なところでひとり暮らし高齢者の緊急事態に遭遇しました。リューマチとい
う持病はあるものの健康には人一倍気を遣っている女性が突然脳疾患で倒れたのです。その方
は日頃から緊急事態を想定していたので、緊急通報システムを取り入れ、近所の方に家の鍵を
預けていました。また、遠方の家族は毎日夜8時過ぎになると安否確認を行っていました。そ
の日、何度電話をかけても連絡がとれない母親を気遣って、家族は鍵を預かっている近所の方
に安否確認を頼みました。近所の方が尋ねていくときに、私は同行を頼まれて一緒に伺いまし
た。家に入ると、その方はベッドの下に倒れていたのでした。幸い意識があったので救急車を
呼び、最悪の事態を免れました。
もう1件はことしに入ってからのことです。民生委員の方も気にかけていたひとり暮らしの
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80歳代女性がだれにみとられもせずに亡くなっていたのです。その方の暮らしぶりについて
心配をされている方からの相談で、私は民生委員に見守りを頼んだのですが、私が頼んだ翌日、
民生委員の方が訪ねてみると、その女性は亡くなっていたのだそうです。検死ではちょうどそ
の日の朝に亡くなっていたということでした。こちらの方は近所との交流も薄く、家族の連絡
先もわからないという状況だったので、警察のお世話になりました。ひとり住まいの方がどう
いう暮らし方をしているのか。御本人の生き方がこうした結果につながったとは必ずしも言え
ませんが、地域の見守りがいかに重要かということがわかります。
今回策定される地域福祉計画は、公的な福祉サービスでは補い切れない地域住民の支え合い
の地域活動、まちづくりの意味からも重要な役割を持つ計画だと思っています。牛久市の地域
福祉計画のねらいと計画の策定のプロセス、またその過程で得られたもの、計画策定後の取り
組みについて伺います。
2、地域住民の力を引き出す地域福祉拠点の整備。
地域福祉の推進に当たって、その主役は地域住民です。地域福祉計画がその作成過程で市民
参加を基本に据えているのもそのためなのです。地域福祉計画は3月に策定を終え、4月から
計画が事業として実行されていくものと思います。では、地域福祉計画が実行に移されるとき、
これから具体的にはどのように進めていけばよいのでしょうか。まずは、地域住民が力を発揮
できる仕組みづくりが重要でないかと思います。これは地域に住む住民が互いに支え合い、地
域の課題に取り組む体制、つまり、人・物・事をどう整備し、さらに金をどう担保していくの
かということです。また、推進に当たって住民とともに大きな役割を果たしていく中心的な存
在としての社会福祉協議会の活動をどう支援していくのかも重要なことだと思います。地域福
祉の推進役としての地区社協の設置も必要不可欠と考えます。地域住民の力を引き出し、地域
福祉を充実させるための活動拠点をどのように設置し、そのような人材を配置し、どのような
事業展開を図っていくのか、今後の具体的な取り組みについてお伺いいたします。
次に、3番目の次世代育成支援行動計画について伺います。
非婚率の増加、晩婚化、低いままの合計特殊出生率など、経済の低迷や多様化する暮らし方
による変化で進展する少子化に対し、多くの自治体でさまざまな対策に取り組んでいます。牛
久市でも17年3月に次世代育成支援行動計画がとりまとめられ、市長の公約である子育て日
本一を目指し、事業展開が図られてきました。この次世代育成支援行動計画は期間が10年間
となっていて、17年度から21年度までの5年間を前期計画、22年度から26年度までを
後期計画としています。21年度は計画の見直しの時期でした。そこで、後期計画策定に当た
っての取り組みについてお尋ねをいたします。
まず、前期計画の成果と課題についてであります。前期計画に基づく施策、事業の進捗状況
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はどのように管理されていたのか。事業に対する評価について、成果と課題をどのようにとら
えていたのか。また、子育て支援推進協議会においてはこれらの報告にどのような意見が出さ
れ、それがその後どのような改善に結びついていったのか。後期計画を策定するに当たって、
この成果と課題をどう検証したのかについてお尋ねをするものです。これは、ここがしっかり
検証されていなければ次の計画につながっていかないからと考えるからであります。
次に、後期計画策定プロセスとこれからの子育て支援策についてであります。
まずは、後期計画の策定はどのように行われたのかということです。策定に当たっては子育
て推進協議会で審議されたようですが、開催回数が少ないことが気にかかります。そして、そ
の協議内容は、20年度がニーズ調査に関して2回、21年度が調査結果の報告と計画の内容
に関して3回ということです。これでは庁内の推進会議担当者による協議、担当課主導の計画
であって、市民代表である推進協議会はどこまで関与できたのだろうかという疑問がわいてき
ます。地域福祉計画とは取りまとめ方が違うということでしょうが、こうした策定プロセスで
十分だったのか伺います。
また、推進協議会のメンバーについて、実際に乳幼児や中高生を育てている現役世代が非常
に少ないことが気にかかります。このことは、策定に当たって、ややもすれば現役世代の親の
価値観のもとに誘導してしまうことにならないでしょうか。アンケートによるニーズ調査は、
乳幼児や小学生の保護者と中高生本人とに行い、現役世代の声を聞き取る工夫はしていますが、
その分析やその声をどう生かすかというときに、祖父母世代の価値観に微妙に影響されるよう
なことが生じなかったかということです。祖父母世代は、ややもするとあるべき論にとらわれ
がちだからです。委員会の選定についての考え方と審議での状況を伺います。
さらに、計画の策定に当たって庁内の担当者会議の協議はどうだったのでしょうか。計画に
はさまざまな課から幾つもの事業が提案されています。担当課はどのようなねらいのもとにそ
れらを整理し、取りまとめていったのでしょうか。各課の前期計画のきちんとした検証をし、
後期計画に反映させようとする意気込みがなければ、計画はただの飾りになってしまうと思う
のです。担当課と各課の連携はどのようになされていったのか伺います。
次に、計画の中にニーズ調査から見えてきた牛久の実情に即した事業を盛り込むことができ
たのかという点についてです。後期計画の中では、国は保育サービスや放課後児童健全育成フ
ァミリーサポート事業など10事業について目標数値を設定するよう求めています。こうした
ニーズの高い事業の実施はもちろん重要です。しかし、未就学児童を抱える世代では、家庭で
の子育てをしている方がはるかに多く、こうした世代の求める子育て支援を果たしていくこと
も重要だと考えます。新規事業が提案されていますが、牛久らしい子育て支援策とはどのよう
なものが挙げられるのか、これからを見据えた子育て支援策について、その特長をお伺いいた
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します。
次に、4番目の特別支援教育についてお伺いいたします。
特別支援教育については、これまでも一般質問で取り上げてきた問題です。ちょうど1年前
の3月議会で牛久市の現状を伺ったところでもあります。しかし、今回はそもそも論から始め
たいと思っています。平成18年12月に国連総会で障害者権利条約が採択され、その後20
年5月に発効することになりましたが、これを受けて、批准に向けた国内法の整備が求められ
ています。ところで、この権利条約は、教育条項である第24条第1項で締結国はあらゆる段
階におけるインクルーシブな教育制度を確保すると規定しており、第2項のBで自分の住む地
域でインクルーシブな教育が受けられること、そして、同項Cでは個人の必要に応じた合理的
配慮を行うことを求めています。インクルーシブとは包括的という意味で、インクルーシブな
教育とは、障害のあるなしにかかわらずすべての子供を受け入れる教育のことです。あらゆる
立場の子供が同じ学校や学級に通い、必要に応じた支援を受けられる教育制度であります。障
害者権利条約では、この原則インクルーシブ教育が求められています。
日本の障害児教育は、御存じのように原則分離教育体制をとっています。現在は従来の盲・
聾・養護学校を特別支援学校に一般化し、発達障害の子供も含めた特別支援教育へと変わりま
したが、根本的には障害のあるなしで子供を分けていることに変わりはありません。こうした
制度の中では、地域の学校に行く障害を持つ子供はあくまで例外の認定就学児童なのでありま
す。しかしながら、昨年の政権交代で、障害児教育については新たな流れが生まれつつありま
す。民主党は総選挙のマニフェストでインクルーシブ教育の推進を明記し、今年に入ってから
はようやく批准のための国内法整備へと動き始めたようです。今後が期待されるところであり
ます。
さて、牛久の障害児教育、現在の特別支援教育の現状はどうなっているでしょうか。どのよ
うな課題が挙がっているのでしょうか。特別支援教育の現状と課題について伺っていきたいと
思います。今後の障害を持つ子供の教育がインクルーシブな教育へと展開していったとき、障
害を持つ児童生徒に対し、合理的配慮を提供することが重要となってきます。この合理的配慮
とは、障害を持つ児童生徒が通常の学級で学ぶ際に平等を確保するという観点から必要となる
変更や調整を行わなければならないというものであります。
現行の教育制度ではここまで求められていませんが、牛久市における特別支援教育はその児
童生徒にどこまで対応できているのでしょうか。各学校での取り組みは、学校全体として取り
組む体制ができているのでしょうか。特に児童生徒一人一人のニーズに合った支援を行う個別
の支援計画がきちんと立てられ、実施されているのでしょうか。特別支援教育支援員の配置も
この計画や合理的配慮に基づくべきものではないかと考えますが、いかがでしょうか。また、
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それらを担う人材の確保と質の向上を図る取り組みはどうなっているのでしょうか。以上の点
についてお尋ねをいたします。
次に、就学指導について、その方向性を伺います。
