VOL. 28 S-1 CHEMOTHERAPY 89 Cefotaximeの 笠 井 一 弘 ・新 井 基 礎 的検 討 進 ・宮 本 政 ヘ キ ス トジ ャパ ン株 式 会 社総 Cefotaximeのin vitro抗 ヒ ト血 清,尿,胆 樹 ・坂 口 孝 合 開 発研 究 所 菌 活 性 に お よ ぼ す 諸 因 子 に つ い て の 基 礎 的 検 討 を 行 う と 同 時 に,培 汁 お よ び ウ サ ギ 肝 臓 ホ モ ジ ネ ー ト中 で の 安 定 性,血 地, 清 蛋 白 と の結 合率 に つ い て 検 討 し た。 1, 標 準 菌18株 に 対 す るCefotaximeのMICは 作 用 は グ ラ ム 陰 性 菌 で 顕 著 で あ り,ま 低 く,強 い 抗 菌 活 性 が み と め ら れ た 。 と くに そ の た グ ラ ム 陽 性 菌 で は,S. aurettsを 除 きCefazolin (CEZ)と ほ ぼ 同等 の 抗 菌活 性 を 示 して い た。 2, CefataximeのMICは 接 種 菌 畳 に よ り 影 響 を 受 け た が,培 地 の 種 類,pH,馬 血清 添加 に よ って はほ と ん ど影 響 さ れな か った。 3. 試 験 管 内 に お け る耐 性 獲 得 はCEZに 後 のMICはE. 4. coliの 液 体 培 地 中 で4℃ 5. 6. Cefotaximeの 血 清 蛋 白 結 合 率 は,イ 種 β-lactamaseに ヌ<ヒ くに グラ の作 用は 殺 菌 的 で 今 回 著 者 ら は,本 剤 のin vitroで の 抗 菌 活 性,お よ び そ の抗 菌 活性 に影 響 を お よ ぼす 諸 因 子 の 検討 を標 準 株 を 用 い て 行 う と と も に,in 培 地,ヒ vitroで の 耐 性 獲 得,Cefo- ト血 清,尿,胆 モ ジ ネ ー ト中 で の 安 定 性,お I. 汁 中,ウ サ ギ肝 臓 ホ よ び 血 清 蛋 白結 合 率 に つ い 供 与 を う け たCefotaximeお よ びCefotaximeのde- Table む1%ペ 628)を 使 用 し,対 り 抗 菌 活 性 に 影 響 を お よ ぽす 諸 因 子 の検 討 諸 因 子 のCefetaxime抗 a.培 照 薬 物 と して はCe- 沢 薬 品)とAmpicillin agar, ,に 示 し た 試 験 菌18株 研)に よ り,日 Tripto-soy agar, infusion Mueller medium 種菌量 agar, Nutrient hintonagarそ 11 れぞれ (Difco)の 各培 地 を b.培 地pHの 地 と し,そ 影 響:Heart のpHを5,7お infusion よ び9と agarを し,106 基礎培 cells/ml 血 清 添 加 の 影 響:Heart 清 を10,25お よ び50%に infusion agarに な る よ う 添 加 し,接 し た と き のCefotaxime抗 馬血 種菌量を 菌活性の変化 を 調 べ た。 (ABPC,明 d.接 標 準 菌 に 対 す る抗 菌 活 性 プ トシ 水 溶 液(Difco)に 条 件 でHeart (栄 研),Antibiotic い,接 1 菌 活 性 へ の 影 響 を,MICの 地 の 種 類 に よ る 抗 菌 活 性 へ の 影 響:接 106 cells/mlと 用いた。 infusion agar(栄 トの 場 合60%と 変 動 に よ り検 討 し た 。 c.馬 よ びRoussel-Uclafよ 2. サ ギ の 順 で あ り,ヒ た。 実 験 に は,HoechstAGお (CEZ;藤 結 の 接種 菌量 を 用 い た と きの抗 菌 活 性 へ の 影 響 を 検 討 し 実 験 材 料 お よ び方 法 薬物 sacetyl体(RU 抗 菌 活 性 は,凍 用 い 検 討 した。 て検 討 を加 えた の で 報告 す る。 治 製 菓)を ッ ト<ウ 106cells/mlの あ る とい われ て い る。 fozolin ト<ラ 3. 対 す る安 定 範 な 抗 菌 ス ペ ク ト ラ ム を 有 し,と ム 陰 性 菌 に す ぐれ た 抗 菌 力 を 示 し,そ 1. 間 安定 で あ った 。 比 ペ て 低 か った。 CTX)は,各 taximeの 抗 菌 活 性 は7日 汁 お よ び ウ サ ギ 肝 ホ モ ジ ネ ー ト中 に お け るCefetaximeの 新 し い 半 合 成 セ フ ァロ ス ポ リ ン 剤 で あ るCefotaxime 性 が 高 く,広 継代 で あ った。 間 安定 で あ った。 CEZの92.5%に (HR756, は 比 較 的 徐 々 で あ っ た が,15代 場 合 に は8倍 に 保 存 した と き,Cefotaximeの ヒ ト血 清,尿,胆 保 存 し た と き7日 比 ペCefotaximeで 場 合16倍,S. aurettSの 種 菌 量 に よ る 影 響:Heart 種 菌 量 を104, 106お よ び108 infusion cells/mlに agarを 用 変 えMIC を 測 定 し た。 