人材育成・普及啓発等 1. はじめに 当協会は,光技術を支える人材の育成,光技術関連情報の普及・啓発・広報,さらには国際交流のために 多くの事業を実施し,光産業技術の発展に寄与してきている。 本年度も,人材育成では,技術開発・製造・販売等の現場で必要なレーザ技術の研修事業及び試験事業と して,レーザ安全スクール及びレーザ機器取扱技術者試験をそれぞれ実施した。また,下記インターオプト に光関連の学生を招待する機会を設けた。 普及・啓発・広報では,光産業や光技術に関する各種のシンポジウムや定期的なセミナーの開催,櫻井健 二郎氏記念賞の授与等の多彩な活動を展開し,さらに,オプトニューズやホームページ等によって光産業技 術の普及・啓発活動を継続的に実施した。これらのうち,光産業技術シンポジウム,光技術シンポジウム, マンスリーセミナー,及び普及・啓発活動の一部は,“日自振補助事業”である。 国際交流活動としては,日常的な調査活動や標準化活動のほか,アジア地区最大規模の光技術総合展示会 であるインターオプトの開催や光関連団体国際会議 ICOIA への寄与があった。 (石原 聰) 2. レーザ安全スクール 当協会は,レーザ機器の普及に伴う機器取扱者の傷害事故の発生を未然に防止するため,レーザ機器の設 計開発,製造,加工,販売,運用等に携わる方々を対象に「レーザ安全スクール」を実施している。光技術, 光通信,レーザ医療,レーザ安全等の各テーマについて現在第一線でご活躍中の専門家を講師に招き,講義 内容は実務に即役立つものとなっている。プログラムは,入門コースの光・レーザ入門(Iコース)から始 まり,基礎知識の S コース[レーザ工学の基礎(S1 コース),レーザ安全の基礎(S2 コース),レーザ応 用機器の安全(S3 コース),大出力レーザ機器の安全(S4 コース)],専門知識の M コース[レーザ安全 管理者向けコース(M1 コース),レーザ安全技術者向けコース(M2 コース)]と進み,体系的なレーザ 安全教育が可能。また各コース講義終了後には理解度を確認するための「演習」の時間も設けられている。 第 21 回目を迎えた本年度のレーザ安全スクールは,第Ⅰ期を 2006 年 10 月 16 日から 20 日まで,第Ⅱ期 を 11 月 6 日から 10 日まで,いずれも東京・新橋の航空会館を会場として開催した。各期別の受講者数は, 表の通りである。総受講者数は 811 名で,前回(849 名)と比べて 4.5 %,38 名の減であった。景気に回復が 見られない現状ではあるが,日本工業規格である JIS C 6802「レーザ製品の安全基準」が 2005 年 1 月 20 日に改正,また 2006 年 1 月 20 日に JIS C 6803「レーザ製品の安全-光ファイバ通信システムの安全」が 制定されたため,総受講者数は若干減に留まったが,参加企業数は 133 社で,前回(129 社)と比べて 3.17 %, 4 社の微増であった。 なお,2007 年度の第 22 回レーザ安全スクールは,第Ⅰ期が 10 月 15 日(月)から 19 日(金),第Ⅱ期 が 11 月 12 日(月)から 16 日(金),いずれも東京・新橋の航空会館での実施を予定している。 (川久保信友) オプトニューズ電子版 99 Vol.1, No.3 (2007) 人材育成・普及啓発等 第 21 回レーザ安全スクール参加者 コース 期 第Ⅰ期 I S1 S2 S3 S4 M1 44 57 135 54 54 68 81 132 74 65 138 267 128 119 第Ⅱ期 計 (単位: 人数) 44 M2 計 412 68 47 399 47 811 3. レーザ機器取扱技術者試験 この試験の趣旨は,レーザ機器の取り扱いに起因する危険及び障害を防止するため,レーザ機器の取扱者 や安全管理者及び安全技術者に必要とされる知識水準をテストすることにより,レーザ機器の取り扱いにお ける安全を確保し,光産業の健全な発展を図る事にある。 試験は,レーザに関する総合知識,及びレーザ光の危険性と安全法規をテストする「第 1 種」(但し,レ ーザ安全管理専門の「第 1 種選択 1」と,同じくレーザ安全技術専門の「第 1 種選択 2」とに分かれる), レーザの基礎的知識をもっているかどうかをテストする「第 2 種」に区分されている。 