現在の就学に関する基準は学校教育法施行令に定められています。学校教育法施行令第5条
で、市町村は障害がない子供に就学通知を出すことになっています。施行令第22条3に該当
する障害を持つ子供は、原則として特別支援学校に就学することになっており、地域の学校に
就学するのは例外の認定就学となっていることは先ほども申し上げました。就学指導委員会は、
この認定就学の判断、指導の重要な役割を担っているところです。障害を持つ子供がどこで教
育を受けるのか、どの保護者も悩むところであり、大きな選択でもあります。現在は、就学先
の決定に際しては保護者の意見聴取が義務づけられましたが、保護者の意向がすんなりと反映
されているとは言いがたい状態にあるのではないでしょうか。私のもとにもそんな話が時折持
ち込まれたりします。東松山市では平成19年に就学指導委員会を廃止し、新たに就学相談調
整会議が設置され、積極的に地域の保育園や小中学校で受け入れをしつつ、体制の整備を進め
ているといいます。牛久市の就学指導の実態と、就学指導委員会のあり方を含め今後の方向性
について伺います。
最後に、5番目の障害児施策についてお尋ねいたします。
障害を持つ子供に対する施策は、障害者プランで一人一人の子供の持つ力を引き出し、それ
を日常で発揮できるよう各機関が連携し、発達段階に応じた支援を行いますと基本姿勢が示さ
れています。その中で、障害児の早期発見、早期治療へとつなげることが大変重要だと指摘さ
れ、障害児が家庭においても適切な療育を受け、地域社会の一員として生活することができる
ようにするための在宅福祉サービスの一層の拡充を図ることが課題となっています。しかしな
がら、こうした療育体制も、学齢期の子供への支援となると学校教育法のもとに委ねられ、こ
れまで在宅福祉サービスがほとんどなかったというのが現状ではないでしょうか。学齢期にお
ける教育と福祉の連携が大きく求められると私は考えます。
そこで、学齢期の障害を持つ子供への支援策について、2つの点についてお尋ねいたします。
まず、児童クラブにおける支援が必要な児童への対応についてであります。児童クラブには、
さまざまな児童が入級しています。支援が必要な児童も障害を持つ児童とは限りませんが、今
回は障害を持つ児童に対する現状と課題、今後の取り組みについて伺うものであります。児童
クラブの指導員の方から、発達障害があるのではと思われる児童への対応に窮するときがある
という話を伺うことがあります。児童クラブでは、子供がどういう状況にあるのかの情報も少
なく、配慮すべき対応への情報も乏しいと言います。また、児童とのかかわり方の中で時間を
かけて解決しなければならないこともあり、指導員の負担増となっています。こうした点を考
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慮し、特別な支援が必要な児童が入級した場合は、学校との情報の共有と人員の増加、障害を
理解する研修など、指導員体制の強化が必要となってきます。現状はどうなっているのか、現
在の特別な支援が必要だと思われる児童の把握と、今後の対策についてお伺いいたします。
次に、長期休業中の障害児への支援についてであります。
障害を持つ学齢期の児童の保護者の多くが、夏休みなどの長期休業中に頭を悩ませている問
題が、児童の余暇活動の充実と保護者の一時休息の問題です。夏休み期間、児童の介助は家族
が一日中担っています。外出する機会になかなか恵まれず、親子でストレスがたまり、感情が
ぶつかり合うことも多々あると聞いています。夏休みには学校に行っているときにはできない
ような体験をさせたい、また、地域との交流を持ちたい。余暇活動を充実させることは親の願
いでもあります。実際にこうした取り組みは全国各地で行われています。牛久市においても、
市内の学校に在籍しているか、特別支援学校に在籍しているかにとらわれることなく、福祉的
な観点からこうした取り組みが必要ではないでしょうか。牛久市の考えをお聞きいたします。
以上で、1回目の質問を終わります。
○議長(根本洋治君) 市長池邉勝幸君。
〔市長池邉勝幸君登壇〕
○市長(池邉勝幸君) 須藤議員の御質問にお答えします。
平成22年度の予算方針とコンセプトにつきましては、予算の概要でも御説明しております
とおり、税収が落ち込む中で、いかにして市民サービスの質を落とすことなく、低下を招かな
い事業展開が可能であるか、また、将来にわたり安定的な財政運営が構築できるかをコンセプ
トに予算を編成いたしました。その上で、ひたち野うしく小学校の建設など大規模な投資的事
業費が終息、縮小する中で、堅実な身の丈予算を編成し、今後の社会情勢の急激な変化にも耐
え得る強い財政体質となることを方針としております。
次に、事業の無駄をどう峻別して22年度予算に反映させたのかということでございますが、
事業の一つ一つを担当する部長、課長に説明させ、要求額が民間と比べてどうか、説明責任を
果たせるのか、また事業展開は市民目線かなど、厳しい目で精査を行い、当初予算額に反映さ
せております。
また、庁議での議論につきましては、それ以前に各部、各課とのヒアリングを断続的に重ね
ており、庁議では全体予算の共通理解を図ることに比重を置いておりますので御理解いただき
たいと存じます。
予算編成時における議論はどのように行われて、どう評価・査定されたのかにつきましては、
さきに申し上げましたとおり事業の実績と将来のビジョンを明確にした上で、事業費は民間と
比べてどうか、市民目線の事業展開であるかなどを勘案し、各事業費を決定しております。
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次に、厳しい事業峻別とはどのように行われたのかにつきましては、税収の落ち込みを全職
員が認識した上で各事業のビジョンを明確にし、市民に対して説明責任を果たせる予算である
かを念頭に事業の精査を進めております。
次に、峻別は予算編成にどのような成果をもたらすことができたのかにつきましては、例え
ば電算経費につきましては、ITコーディネーターの査定を必ず受け、市場価格を原則とした
予算要求を厳格に実施するなど、経費の精査を行うことも堅実な予算編成となった一因である
ことを御理解いただきたいと存じます。
次に、予算編成過程の公開につきましては、市長の専権事項でもある予算編成は、数多くの
事務事業を決定する過程でさまざまな角度からの政策判断が要求される内容でもあり、現在の
ところ公開は考えておりません。平成22年度予算につきましては、予算特別委員会等におけ
る審議を通して誠心誠意お答えをしてまいりたいと考えております。また、市民の皆様におき
ましても、予算に対する御意見をお寄せいただければ、行政としてできる限りの説明責任を果
たしてまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りますようお願い申し上げます。
他の質問につきましては、担当より答弁させます。
○議長(根本洋治君) 教育長淀川ゆき君。
○教育長(淀川ゆき君) 須藤議員の特別支援教育の現状と課題についてお答えいたします。
小中学校各校では、児童生徒の実態に合わせた支援・指導体制を明記した個別の支援計画、
指導計画を保護者とともに作成し、校内委員会で計画を確認して共通理解を図り、支援の際に
活用しております。また、支援が必要な児童生徒が通常学級で学習する際は、個別の指導計画
に基づき特別支援学級担任や特別支援教育支援員がついて授業に取り組んでおります。
牛久市では、今年度、支援員は支援の必要な園児・児童生徒43名に対して610万円の予
算で17名の配置でしたが、来年度は71名に対して870万円の予算で25名の配置を計画
しております。さらに手厚い支援が行えるよう取り組んでまいります。また、教職員や支援員
対象の研修会は今年度3回実施し、毎回60名の参加がありました。今後も継続実施し、特別
支援教育の質の向上を図ってまいります。
次に、就学指導の方向性についてお答えいたします。
児童生徒の就学につきましては、幼稚園、保育園、各校を指導課職員と「のぞみ園」
、
「きぼ
うの広場」指導員が訪問し、一人一人の障害の程度を理解し、保護者と面談を重ね、保護者の
考えの把握に努めております。また、校内でも担任と保護者が面談を実施し、保護者の意見を
取り入れ、校内委員会で児童生徒の就学先について検討しております。
市就学指導委員会では、保護者の考えを委員へ報告した上で児童生徒の就学先の判定を行い、
保護者と再度面談を実施し、同意を得て就学先を決定しております。医療機関や臨床心理士、
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障害者相談員などさまざまな立場の委員から構成する委員会は、児童生徒にとって最大限に能
力を伸ばせる就学先について的確な審議を行う場となっており、欠かすことはできません。今
後の一人一人の児童生徒の将来の自立を目指し、最適な教育が受けられる就学指導を進めてま
いります。
○議長(根本洋治君) 保健福祉部長宮本久夫君。
○保健福祉部長(宮本久夫君) 御質問2番、これからの地域福祉についてお答えいたします。
初めに、孤独死を防ぐ地域福祉社会について、牛久市では今年度から高齢者を対象に要援護
台帳整備事業として、日頃からの見守りを地域で行えるようにするために、行政区、民生児童
委員、社会福祉協議会と協働し、見守り台帳の整備を進めております。現在1,581世帯の
登録があり、それをもとに地域でのかかわり方をいかにするか、モデル地区の3つの行政区、
小坂団地、松ヶ丘、刈谷行政区で検証しているところです。これは行政だけでは補えないそれ
ぞれの生活圏をもとにした地域の相互扶助体制をつくり上げることで可能となるものとの考え
でございます。
また、一方では121人が利用している配食サービスや緊急通報システムが227件設置さ
れており、高齢者の安否確認を行える体制づくりを図っております。そして、高齢者の問題に
とどまることのない、子育ての世帯や障害者世帯、その他生活上の課題を市民、地域、行政の
協働により解決していく仕組みづくりが地域福祉計画であります。計画の状況等については、
さきの山本議員の質問にお答えしたとおりでございます。
次に、地域福祉拠点に整備についてお答えいたします。
現在進めている地域福祉計画の策定で実施しましたワークショップにおいても、生活課題の
