参考資料 美濃加茂市環境基本条例

参考資料
美濃加茂市環境基本条例
平成 13 年 4 月 1 日施行
私たちのまち美濃加茂市は、中山道の宿場町として栄えた歴史と伝統を有して
います。また、緑豊かな大地と清流木曽川に代表される豊かな水に恵まれた自然
環境の中で、岐阜県における交通の要衝として、着実に発展してきました。
しかし、近年、社会経済の飛躍的な発展と物質的な豊かさを求める生活様式が、
大気汚染、水質汚濁や緑の減少など様々な形で、私たちの身近な自然環境に影響
を及ぼしています。
もとより、すべての市民は、良好な環境の下に健康で安全な生活を営む権利を
有するとともに、健全で恵み豊かな環境を将来の世代に引き継ぐ責任と義務を有
しています。
私たち市民は、身近な環境をはじめ多様な生態系や地球環境の保全の意義を強
く認識し、環境への負荷が少なく持続的に発展することができる社会の実現を目
指して、地域から行動を起こし、豊かで快適な環境の保全と創出に積極的に取り
組んでいかなければなりません。
ここに、すべての市民の参加と協働により、水と緑に囲まれた潤いのある環境
を守り、そして健全な社会を創り出し、将来の世代まで引き継ぐため、この条例
を制定します。
(目的)
第1条 この条例は、豊かで快適な環境の保全と創出についての基本的な考え方
を定め、市民、事業者と市の責任と義務を明らかにするとともに、豊かで快適
な環境の保全と創出に関する施策の基本的な事項を定めることによって、現在
と将来の世代の市民が環境と共生しながら健康で文化的な生活を営むことがで
きるようにすることを目的とします。
(定義)
第2条 この条例において「豊かで快適な環境」とは、きれいな大気と水、多様
な自然、歴史的又は文化的遺産に恵まれた文化、良好な景観などをいい、市民
が住みよさと心の豊かさを感じることができる環境をいいます。
2 この条例において「環境への負荷」とは、人の活動によって環境に加えられ
る影響であって、環境を保全するうえで支障の原因となるおそれのあるものを
いいます。
3 この条例において「地球環境の保全」とは、人の活動による地球全体の温暖
化やオゾン層の破壊の進行、大気・海洋の汚染、野生生物の種の減少、放射性
物質や化学物質による汚染、それ以外の地球規模の環境に影響を及ぼす事態に
対する環境保全であって、人類の福祉に貢献するとともに、市民の健康で文化
的な生活の確保に寄与するものをいいます。
4 この条例において「公害」とは、環境の保全上の支障のうち、事業活動やそ
れ以外の人の活動に伴って発生する相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁、
土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下、悪臭などによって、人の健康と生活環
境(人の生活に密接に関係のある財産や動植物、またその生育環境を含みます。)
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に関する被害が生じることをいいます。
(基本的な考え方)
第3条 豊かで快適な環境は、積極的に保全し、創出する働きかけを行わないと
失われやすいものであるという認識に立って、その保全と創出の活動が行われ
なければなりません。
2 豊かで快適な環境の保全と創出は、人と自然とが共に生きる社会において、
市民の良好な環境を享受する権利を守り、将来の世代ヘ引き継いでいくことを
目的に行われなければなりません。
3 豊かで快適な環境の保全と創出は、すべての者が自主的に、しかも積極的に
取り組むことによって行われなければなりません。
4 地球環境の保全は、すべての事業活動と日常生活において積極的に推進され
なければなりません。
(市民の責任と義務)
第4条 市民は、その日常生活の中で、豊かで快適な環境の保全と創出に積極的
に努めるとともに、環境への負荷を少なくするよう努めなければなりません。
2 市民は、その日常生活から排出される廃棄物の減量と分別、生活排水の改善
に努めるとともに、省エネルギーとリサイクルを推進することなどにより、資
源が有効に利用されるように努めなければなりません。
3 前2項に定めるもの以外に、市民には、市が実施する豊かで快適な環境の保
全と創出に関する施策に協力する責任と義務があります。
(事業者の責任と義務)
第5条 事業者には、事業活動を行うときには、公害を発生させないようにする