第 17 回レーザ機器取扱技術者試験は 2006 年 12 月 1 日に,東京・芝公園の機械振興会館で実施された。 同日は全国からの受験者 138 名(欠席者 9 名)を集めて 3 会場に分かれ,午前 10 時から正午まで,また午 後 1 時から 3 時までそれぞれ 2 時間ずつの試験が行われた。レーザ機器取扱技術者試験委員会の厳正な採点の 結果,表に示すように合格と判定されたのは第 1 種選択 1 が 2 名,同選択 2 が 9 名,第 2 種が 62 名だった。 なお,第 18 回レーザ機器取扱技術者試験は 2007 年 12 月 7 日(金)に東京・芝公園の機械振興会館で実 施を予定している。 (大熊仁明,川久保信友) 第 17 回レーザ機器取扱技術者試験結果 受験者数 合格者数 合 格 率 第1種選択1 4名 2名 50.0 % 第1種選択2 13 名 9名 69.2 % 第 種 121 名 62 名 51.2 % 計 138 名 73 名 52.9 % 2 合 4. 学生招待プログラム 「学生招待プログラム」は,光技術の研究に携わっている学生に対して,光技術に関する大規模な展示会 として定着している当協会主催のインターオプトや,インターオプトに併設して開催される国際学会への参 加によって,最先端の研究動向や光技術応用製品の発表の現場に接する機会を提供し,光産業技術分野の将 来を担う人材の育成に寄与することを目的としている。 今年度は,光関係分野に高いアクティビティを持つ大学の学生(原則として,修士課程以上の大学院生) オプトニューズ電子版 100 Vol.1, No.3 (2007) 人材育成・普及啓発等 17 名を,2006 年 7 月 12 日~14 日に幕張メッセで開催されたインターオプト’06 に招待した。本プログラム 期間中には,当協会産業動向調査委員会委員を務める(株)アイテスの筒井氏をお迎えして,参加学生と昼 食をとりながら懇談する場も設けた。参加した学生からは,「展示会,セミナーの規模・内容等に圧倒され たことはもとより,日頃接することのない同年代同研究分野の他大学の学生と情報交換することもでき,貴 重な時間を過ごせた」との感想が多かった。 (小名篤裕) 5. 光産業技術シンポジウム・光技術シンポジウム 5.1 第 26 回光産業技術シンポジウム 第 26 回光産業技術シンポジウムを,2006 年 12 月 6 日に東京・虎ノ門パストラルにて開催した。本年の テーマは「更なる飛躍をめざして,挑戦する先端光テクノロジー」として,各界で先端的な研究をされてい る著名な先生方に講演をお願いした。 講演に先立ち,経済産業省商務情報政策局 情報通信機器課 横尾英博課長に来賓挨拶をいただいた。光技 術は次世代イノベーション技術の重要な要素であり,このようなシンポジウムは,産官学の意見のぶつかり 合いによる「知の融合」を促す場として重要である,というお話をされた。 基調講演は,元「日経エレクトロニクス」編集長で,現在早稲田大学など複数の大学で教鞭を執っておら れる西村吉雄氏にお願いした。 「ブロードバンド・ネットワーク時代の産業構造とウェブ 2.0」という,現在 最もホットな話題に関する講演がなされた。 続いて筑波大学の谷田貝豊彦教授から, 「医療計測に挑戦する先端光テクノロジー」 と題する講演がなされた。 従来の X 線や薬品といった身体に有害なものを使わず,光を用いて生体内部の三次元像を撮影するための 様々な技術や事例が紹介された。 午後の最初の講演は,パラダイムレーザーリサーチ社の鷲尾邦彦社長による「高性能新レーザとそれらによ る先端光エネルギー加工の開発動向」である。レーザ光源やレーザ加工の技術開発動向について幅広く紹介 された。 続いて大阪大学の小牧省三教授による「マイクロ波フォトニクスフィージビリティ調査報告」があった。 将来は光技術と無線技術を融合したシステムが必要と考え,当協会において調査したものであり,小牧教授 は調査委員長を務められた。 最後に東京大学の浅見徹教授より, 「Ethernet Everywhere と次世代ネットワーク」と題する講演が行わ れた。 