は,0.5%NaClを 含 て 一 夜 培 養 し,Heart 本化 学 療 法 学 会 の 標 準 4. 試験 管 内耐 性 獲 得 2倍 希 釈 系 列 の 薬 剤 を 含 むTrypto-soybroth 栄 研)5mlにTSBで37℃24時 法1)に 準 じでMICを 測 定 し た 。 な お 菌 の 接 種 に は,ミ の1白 イ ク ロ プ ラ ソ タ ー(佐 久 間 製 作 所)を な い対 照 と同 程 度 の 発育 を 示 し た最 高 薬 剤 濃 度 を 含 む培 用 い た。 金 耳 を 接 種 し,37℃24時 (TSB 間 培 養 され た 被検 菌 間 培 養 後,薬 剤を含ま 90 CHEMOT HERAPY JUNE 1980 VOL. 28 S-1 CHEMOTHERAPY 91 92 CHEMOT HERAPY JUNE 1980 VOL 281 S-1 CHEMOTHERAPY 93 94 CHEMOT HERAPY JUNE 1980 VOL 28 CHEMOTHERAPY S-1 Fig. 1 養 の1白 Patterns of development of resistance of Staphylococcus czureus FDA 209p and Escherichia coli NIHJ JC-2 to cefotaxirne and CEZ 金 耳 を 新 し い 薬 剤 含 有 のTSB系 列 に 移 植 を繰 り返 した。 5. 液 体 培 地 中 で の 安 定性 Cefotaxime infusionお brothそ よ び37℃ 菌 活 性 をB. subtilis ATCC 6. infusion, よ びTrypto-soy し,4,25お 陽 性 菌 で あ るB. subtilis, S, に 対 す るMICは ほ と ん どCEZと で7日 Brain heart れぞ れ に 添 加 間放 置 した と きの残 存 抗 6633を 用 い た 薄層 デ ィ ス 置 前 薬物 濃 度 と比 較 した 。 高 く,用 性 4℃ な る よ う に 調 製 し,凍 の 条 件 で 保 存 し た 。 ウ サ ギ の20お モ ジ ネ ー トは1/10M-phosphate で 作 製(50μg/ml)し buffer pH7.0 臓 ホ (PBS) た 。 そ し て そ の 残 存 濃 度 は 尿,胆 汁 と 同 様,3,000rpm tilis ATCC 結(-20℃), よ び50%肝 10分 の 遠 心 上 清 部 分 をB. 6633を 用 い てbioassay法 sub- に よ り定 量 し, 保 存 前 の濃 度 と比 較 した。 7. Cefotaximeの 2. 抗 菌 活性 に お よ ぼす 諸 因 子 の検 討 2, 3に 種 類 と そ のpHに 準 菌18株 よ る影 響 を 検 討 るMICの た と こ ろ,培 血 清 添 加 に よ りB. MICが16倍,M. luteusが8倍 に 対 す るMICは 被 検 血 清(ヒ 対す る と な っ た が,他 の菌種 cells/mlか と 変 化 さ せ た と き,104と106 菌 量 に よ り ほ と ん どMICの 間 で は,E. coli, ト,イ 入 れ,2,500rpm 中 の 薬 物 濃 度 をB. say法 ヌ,ウ サ ギ,ラ aerogmes, ら16培,P. ATCC 6633を 2 Stability 標 準 菌18株 of cefotaxime ッ ト) 外 ろ液 液の限 1に 実 験 成 績 Medium:● …Heartinfusion に 対 す る抗 菌 力 示 す よ う に,S. aureusで ▲ …Trypticase はCefotaxime そ れ に 対 し高 か っ た が,他 の グ ラム ■ Strain: Drug B. conc.: soy …Brain heart infusion subtilis ATCC 25μg/ml の mirabilis S. ma- そ れ 以 上 とな った。 用 いbioas- 様 の 操 作 を 加 え たPBS溶 II. Table P. Vttlgaris, を 混 和 1時 間 遠 心 し,限 subtilis に よ り測 定,同 のMICがCEZの ce11s/ml 間 で は,そ 変 動 は な く,106と108cells E. 外 ろ液 中 の薬 物 濃 度 との 比 で表 わ した。 1. ら106,108 celts/mlの 液 を 調 製 し, ド リ十 字)4.5mlと 示す subtilisに 1時 間 加 温 後,透 析 用 セ ル ロ ー ズ チ ュ ー ブ(Visking size8/32)に 地およ 4に 馬 血 清 添 加 に よ りほ とん ど変 らな か っ た 。 一 方 接 種 菌 量 を104 /mlの を用い培地の 変 動 は 小 さ く,ま たTable よ う に,10%馬 Fig. 比 較検 討 した 。 