とともに、環境を適正に保全するため、自らの負担において必要な措置をとる
責任と義務があります。
2 事業者は、事業活動に関する製品、原材料、それ以外のものを使用したり、
廃棄したりすることによる環境への負荷を少なくするよう努めるとともに、省
エネルギーとリサイクルを推進することなどにより、資源が有効に利用される
ように努めなければなりません。
3 事業者は、事業活動を行うことによって公害を発生させたり、環境を破壊し
たりしたときは、自らの責任と負担においてこれを補償したり、原状に回復し
たりしなければなりません。
4 前3項に定めるもの以外に、事業者には、その事業活動を行うときは、環境
の保全と創出に自ら努めるとともに、市が実施する豊かで快適な環境の保全と
創出に関する施策に協力する責任と義務があります。
(市の責任と義務)
第6条 市には、豊かで快適な環境の保全と創出を実現するため、次に掲げる事
項についての施策を総合的に、しかも計画的に推進する責任と義務があります。
(1) 公害の防止、廃棄物の削減・再利用と適正処分、省資源と省エネルギー、
歴史的文化的資産の保存、景観の保全、快適な居住環境の整備など生活環境
に関すること。
(2) 森林の保全と活用、河川・湿地など水辺環境の保全、緑化の推進、野生
動植物の生態とその多様性に配慮した自然保護など自然環境に関すること。
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(3) 地球温暖化の防止、酸性雤の防止、オゾン層の保護など地球環境に関す
ること。
2 市は、市の施策を策定したり、実施したりするときは、この条例の基本的な
考え方に従って、豊かで快適な環境の保全と創出に積極的に取り組まなければ
なりません。
(環境基本計画)
第7条 市長は、豊かで快適な環境の保全と創出に関する施策を、総合的に、し
かも計画的に推進するため、美濃加茂市環境基本計画(以下は「環境基本計画」
といいます。)を定めます。
2 市長は、環境基本計画を定めようとするときは、あらかじめ市民の意見を反
映するために必要な措置をとるとともに、美濃加茂市環境審議会(第 15 条第1
項を除いて、以下は「審議会」といいます。)の意見を聴かなければなりませ
ん。
3 市長は、環境基本計画を定めたときは、できる限り速く、これを公表しなけ
ればなりません。
(環境基本計画との整合)
第8条 市は、環境に影響を与えると認められる施策を策定したり、実施したり
するときは、環境基本計画との整合を図ります。
(環境教育などの推進)
第9条 市は、市民が豊かで快適な環境の保全と創出についての理解を深めるた
めに、それぞれの年齢に応じて適切な環境教育が受けられるよう必要な措置を
とるとともに、市民や事業者が、これらについての学習活動を自発的に行うこ
とができるような措置をとります。
(市民活動などの支援)
第 10 条 市は、市民、事業者、市民や事業者が構成する団体が行う、豊かで快適
な環境の保全と創出のための自発的な活動に対し、積極的に支援します。
(市民の参加)
第 11 条 市は、豊かで快適な環境の保全と創出のための施策を推進するため、市
民の参加その他必要な措置をとります。
(環境情報の提供)
第 12 条 市は、豊かで快適な環境の保全と創出に役立つよう、環境の状況やそれ
以外の環境の保全と創出に関する情報を、適切に提供するよう努めます。
(年次報告)
第 13 条 市長は、市の環境の現況や、豊かで快適な環境の保全と創出に関して行
った施策などについて年次報告を作成し、これを公表します。
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(広域的連携)
第 14 条 市は、地球環境の保全について広域的な取組を必要とする施策は、国、
他の地方公共団体、民間団体などと協力して推進します。
(審議会)
第 15 条 環境基本法(平成5年法律第 91 号)第 44 条の規定によって、美濃加茂
市環境審議会を設置します。
2 審議会は、市長の相談に応じ、次の事項を調査、審議し、意見を述べます。
(1) 豊かで快適な環境の保全と創出に関する基本的事項や重要事項
(2) 環境基本計画を定めるときと変更するときの意見に関する事項
(3) その他豊かで快適な環境の保全と創出に関して市長から意見を求められ
た事項