「広域イーサネットサービス」は日本で開発され商業的には大成功を収めているが,世界的にはほとん ど認知されていないという現状を紹介された。 参加者は約 150 名であり, 「時代の変化に伴う研究開発の考え方,産学連携の意味が大変わかりやすく, 大変参考になった」 , 「専門分野の者ではないが,わかりやすかった」といった多数の意見が寄せられた。 (黒田文彦,宮村芳徳) 5.2 第 10 回光技術シンポジウム 第 10 回光技術シンポジウム「バイオ・メディカルイメージング技術の最近の進展」を,2007 年 3 月 7 日 に東京・学士会館で, (独)産業技術総合研究所(以下,産総研と略)光技術研究部門と当協会の共催により 開催した。 オプトニューズ電子版 101 Vol.1, No.3 (2007) 人材育成・普及啓発等 少子・高齢化が進む日本社会において求められている安全・安心な生活を保障する研究開発に関連し,招 待講演として,先進デバイス,臨床側から見た眼底イメージング技術,および世界のトップレベルにある光 変調デバイスに関する大学と企業の研究者の講演が行われた。さらに,一般講演として,光を用いた高速・ 高感度のバイオセンシング技術,DNA チップの加工技術,並びに生活習慣病の早期診断につながる眼底イ メージング技術(眼底カメラ)に関する産総研の研究者の講演が行われた。 当日の講演のテーマ及び講師を表 5.2.1 に示す。シンポジウム参加者は 82 名であった。 (野口幸男) 競輪補助事業 表7.2.1 5.2.1 表 講演 講演テーマ 講師 招待 ナノ構造・マテリアルを活用した先進バイオデバイス 民谷 栄一 一般 高感度光検出型バイオセンサの開発 牛島 洋史 -マ イ ク ロ ア レ イ と メ ン タ ル ヘ ル ス ケ ア ・ チ ッ プ - 産総研 バイオフォトニクスG 北陸先端科学技術大学院大学 一般 一般 石英ガラスのレーザー微細加工を利用した 佐藤 正健 流通型バイオアレイ分析チップの開発 産総研 レーザ精密プロセスG バイオリフレクトメーター 松村 英夫 -リ フ レ ク ト メ ト リ ー と 液 膜 落 下 法 の タ ン パ ク 吸 着 研 究 へ の 応 用 - 産総研 バイオフォトニクスG 来賓挨拶 経済産業省 商務情報政策局 医療・福祉機器産業室 室長 堀口 光 来 賓 挨 拶 NEDO バ イ オ テ ク ノ ロ ジ ー ・ 医 療 技 術 開 発 部 主 任 研 究 員 中 村 徳 幸 招待 眼底イメージングプロジェクト 吉村 長久 招待 空間光変調器とその光波面制御への応用 原 勉 一般 眼底イメージングと補償光学 白井 智宏 京都大学大学院教授 浜松ホトニクス㈱ 産総研 光画像計測G 一般 眼底観察のための分光イメージング技術 古川 祐光 産総研 光画像計測G 6. インターオプト 「光 世界を結ぶ」(Optoelectronics Links the World) をテーマに光関連製品の総合展示会としてアジア 地区最大の“インターオプト'06”(International Optoelectronics Exhibition '06) は,2006 年 7 月 12 日か ら 14 日までの 3 日間にわたり,千葉の幕張メッセ国際展示場において開催された。 国内,海外のヒト,モノ,技術,情報を一堂に集め,ビジネス・チャンスを提供しようというインターオ プト'06 にはメーカ,商社 223 社が 395 小間に出展した。 このうち海外製品の出展は,海外からの直接出展,海外企業の日本法人出展及び商社を通じての間接出展を 含めると 74 社となる,これら商社等を通じて海外 18 カ国,259 社の製品が国内製品と共に展示された。海 外製品の比率については,出展社数で 33.2 %,小間数で 45.6 %であった。会期3日間の全入場登録者数は 10,022 名であった。 開催規模としては,出展企業数は全てのカテゴリーで大きな変化はないものの,出展小間数では,一部の 企業の出展小間数の削減等があったためか全体的には微減となった。光産業も好況な分野はあるものの全体 的には,本格的な回復に未だ至らない状況である。