あ る い はMoni-trolI(ミ 37℃ 示 す ご と く,標 rcescensのMICは 用 い て 両 薬 剤 の1,000μg/ml溶 そ の0.5mlと 範囲内 血 清 蛋 白 結 合 率 を 運 心 限 外 ろ 過 法2)で 測 定 し,CEZと PBSを ら25μg/mlの に あ った。 に 対 す るMICが8か 血 清 蛋 白 結合 率 luteus 抗 菌 力 は きわ め て 接 種 菌 量 で のMICは0.006か びPHよ 成 人 か ら 得 た プ ー ル 血 清,尿 お よ び 胆 汁 にCefotaxime M. 同 じで あ った 。 一 方 い た す ペ て の グ ラ ム 陰 性 菌 に 対 し,106cells/ml Table ヒ ト体 液 お よ び ウ サ ギ 肝 ホ モ ジ ネ ー ト中 で の 安 定 を 加 え,25μg/mlに epidermidis, グ ラ ム 陰 性 菌 に 対 す るCefotaximeの 25μg/mlをHeart ク 法 で 測 定 し,放 95 6633 broth in medium CHEMOTHERAPY 96 Fig. 3 Stability Strain: B. Drug Fig. 4 Stability of cefotaxime subtilis conc.: JUNE in human serum, urine B. Drug 3. conc.: of cefotaxime subtilis, and bile ATCC6633 25ƒÊg/ml in rabbit liver Table 6 Protein binding and CEZ with homogenate Strain: 1980 rates of cefotaxime human and animal ATCC6633 50ƒÊg/ml 試 験 管 内 に お け る耐 性 の 獲 得 Method: Fig. 1に 示 し た よ う に,CEZに 徐 々 に 耐 性 を 獲 得 し,15代 NIHJ JC-2で 比 ペCefotaximeは 継 代 後 のMICはE. relts FDA は0.05μg/mlか 209 Pで S. au- ら25μg/mlに な ultrafiltration Visking method tube 8/32, 2, 500 rpm, 60 min coli ら0.78μg/ml, は3.13μg/mlか Centrifugal Ultrafiltration: Drug conc,: 100ƒÊg/ml Incubation: 37•Ž, Strain: B. 1hr subtilis ATCC 6633 っ た0 4. Table 液体 培 地 中 で の 安 定性 Heart infusion培 た よ う に,4℃ で は3日 地 中 で の 安 定 性 は,Fig. で は7日 示 し 間 安 定 で あ っ た 。 し か し25℃ 間 で 約20%,37℃ で は 約40%の 認 め ら れ た 。 ま た,Brain 2に heart infusion, 活性 低 下 が Trypto-soy 示 す よ う に,血 っ て 異 な り,イ 最 も高 く,ヒ で は ヒ ト,ウ は90%以 ヌ の51.7%に 上 で あ り,イ 菌 活性 の ヒ ト血 清,尿,胆 汁中および CEZあ よび Paeruginosa, るい か ら25μg/mlのMICを 保 存 で14日 間 安 定 で あ っ たが,胆 汁 中 で の安 定 保 存 で は7日 目 にそ の 活 性 は87% と低 下 す る傾 向 が み られ,14日 後 で は凍 結,4℃ の両 者 と も明 らか に活 性 が低 下 して い た。 一 方 ウサ ギ 肝 ホ モ ジ ネー トに お いて は,4℃ った 。 6. 以 下 の 保 存 で は7日 間 安 定 で あ で は,S. 無 効 で あ っ たP. vgaris, S. marcesceusee対 aureusを し て も,0.2μg/ml 示 し た 。 一 方,グ 除 きCEZと ラム陽性菌 ほ ぽ 同 等 の 抗 菌 力 を示 し て い た 。 こ れ ら の 結 果 は,in vivoに お い て もかなり の 治 療 効 果 が 期 待で きる こ とを 示 唆 して い る。 Cefotaximeの し た が,培 抗 菌 力 は,接 地 の 種 類,pH,血 種 菌 量 の 増 加 に よ り減 弱 清 添 加 に よ る影 響 は 受 けに く い 。ま た 試 験 管 内 で の 継 代 実 験 に お い てE. 血清 蛋 白結 合 率 べ て グ ラ ム 陰 性 菌 に 強 い 抗 菌 力 を 示 し, る い はABPCが ウ サギ 肝 ホ モ ジネ ー ト中 で の 安定 性 は,Fig.3お は4℃ ヌ 以 外 の 動 物 種 で は,す III. 考 察 な ら ぴ に 結 論 Fig. 4に 示 した。 ヒ ト血 清,尿 は 凍 結(-20℃)あ 性 は比 較 的 悪 く,4℃ あ っ た 。 一 方CEZ り高 い 蛋 白 結 合 率 を 示 した。 