一つとして地域のコミュニケーションが減少していることが挙げられております。牛久市の場
合は行政区の活動や役割がとても有効に行われていることから、それらを基本単位とした御近
所福祉コミュニティを圏域とした地域住民による課題解決の区域、そして、おおむね小学校区
を単位とし、社会福祉協議会を含めた各種団体の協働による対応策を実行する小地域福祉圏域
を設定することが肝要であり、それぞれの行政区の集会所や自治会館、そして小学校などの既
存施設を拠点としていきたいと考えております。
地区社協の確立については、前述の圏域においてどのように協働のまちづくりを展開できる
かについて、社会福祉協議会が2カ所の学校区でモデル事業を始めたところであります。今後
については、現在策定中の地域福祉計画と社会福祉協議会が策定した市民が主体となる地域福
祉活動計画を連携させながら牛久市の地域福祉を進めてまいります。
続きまして、御質問3番の次世代育成支援行動計画についてお答えいたします。
次世代育成支援行動計画は平成17年度から26年度までの10年間の計画で、前期計画を
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平成17年度から平成21年度までの5カ年、後期計画を平成22年度から平成26年度の計
画期間としており、21年度は前期計画の課題を踏まえた見直しを行い、後期行動計画を策定
しております。
最初に、前期計画の成果と課題についてですが、前期行動計画の目標設定数値から事業成果
をとらえ、市民ニーズ調査の結果や市民満足度調査の結果をもとに本目標の中で検証を行い、
目標の達成度及び課題を抽出し、後期行動計画に反映させたものです。なお、前期行動計画の
目標事業量に対する達成状況ですが、主なものとして、地域子育て支援センターが目標2カ所
に対して3カ所を設置、子育て広場が目標3カ所に対して2カ所を設置、また保育園関係では
通常保育事業の規模拡大が目標事業量の定員775人に対して定員1,140人と、2つの園
の開園により定員の増となっております。また、この開園に伴い延長保育事業、休日保育事業、
一時保育事業及び特定保育事業が目標事業量に対して実績が上回った結果となりました。
2点目の後期計画策定プロセスとこれからの子育て支援についてでございますが、国は策定
指針の中で基本的な視点として9項目を挙げ、後期行動計画に盛り込むこととしております。
牛久市ではこの基本的な視点を十分に踏まえながら策定しており、目業事業量の設定について
は、国より示された行動計画策定指針により、保育サービス、放課後児童健全育成事業など1
0事業について、アンケートによるニーズ調査の結果や今後の牛久市の人口推計をもとに設定
いたしました。
子育て支援推進協議会においては、設定した基本目標や基本施策についての表現の仕方、庁
内の子育て推進会議の中で設定した事業などを検討してまいりました。今回は地域福祉計画の
策定と重なったこともあり、昨年12月に一般市民を対象に実施したワークショップでの課題
や問題点を反映した地域福祉計画との整合性をとりました。また、2月1日から2月19日ま
での期間でパブリックコメントを実施し、4件の意見が出され、現在見直しをかけているとこ
ろでございます。
内閣府では、
「子供・子育てビジョン(仮称)
」を策定するに当たり、内閣府特命担当大臣よ
り各市町村の「我が町の子育て応援宣言」として、全国の地方自治体の子育て支援への特色あ
る取り組みの紹介依頼があり、牛久市では、子育て日本一のまちづくりとして「ママと赤ちゃ
んとのほっとスペース」、保育園整備、児童クラブの充実、児童育成手当、子育てネットワー
クを掲げました。
続きまして、御質問5番の障害児施策についての2番の長期休業中の障害児童への支援につ
いてお答えいたします。
牛久市では、学校や施設の休みの場合に、障害児の日中の活動の場を確保し、障害児の家族
の一時的な休息や負担の軽減を目的として、障害者等日中一時支援事業を実施しております。
- 197 -
しかし、市内には障害のある児童を対象とした施設がないことから、障害児の受け入れができ
る施設は少ない状況にございます。このような状況を改善するため、周辺の市町村の施設等に
対して受け入れの働きかけを行ってきたところです。その結果、夏休み期間中の平成20年8
月と平成21年8月を比較しますと、利用できる施設数は6カ所から11カ所へと2倍にふえ
ており、児童の利用実績は延べ45回から145回へと約3倍の伸びとなっております。引き
続き受け入れ可能な施設を確保するとともに、市内の施設に対しましても児童の受け入れを促
し、利便性の向上に努めてまいります。
一方、障害者や健常者がお互いを理解し、地域でともに生活することは大変重要であると考
えており、地域の行事やイベント等につきましても、障害のあるなしにかかわらず参加ができ
るよう、引き続き地域の理解の促進に努めてまいります。なお、今年度から牛久市障害者連合
会が障害者と地域住民との交流を目的として実施しております交流お茶会の取り組みに対して
も、引き続き支援を行ってまいります。
○議長(根本洋治君) 教育次長榊
○教育次長(榊
進君。
進君) 御質問5番、児童クラブにおける支援が必要な児童への支援につ
いてお答えいたします。
現在、児童クラブを利用している特別支援学級に在籍する児童は14名となっております。
特別な支援を要する児童への対応策としましては、年5回の幼児教育研修会や専門研修などへ
の指導員の参加により知識の習得に努めているとともに、校長先生や担任の先生との情報や意
見交換などを通して助言をいただいております。また、現状を見た上で、指導員の意見を聞き
ながら人員を多く配置するなどの対応をしております。しかしながら、ケースもさまざまであ
ることから、日々現場での児童とのかかわりを通して実践の対応の仕方を習得している状況に
あります。専門的知識を有した指導員の確保は難しく、時間がかかるとは思いますが、引き続
き保護者や学校を初めとした関係機関としっかり連絡を取り合いながら、子供への理解を深め、
安心して生活できる場となるよう努めてまいります。
○議長(根本洋治君) 9番須藤京子君。
〔9番須藤京子君登壇〕
○9番(須藤京子君) それでは、再質問させていただきます。
2点の質問と、1点はお願いというような形になろうかと思いますがよろしくお願いいたし
ます。
まず、3番目の次世代育成支援行動計画についてであります。
今、後期行動計画が策定されつつあるところで、3月中にというお話でした。それで、部長
の答弁の中にも、今パブリックコメントが寄せられて、それを最終的にどのように生かすかと
- 198 -
いう段階なのだというふうに御答弁いただいたのですけれども、まずこのパブリックコメント
をどう生かすかという点について、ちょっと部長のお考えだけでも伺わせていただければとい
うふうに思います。
このパブリックコメントの内容を見ますと、非常に具体的で、ちょっと例を挙げさせていた
だきたいと思います。保育園なのですけれども、「保育園の一時預かりの児童も在園児童と一
緒に行事に参加させてほしい」とか、「教育委員会と図書館の講演会はいい企画がたくさんあ
るのに託児制度がない。参加できないママたちがたくさんいる。課が違うと託児がないという
のは縦割りで、解決してほしい」、それから「二人乗り自転車の購入助成はいいのだけれど、
道路の整備が進まないようでは購入する気になれない」とか、「のぞみ園の学習版があるとよ
い。学校でうまくいかない子には別の場所で別の先生に教わるのも有効ではないか」とか、そ
れからもう一つ、「外遊びもできる集いの広場の整備、外遊びを進めるための事業、一日プレ
イパーク、出張プレイパーク、外遊びに関するワークショップなどを開催してほしい」という
ような要望が、部長は4件というふうにおっしゃっておられましたが、4件の中にそれぞれい
っぱい要望というか、いろいろな意見が入っているわけで、こういう具体的な要望がたくさん
あるわけです。これは後期行動計画の中にまさに生かしていけるものでもあると思って、子育
て真っ最中の現役世代の生の声がたくさん詰まっているなというふうに私は感じました。
こういう声が計画の中に入っていないというのは、アンケートがこういうニーズを調べてい
なかったというのもあるかもしれませんけれども、やっぱり策定委員会の中で、委員がそうい
うことについて発言するような機会がどうだったのかなということも一つあると思うのですけ
れども、でも、せっかくパブリックコメントでこういう声が上がってきたわけですから、これ
をどう盛り込んでいくのかと。これは3月中に策定しなければいけないということで大変お忙
しいだろうと思いますが、この基本的な考え方についてお示しをいただければと思います。
それから、次に特別支援教育ですけれども、これは特別支援教育のあり方について今後の対
応ということでのお願いに当たろうかと思います。
2月29日の朝日新聞の教育面で、ウオッチというコラムがあるのですけれども、それをち
ょっと御紹介したいと思います。山形県で1月にあった日本教職員組合の教育研究全国集会の
中で、このインクルーシブ教育についての実践報告がなされております。その中身は、大阪府
東大阪市の小学校教員は、かつて担任した1年生が自閉傾向にある級友とのかかわりを通じて
友達とのつき合いを学んでいく様子を語った。また、ダウン症のある息子を公立小学校に通わ
せている札幌の母親は、放課後「一緒に遊ぼう」と当たり前のように誘ってくれる友達ができ
たと、こういうような具体例を報告されていたということであります。もちろんこういう教育
現場にいる先生方は、このようなインクルーシブ教育のよい面は十分御承知だとは思いますが、
- 199 -
その学級づくりにはどれだけの下支えがあったのかということで、この点に関しては推察する
ところであります。牛久市では、教育現場での効率性からの障害児教育をとらえるというよう
なことはないとは思いますが、就学に当たっての適切な対応をぜひお願いいします。
最後ですが、もう一つ。障害児施策についてお尋ねをいたします。
今、部長のほうから、具体的にこういうふうに事業がなされているということで御報告があ
ったのですけれども、全国各地で、事業所がやっているというもののもちろんあるのですけれ
ども、実は、NPOとか社会福祉協議会などが、本当にその地域に住んでいる子供たちの余暇
