死神と天使とハリネズミ 番外編 - タテ書き小説ネット

死神と天使とハリネズミ 番外編
城夜
タテ書き小説ネット Byヒナプロジェクト
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︻小説タイトル︼
死神と天使とハリネズミ 番外編
︻Nコード︼
N0444BJ
︻作者名︼
城夜
︻あらすじ︼
﹃死神と天使とハリネズミ﹄の番外編などを置く場所です。
1
登場人物紹介︵前書き︶
﹃死神と天使とハリネズミ﹄登場人物紹介です。キャラのイラスト
があります。苦手な方は画像表示をオフにしてご覧ください。
多少ネタバレ要素があるかもしれませんのでご注意を。
ほぼ本編登場順に並べていきます。
2
登場人物紹介
dragon︵血塗れの竜︶﹄﹃異次
<i56915|6911>
海理
カイリ
“イーズ” ユウキ
結城
﹃死神﹄﹃Blutige
元ポケット﹄
・27歳/182cm/68kg 11/22
・過激派︵笑︶﹃海竜﹄所属。実働部隊の実質リーダー。
・髪の色:黒に近い灰色、目の色:琥珀
・イーズ、というのはEEZ︵排他的経済水域︶を無理矢理読んだ
もの。誰がつけたかは不明。
・無から物質を生成する異能の持ち主。構造などを理解していなけ
れば異能で何かを作ってもハリボテになってしまうため、知識豊富。
・たまにドイツ語。
・面倒くさがり。やや戦闘狂。
・ゆっきー
莉緒
リオ
<i56919|6911>
アイサカ
逢坂
﹃灼熱の天使﹄﹃灼熱の絆創膏﹄
・27歳/167cm/54kg前後 7/25
・警視庁異能捜査課所属。出動がない場合は他部署勤務。
・髪の色:濃い緑、目の色:焦げ茶
・熱を操る異能と傷を癒す異能。能力的に70:30くらいの割合。
そのため傷を癒す異能は、本人曰く絆創膏程度。
3
・世話焼き。なんか苦労性。男前︵というか負けず嫌い︶。
・最近知り合いに﹁寝癖つかないとか羨ましい⋮⋮!﹂と言われる。
爽太
ソウタ
“ポロ” マミヤ
間宮
﹃グラビティアタッカー﹄﹃脱力系わんこ﹄
・19歳/172.3cm/63kgくらい
・﹃海竜﹄所属。
・髪の色:亜麻色、目の色:茶
・身体能力を向上させる異能と重力操作の異能。それぞれはそう強
い力ではないが、あわせるとそれなりに強い。
・脱力系ヘタレ。犬。耳と尻尾が見えると証言する人もいる。
・とりあえずポロ。大抵扱われ方がひどい。どうせポロだし。
タクト
卓斗
ドウジョウ
堂上
﹃ネットワークの指揮官﹄﹃司令塔﹄﹃みんなのお母さん﹄
・40歳︵自称︶/175.6cm/67.8kgくらい
・警視庁異能捜査課所属↓﹃海竜﹄
・髪の色:赤茶、目の色:薄い青
・強力なテレパシー能力の持ち主。色々すごい。作戦指揮の連絡担
当、みたいな役割だった。
・大雑把に見えるが気配りな性格。地味に苦労性。
・ある事件に巻き込まれて、しょっぱなからえらい目にあった人。
警察から過激派︵笑︶へと驚きの転身を遂げる。意外とあっさり馴
染む。
4
サオリ
ハナ
小織 はな
﹃発展途上のペルソナ﹄﹃司令塔見習い﹄
・23歳 ・警視庁異能捜査課所属。大学在学中に異能が発現したスカウト組。
・髪の色:黒に近い深緑、目の色:灰色
・テレパシー・身体の一部を変化させる異能︵やや身体変化寄り︶。
堂上の弟子︵仮︶。
・勉強はそれなりにできるがアホの子。熱意はある。その熱意が空
回りするタイプ。
・気付いたら迷子になっている・ここぞというときに噛む体質は異
能といっても良いレベル。
5
登場人物紹介︵後書き︶
※﹃海竜﹄は変なところ。
キャラのイラストはHさんに書いていただきました。
随時、キャラもイラストも追加していきます。全部のキャラにイラ
ストがつくかはわかりませんのであしからず。
6
惨劇の一幕︵前書き︶
イーズの過去話です。残酷表現注意。
戦闘ともいえないようなワンシーンですが、よろしければどうぞ。
7
惨劇の一幕
普段なら人もまばらな寂れた港に、今日は多くの人が生み出すざ
わめきと、ある種の緊張感が満ちていた。
一人の青年を、大勢の人間が取り囲んでいる。人といっても一般
人ではなく、警察の機動隊だ。現在機動隊は、通常部隊と異捜課に
所属する部隊とで分かれているが、今ここにいるのは後者だ。
その機動隊の隊長が前に進み出て、高圧的な態度で声を上げる。
﹁過激派勢力の人物が武器商と接触するという情報は本当だったよ
うだな。⋮⋮一応確認する。﹃海竜﹄の“イーズ”だな?﹂
﹁だったら?﹂