それでも,33 社の初出展,13 社の復活出展を加え前述 の規模となり,光産業の将来性にはまだ一定の期待感があることを示した。中国,韓国,台湾等を始めとす オプトニューズ電子版 102 Vol.1, No.3 (2007) 人材育成・普及啓発等 る東アジア地区で 21 世紀は光の時代との認識が高く,各国ともに光の研究開発,技術導入,企業誘致等に 積極的な姿勢を示している。一方,国家機関,団体等に目を向けると従来の出展機関,団体等に加え国外で はインターナショナル ビジネス ウェールズ(英国ウェールズ開発庁),国内では,学校法人 光産業創成大学 院大学,国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学の2大学が加わり,国外で 6 機関,団体等,国内で 7 機関,団体,大学等,合計で昨年の 9 機関,団体等を上回る 13 機関,団体・大学等となった。 同時通訳付きで実施する恒例の「出展社セミナー」は,全体の約 85 %が外国人講師によるもので,あいか わらず外国メーカの日本市場に対する積極的な姿勢がうかがえる。恒例の「主催者セミナー」(「光産業ベ ンチャービジネスセミナー」・「光産業動向セミナー」・「光技術動向セミナー」)もテーマによっては立 ち見となりあいかわらず人気の高さを見せていた。 当協会の事業成果を展示する「協会ブース」では,写真パネルを中心に,各種成果報告等の展示を行った。 ベンチャービジネス支援のための「新規事業創造支援ブース」では,開発プロジェクト「光ファイバ式オプ チカルエンコーダー」,「高速/広帯域/連続波長走査型レーザ」,「オレンジファイバー光凝固装置」の成 果の展示・実演による紹介及び公募案内を行った。さらに,光技術に関する製品カタログや技術資料を展示 し,来場者の製品カタログ請求申込を受け付ける「カタログ出品ブース」には,数多くの製品カタログの請 求があった。 なお出展社への「成果があがりましたか?」とのアンケートに対して,「成約があった(引き合いがあった, その他成果があった含む)」94.0 %,「無かった」6.0 %との回答が,また同じく来場者への「インターオ プトはいかがでしたか?」の質問に,「参考になった 76.2 %」,「どちらともいえない」21.6 %,「参考 にならなかった」2.2 %との回答が得られた。総じて来場者の資料収集,出展社との商談の場として,並び に技術交流の場としての役割を十分に果たせた。次回のインターオプト'07 は 2007 年 7 月 11 日(水)~13 日(金)の 3 日間,同じく幕張メッセで開催される。 (川久保信友) オプトニューズ電子版 103 Vol.1, No.3 (2007) 人材育成・普及啓発等 7. 国際交流・国際協力 グローバル化の進展により,光産業においても国際協調並びに国際競争力強化の両面を見据えて光産 業技術の振興,普及促進を考えなければならない。わが国の光産業・光技術が世界のトップレベルにあ ることから,当協会は海外各国から日本における技術開発や産業状況に関する情報提供等の幅広い協力 を求められ,随時対応すると共に,国際会議の主催・共催・後援(ISOM2006,ODF’06,CPT2007 等) , 国際展示会への出展(Opto Taiwan,Photonics Korea,ECOC,Photonic West,OFC/NFOEC)等に より,国際交流を図っている。 特に,世界的な光産業技術の振興を目指し,各国の光産業に関する情報交換,国際協力のために,1996 年 以 来 開 催 さ れ て い る 光 関 連 団 体 に よ る 会 議 ( 会 議 名 ICOIA: International Coalition of Optoelectronics Industry Association)では中心的な役割を果たしてきた。2006 年の ICOIA は,香港 の HKOEA がホスト団体となり,ICOIA 中国論壇 2006(10 月 13 日)及び Hong Kong Electronics Industry Fair (10 月 13~16 日)に併せて,10 月 11~12 日に香港において開催され,当協会をはじ め,HKOEA(香港) ,APF(豪州) ,EPIC(欧州,スライド及び録音テープのみ) ,KAPID(韓国) , OIDA(米国) ,OpTech-Net(ドイツ) ,PA(S)(シンガポール) ,PIDA(台湾) ,SOA(スコットラン ド)の 10 団体が参加した。