活動として、ボランティアなどの協力を得ながらですが、電車やバスを使って公園やゲームセ
ンター、カラオケなんかに出かけて、障害児とも一緒に楽しんだり、それから歌ったり踊った
り、楽器の演奏を行ったり、そういう文化活動を行ったり、いろいろな取り組みをしているわ
けなのです。先ほど、障害者連合会のほうの交流会の持ち方が御答弁の中にありましたけれど
も、実は私も3年前の夏休みに、この障害者連合会の中の一つの団体が主催する障害児の余暇
活動のお手伝いをしたことがありました。そのときに強く感じたのは、人的にも財政的にも、
公的な支援がないと、これを継続していくことはなかなか難しいなということでした。主体的
に行政がここをどう支援していくのかということは大変難しいとは、行政自体がそこを主催す
るというのは難しいと思いますが、こうしたNPOの育成であるとか、社協の事業への支援で
あるとか、そういう中からより身近なところで、そして地域の方々との交流を含めてというよ
うな形での、この長期休業中の障害児童の余暇活動のさらなる広がりを持たせるというような
ことで、この辺についてのお考えがありましたら、ぜひ積極的な働きかけが必要と考えており
ますので、ぜひその辺のお考えについてお聞かせいただきたいと思います。
以上で終わります。
○議長(根本洋治君) 保健福祉部長宮本久夫君。
○保健福祉部長(宮本久夫君) 御質問3番の次世代育成支援行動計画の再質問にお答えいた
します。
パブリックコメントの具現性ということでございますが、パブリックコメント4件、大きく
分けて4件の方から入っております。議員御指摘のとおり、内容がすごく細かい部分がござい
ます。したがって、すぐにできる、解決できる部分が大部分ございます。その部分につきまし
ては関係各課と調整して、計画の中での反映ではなく、すぐに解決していきたいと考えてござ
います。したがいまして、長期的に計画していかなければできない事業を支援行動計画の中に
盛り込みたいと考えてございます。
それからもう1点の、5番目の障害児施策についての、いわゆる長期休暇中の延長だと思う
のですが、障害者連合会で交流カフェをしていただいているのは、人と人とのつながりを深め
- 200 -
るということが一番大事なことだと思います。そういう意味で、これは行政とか社協とか地域
とかではなくて、皆さんが一体となって、障害児も健常な方も人とのかかわり、それからつな
がりが深くなるような交流ができるように、今回の交流カフェのような事業をもっともっと展
開していきたいと考えてございます。その展開の中には社協が中心となるもの、行政が中心と
なるもの、いろいろあると思いますが、人と人とのつながりを深める交流を進めてまいります。
○議長(根本洋治君) ここで暫時休憩いたします。再開は2時25分といたします。
午後2時11分休憩
―――――――――――――――――――――――――
午後2時25分開議
○議長(根本洋治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
日程第1、一般質問を継続いたします。
次に、19番大谷雅彦君。
〔19番大谷雅彦君登壇〕
○19番(大谷雅彦君) 権力は腐敗すると言われますが、残念ながら世界各国において実証
されているようであります。我が国においても、自民党政権から民主党政権に政権交代しても、
今、政治と金の問題が政界をにぎわせております。私は、こういった今の政治に対する不信感
がみなぎっている中にあって、疑問に思うことを通告に従って質問させていただきます。
まず、情報共有化日本一の真偽についてお伺いといたします。
過日、同僚議員の質問に対して市長は「プライバシーに関する以外はすべて公開している」
と、このようにおっしゃいました。しかし、「小坂城跡の土地取引がおかしいから調べてほし
い」と、私はそのように頼まれまして、昨年6月25日に情報公開請求をいたしました。7 月
16日に公開決定通知を受け取りその内容を見たところ、「一部非公開、法人の印影及び譲渡
予定価格については公開することによりその権利、利益を害することが明らかであるため」、
こういう理由で肝心な譲渡予定価格が公開されませんでした。
私は、これは極めて不当なことだと思いましたので、今度は8月31日に異議申し立てをい
たしました。その異議申し立ての趣旨は「譲渡予定価格を公開することによりその権利、利益
を害することが明らかだとして非公開としたことは、情報公開条例の趣旨を侵し、市民の知る
権利を阻害する不当なものであるから、速やかに公開するよう改善措置を求める」、そして理
由として「既に購入者のサンヨーホームから第三者を経た後に牛久市が購入している。したが
って、公開することによって国際自動車の権利、利益を害することはあり得ないと考えてい
る」うっかりしましたが、これは第三者のサンヨーホームにもかかわることでありました。
「譲渡予定価格の公開は市民が行政行為の是非を判断するために必要不可欠の情報であるから、
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市民の知る権利に基づいて公開することが当然と考える」、このように出したわけであります。
それに対して、市長は情報公開審査会、個人情報保護審査会に諮問をされました。その諮問
にこたえて、審査会は昨年12月11日に詳しく理由を述べて「公開すべきものと思料する」、
このような答申を出しました。
しかし、本年1月8日に出された市長の決定書では「異議申し立てを棄却する」という決定
が下されました。御自分で諮問した審査会の答申を拒否するという非常に非常識なものであっ
たと思います。答申書と決定書の結論に至る理由を比較検討すれば、正否はおのずと明らかで
あります。国際自動車からサンヨーホーム、サンヨーホームから7人の共有者、7人の共有者
から牛久市と3回の取引が行われて、既に牛久市が購入しているわけでありますから、初めの
譲渡予定価格を公開しても何ら問題は生じない、そのように考えています。それさえ公開せず、
情報共有化日本一とは羊頭狗肉と言わざるを得ません。こんな看板はデマ宣伝、虚偽広告と同
じであります。どうしても情報共有化日本一と言われるのであれば、公開できない本当の理由
をお聞きしたいと考えています。
次に、田宮西近隣公園に隣接する民間開発地の買収についてお伺いします。
先月の臨時会で市長は、田宮西近隣公園整備関連の答弁において、民間業者が開発工事中の
隣接地を買うと発言されました。購入する意図が理解できません。この際、土地面積、現状、
購入目的、どうして必要なのか、わかりやすい説明を求めたいと思います。
3点目が市長交際費についてであります。
牛久市長交際費の支出に関する要領第1条趣旨に「この要領は、市長が行政執行上必要な外
部の団体との交渉に要する経費としての交際費について、適切な運営を図るため、必要事項を
定めるものとする」とされておりますが、牛久市内のいろいろな業界団体、各行政区の総会な
ど各地区のお祭りに市長が参加されることは大変な御苦労さまだと思っております。しかし、
公職選挙法の寄附禁止規定との兼ね合いに問題はないのでしょうか。この点についてどのよう
に考えていらっしゃるのか。また、公共事業発注業界の各種会合や補助金交付団体などとの交
際費に税金を持参することが適切なのであろうかと疑問にも思っております。不況の波にもま
れて苦労している市民も多く、財政状況も厳しさを増している中で、市長交際費の支出につい
て改善すべきではないでしょうか。
最後に、
「地方議員・首長の兼業に関わる決議」についてお伺いいたします。
平成元年12月21日、市議会は中島一男議員ほか3名が提案した次の決議を採択しており
ます。「今日、地方議員の兼業問題が大きくクローズアップされ、これが住民の議員に対する
不信の要素の 1 つになっていると言われている。当牛久市議会として住民と議会をより密着さ
せるのは勿論の事、住民の議会および議員に対する感情をより向上させるために努力しなけれ
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ばならない。よって、地方自治法第92条の2にもとづき地方議員が関係する団体・個人は、
当市発注の公共事業等に一切参入しないこととする。又、当市選出如何に関わらず県議会議員
も同様とし、さらに、バーターの問題等を含め疑惑を最もまねきやすい自治体の長が関係する
団体も、地方自治法第142条にもとづき一切の公共事業に参入しない旨申し合わせる。以上
決議する」
、こうあります。
そこでお伺いしたいのでありますが、市議会決議でありますから市民は遵守すべきものと考
えておりますが、執行部の認識はいかがなものかお伺いします。また、決議には法的な拘束力
はないと思いますが、過去に違反した人物もいたはずであり、執行部としてどのように対処さ
れたのか御説明いただきたいと思います。
以上で1回目の質問を終わります。
○議長(根本洋治君) 副市長齋藤 章君。
○副市長(齋藤 章君) 御質問3番、市長交際費についてお答えいたします。
市長交際費の支出につきましては、「牛久市長の交際費の支出に関する要領」に基づき、行
政運営の円滑な執行を図るために市を代表して外部の皆様との交際に要する経費を、社会通念
上妥当と認められる範囲内で必要最小限度の額を支出しているところであります。
議員御質問の交際費の会費による支出が公職選挙法第199条の2第1項の寄附の禁止規定
に該当しないかとのことでありますが、市を代表し市長という公人として懇談会への御案内を
いただいた際に飲食の費用分を会費として支出するものであり、寄附禁止規定には該当しない
ものと解されております。また、各業界や補助金交付団体への会費の支出につきましても、一
個人、一企業との懇談ではなく、各団体との市政運営上の課題や現状など意見交換を行うため
の重要な場の一つでもあり、交際費を支出しているものであります。
なお、交際費の支出に関しましては、すべてを市民の皆様にお知らせすることが必要である
との認識のもと、平成15年10月の池邉市長就任以降はホームページにより月別に支出状況
のすべてを公表しているところであり、今後とも適正な執行に努めてまいります。
○議長(根本洋治君) 建設部長木村文雄君。
○建設部長(木村文雄君) 御質問1番、情報共有化日本一の真偽についてお答えいたします。
情報公開請求者及び異議申し立て者である21世紀倶楽部の代表者には、平成22年1月8