イーズと呼ばれた青年はズボンのポケットに手を突っ込んだまま、
にやりと口元を歪める。暗闇の中、イーズの暗い琥珀色の瞳が鈍く
光った。
﹁捕縛する。もし抵抗し、大人しく我々にその身を委ねないならば
︱︱殺してもかまわんと命令を受けている﹂
﹁はは、そりゃあいい﹂
少し上を向いたイーズの白い喉が暗がりに浮き上がって、僅かに
震える。く、く、と振動する空気が笑っているのだと周囲の者に知
らせた。
﹁じゃあ﹂
ざり、とイーズの靴が砂と床を噛んで音を立てる。
指揮官が息を吸い込んで絶叫するのと、イーズがさらに深く、嗤
うのは同時だった。
﹁か、かかれーっ!﹂
﹁くは﹂
殺到する機動隊員。のけぞったまま倒れこむようにして、イーズ
は消えた。
そして、一人の隊員が﹁がっ﹂と声を上げたその瞬間、惨劇の幕
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は開く。
﹁ああ、かわいそうに﹂
いまだ年若い隊員を、後ろから羽交い絞めにしながらイーズが毒
のような声で囁く。彼の背に添えられた右手には、マットな黒に塗
りつぶされた拳銃が握られている。
﹁っ、ぎぁ﹂
銃を体に押し付けて、そのままトリガーを引く。鈍い銃声と彼の
悲鳴が闇の中に響き渡った。その胸には肺を貫通した銃創が残り、
ひゅうひゅうと耳障りな音を喉が出す。
イーズのことさら見せ付けるように開かれた手から、拳銃が床に
落ちていく。
そして次の瞬間、その手には凶悪な輝きを放つナイフが握られて
いた。
﹁やめろぉぉぉ!﹂
叫んだのは誰であっただろうか。
﹁俺を殺すのに﹂
右手に握った鋭いナイフが、彼の喉を切り裂く。飛び散った血に
腕を染めながら、持ち替えたナイフは心臓に吸い込まれていった。
﹁こんな若い子を﹂
びくびくと痙攣して息絶えた彼から手を離してにいと笑う。
場の雰囲気に呑まれたか、機動隊の隊員たちは凍りついたように
動かない。
﹁連れてくる必要なんて﹂
ナイフを放した手には再び拳銃が握られていた。
﹁ないだろう?﹂
今度は左手にも。
両手に握られた拳銃が止まった時を叩き壊すように弾丸を吐き出
した。それぞれ7発。正面で立ちすくんでいた二人の隊員の体、人
体の急所といわれるど真ん中を縦に貫かれ、彼らは死んだ。
弾切れになった二丁の拳銃を捨ててイーズは深く踏み込む。掻き
9
消えた姿に恐慌状態に陥った機動隊員たちは、もはやイーズにとっ
てただの的以下でしかなかった。
即座に生み出された小さなナイフが的確に隊員たちの急所を穿っ
ていく。
細い細い刃つきのワイヤーが一人の首を切り落とし、鮮血を撒き
散らしながらもう一人の体がバラけた。
﹁さて﹂
最後に残ったのは機動隊を指揮する隊長。
逃げようとする彼の左腕を切り飛ばしながら、イーズは再び笑っ
た。
﹁あんたは殺さないよ﹂
﹁な、何故、だ﹂
隊長の額を、激痛により額を伝って流れ落ちた脂汗を目で追い、
くつりとイーズが笑う。
﹁だって、あんたには生きて、部下の死と部隊壊滅の責任を背負っ
て凱旋してもらわなきゃいけないだろう?﹂
周囲に広がる血の海などないかのようなその笑顔に、隊長は引き
つった叫びを上げた。
﹁あ、悪、魔め!﹂
しかし彼は嬉しそうに笑うだけだ。
﹁はは﹂
Albtraum
!﹂︵よい悪夢を!︶
隊長の薄れる意識に、艶っぽい悪魔の囁き声がこびりついた。
﹁Sch?ner
10
惨劇の一幕︵後書き︶
莉緒警察入り前。お互い20歳程度。本編の時間軸より約7年前。
11
PDF小説ネット発足にあたって
http://ncode.syosetu.com/n0444bj/
死神と天使とハリネズミ 番外編
2012年10月18日10時31分発行
ット発の縦書き小説を思う存分、堪能してください。
たんのう
公開できるようにしたのがこのPDF小説ネットです。インターネ
うとしています。そんな中、誰もが簡単にPDF形式の小説を作成、
など一部を除きインターネット関連=横書きという考えが定着しよ
行し、最近では横書きの書籍も誕生しており、既存書籍の電子出版
小説家になろうの子サイトとして誕生しました。ケータイ小説が流
ビ対応の縦書き小説をインターネット上で配布するという目的の基、
PDF小説ネット︵現、タテ書き小説ネット︶は2007年、ル
この小説の詳細については以下のURLをご覧ください。
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