Cefotaximeは Cefotaxime抗 対 し ウ サ ギ で は90.1%と サ ギ お よ び ラ ッ ト血 清 に お け る 蛋 白 結 合 率 ヒ ト体 液 お よ び ウ サギ 肝 ホ モ ジネ ー ト中 で の 安定 性 清 蛋 白結 合 率 は 動 物種 によ ト血 清 の 場 合 は60%で Cefotaximeよ で も同 様 の結 果 が 得 られ た。 5. 6に JC-2, S. aureus FDA 209 Pと coli NIHJ もCefotaximeに 対 し VOL. 28 97 CHEMOTHERAPY S-1 段 階 的 に耐 性 を 獲 得 したが,そ の 程 度 はCEZに られ る。 比べゆ るや かで あ り,比 較 的耐 性 菌 を つ く りに くい薬 剤 で あ ろ 血 清 蛋 白 結 合 率 は,そ う と思 われ る。 Cefotaximeの taximeの 活 性 は液 体 培 地 中 で4℃ 保 存 した 場 合 7日 間 ま た,ウ サ ギ肝 ホ モ ジ ネー ト中 で は,4℃ 保 存 で7日 間 安 定 で あ った。 一 方,ヒ は,凍 結 あ るい は4℃ 保 存 で14日 以下の トの 場 合 は60%で 文 1) MIC測 2) 博, ル 採 取後 で きるだ け速 か に行 うべ きで あ るが,や む を え STUDIES OF Development Laboratories, CTX) and (3) (2) the Cefotaxime much active changes The mans, a than the rate and pH stable the was protein. of antibacterial (CEZ) except for of 7 media days against aureus. of cefotaxime and in MIYAMOTO vitro serum, activity horse broth media cefotaxime to and against 導 体, 24: 18 affected activity bile, bacteria were added 岡 田 直 彦, 横 田 好 子, 坂本 三木和代 Ceftezoleの 600∼618, 1976 and TAKASHI SAKAGUCHI antibacterial urine gram-negative S. 上 村 利 明, 中 本 昭 治, 1126∼ CEFOTAXIME in human serum 村 川 武 雄, 22: Hoechst Japan Limited influencing media, degree cefazolin kept of broth to high factors concentrations kind was order in bacteria homogenate (1) binding inhibitory in Cefotaxime liver its gram-positive Minimum by stability of showed more against its rate into 実, 深 田 志 計 実, : 新 し いCephalosperin誘 KAZUHIRO KASAI, SUSUMU ARAI, MASAKI made 最 小 発 育 阻 止 濃 度(MIC) 礎 評 価 。Chemotherapy ず 保 存 す る場 合 に は凍 結 保 存 す る こ とが 望 ま しい と考 え were 献 定 法 改 訂 委 員 会: 西 田 濃度 測 定 は サ ン プ BASIC た ヒ 比 べ そ の蛋 測 定 法 改 訂 に つ い て 。Chemoterapy 1128, 1974 で はす で に 活 性 が 低下 す る傾 向が み られ た。 Investigations あ り,CEZの92,5%に 間安 定 で あ った。 し これ らの成 績 よ り,Cefotaximeの 回 の 実 験 条 件 で はCefo- 血 清 蛋 白 結 合 率 に 種 差 が み と め ら れ,ま 白 結 合 率 は 低 い こ と が認 め られ た 。 ト血 清 お よび 尿 で か し胆 汁 中で の 安 定性 は比 較 的 悪 く,凍 結保 存 で7日 間 安 定で あ ったが,4℃ 756, の 測定 条 件 に よ りか な らず しも 一 致 し た 結 果 を 得 に く い が ,今 and by a rabbit standard and cefotaxime liver strains nearly change of in as (HR homogenate, tested; effective inoculum it as size was CEZ but not serum. at 4•Ž, and in human serum, urine and bile rabbit frozen. binding low, rate 60%, of as compared with serum 92.5% protein obtained was with the rabbit>rat>man>dog. CEZ. In hu- 基
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