日付で異議申し立てを棄却する旨の決定書を通知いたしました。
今回、公有地の拡大の推進に関する法律に規定されている届け出において、小坂城址の土地
購入に係る民間法人と民間法人の取引における譲渡予定価格は、不動産取引を業とする法人の
経済活動における重要な要素であり、取引関係者の個人的利益に直結するものであって、第三
者に公開することは予定されておらず、営業上の秘密であることが十分に推認できると考えま
- 203 -
す。法律専門家の意見を伺い、牛久市情報公開条例第7条で規定する「当該法人等又は当該個
人の権利、競争上又は事業運営上の地位、財産権その他正当な利益を害することが明らかに認
められる情報」に該当すると判断し、決定したものでございます。
当時の市の実情といたしましては、平成18年度に取引があった民間における譲渡予定価格
が届け出されたことにより市政に関する情報になったとはいえ、担当部のみで判断、決定して
おり、市長を含め市全体に当該情報が伝わっておらず、公有地に関する政策決定とその情報管
理に問題を残しておりました。そこで現在では、土地取引等の判断等につきましては、市長、
副市長、及び全部長等で構成する幹部会議において判断を行っておる状況にございます。
続きまして、御質問2番、田宮西近隣公園に隣接する民間開発の買い取りについてお答えい
たします。
現在、第二つつじケ丘の北側において、民間企業による施工面積約4,300平方メートル、
11宅地の宅地開発が行われております。現状といたしましては、擁壁工事の施工中であり、
その基礎について地盤の一部が軟弱であるため設計変更が生じ、調査検討のため工事を休止し
ていると事業主に確認しております。また、現場の造成工事が危険な状況で休止されているこ
とから、茨城県建築指導課との協議の上、安全な対策を行うよう指導している状況にあります。
開発区域用地の買収の件でございますが、事業主から田宮西近隣公園との一体的な活用や駐
車場などとして牛久市で当用地の購入を検討してもらえないかとの相談を受けたことからの話
でございます。その利用目的、必要性などについて検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(根本洋治君) 総務部長吉田次男君。
○総務部長(吉田次男君) 4番目の御質問、「地方議員・首長の兼業に関わる決議」につい
てお答えいたします。
「決議」自体の法的性格は、一般的には法律上の権限の行使として行う意思表示を除いたも
ので、法的には効果がないとするのが通常であると理解しております。したがいまして、お尋
ねの平成元年の牛久市議会における牛久市議会における「地方議員・首長の兼業に関わる決議
について」が、法的にどのような意義を持つかが問題となると考えております。
地方自治法上、議会の権限としては第96条を中心に規定されており、「議決」という言葉
で各種権限が定められております。それらの中に、決議をもって御質問にあるような内容の意
思表示をし、市民等の権利を制限する権限があると解釈できる条文は存在しないものと考えて
おります。したがいまして、権限のない事項に関してのものであることから、当該決議は法的
拘束力のないものと考えております。
これまでの当該決議に反するような事例ですが、法的拘束力がないということで積極的に調
- 204 -
査等をし、注意等を行政側として行ったということはございません。決議の対象となっている
方々の認識と行動によるところが大きいものと考えております。また、地方自治法第92条の
2及び第142条の規定に抵触したということもないものと記憶しております。
○議長(根本洋治君) 19番大谷雅彦君。
〔19番大谷雅彦君登壇〕
○19番(大谷雅彦君) 3番と4番に関して申し上げたいと思います。
皆さんも御承知だと思いますが、牛久市職員倫理規程というものが平成11年につくられて
おります。この目的は「この規程は、関係業者等との接触等に関し牛久市職員が遵守すべき事
項等を定めることにより、職務執行の公正さに対する住民の疑惑や不信を招くような行為の防
止を図り、もって公務に対する住民の信頼を確保することを目的とする」、このようにありま
して、その第4条に関係業者等との――「等」というのは、私は業界団体も含むのではないか
と思いますが――接触に当たっての禁止行為とあります。1番は「接待を受けること」、2番
は「会食をすること」、そして12番には「前各号に掲げるもののほか、一切の利益や便宜の
供与を受けること」と、このように定められております。もちろん、この市職員倫理規程とい
うものは市長に該当するものではありません。
しかし、私は物事の考え方、倫理規程のあり方ということを御承知の西郷南州翁の遺訓から
見たところ、リーダーには持ってはならんものと持たねばならんものがあると。持ってはなら
んものは私心である、私利私欲である。このように喝破され、上に立つ者の心得として四つ挙
げております。一つには、おのれを慎んで品行を正しくすること。二つには、ぜいたくを戒め
て倹約に努めること。三つには、仕事に精を出すおのれの姿を下の者たちに示し、下の者の模
範となること。四つには、下の者の苦労を気の毒に思うこと。このようにあります。
私は、大分年を経てからこの西郷南州翁を尊敬するようになったのですが、全く見事に喝破
されているものと思っております。この点について、先ほどの御答弁につけ加えることがない
のか、先ほどの御答弁がどこまでの執行部の御見解であるのか確認をさせていただきたいと思
います。
2番の田宮西近隣公園については、市長は「買う」というふうに臨時議会で断言されており
ましたけれども、
「検討していく」という部長の答弁で了解します。
1番でありますが、先ほどの答弁は想定内でありましたけれども、ここで皆さんに決定書と
答申書を私が朗読させていただきますので、よく考えていただきたいと思います。
まず、ことしの1月8日付の市長の決定書の主な部分を読ませていただきます。
「主文。本件異議申し立てを棄却する。決定の理由。今回の請求に対する判断として考察す
べきは、情報公開制度を法的に形づくった情報公開条例の中にあって情報公開条例自体が認め
- 205 -
ている非公開情報を規定している第7条第3号アに、今回の具体的取引における譲渡予定価格
が該当するか否かである」
非公開とすべきものがあると定められております。それに該当するかどうかであると、この
ように言っています。
「以下、順次答申に沿いその論点等を含め判断していくこととする。
1.答申の理由第1について。情報公開の対象となる公文書はすべて市政運営上の情報とし
て把握しているものであり、このことを理由として公開とすることは情報開会制度における非
公開情報の存在を根本的に否定することになり、制度の趣旨から逸脱するものと言わざるを得
ない。また、当該異議申し立ての対象となっている公拡法により届けられた土地取引は、平成
18年度において民間法人と民間法人(不動産業)により取引がなされたものであるところ、
牛久市が購入したのは平成21年度であり、その手続として議案として上程し、議会へ取得目
的・金額等を明らかにし、その議決を得た上で購入している。平成18年度に取引があった民
間における譲渡予定価格が届け出されたことにより市政に関する情報になったとはいえ、平成
21年度の市の当該土地購入に関する直接的な情報は既に明らかとなっているのであるから、
民間における土地取引の重要な要素である平成18年度当時の譲渡予定価格を公開する利益が
見出せない。
2.答申理由第2及び第3について。公拡法により届け出られた譲渡予定価格は、地方公共
団体が先買権を行使すべきか否かの判断の参考資料にとどまり、地方公共団体及び届け出当事
者とともに当該譲渡予定価格によって将来の取引価格を拘束されるものではないとし、そのこ
とにより当該譲渡予定価格を参考価格とし、企業の重要な意思表示であることをかんがみるこ
となく、あたかも実際の取引価格とは違い社会的に公示されている価格と同等なものといった
判断がなされていることは、当該公拡法の届け出制度自体を否定することにつながりかねない。
今回の届け出に係る民間法人と民間法人の取引における譲渡予定価格は、不動産取引を業とす
る法人の経済活動における重要な要素であり、取引関係者の個人的利益に直結するものであっ
て、第三者に公開することは予定されておらず、営業上の秘密であることが十分推認できるも
のである。事実、情報公開制度上で定められている第三者(取引当事者)の意見を求めたとこ
ろ――これはサンヨーホームですね――公開に支障があるとの意見が出てきており、公開する
ことにより当該不動産取引を業とする法人の正当な利益を害することが認められる」
でも、既に第三者を経て牛久市が購入しているのです。この反論を生んだ審査会の答申を読
ませてもらいます。
「平成21年7月16日、牛久市甲第2658号、公開決定に対する異議申し立てに対し、
本件異議申し立てに係る情報は公開すべきものと思料する」これは主文であります。
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「本件諮問は、牛久市が異議申立人から平成21年6月25日付で請求のあった小坂城址に
係る地権者の公有地拡大推進法に係る届出書の写しの情報公開につき、平成21年7月16日、
牛久市甲第2658号公開決定により、譲渡予定価格を非公開としたことに対して、異議申し
立てにより本件異議申し立てがなされたことによるものである。当審査会は、関係資料及び関
係法令を慎重に検討し、かつ議論を尽くした結果、本件文書における譲渡予定価格情報は関係
者の個人的利益に対して十分配慮すべきであるとの牛久市の判断にも一定の合理性が認められ
るものの、本件文書及び本件文書中における本件譲渡予定価格の法的性格並びに公有地拡大推
進法及び牛久市における情報公開制度の基本的趣旨にかんがみれば、異議申立人による本件異
議申し立てには理由があり、また、市政運営の透明性確保のためにも本件譲渡予定価格は公開
すべきものと思料するとの結論に達した」3カ月かかっています。
「その理由は以下に述べるとおりである。一般に不動産の譲渡価格は、不動産が財産として
の個別性を極めて強く持ち、かつ関係者間における諸般の事情が複雑に絡み合って決定される
ため、関係者の個人的利益を保護する必要性が極めて高く、法令上特に要請されていない限り