3 審議会は、環境行政に関する重要事項について必要があると認めるときは、
市長やそれ以外の関係機関に意見を述べることができます。
(組織)
第 16 条 審議会は、15 人以内の委員で組織します。
2 委員は、生活、自然、社会や地球環境問題について知識や意見を持っている
者の中から、市長が委嘱します。
3 委員の任期は2年とし、委員が欠けた場合の補欠委員の任期は、前任者の残
任期間とします。ただし、再任を禁止するものではありません。
4 審議会に、会長と副会長を1人ずつ置き、委員が互選します。
5 会長は、審議会をまとめ、会議の議長となります。
6 副会長は、会長を補佐し、会長に病気、それ以外の支障があるときや会長が
欠けたときは、その職務を代理します。
(委任)
第 17 条 この条例の施行について必要な事項は、市長が別に定めます。
附 則
この条例は、平成 13 年4月1日から施行します。
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用
語
の
解
説
硫黄酸化物(SOx)
硫黄と酸素が結合してできるものをいい、二酸化硫黄(SO2)
、三酸化硫黄(SO3)などがあ
ります。大気汚染の主役と考えられているものの大部分は、重油や石炭などの燃料を燃焼す
ることにより発生する二酸化いおうで、刺激性が強く、1~10ppm 程度で呼吸機能に影響を及
ぼしたり、眼に刺激を感じたりします。
ABS(陰イオン界面活性剤)
親油基が陰イオンに荷電するタイプの界面活性剤をいう。陰イオン界面活性剤にも各種の
ものがあるが、家庭用洗剤には主としてアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ABS と略
称されている)と LAS(直鎖型 ABS)が用いられている。ABS をハード型、LAS は比較的容易
に分解されるのでソフト型と呼ぶ。ABS は洗浄力がすぐれているが、微生物による分解が困
難で下水処理に障害を与えるばかりでなく、河川に放流された場合にも分解されにくい。
エコマーク商品
製造・流通過程で環境に負荷のかかる物質を使わない、使用・
廃棄時に環境への負荷が少ないなど環境の保全に役立つ商品で、
(財)日本環境協会が環境の保全に寄与していると認定した商品
について「エコマーク」の表示を使用している。
SS(浮遊物質)
水中に浮遊する物質(2mm以下 1μm以上の小粒状物)の総称。具体的には、環境水中
からグラスファイバーフィルターなどのろ材でろ別されるものをさす。プランクトン、生物
体の死骸、破片、糞やその分解物などの有機物や泥粒などの無機物からなる。水の濁りの原
因となり、SS が大きくなると魚類への影響が現れる。
オゾン層
地上から 10~50km 離れた成層圏に存在するオゾン濃度が高い大気層。オゾンは、地上の生
物にとって有害な太陽からの紫外線を吸収する。
このオゾン層が破壊されると地上に到達する紫外線の量が増加し、皮膚ガンや白内障が増
えるといった人の健康に悪影響を生じると指摘されている。
オゾンホール
オゾン層が破壊されてオゾンの濃度が低くなっている部分。近年極地上空でオゾン濃度が
急激に減少している現象が観測され、フロンガスなどによるオゾン層破壊が問題となってい
る。
温室効果
水蒸気や二酸化炭素などは、太陽光は透過するが地表からの赤外線による熱放射を吸収す
る効果を持ち、昼夜の温度差を少なくして地表の平均気温 15℃を維持している。これが大気
の温室効果であり、このような効果を持つ気体を総称して温室効果ガスと呼ぶ。代表的な温
室効果ガスには水蒸気、二酸化炭素、メタン、フロン等があり、これらは人間の生活・生産
活動の拡大に伴い排出量が急増している。
環境基準
人の健康を保護し、生活環境を保全するうえで維持されることが望ましい基準として環境
基本法に基づき定められているもの。環境基準は、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染及び騒音
について定められている。
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環境基本計画
環境基本法に基づき、国では平成 6 年 12 月に策定(美濃加茂市は、平成 15 年 3 月)した。
環境への負荷の少ない循環を基調とする経済社会システムが実現されるよう、人間が多様な
自然・生物と共に生きることができるよう、また、そのために、あらゆる人々が環境保全行