各団体から「市場動向と主なハイライト」と「主な製品と技術のロードマ ップ」について次のような報告があった。①世界的には,薄型ディスプレイ(FPD),DVD,カメラ付き 携帯電話の成長率が高く,今後は太陽電池,光源・受光素子の伸びも期待される。②クリーンエネルギ ー利用の高まりから,LED 照明(自動車応用も含む)及び太陽電池については,いずれの国も研究開 発が活発化している。③FTTH に関しては,日本における急速な普及に対して,韓国,米国,イギリス 等でも・商用化がスタートしている。 当協会からも, 「2005 年度に実施した光産業動向調査結果」 「FTTH , の普及状況」 , 「情報記録及び太陽電池の技術ロードマップ」について報告した。 次回の ICOIA は,2007 年 6 月の Laser 2007 World of Photonics に併せ,OpTech-Net をホスト団 体としてミュンヘンで開催の予定である。 (野口幸男) 8. マンスリーセミナー 当協会では,光産業技術に関連する幅広い分野の専門家を講師に迎え,内外のトピックスや最新の情報を わかりやすく解説する「マンスリーセミナー」を定期的(通常,毎月第 3 火曜日)に開催している。本年度 の開催状況を表 8.1 に示す。 競輪補助事業 表 8.1 回 開催日 275 2006/4/18 276 277 講演テーマ 講師(敬称略) 光 IP ネットワークと FTTH の世界の動向と課題 佐藤 健一(名大) 5/16 なぜ今デミングなのか-組織再生のためのマネジメント 吉田 耕作(青山学院大) 6/20 太陽光発電技術の最新動向 近藤 道雄(産総研) オプトニューズ電子版 104 Vol.1, No.3 (2007) 人材育成・普及啓発等 278 7/25 相対分光分布制御型 LED 擬似太陽光光源システム 富士原 和宏(東大) 279 8/22 全光ネットワーク時代をもたらす光モジュールの最新動向 坂本 健(NTT) 280 9/19 281 10/17 超短パルスファイバレーザーの基礎と最新動向 西澤 典彦(名大) 282 11/21 光スイッチング・ネットワーク技術の最新動向 清水 克宏(三菱電機) 283 12/19 フェムト秒レーザーを用いた多層高密度光メモリの開発 川田 善正(静岡大) 284 2007/1/16 電子ペーパー技術の最新動向 小林 範久(千葉大) 285 2/20 プラズモニック・メタマテリアル 田中 拓男(理化学研) 286 3/27 静脈認証システムの最新動向 光コヒーレンストモグラフィ(OCT)を中心とする断層光 イメージング技術の展開 春名 正光(阪大) 宇都宮 康夫 (日本自動認識システム協会) 9. 第 22 回櫻井健二郎氏記念賞 第 22 回櫻井健二郎氏記念賞(櫻井賞)は,日本電信電話(株)の篠原弘道氏,三川 泉氏,田中孝史氏,および 西日本電信電話(株)の佐藤公紀氏の4名のグループに授与された。 櫻井賞は,当協会の理事であった故櫻井健二郎氏が光産業の振興に果たした功績を讃えると共に,光産業・ 技術の振興と啓発を図ることを目的として創設したもので,今回の表彰を含めると 17 名の個人,24 グルー プ,計 41 件 総勢 93 名が受賞している。 今年度の櫻井賞は,光産業および光技術の分野において先駆的役割を果たした 1996(H8)年以降の業績を 対象に,応募 15 件の中から厳正に選考された。 受賞の栄誉に輝いた篠原弘道氏らの受賞理由は『FTTH のための光アクセス線路・工法・システム関連総 合技術の研究開発』に関するもので,『通信事業者ビルからユーザ宅に至る光ファイバ線路を,性能や経済 性に加え現場作業性などヒューマンファクタを含め総合的に研究開発し,光線路設備の大規模建設と運用を 実現した。更に,認証,暗号化や保守などキャリアグレードの光アクセスシステムを開発し,安全安心な双 方向ブロードバンドアクセスサービスを提供可能とした。