当該情報を第三者に開示することは、法令上も、社会的にも予定されていないと言うことがで
きる。また、このことは関係者が個人である場合はもちろん、業として不動産の売買等を反復
継続して行う事業会社であっても事情が異ならないと考えられる。したがって、牛久市が本件
決定において、本件譲渡予定価格情報を非公開としたことは、本件文書中に記載された不動産
の当事者である私人の個人的利益の保護に配慮した結果であるということができ、その判断に
は一定の合理性が認められる。しかしながら、本件文書における本件譲渡予定価格情報につい
ては、上記の一般論のみならず、同時に以下の事情をあわせ考慮する必要がある。
第一に、本件文書は公有地拡大推進法の規定に基づき牛久市に届け出られた文書であって、
そこに記載された情報は本質的に牛久市の市政に関係する、牛久市が取得し、牛久市の責任に
おいて管理されるものである。したがって、本件譲渡予定価格が本件文書に記載された私人間
の契約に関係するものとしても、牛久市がどのような情報を把握した上で市政を運営している
かという観点を情報公開決定に際して加味する必要がある。
第二に、公有地拡大推進法が不動産の取引当事者に届け出を要求している趣旨は、地方公共
団体等が公益の推進を目的として当該不動産について先買権を行使する機会を確保するためと
解されるところ、当該届け出に際して記載される譲渡予定価格は、届け出を受けた地方公共団
体等が先買権を行使すべきか否かの判断の参考資料の一つであるにとどまり、届け出を受けた
地方公共団体等はもとより、届け出を行った当事者においても当該譲渡予定価格によって将来
の取引を拘束されるものではない。また、当該届け出に際しては、当該譲渡予定価格の算定根
拠等について詳細を記載することも求められていない。
- 207 -
これらのことからすると、本件文書における本件譲渡予定価格は、関係私人間における取引
に関する予定価格という性質を完全に無視することはできないものの、実質的には記載された
譲渡予定価格を一つの参考価格として牛久市に対する先買権行使の機会が示されたことを意味
していると考えられる。この点からも、本件譲渡予定価格情報は牛久市の市政に関する情報の
一種と評価することができるから、条例で定める特段の事情がない限り、市政の透明性を確保
するため公開の対象とされるべき情報と言うべきである」先買権というのは、届け出が出て、
牛久市が欲しい場合に牛久市が欲しいと言えば、牛久市が先に交渉をする権利を得ます。
「第三に、前述のとおり、譲渡予定価格は地方公共団体等に対して先買権行使の判断のため
の参考の一つとして提供される情報であり、届け出を受けた地方公共団体等はもとより、届け
出関係者らにおいても当該譲渡予定価格によって将来の取引を拘束されることはなく、かつ、
当該譲渡予定価格については算定根拠等を示す必要がない。したがって、前述した不動産の譲
渡価格に関して、関係者の有する個人的利益の保護の必要性に関する一般論は、少なくとも本
件文章中における本件譲渡価格に関してそのままでは適用されるべきではない。仮に当該譲渡
予定価格が情報公開によって第三者の目に触れることとなったとしても、それは不動産販売一
般において参考価格、取引希望価格が社会的に公示されているのと実質的に変わるものではな
く、当該情報が公開されることによって生じうる関係者の不利益は、算定根拠を示す必要がな
いことと相まち相当程度小さいものと考えて差し支えない。
以上のとおり、本件譲渡予定価格情報は、関係者の個人的利益に配慮した牛久市による本件
決定にも一定の合理性が認められるものの、牛久市における情報公開制度の基本的趣旨等にか
んがみ、公開すべきものと思料する」このようになっております。
先ほどの御答弁ではよくわかりませんでしたので、何で市長がみずから諮問した審議会の答
申を全く……。今読み比べてお聞きになって、長文ですからわかりにくかった点はあるかもし
れませんが、かなり内容には隔たりがあります。この審査会は本当に慎重に審議して、私は時
間がかかりすぎるのでいらいらしておりましたけれども、きちんとした審査をしてくれたと、
私は満足しておりますが、それに対する対応が、いかにも諮問したものの答申が出たら異議申
し立て棄却と、こういう乱暴な、そして情報共有化日本一と、このような矛盾したことを言わ
れていることに対して怒りを感じます。ぜひこの点について明確な御答弁をお願いします。
○議長(根本洋治君) 副市長齋藤 章君。
○副市長(齋藤 章君) 再質問のうち市長交際費につきまして、市の職員倫理規程に基づい
て何か加えることがないのかという御質問でございました。
寄附禁止規定の解釈につきましては、牛久市のみならず全国の自治体の選挙事務担当者必携
であります逐条解説に基づいた解釈でございますので、この点についてつけ加える点はござい
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ません。なお、平成15年3月に制定されております牛久市政治倫理条例がございます。ここ
には、市長、副市長、教育長が対象になっておるところでございますが、この政治倫理条例の
趣旨をしっかり踏まえながら、今もそうでございますけれども、引き続きしっかりこの政治倫
理を踏まえてまいりたいと考えております。
○議長(根本洋治君) 市民生活部長清水治郎君。
○市民生活部長(清水治郎君) それでは、情報公開担当として御答弁申し上げますが、牛久
市情報公開条例では、情報公開請求に対する市などの実施機関――市ですね――の決定に不服
がある場合の措置としまして不服申立制度を設けております。市に例えて申し上げれば、市は
不服申立があった場合は、法条例第21条の規定に基づきまして牛久市情報公開個人情報保護
審査会に諮問しなければならないとされておりまして、審査の後に答申が行われます。
この答申につきましては、市が決定を行う際の意見として承りますが、必ずしも答申と市の
決定が一致しなければならないということではございません。御理解いただきたいと思います。
○議長(根本洋治君) 次に、20番田中道治君。
〔20番田中道治君登壇〕
○20番(田中道治君) 民主党民主改革クラブの田中道治であります。
まず初めに、私は今議会においても、私に期待を寄せていただいた多くの市民の皆様の御負
託におこたえすべく、市民の皆様に「住んでいてよかった、これからも住み続けたい」と牛久
に住んでいることを誇りに思っていただける、小さくてもピカリと輝く牛久づくりのために、
今までまじめに一生懸命働いてきた市民の皆様の目線、今もこれからもまじめに一生懸命働く
市民の皆様の目線、つまり市民党としての立場で引き続き誠心誠意努力してまいりますことを
申し述べ、ただいまから質問通告書に従い市長及び関係部次長に順次質問を行いますが、その
前に、あるべき地方議会の姿について申し述べたい私見があります。
地域主権の確立を目指す国の政策が決してバラ色の未来を約束するものではないことは、当
然のこととして自覚しておかなければならないことであります。自治体による地域経営の自由
度が高まれば、自治体の首長はそれだけ成功、失敗の責任結果を問われるだけでなく、住民の
生活にも大きく影響を与えるのであります。自律を試される自治体は、その受け皿にふさわし
い政策の立案能力と権力のチェック能力が求められるのであります。地方議会のあり方もまた
しかりであり、二元代表制が有効に機能しているかどうか、地方議会がみずからをチェックし
ているかどうかをその都度確認し、常に反省、努力し、将来の自治体のあり方の視点に立った
大局的な見地に立つことが肝要であると主張いたします。
しかし、多くの地方自治体議会の実態は、地域住民にとってまだまだ遠い存在ではないだろ
うかと憂慮せざるを得ません。かつて鳥取県の片山善博知事が「八百長と学芸会」と酷評した
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ような実態があってはなりません。我々地方自治体議会も、選挙時に市民の皆様にお訴えした
公約を支持して議会に送っていただいたことを常に忘れることがあってはなりません。勇気あ
る自治体の議会からも、まだわずかではありますが改革の波が起きております。既に北海道栗
山町議会や三重県議会は06年に議会運営の理念とルールに関する基本条例を定め、その口火
を切っております。議員同士の自由討議や議員定数の是非その他住民の皆様との意見交換会等
当然の活動を活発に行い、例えば基礎自治体の首長や議員の意欲的な政策の取り組みを表彰し
ているマニフェスト大賞に堂々と自信を持って応募する自主的な試みを推進すべきであると考
えます。
2人以上の議員で構成していない会派は実質的に会派と認められないため、議会運営委員会
のメンバーは会派からしか選出されず、したがって議会運営委員会においてどのような議会改
革の議論がなされているのかは、2人以上の議員で構成している会派に属している議員に比べ
て無会派の議員の場合は、そのたびに議会運営委員会を傍聴参加しなければその内容も進捗状
況すら開示されない。そのために無会派議員を議会に送った市民の皆様の意見が反映されにく
いというようなことがあってはならないと主張いたします。それは市民の代表である議員を議
会がネグレクトする、ある意味反民主的行為であると言わざるを得ないと思料するからであり
ます。
以上、申し述べまして、以下に順次4項目の質問を行います。質問の順序等に若干の前後が
あっても御容赦、御許容いただき、執行部におかれては、既に同様の質問に対して答弁した件
であっても、内容の違いを峻別し、答弁漏れのないようできるだけ詳細な答弁をあらかじめお
願いいたしておきます。
1、新公会計制度開示に向けた作業の進捗状況についてであります。
総務省が指針として自治体に示した新公会計制度は、その開示する資料に発生主義会計、減
価償却制度、時価評価制度等について納得できる適切かつ十分な導入徹底が図られているとは
到底言いがたい実態があります。総務省方式による新公会計制度は、民間企業の会計処理の規
範である企業会計原則のそれとかなりの点で異なり、従来市民、国民の皆様に正確な財政状態
等が開示されてこなかったため、特に各自治体においては、住民の皆様がみずからが居住する
自治体の財政状態について正しい判断ができない、というよりも、各自治体が住民の皆様に適