動に参加し、国際的に取り組んでいくこととなるよう、「循環」、「共生」、「参加」及び
「国際的取組」が実現される社会を構築することを長期的な目標として掲げたうえその実現
のための施策の大綱、各主体の役割、政策手段の在り方等を定めたものである。
環境基本法
「教育基本法」
、
「農業基本法」などのように国の政策の基本的な方向を示す内容となって
いる「基本法」の 12 番目として平成 5 年 11 月 19 日に施行された法律で、地球的視野でと
らえたわが国の環境政策のあり方の基本的方向性が唱えられている。環境基本法の制定によ
り、昭和 42 年から公害対策における最も基本的な法律として役割を果たしてきた「公害対
策基本法」は廃止され、その理念は「環境基本法」の中で発展的に継承されている。
環境の日(世界環境デー)
環境基本法により毎年 6 月 5 日は「環境の日」とされ、環境の保全に関する意識啓発のた
め諸行事が行われる。この日は、1972 年国連総会において決議された「世界環境デー」にあ
たる。また、6 月は環境月間とされている。
グリーン購入
製品やサービスを購入する際、必要性を十分考慮し環境への負荷ができるだけ小さいもの
を優先的に購入すること。平成 8 年に設立された「グリーン購入ネットワーク」(Green
Purchasing Network、略称:GPN。企業、行政、民間団体等約 2800 団体が加盟=平成 15 年 8
月現在)では、「環境汚染物質等の削減」、「省資源・省エネルギー」、「再使用可能」等、
グリーン購入における基本原則を定めている。
COD(化学的酸素要求量)
海域や湖沼の汚濁の度合いを示す指標。有機物などの量を過マンガン酸カリウム等の酸化
剤で酸化するときに消費される酸素量(mg/l)で表したもの。数値が大きいほど汚濁が進ん
でいることを示す。BOD に比べて短時間に測定できることや、有害物質による影響を受けな
いなどの利点がある。
3R
リデュース(発生抑制)リユース(再使用)リサイクル(再生使用)を環境の 3R という。
ダイオキシン類
有機塩素化合物のポリ塩化ジベンゾーパラージオキシン(PCDDs) 、ポリ塩化ジベンゾフラ
ン(PCDFs) 及びコプラナーポリ塩化ビフェニール(Co-PCBs)の総称。毒性が強く、その環
境汚染が問題となっている。発生源は、有機塩素化合物の生産過程や廃棄物の焼却過程など
多岐にわたる。
大腸菌群数
大腸菌は、通常人畜の腸管内に存在しており、排泄物による汚染の程度を示す指標である。
河川などの大腸菌群数は、100ml 中の最確数(MPN)として表示する。
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単位
倍数
109
106
103
10-3
10-6
10-9
10-12
名称
ギガ
メガ
キロ
ミリ
マイクロ
ナノ
ピコ
記号
G
M
k
m
μ
n
p
参考)1000g〔グラム〕=1kg〔キログラム〕
(=0.001Mg)
1mm〔ミリメートル〕=0.001m〔メートル〕(=1000μm)
窒素酸化物(NOx)
窒素と酸素が結合して生成される物質の総称で、重油、ガソリン、石炭等の燃料の燃焼に
伴って発生する。その主な発生源は工場と自動車であるが、家庭の燃焼機器からも発生する。
大気中へは一酸化窒素(NO)として排出されるが、大気中の酸素と反応して二酸化窒素(NO2)
となる。二酸化窒素は毒性が強く人の呼吸器に影響を与えるため、大気の汚染に係る環境基
準は、二酸化窒素について定められている。また、窒素酸化物は、光化学オキシダントの原
因物質の一つである。
DO(溶存酸素量)
水中に溶解している酸素量で、上流水域ではほぼ飽和に近い状態と考えられる。溶存酸素
は、水中の魚介類や好気性微生物などの呼吸に使われるので、欠乏すると魚介類のへい死や
水の腐敗などが起こる。DO は有機物による汚染の著しい水域ほど低い濃度を示し、5mg/l が
魚介類の生存限界と言われている。
テトラクロロエチレン(パークレン)
ドライクリーニングの洗浄や金属の脱脂洗浄に用いられる揮発性有機化合物の一種で、全
国的に地下水汚染事例が認められ、「水質汚濁防止法」の有害物質として指定された。体内
に蓄積し、肝・腎臓障害や中枢神経障害を引き起こすと言われている。
典型7公害
社会的に公害と呼ばれる事象は、範囲が広く、建築物による日照の阻害、道路照明等の人
