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マロニエ建築・景観賞(建築物)
表彰区分
作
品
名
茂木町立茂木中学校
所
在
地
茂木町大字茂木72番地
途
中学校
用
構造:木造一部鉄筋コンクリート造
敷 地 面 積:31,217.77 ㎡
階数:地上2階
延 べ 面 積: 6,836.12 ㎡
建物概要
建
築
主
設
計
者
施
工
者
講
茂木町大字茂木155
茂木町
東京都千代田区猿楽町1-2-2
日貿ビル
株式会社楠山設計
東京都江東区青梅二丁目 4 番24号
青海フロンティアビル11F
東洋建設株式会社関東支店
評
町有林から伐採した杉・檜材をふんだんに使用した普通教室 11、特別教室 14、および管理諸室
から成る中学校である。校舎は一部鉄筋コンクリート構造であるが、校舎内装や家具等はすべて
無垢材を使用する、木の香り豊かな空間である。丸太柱の大空間を創り出すため井桁工法と呼ば
れる新しい木造技術を導入し、太陽光発電設備、自然換気、省エネ型照明などの環境配慮をあわ
せて行う。大工技術の継承のために可能な限り地元雇用を考慮し、木材の伐採から搬出、自然乾
燥、製材に至るまで町民が建設に係る機会を設けるなど、建築生産の面でも取組は特筆される。
床、壁の板材には石油系塗料は使用せず、米ぬかとエゴマを主成分とする自然塗料を用いる。年
2回生徒たちが雑巾がけをし、木材の特性を学ぶ機会とする。このように、建設ならびに竣工後
の維持管理が生徒をはじめ広く町民各層の学習に結びつく建築のあり方は、マロニエ建築・景観
賞(建築物)にふさわしいものとして決定した。
マロニエ建築・景観奨励賞(建築物)
表 彰 区 分
作
品
名
宇都宮脳脊髄センター
所
在
地
宇都宮市一番町1-18
途
診療所
用
構造:鉄骨造
敷 地 面 積:286.55 ㎡
階数:地上2階
延 べ 面 積:418.59 ㎡
建 物 概 要
建
築
主
設
計
者
施
工
者
講
宇都宮市二番町1-9
医療法人社団脳神経脊髄脊椎外科サービス
宇都宮市東簗瀬1-30-1
3F
小野里信建築設計アトリエ
宇都宮市鶴田町1960
丸山工業株式会社
評
宇都宮市街地内の間口 10m、奥行 35mの細長い敷地に、MRIやCTなどを用いて脳脊髄領域
の診察、医療相談を行う施設を収めた。街路に面したファサードは、開放的なガラスと陶のレリー
フで構成し、玄関風除室は彫刻作品を配したギャラリーともなって、街に開かれた印象を与えると
ともに、街並み形成に寄与している。内装には県産材である杉板、大谷石などを用いる。内部は、
1 階がホール、受付・事務室および検査諸室、2階が診察室、スタッフラウンジである。2階の空
間構成は特徴的であり、箱状の診察室が通路とキャットウォークにはさまれて並ぶ。診察室上部は
トップライトに開かれ開放性を確保している。内装を杉板で仕上げた空間は、医療施設にありがち
な冷たさとは無縁な安らぎを醸し出し、ユニークである。こうした点を評価し、本作品は、マロニ
エ建築・景観奨励賞(建築物)にふさわしいものとして決定した。
マロニエ建築・景観奨励賞(建築物)
表 彰 区 分
作
品
名
上三川いきいきプラザ(上三川町総合保健福祉センター)
所
在
地
上三川町大字上蒲生127番地1
途
事務所、水泳場、公衆浴場
用
構造:鉄骨鉄筋コンクリート造
建 物 概 要
一部鉄骨造、鉄筋コンクリート造
階数:地上2階
建
築
主
設
計
者
施
工
者
講
敷 地 面 積:9,416.21 ㎡
延 べ 面 積:6,752.48 ㎡
上三川町しらさぎ一丁目一番地
上三川町
東京都江東区潮見2-1-22
株式会社久米設計
宇都宮市住吉町18番13
西松・中村特定建設工事共同企業体
評
保健センター、町民交流センター(浴室、大広間等)、総合健康活動施設(温水プール、マシン
スタジオ、エアロビクススタジオ等)、保健福祉関連施設(事務室、レストラン、会議室等)およ
び青少年健全育成施設(遊戯室、創作室等)と5つの機能をもつ複合施設である。1、2階とも西
側通路にこれら諸機能が3ヶ所の中庭およびプール吹き抜け空間、テラスを介して可視的につなが
る空間構成である。ダブルスキンカーテンウォール、輻射冷暖房、自然光利用、太陽光発電など環
境技術が駆使され快適な屋内環境が実現している。温水プールやマシンスタジオ、浴室、遊戯室、