切な財政状態をわかりやすく開示しないことをむしろ助長するかのような内容であると言って
も過言ではないからであります。
私はかねて総務省方式の矛盾点については池邉市長の主張どおりだと思ってはおりましたが、
その他の点に関しても一体どこに問題点があるのかについて、また、財務指標のチェック、計
算方式、その他の地域を得るために、今年度は2度にわたって新公会計制度に関する研修に参
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加いたしました。財政健全化法により、平成22年度決算から実質赤字比率、連結実質赤字比
率、実質公債費比率及び将来負担比率の4つの財務指標で自治体の財政状態を判断することに
なっております。しかし、肝要なことはそれ以前の問題であります。すなわち、会計処理基準
に関するポリシーであり、これら4つの指標を算出する前提となる数値計算基準に総務省方式
は大きな問題があると言わざるを得ません。肝要なことは、地方公共団体においてもできる限
り民間会社の財務諸表の規範である企業会計原則を規範とすべきでありますが、この点におい
て総務省方式は相当非現実的であると判断されるからであります。
去る2月19日に開催された市議会議員全員協議会で執行部から説明があった際の資料は、
恐らく国内で最も先進的な志向のもとに作成された試作品、指標であったと高く評価いたしま
す。しかし、執行部から説明があった際の資料には危惧することが数点あり、この件について
質問いたします。
具体的な内容は4点あります。
第1点はインフラ資産の評価についてであります。
法人税法の通達では繰延資産として取り扱うこととされているインフラ資産の資産価値の判
断と計上についてであり、このインフラ資産は牛久市にあっては総額いかほどの金額にあるの
かという点であります。このインフラ資産の評価額をゼロとしてBSに――BSというのは貸
借対照表を省略して表現しています――記載した場合に、近隣自治体のBSに比較して牛久市
は財政状態が悪いと判断される可能性があることが危惧されることであります。私は、この点
に関する対策として、重要性の原則に基づいて、ぜひその詳細を税務書類の脚注に詳細に記載
表示し、BSによって市の財政状態を見る人の判断を誤らせないようにすべきであると思いま
すが、市の見解をお聞きいたします。
第2点もこの件に関連してであります。
このようなインフラ資産も資産価値はあるとする財政学者も存在しており、このインフラ資
産をゼロ評価すると逆粉飾ではないかとの指摘を受ける可能性はないかという点であります。
御存じのように企業会計原則の7つの一般原則には、真実性の原則、安全性の原則も明記され
ており、すべての企業がこれを遵守すべき規範であることからすれば、市長の御説明のとおり、
インフラ資産は民間企業の繰延資産とはその性格を異にする点があるにしても、これらすべて
のインフラ資産をゼロ評価するのではなく、①償却期間を短縮する、あるいは②これらの資産
の有用性にしたがって区分し、その評価額をBSに計上すべきものとゼロ評価すべきものとに
分類し、前者については一たん資産計上し、その後償却を行う。もちろん償却期間は法定によ
る。このような会計処理を行うことによって、ゼロ評価する場合に比べて少なくともBS上の
健全化は図られるのではないかと思うのであります。実質主義の観点からすれば、このような
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方法はある意味こそくな手段だとの見解もあるかもしれませんが、どのように御判断されるの
か、お伺いいたします。
次に第3点です。退職給与引当金は勧奨分も加算して計上したとのことであります。
この点についても、民間法人に求められている安全性の原則を牛久市は公会計においても適
用することを予定しており、先駆者たれと姿勢が感じ取れて非常に好ましいことではあります。
しかし、実際に退職金を支払うのは将来該当者が退職する時点でありますから、その金額の計
上に当たってはかなり大きな不確定要素があるのも事実であります。企業会計原則に規範され
ている安全性の原則は、継続性の原則を拘束する側面も具有しております。また明瞭性の原則
との関係においても財務書類に微妙に影響するからであります。この点を念頭に、勧奨分の計
算はどのような根拠によって行うのかについてお聞きいたします。
第4点は、今後の財務書類作成の方向性についてであります。
継続性の原則からすれば、一たん採用した会計基準の変更は、正当な理由がある場合を除き
簡単に変更することがあってはならないとされているのでありますが、この点について、執行
部から説明のあった方針により開示した場合に問題はないのかについてお聞きいたします。
以上4点の質問は、市の新公会計制度導入における財務書類についての市長の御説明は高く
評価するものの、ここまで踏み込んだ作成を行っていいものか、逆に近隣自治体のそれに比較
してみずからに強い責任を負わせ過ぎることになりはしないのかとの観点からの質問でありま
す。
次に第5点目は、牛久市の公会計制度の開示及び説明についてであります。
企業会計制度に関する指針を示した企業会計原則、法人税法、租税特別措置法等の法令集は
膨大かつ詳細にわたります。しかし、これらの法令ごとに500時間から1,000時間程度
の時間をかけてじっくり読めば理解できるのでありますが時間がありません。加えて、公会計
制度と関連する実質赤字比率その他の財政健全化の4つの指標をみずから計算する場合、その
数値を使って計算することは理解できても、なぜその数値を使用するのか、使用しなければこ
れら4つの指標が適切に計算されないのか等の理由が、アビリティ不足かもしれませんがなか
なか理解できない点があります。そこで、すべての希望する市議会議員や市民の皆様が財務書
類に記載されている数値を拾い出して、これら4つの指標をみずから計算し、判断することを
可能にするために、市職員または専門の学者による説明会を開催する用意はないのかについて
お聞きいたします。その場合は、重要ポイントにつきということを前提にさせていただいての
質問でございます。
次の質問に移ります。
2、建築基準法第42条第1項の規定に適合する市道幅員の現状についてであります。
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道路は人類の文化を運ぶ動脈であります。ここにいう文化とは、狭義のそれではなく広義の
それであります。我が国の道路について規定しているのは建築基準法及び関係施行令、施行規
則等であります。建築基準法第42条第 1 項は、道路の幅員を特定の場合を除いて4メートル
以上のものをいうと規定しております。同法第2項でも第1項を前提に規定しております。
以上申し上げて、①市道のうちこの規定に該当しない幅員4メートル未満の市道は、池邉市
長が市長に就任した最初の年度末に市道の何%あり、その後、②毎年度末でこれが何%減少し
てきたか。③平成21年度末現在で幅員4メートル未満の市道は市道全体の何%存在するのか。
特に市街化区域の生活道路におけるその割合、及び④本法律の規定に未該当の市道を建築基準
法第42条の規定に該当させるための市の道路計画についてお聞きいたします。
3、小中学校等公共施設の耐震強度を建築基準法及びその施行令、施行規則等関係法令を満
足する建築物に改修するための補強工事についてであります。
牛久市は小中学校の建築物に関していち早く耐震構造のための補強工事に着手しており、多
くの市民の皆様から市民生活優先の行政にお褒めの言葉をいただいております。加えて、今後
どのようなスケジュールでこの事業を行い完了させる予定か、その時期及び概算の事業費の総
額をどの程度と見積もっているのかについて市民の皆様から質問をいただいております。この
件についてお聞きいたします。
3、小中学校を含む公共施設の耐震強度を建築基準法及びその施行令等関係法令に準拠した
建築物に改修するための補強工事の現状と完了予定時期についてであります。
牛久市は小中学校の建築物に関して、近隣の自治体に比較していち早く耐震構造のための補
強工事に着手してきており、多くの市民の皆様から「安心だ」との言葉が寄せられております。
まだ完成していないこの事業を今度どのようなスケジュールで行い、完了させる予定か、その
時期及び事業費の概算総額をどのように見積もっているのかについてお聞きいたします。
4、ドッグラン設置計画の現状と見通しについてであります。
まず最初に、この件でさきに提出した質問通告書に記載した市の答弁書の過去の要約文に一
部そごがありましたことに遺憾の意を表します。ドッグランの設置については過去数回一般質
問を行っており、その都度答弁の内容をドッグラン設置要望の署名等をくださった多くの市民
の皆様にお知らせしてまいりました。昨年6月に行われた市内にある獣医科クリニックとの利
用協定締結により、翌7月から市民の皆様がこの施設を月に1回無料で体験利用できる事業が
始まったことは一歩前進であります。広報うしくや、市や、私の発行する新聞でそのことを知
った市民の皆様が喜んで利用しましたが、その感想を聞いてみますと、①利用できる無料体験
の回数が1月に1回といかにも少ないことや、まだ利用していない市民の皆様からは、②ドッ
グランまでの距離が遠いこと、③散歩がてらなら連れて行き利用したいが、子供や年寄りは車
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に乗せてまでは連れて行けないことなどの声をいただいております。
市は本年度の当初予算でフェンス設置工事費の予算を計上いたしました。私はこの件もドッ
グラン設置を希望する多くの市民の皆様にいち早く知らせました。その間、もうすぐドッグラ
ンができると喜んでくださる多くの市民の皆様の笑顔に接してきました。その笑顔が脳裏に浮
かんでまいります。しかし、その後、市のこの件に関する事業執行の進捗が見られません。楽
しみにして待っている多くの市民の皆様の悲しい顔が同時に浮かんでまいります。加えて、高
齢化社会、少子化社会を迎えている我が国の社会であり、牛久市にあってもその傾向にかわり
はなく、家庭内でペットを飼うニーズはますます高まってきている現状から判断すると、ドッ
グランの設置はそのニーズが正比例して高くなっていることは、執行部の皆様も容易に理解で
きると思うのであります。