工光源による農作物被害、電波障害等も公害と呼ばれている。典型 7 公害とは、「環境基本
法」で規定されている公害であって、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、地盤沈
下及び悪臭をいう。
特定施設
大気汚染、水質汚濁、騒音等の公害を防止するために各種の規制法は「特定施設」という
概念を設け、これを基に事業所等の規制監視を行っている。「大気汚染防止法」では「特定
物質を発生する施設」
、
「水質汚濁防止法」では「有害物質又は生活環境項目として規定され
ている項目を含む汚水又は廃液を排出する施設」、また「騒音規制法」・「振動規制法」では
「著しい騒音を発生する施設」
・
「著しい振動を発生する施設」をいい、政令でその規模、容
量等の範囲が定められている。
トリクロロエチレン(トリクレン)
金属部品の脱脂洗浄、有機合成中間体として用いられる揮発性有機化合物の一種で、テト
ラクロロエチレン同様地下水汚染事例が認められ、「水質汚濁防止法」の有害物質として指
定された。
BOD(生物化学的酸素要求量)
水中の有機物質が一定要件(20℃で 5 日間)の下で、好気性微生物により分解されときに
消費される酸素量を mg/l で表したものをいい、数値が大きいほど汚れていることになる。
一般的に、魚の生息できる水質は、5mg/l 以下である。
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BDF(廃食用油再生燃料)
使用済みの食用植物油を精製して作るディーゼル燃料。軽油を用いる通常のディーゼ
ルエンジンに、改造なしで流用可能。硫黄酸化物・浮遊粒子状物質などの排出が少なく、
生物分解されやすいなど、環境への負担が少ないといわれる。
PCB(ポリ塩化ビフェニール)
化学的には不活性であり、酸、アルカリ等の化学薬品に対して安定的である。不燃性、絶
縁性が高い。環境への残留性が高く、体内に入ると排出されにくく全身の脂肪組織に溶けこ
んで障害をおこす。
カネミ油症事件の原因物質で大きな社会問題となったため、昭和 47 年 6 月に製造中止と
なり、使用が禁止されている。
ヒートアイランド現象
主に都市部において、建物や自動車からの廃熱、排ガス、舗装面の熱吸収などによって、
郊外よりも夜間気温が下がらなくなる現象。この現象を等温線で描くと、あたかも都市部を
中心に「熱せられた島」があるようにみえることから名付けられた。
ppm(parts per million )
微量に含まれる物質の量を百万分の 1 で表示する単位で濃度、存在比率などについて用い
る。例えば、1 ㍑の水に 1mg、1m3の大気中に 1cm3物質が存在する場合の濃度を意味する。
なお ppb(Parts Per Billion)は十億分率、ppt(Parts Per Trillion)は一兆分率を表す。
ブルーリバー作戦
近年、公共用水域の汚れの原因として、家庭からの生活雑排水がクローズアップされてい
る。このため、昭和 63 年度に「岐阜県生活雑排水対策推進要綱」が策定され、河川の汚れ
を防ぐための生活雑排水対策事業を「ブルーリバー作戦」と名付け、生活学校等の協力を得
て展開している。
pH(水素イオン濃度)
溶液中の水素イオン濃度をその逆数の常用対数で示したもので 7.0 が中性、それより小さ
い値になると酸性が強まり、大きい値になるとアルカリ性が強まる。日本の河川では通常
7.0 前後であるが、pH の急激な変化は酸・アルカリ等の有害物質の混入などの異常があった
ことが推定される。pH が 6.5~8.5 の範囲から出ると河川の生産性が低下し、水処理にも悪
影響をもたらす。
マニフェスト制度
産業廃棄物の運搬、処分を他人に委託する際に、廃棄物の種類や数量を明記した「管理票」
(マニフェスト)を交付し、廃棄物が適正処理されたかどうかを確認するシステム。
有機リン
一般にパラチオン、メチルパラチオンなどの農薬として、主に水田等で使用されている。
パラチオン中毒は、軽症で全身倦怠、頭痛、めまい、発汗、嘔吐などがみられ、重症になる
と意識が強く侵され全身けいれん、尿の失禁を示し死亡する。有機リン系農薬は、毒性に大
きな差があるが、昭和 44 年にメチルパラチオンが生産中止になっている。
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