これら総合的な FTTH 技術により,日本は世界に 先駆け本格的 FTTH 時代を迎えつつある。』というものである。 受賞者に対する表彰式は,平成 18(2006)年 12 月 6 日に開催された第 26 回光産業技術シンポジウムの終 了後に行われた。櫻井健二郎氏記念賞委員会 田中昭二委員長(超電導工学研究所長)から選考経過報告の後, 賞状,さらに副賞のメダルと賞金が各受賞者に手渡された。 (宮村芳徳) オプトニューズ電子版 105 Vol.1, No.3 (2007) 人材育成・普及啓発等 篠原弘道 氏 佐藤公紀 氏 田中孝史 氏 三川 泉 氏 10. 普及・啓発活動 オプトニューズと標準化ニュース,英文誌 Activity Report を発行した。オプトニューズは 2007 年 No.1 から電子版の発行を始め,2007 年 No.3 からは電子版に完全移行し,冊子は終了となる。また 1996 年から 開設しているホームページには年間多数のアクセスがあり,年々増加している。 なお,下記のうち*の印刷物は,競輪の補助金を受けて発行し,一般に配布したものである。 (1) オプトニューズ(賛助会員向け) ①153 号*(2006 年 6 月) : 2005 年度成果報告特集 ②154 号(2006 年 7 月) : インターオプト'06 特集 他 ③155 号*(2006 年 9 月) : 太陽電池国内出荷量調査 他 ④156 号(2006 年 11 月) : リサーチ&アナリシス 太陽電池のエコマーク 他 ⑤157 号(2007 年 1 月) : 特集:フォトニックネットワーク技術の主要研究成果,櫻井健二郎氏記念賞 受賞者 他 ⑥158 号(2007 年 3 月) : 光産業国内生産額調査,レーザ機器取扱技術者試験合格者 他 (2) オプトニューズ電子版 ①Vol.1, No.1 (2007)(2007 年 1 月 31 日 Web 掲載): オプトニューズ第 157 号と同一内容 ②Vol.1, No.2 (2007)(2007 年 3 月 30 日 Web 掲載): オプトニューズ第 158 号と同一内容 (3) Activity Report*(海外向け英文誌,年 1 回刊) Volume 19: 2005 年度成果報告の英語版 (4) 光標準化ニュース(光標準化会員向け) ①82 号(2006 年 5 月) : IEC/TC 76 フランクフルト会議報告,IEC/TC 82/WG 2 アリゾナ会議報告, IEC/TC 82/WG 2 セビリア会議報告 他 ②83 号(2006 年 8 月) : 光産業技術標準化総合委員会開催 他 ③84 号(2006 年 12 月) : IEC/TC 82/WG 2 東京会議報告 他 オプトニューズ電子版 106 Vol.1, No.3 (2007) 人材育成・普及啓発等 (5) ホームページの充実 (http://www.oitda.or.jp) 事業計画,事業報告を始め,セミナー,シンポジウム,研究会・懇談会等の開催案内等,各種情報を掲載 し光産業関係者への利便を図っている。特に今年はトップページのリニューアルやサイトマップを作成し, 閲覧者により見易く分かり易いホームページ作りを行った。 主要な(新規・更新)掲載情報: ・光産業の国内生産額調査結果/光産業動向調査報告書 ・光技術調査報告書 ・光技術フィージビリティ動向調査報告書一覧/2004,2005 年度概要 ・開発プロジェクト(2005 年度採用プロジェクトの実施内容) ・技術アドバイザ(2005 年度相談例) ・標準化活動(JIS 化原案作成と OITDA 規格の制定) ・賛助会員用のページ作成(オプトニューズ電子版・プレスリリースの先行掲載) (平野隆之,大熊仁明,吉川実佐) 本成果報告の各文末の( )内には,各事業成果の取りまとめにあたった事務局担当者の氏 名を記載しております。取りまとめにあたりましては,関連委員会委員長はじめ委員の皆様方に 多大なご協力を頂戴いたしました。ここに厚く御礼申し上げます。 オプトニューズ電子版 107 Vol.1, No.3 (2007)
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