コラム栄養2月号 隔月発行 年4回 発行元:JMA海老名総合病院 栄養科 発行日:平成25年2月28日(木) 皆さん、こんにちは。厳しい寒さが続き、春の気配はまだまだ先といった日々が続いておりま すが、皆様お変わりありませんか。6月から始まった4回シリーズの「コラム栄養 体重を考え る」が最終回を迎えます。最終回の今回は、「何をどれだけ食べたら良いのか」をテーマにお届 けいたします。4回にわたって「体重」について考えてまいりましたが、一人でも多くの方が体 重を気にしていただければ幸いです。 Ⅰ Ⅱ 「前回のおさらい 前回のおさらい」 のおさらい」→「食事のバランス 食事のバランス( のバランス(組み合わせ) わせ)の基本を 基本を守る」 「何が足りなくて、何が多いのか」を知るために、基本となる食事の組み合わせについてご説 明いたします。下図のように 主食+主菜+ 主菜+副菜+ 副菜+副菜」 副菜」にします。 下図のように1 のように1食につき4 につき4品を基本に、「主食+ 「毎食4 毎食4品」揃えることができたら、あとは果物と乳製品を1日のどこかで1回食べます。 副菜 副菜 主食 主菜 果物 乳製品 今食べている料理の 料理の数で、 目安量をチェック!! 「具体的に 具体的に」何をどれだけ食 をどれだけ食べられるのか、 べられるのか、について確認 について確認する 確認する。 する。 右下の 右下の図にあてはめて、 にあてはめて、1日の適正カロリーを 適正カロリーを求 カロリーを求めます。 めます。 例)50代男性 身長165cm 体重60kg 標準体重59.9kg 活動量:低い(デスクワーク) ⇒59.9kg×27kcal/kg=1617.3kcal(1日の適正摂取カロリー) 25~35※2 標準体重(kg) kg)※1 × 25~ 1日の適正摂取カロリー 適正摂取カロリー = カロリー = 標準体重( ※1:身長(m)×身長(m)×22 ※2:活動量によって個人別に設定します 料理区分 主な料理と目安量(1600kcalの場合) ご飯軽く1杯(160g) 食パン8枚切×2枚 ゆでうどん1玉 ゆでそば1玉 ① 主菜 魚(切身1切)60g 肉(1人前)60g、卵1個、納豆1P、豆腐1/3丁、6Pチーズ1ケ 副菜 野菜、きのこ、海藻類をおり交ぜた料理を毎食2品(お茶碗2杯分/食) ② 乳製品 牛乳コップ1杯(200ml)、カップヨーグルト2個 ③ 果物 旬の果物を1日1回。 主食 Ⅲ 選び方のポイント ①「主食 主菜 副菜」→それぞれ食材・料理を1つずつ(副菜は2つ)選びます。 ②「乳製品」 →牛乳またはヨーグルト(可能であれば無糖)をどちらか選びます。 ③「果 物」 →1日1回どこかで食べます。1回量は「手の甲に乗る程度」が目安です。 Ⅳ エネルギーを調整 エネルギーを調整するにはどうしたらいいの 調整するにはどうしたらいいの? するにはどうしたらいいの? Ⅲで選んだ食材や料理をそろえて1日で食べ終わると、大体1600kcalになります。 でも、すべての人が1600kcalで良いとは限りません。エネルギーを調整する場合には、主に 「主食の量」と「主菜」の量で調整します。(下表をご参照下さい) 指示エネ 1200kcal ← ルギー量 (少なくする場合) 主食 主菜 副菜 その他 1600kcal (基準) → 2000kcal (多くする場合) ご飯100 100g 100g ↓↓ ご飯160g 160g ↑↑ ご飯200 200g 200g 魚1 1/2切 ↓↓ 魚1切 ↑↑ 魚1切+ +卵1個 副 菜 基準に同じ ← 乳製品 基準に同じ → ※乳製品は増量可 果 物 ※油(サラダ油やマヨネーズ、ドレッシングなど)は大さじ1杯/日が目安です。 Ⅴ Ⅵ 自分の 自分の体型や 体型や活動量に 活動量に見合ったエネルギー 見合ったエネルギー量 ったエネルギー量の確認方法は 確認方法は? ある程度の目安量がわかってきたら、今食べている食事量が良いのかどうかを確認していく 必要があります。その方法は、今回のテーマでもある「体重を考える」ことにヒントがありま す。