レストラン等、乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層の町民、町外利用者が利用し、交流する施設と
なっており、敷地を南北に貫く遊歩道に沿う西側にはイベント広場、避難場所として利用される多
目的広場が配置される。このように、多くの住民によって活発に利用される本作品は、マロニエ建
築・景観奨励賞(建築物)にふさわしいものとして決定した。
マロニエ建築・景観奨励賞(建築物)
表 彰 区 分
作
品
名
ゆめプラザ・那須
所
在
地
那須町大字寺子乙2566-1
途
福祉センター
用
構造:鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造
敷 地 面 積:12,489.99 ㎡
階数:地上 1 階
延 べ 面 積: 2,956.23 ㎡
建 物 概 要
建
築
主
設
計
者
施
工
者
講
那須町大字寺子丙3-13
那須町
宇都宮市明保野町2-10
株式会社荒井設計
埼玉県さいたま市大宮区下町2-55
三井住友・高久・鈴木特定建設工事共同企業体
評
町内に分散していた保健センター、社会福祉協議会事務所などを集約して利用者間の交流を促進
し、運営効率化と保健福祉サービスの向上を意図した施設である。鉄筋コンクリート一部鉄骨造の
平屋で、エントランスホールに続く鉄骨方立の大スパン空間(情報ラウンジ)を中央に、保健セン
ター、ボランティアセンター、子育てサロンなどは右に、社会福祉協議会事務所、地域包括支援セ
ンター、へルパーステーションなどは左に各々配して動線の明確化を図った。2つの中庭と保健セ
ンター側の高窓が、施設全体を開放的で明るい空間としている。フレキシブルな利用が可能な中央
の情報ラウンジを覆う高い屋根が弧を描いて玄関キャノピーに張り出すなど、屋根のフォルムがき
わめて印象的であり、建物の色彩とあいまって周辺環境となじむ。こうしたことから、本作品はマ
ロニエ建築・景観奨励賞(建築物)にふさわしいものとして決定した。
マロニエ建築・景観奨励賞(景観)
表 彰 区 分
作
品
名
龍の街路灯
所
在
地
日光市松原町地内
約150mにわたり街路灯5対設置 (うち双頭の龍を形取ったものが1対)
概
要
街路景観整備事業
景 観 形 成
日光市御幸町597番地2
団
体
NPO法人日光門前まちづくり
講
評
東武日光駅から神橋に至る日光二社一寺の参道に沿って龍の頭部を模った街路灯一対、および龍
の足が玉を抱えた形の街路灯数対を整備したものである。観光客がゆったりと参詣できるように歩
道を拡幅・舗装する事業と連動して着手された。龍をモチーフにしたのは、日光東照宮での龍の彫
刻の多さに由来する。龍の頭は歩行者と自動車の安全を見守る形で、歩道側と車道側に左右二頭で
デザインされている。その上に載る球形の照明具は祭礼の提灯を模す。街路灯の整備事業は着手さ
れたばかりであり、これから神橋までの1km以上にわたり同様の整備を行っていく構想である。
歩道の拡幅にあわせ、歩道に並ぶ商店、事業所なども看板、店構えに工夫を凝らすなど、沿道地域
で景観を創り出していく意欲も感じられる。こうした点から、本作品は、マロニエ建築・景観奨励
賞(景観)にふさわしいものとして決定した。
マロニエ建築・景観奨励賞(景観)
表 彰 区 分
作
品
名
和田用水ホタルの里親水公園周辺の景観
所
在
地
鹿沼市中粕尾地内
約77㎡
概
要
自然共生型地域整備事業
景 観 形 成
鹿沼市中粕尾727
団
体
和田用水ホタルの里の会
講
評
ふるさと水と土保全モデル事業による用水路(土水路)、親水公園の整備後、施設の管理および
利活用が地元に任された。このため、和田用水ホタルの里の会が平成 15 年に設立され、ホタルを
はじめオオムラサキ、トンボなどの生育環境に配慮した保全活動が開始された。これらと並行して、
水路でのホタル観賞会、親水公園に隣接する農地での菜の花交流会など、都市住民との交流を図っ
ている。また、草刈、水路内の藻の除去など管理作業も都市住民参加で行われている。こうして維
持され、創造された山里の景観は、どこか懐かしく心が和む。隣接する粕尾城址と公園を結ぶ散策
路の整備、訪れる都市住民受け入れのための駐車場やトイレ、さらには交流を通じた活動をあらた
な農業生産活動への展開など、発展の可能性をもつ本作品は、マロニエ建築・景観奨励賞(景観)
にふさわしいものとして決定した。