一昨年のかっぱ祭りでのアンケート結果に基づくモデルケースとしてのドッグラン設置に関
する執行部の意思表示を、市としては今後どのように考えているのか。下根運動公園の貯水場
と駐車場との間の空間や現在事業化に向けて進めている田宮西近隣公園その他、適地は数カ所
あると認識しております。これら既存の公園に付加して、あるいは新設する公園に併設するな
ど、知恵を働かせることによって設置費は相当リーズナブルなコストで済むはずであります。
貴重な税金を1円も無駄遣いしないという姿勢には全く同感でありますし、その姿勢は堅持
すべきであります。また、予算には優先順位をつけるべきであることも十分承知はしておりま
すが、ドッグランに関する今年度予算の執行は行わないことにしたのか、来年度予算にも計上
されていないように見受けられるのでありますが、そうだとすればそれはどのような理由によ
るものなのかを、あわせて今後の計画についてもお聞きいたします。
加えて、犬に限らず、猫、カメ、珍獣等、市民の皆様のペットとの共生のニーズ、逆にペッ
トの使い捨ての状況にかんがみて、市として市民の皆様とペットとの関係についてどのように
あるべきだと考えているのか、ペットに関する総合的な観点からペット条例の制定を含んだ構
想についてもあわせてお聞きいたします。
以上、第1回目の質問を終わります。答弁の内容によっては2回目の質問をいたします。
○議長(根本洋治君) 市長池邉勝幸君。
〔市長池邉勝幸君登壇〕
○市長(池邉勝幸君) 田中議員の御質問にお答えします。
まず、インフラ資産の総額につきましては、平成19年度牛久市単体では512億9,73
4万3,000円、平成20年度牛久市単体では500億4,094万円となります。内訳と
いたしましては、道路、下水管、防火水槽等になりますが、外部に公表する際は、御指摘のと
おり注記で表示するか、もしくは総務省基準モデルで作成したものと対比してするかといった
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さまざまな方法を現在検討中でございます。どちらにいたしましても、インフラ資産の金額は
何らかの形で表示する方向で考えておりますので御理解をいただきたいと思います。
次に、インフラ資産の評価につきましては、総務省の新公会計制度においては、インフラ資
産は売却できないが、行政サービスの提供能力を有するため資産計上することとされておりま
す。財務書類を作成する過程でインフラ資産の評価額については議論を重ねており、例えば評
価減を行う場合どの程度の減額とするかなどの基準について、根拠あるものが設定できなかっ
たためそれらの考え方は採用いたしておりません。あくまでも、道路等については売却できな
い資産という位置づけと、500億円を超える資産をバランスシートに計上した場合、純資産
がいたずらに膨れ上がることで、実態とはかけ離れたとても優良な財政状態と判断されるおそ
れがあることから、インフラ資産についてはゼロ評価にすることといたしました。
また、退職給与引当金に勧奨分を加算して計算した根拠につきましては、企業会計原則によ
る保守主義の原則によるものと考えております。退職給与引当金は、期末に全職員がやめた場
合に支払われる退職金という仮定のもとに計算して計上しておりますが、実際に勧奨対象者が
やめた場合にはその分上乗せされた金額で退職金が支払われるため、勧奨分を加算した金額で
計上しております。
次に、継続性の原則につきましては、御指摘のとおり、この原則からすると、一度採用した
会計基準の変更は原則として行わないこととなります。ただし、正当な理由があれば変更でき
ることとなっておりますので、今後継続して財務書類を作成する過程で、より適正な経営成績
や財政状態を示すことが可能であるならば、その時点で会計基準の変更を検討する余地がある
ことを御理解いただきたいと存じます。
また、説明会につきましては、新公会計制度や財政健全化指標など、自治体の経営状態を判
断する新しい指標の算出が始まり、各年度の数値に基づき地域経営の検証が進められることと
なります。今後、それら数値の分析が進み、市民の皆様、また市議会議員の皆様にお示しする
材料が調った段階で開催を検討してまいりたいと考えておりますので、御理解くださいますよ
うお願い申し上げます。
他の質問につきましては担当より答弁させます。
○議長(根本洋治君) 建設部長木村文雄君。
○建設部長(木村文雄君) 御質問2番、建築基準法第42条の規定に適合する市道幅員の現
状と今後の改良計画についてお答えいたします。
建築基準法第42条に規定する道路に満たない道路の現状につきましては、平成21年度末
現在で牛久市の道路の総延長は約752キロメートルあり、そのうち幅員4メートル未満の道
路は約446キロメートルで59.3%になります。御質問の15年度以降の整備であります
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が、15年度は0.2%、近年では0.3%の整備を行い、60.8%から1.5ポイント減
少しており、この5年間におきまして約6,000メートルの整備を行っております。
今後の整備についてでございますけれども、21年度より採択されました狭隘道路整備補助
金等を活用し、利用頻度の高い狭隘道路を中心に年次的に整備してまいりたいと考えておりま
す。
○議長(根本洋治君) 教育次長榊
○教育次長(榊
進君。
進君) 御質問3番、小中学校の耐震補強に関する御質問にお答えいたし
ます。
現在、牛久市におきましては、子供たちが学校生活の大部分を過ごす校舎を優先して補強工
事を進めております。小中学校全12校のうち、昭和56年以前の耐震補強が必要な校舎のあ
る学校は8校でありますが、平成15年度に牛久第二小学校、平成16年度に牛久第二中学校、
平成18年度に奥野小学校、平成19年度は牛久小学校と岡田小学校の1期工事、平成20年
度に岡田小学校の2期工事、平成21年度は向台小学校の1期工事を実施しております。平成
21年4月時点での耐震化率は、全国平均が67%、茨城県は50.5%、牛久市は74.
6%でありますが、今年度終了時点では78%となります。
今後の計画につきましては、国の補助金の動向によっても左右されますが、現時点では平成
22年度に向台小学校の2期工事、平成23年度に牛久第三中学校、平成24年度に中根小学
校を計画してまいりたいと考えております。
体育館の耐震補強につきましては、校舎の耐震補強終了後、計画的に進めてまいりたいと考
えておりますが、対象となる学校は岡田小学校、牛久第二小学校、中根小学校、向台小学校、
牛久第一中学校、牛久第三中学校の6校となります。
なお、耐震補強の事業費につきましては、既存建築物の強度や補強の方法により大きく変わ
ってまいりますので、実施設計により効率的で経済的な補強方法を選定する必要がございます
が、直近で実施いたしました岡田小学校では約4億7,000万円、牛久小学校では約3億7,
000万円の工事費となっております。また、向台小学校につきましては、2期工事におきま
して50キロワットの太陽光発電設備を設置する計画でおりますが、その費用を含めて1期工
事、2期工事合わせて約4億8,000万円となります。
なお、学校以外の他の公共施設につきましては耐震補強の必要はございませんので、御理解
いただきたいと存じます。
○議長(根本洋治君) 環境経済部長坂本光男君。
○環境経済部長(坂本光男君) 御質問4番のドッグランの現状と見通しについてお答えいた
します。
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ドッグランの設置につきましては、そのニーズの把握、設置に当たっての課題や問題点の抽
出などを行う必要性から、本年度モデル事業として、市の施設として設置する場合と、既に開
設されている民間施設を利用する場合の両面から検討してまいりました。
昨年7月から市内にある民間のドッグラン施設の協力が得られたことから、月に1回日曜日
に牛久市民の無料開放日を設け、利用の状況、運用上の課題等を探ってまいりました。
まず、利用状況といたしましては、昨年7月から本年2月までの8カ月間で延べ95頭、1
日当たりでは約12頭の利用がございました。実利用頭数にいたしますと、54頭がドッグラ
ンを利用したこととなります。現在の運用状況を見る中で、各種ワクチンの接種、犬の気性を
見きわめるための審査など、きめ細かな運用の必要性があり、単にハード面の整備だけではな
く、ある程度の専門知識を持って運営する主体が必要であると考えております。
ドッグラン施設の利用促進に向け、公共施設でのポスターの掲示、広報紙での紹介、メール
マガジンの活用など、市民の皆様への周知徹底に努めておりますが、現段階において民間施設
の収容力にはまだまだ余裕があることから、市のモデル事業としてのドッグラン設置は見送っ
たというところでございます。
民間施設の無料開放につきましては、本年度の月1回を、4月からは月1回の日曜日のほか
に第1、第4水曜日を加え、月に3回にふやす形で御協力を得られることとなりましたので、
今後も引き続きニーズの把握等に努めてまいります。
また、犬に限らずペットを取り巻く現状として、飼い主のマナーの低下に起因するようなさ
まざまな問題やペットの飼育放棄の問題がございます。これらについてはマナーアップや生涯
飼育の徹底、やむを得ず手放す場合の殺処分の回避などを含めた総合的なペット行政のあり方
を探るべく、まずは、一つの行政区にモデル地区として御協力をお願いし、モデル地区内の全
世帯にペットの飼育状況と飼い主の意識に関するアンケート調査を実施いたします。この取り
組みにつきましては3月中にスタートし、最終的には市内全域に広げていく予定でございます。
同時に、市内において動物愛護活動を行う方々から意見を伺っているところであり、牛久市の
現状に即したペット行政の推進策の検討を始めたところでございます。
以上でございます。
○議長(根本洋治君) 本日の一般質問はこれで打ち切ります。
以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれにて延会といたします。御苦労さまでございました。
午後3時42分延会
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