繰り返しになりますが、体重は、食べたものと使ったもののバランスを表します。もう、 おわかりですね。「毎日決まった時間(タイミング)に体重を測ること」です。 最後に 最後に 今回、4回シリーズでお送りした「コラム栄養 体重を考える」は、今回で最終号です。 栄養科からの情報発信を目的として始めた連載でしたが、皆様いかがでしたでしょうか。 生活習慣病の源は「肥満」にあります。肥満(体重が多い)であることは、膝や腰への負担も かかります。体のメンテナンスをするためにも、適正体重を目指していきませんか。 コラム栄養12月号 隔月発行 年4回 発行元:JMA海老名総合病院 栄養科 発行日:平成24年12月27日(木) 皆さん、こんにちは。厳しい寒さが続いておりますが、体調管理は大丈夫でしょうか。今年も 残り少なくなりましたが、もうひとふんばり、頑張りましょう。 6月から始まった4回シリーズの「コラム栄養 体重を考える」の3回目、12月号が発行とな りました。今回のテーマは「体重を管理していくコツ」です。体重と生活習慣病との関連性は高 く、糖尿病や心筋梗塞などの原因となります。あらためて体重について見直してみませんか。 Ⅰ 「どれくらい食 どれくらい食べてよいのか」 べてよいのか」を知る 「どれくらい食べたら、どれくらい太る(やせる)の?」ということについては明確な答えは ありません。理論上は、計算によって皆さんそれぞれの推定(予想)エネルギー必要量を出すこ とは可能ですが、それがあっているかどうかを確認する方法はなかなかありません。 標準体重(kg) kg)※1 × 25~ 25~35※2 1日の適正摂取カロリー 適正摂取カロリー = カロリー = 標準体重( ※1:身長(m)×身長(m)×22 ※2:活動量によって個人別に設定します Ⅱ Ⅲ 「どれくらい食 どれくらい食べているのか」 べているのか」を知る 食事は毎日、毎食のことですので、1回ずつその内容や食べた料理などを覚えておくことは難 しいのが実際です。そこで、一度皆さんに試して頂きたいのが、 「自分の 自分の食べたものをすべて記録 べたものをすべて記録してみる 記録してみる」 してみる」ことです。 「何が足りなくて、何が多いのか」の傾向をつかむことができます。 食事のバランス 食事のバランス( のバランス(組み合わせ) わせ)の基本を 基本を守る 「何が足りなくて、何が多いのか」を知るために、基本となる食事の組み合わせについてご説 明いたします。下図のように 下図のように1 のように1食につき4 につき4品を基本に、「主食+ 主食+主菜+ 主菜+副菜+ 副菜+副菜」 副菜」にします。 「毎食4 毎食4品」揃えることができたら、あとは果物と乳製品を1日のどこかで1回食べます。 副菜 副菜 主食 主菜 果物 乳製品 今食べている料理の 料理の数で、 目安量をチェック!! 次回2月号では、「何をどれだけ食べたらいいのか」 目安量について考えてまいります。 コラム栄養10月号 隔月発行 年4回 発行元:JMA海老名総合病院 栄養科 発行日:平成24年10月25日(木) 皆さん、こんにちは。残暑厳しい日々が続いておりますが、朝晩のひんやりとした空気は、も う秋がそこまで来ていることを感じさせてくれます。皆様、いかがお過ごしでしょうか。 6月から始まった4回シリーズの「コラム栄養 体重を考える」の2回目、10月号が発行とな りました。今回のテーマは「体重が増える仕組み」です。「○○な秋、△△な秋」と様々な秋をイ メージしてしまいますが、やはり「食欲の秋」ですね。気がついたら体重が増えている、とうこ とにならないよう、体重が増える仕組みについえ考えましょう。 Ⅰ 「飢餓に 飢餓に備えた省 えた省エネモード体質 エネモード体質」 体質」 私達の祖先はもともと狩猟民族でした。そのため、毎日必ず食料(獣)にあり つける保障のない生活でした。そのような食生活から、私達の体には「エネルギー を抑えて利用する体のしくみ」が備わっているようです。いつ食べられるかわから ない、だから万が一(飢え)のために省エネモードのスイッチがあると言われます。 