VE導入による 誤嚥性肺炎減少の効果 - 全国老人福祉施設協議会

VE導入による
導入による
誤嚥性肺炎減少の効果
みんなで支える経口摂取
社会福祉法人北野会特別養護老人ホームマイライフ徳丸
管理栄養士 大久保陽子
栄養委員会(介護職員・看護職員・相談員・介護支援専門員)
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科
高齢者歯科学分野
歯科医師 中根綾子
平成23年5月特養での経口維持加算(Ⅰ)
加算事業所割合 1.5%
(出典 厚労省 社保審 介護給付費分科会資料より)
(出典:厚労省
経口維持加算Ⅰの取得の進まない理由
医療機関との
連携困難
帳票整備が困難
加算取得
困難
マンパワー不足
加算要件、指導
検査の要件が不明瞭
【 究
【研究の目的】
的】
1・多職種協働での取り組みによって、
誤嚥性肺炎等の減少の成果を検証
嚥性肺 等 減
成
検
する
2・経口維持加算Ⅰの有用性を示す
【背景】
• 食事中のむせに苦しむ方や、
食事中のむせに苦しむ方や
誤嚥性肺炎や経口摂取困難による
脱水 食思低下での入院が相次いでいた
脱水・食思低下での入院が相次いでいた
• VE(嚥下内視鏡検査)の往診を受け、
経口維持加算Ⅰを算定し
多職種協働 取組を開始した
多職種協働の取組を開始した
家族や実習生
VEの様子
介護
管理
栄養士
歯科
医師
生活相談員
介護
看護師
経口維持計画の為の指示
食事
形態
吸
吸引
水分
形態
嚥下機能評価
ポジショ
ニング
ング
食事
介助
嚥下
機能評価
VE画像:咽頭の様子
食事
形態
態
常食
軟菜
軟菜極
きざみ
一口
口
ムース
食
ブレン
ダー食
ダ
食
飯
粥
粥ゼリー
粥ゼリ
ブレンダー粥
とろみ
水分
形態
液体不可
1~4
ゼリー可否
水分提供
嗜好の問題
甘味のある飲
甘味
ある飲
み物
食事
介助
ペースが速いため、
小さいスプーンで
一口量を調整
らくらくごっくん
使用注意!
水分との交互嚥下・むせ
時の対応 食事中止のタ
時の対応・食事中止のタ
イミングなど
ポジショ
ニング
ング
機能訓練指導員が
指示に合わせて車椅子の
調整・ポジショニングを実施
調整
ポジショ ングを実施
吸引
看護師がそれぞれのフロ
アーで吸引体制を整えて
います。毎食後吸引の指
示もあります
経口維持の取り組みサイクル
対象者抽出
家族への説明
必要書類作成
マイライフVE
現状・検査
嘱託医の指示
マニュアルより
取り組みの説明
嚥下機能評価依頼書
各部署申し送り
と
カンファレンス
計画の実施
計画作成
モニタリング
毎日・半月ごと
経口維持
計画見直し
VE検査実施
全職種の立会
日常の様子など
情報伝達
再検査検討
多職種連携と各職種 役割
多職種連携と各職種の役割
歯科医師: VEの実施と結果に基づく指示、再評価
管理栄養士: 取り組み統括と計画作成、経過報告
取り組み統括と計画作成 経過報告
食形態調整
生活相談員: 家族への連絡や加算請求等
看護師 体調管理と痰の吸引の実施、経過報告等
看護師:
体調管理と痰の吸引の実施 経過報告等
介護職員: 指示
介護職員
指示に基づく食事介助実施、経過報告
基 く食事介助実施、経過報告
機能訓練指導員: 指示に合わせた食事姿勢調整
介護支援専門員: 施設サービス計画への反映
効果に関する調査の開始
入院する
ご
ご利用者が
者が
誤嚥性肺炎が
減 た気が
減った気が
減った?
する・・・
では実証して
みよう!
調査期間:訪問VE導入以前の平成18・19年度
訪問VE導入以降の平成20~22年度
調査項目:入院日数(全入院と誤嚥性肺炎)
介護サ ビス費減収額
介護サービス費減収額
経口維持加算対象者
VE実施者
(実人数)
経口維持Ⅰ加算者
(月別加算対象者)
経口移行加算者
(実人数)
平成19年度
15名
2~5名
2
5名
5名
平成20年度
17名
3~8名
2名
平成21年度
18名
6~11名
0名
平成22年度
27名
8~13名
1名
平成19年度~22年度VE実施利用者総数
50名
全入院日数に占める誤嚥性肺炎等の割合
全入院日数に占める誤嚥性肺炎等の割合
導入前
入院不在による介護サービス費減収額
VE導入時期
【結果のまとめ】
•誤嚥性肺炎での入院日数は
933日から190日に減少
• 介護報酬は全体で924万8838円増収
取り組みの成果
78人定員
経口維持加算収入含む
【考察】
• 摂食嚥下困難は全職員が解決したい課
題であり、共通認識をもって多職種協働
での取り組みが可能となる。
での取り組みが可能となる
• 食べることが難しいご利用者になるべく
安全な食事を提供し、誤嚥性肺炎の繰り
安全な食事を提供し
誤嚥性肺炎の繰り
返しを防ぐことで、最期まで 「口から食
べること」を支援し、施設での看取りを可
能にする。
能にする
VE導入後の変化(介護職員アンケ
(介護職員アンケートより)
トより)
• VEの結果に基づいた専門医の指示という
根拠を持って他の介護職員へ申し送り・周
知徹底ができる。
• 職員の経験年数に関係なく、統一した介助
職員の経験年数に関係なく、統 した介助
方法が提供できるようになった。
• 食事介助に不安や迷いがなくなった
食事介助に不安や迷いがなくな た。
多職種協働の経口維持の取り組みの効果
医療費
抑制
介護者
の負担
軽減
誤嚥性
肺炎の
減少
QOL
向上
施設
経営
の安定
安定