Ⅱ 食べ過ぎた分 ぎた分は、「貯脂肪 、「貯脂肪」 貯脂肪」になります。 になります。 私達の体は食べ物をエネルギーに変えて生きています。エネルギーに変える際には、すい臓か ら出るインスリンというホルモンが欠かせません。インスリンは必要な分をエネルギーに変えま すが、食べ過ぎた分は、脂肪として脂肪細胞の中へ貯めるという働きがあります(貯脂肪)。 万が一の時に備えておくのは良いのですが、今のご時世、その万が一の量(貯脂肪)が多すぎる ことが問題となってきています。 体重が増える仕組み(下図イラスト参照) インスリンは必要な分はエネルギー へ余った分は体脂肪へ回します。 エネルギーとして燃焼 余った分は体脂肪へ 体重維持 体重増加 Ⅲ どれくらい食 どれくらい食べたら「 べたら「貯脂肪」 貯脂肪」とならないの。 とならないの。 インスリンはエネルギーを生み出すホルモンですが、一方では、体に脂肪をため込む働きもあ ります。生き抜くために頑張りつつ、いつ飢えがきてもいいように備えられる、素晴らしい体の システムですね。次回は、「体重を管理していくためのコツ」をご紹介いたします。 コラム栄養6月号 隔月発行 年4回 発行元:JMA海老名総合病院 栄養科 発行日:平成24年6月29日(金) 皆さん、こんにちは。梅雨明けが待ち遠しい中不安定な天候が続いておりますが、お変わりござ いませんでしょうか。今回、私達海老名総合病院 栄養科では、地域の皆様方にむけて、健康や栄 養についての情報発信を行うことにいたしました。年4回(9月、12月、3月)を予定しています。 さて、今回のテーマは「体重を考える」です。身近な体重ですが、多くても少なくても体にとっ ては「黄色信号」や「赤信号」となります。自宅で誰でも簡単にできる健康管理の第一歩です。少 しの時間、お付き合いいただければ幸いです。 Ⅰ 体重について 「 「自分 「自分の 自分の体重をチェック 体重をチェック」 をチェック」 体重が増える?減る?とは、右表のように食べた分(食事) と使った分(運動など)の差にあります。食事のエネルギー 食べた分 > 使った分 ⇒ 太る や運動による消費エネルギーを計算することも大切ですが、 食べた分 = 使った分 ⇒ そのまま 実は毎日体重を測ることが,最も簡便な体重管理方法です。 食べた分 < 使った分 ⇒ 痩せる Ⅱ 体重のはかり方 「 「毎日同 「毎日同じタイミングで 毎日同じタイミングで測 じタイミングで測りましょう」 りましょう」 体重の測り方で大切なことは、同じタイミングで測ることです。例えば、「今日は朝起きてから」 「昨日はお風呂上がり」など毎日違うタイミングで測ってしまうと、体重を計ったときの条件が違 いますので、体重の動きを捉える上では条件を同じにした方が良いです。(血圧と同じですね。) 毎日の生活の中で、無理なく測れるタイミングをみつけて体重を測ってみませんか。 Ⅲ BMI(Body Mass Index:ボディ・マス・インデックス)を計算してみましょう。 一般的には体格指数といいます。肥満度を示す指標のひとつで、下の式で求めることができます。 18.5未満 やせ ★BMI( BMI(kg/m2)=体重 )=体重(kg) 体重(kg)÷ (kg)÷身長(m) 身長(m)÷ (m)÷身長(m) 身長(m) 18.5~24.9 普通 また、身長に対して標準的な体重も知っておくと良いでしょう。 25以上 肥満 ★「標準体重= 標準体重=身長(m) 身長(m)× (m)×身長(m) 身長(m)× (m)×22」 22」 Ⅳ 体重管理のポイント 「 「増 「増やすは易 やすは易し 減らすは難 らすは難し」 増えた体重はいつでも落とせると思ってはいませんか? 気が付いたら増えていたということは ありませんか。体重の増加(特に内臓脂肪)は、生活習慣病の大きな原因となります。やせ過ぎも 太りすぎも体にとっては負担となります。次回は「体重が 体重が増える仕組 える仕組み 仕組み」についてご紹介します。 JMA海老名総合病院 栄養科
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