身近な食に気付かせ、心に響く食教育を - 札幌市教育センター

清田区食指導研究項目
研究主題
身近な食に気付かせ、心に響く食教育を
取り組んできた、身近な食である特産物ほうれん草
I 研究主題について
「身近な食に気付かせ、心に響く食教育を」
の「ポーラスター」を中学校での指導として研究を
深められなし、か考えた。中学校での指導については
1 研究の概要
「身近な食」とは、学校や家庭における日々の食
事や食生活・食物のことであり、地域で生産・販売
される食物や地域に伝わる郷土料理や特色ある料理
のこととし、一般的な知識や事例のみを取りあげる
実践が少なく、今回の取組は、他の学校においても
参考になると考えた。
そこで、北野中学校の道徳での授業研究をとおし、
食指導の研究を試みた。
のではなく、実感を伴った「食」を教材として取り
さらに、「食に関する指導」について、各校の実践
あげることで、子どもたちの「心に響く」指導が可
交流を行うことを試みた。テーマをバイキング給食
能になるのではないかと考えた。
についてとし、区内全推進委員から各校の実践につ
「心に響く」とは子どもたちの「分かつた JI
なる
いて発表したのち、交流を行った
0
ほど」としづ実感や、「おいししリという体感を引き
・研究活動日程(平成 23年度)
出すことである。「心に響く」指導ができてはじめて
5月 3
1日 研究推進会議(平岡中)
子どもたちの意識が変容し、さらに、「身近な食」を
各校の研究担当者名・校内テーマの
通して子どもたちの行動や家庭における協力体制の
集約
変容へとつながってし、く
年間活動計画(案)作成
O
それが継続することによ
って、食習慣が変容していくものと考え、この主題
全市研究集会に向けた準備
6月 2
1日 全市研究集会(西宮の沢小)
を設定した。
2 研究の視点
b-l
-kh-.
(
1
) 視点 1 発達段階に応じた効果的な指導
地区集会
二ヒ十中ヱミ
発達段階に応じたきめ細かい指導を進めていくた
7月 1
9日 研究推進会議(平岡中)
めには、まず教科等との関わりを意識しながら子ど
もたちの実態を十分に把握することが必要である。
指導案検討
8月 23日 研究推進会議(平岡中)
子どもたちにとって身近で実感できる魅力ある教
材を取り上げ、指導内容や表現方法を吟味し、指導
指導案検討
9月 6 日 研究推進会議(平岡中)
方法を工夫することが、効果的な指導につながるも
授業・指導案検討
のと考える。
実践研究日に向けた準備
そして、これらの指導を進めていくためには、担
9月 2
7日 研究推進会議(平岡中)
実践研究日に向けた準備
任との連携が不可欠である。
(
2
)
視点 2 生きた教材としての給食の活用
1
0月 4 日 研究推進会議(平岡中)
栄養教諭・栄養職員が指導を行ったり指導資料を
提供したりする場合は、栄養教諭・栄養職員だから
実践研究日に向けた準備
1
0月 1
1日 秋の実践研究日(平岡中)
できる、栄養教諭・栄養職員でなくてはできないと
実践発表
いう内容を含むことが重要になってくると考える。
話合い
栄養教諭・栄養職員としての立場や専門性を一番
1
0月 1
8日 研究推進会議(平岡中)
発揮できるのは、子どもたちにとって、身近な食で
実践発表会反省
ある給食を生きた教材として活用することである。
今後の取組検討
E 研究の歩み
1
1月 8 日 研究推進会議(平岡中)
平成 20年度から継続し研究してきた小・中 9年間
2月 7日 研究推進会議(予定)
の重点目標、及び授業内容にそった実践を目指して
3月 1
3日 研究推進会議(予定)
の研究は引き続き継続させてきた。
今年度は、清田区の小・中学校で継続的に指導に
-合・食指 清田1-
E
各校研究主題一覧
学校名
清田小
有明小
二里塚小
北里子小
清田南小
北野台小
北野平小
清田市議小
平岡小
真栄小
平岡南小
美しが丘小
平岡中央小
平岡公園小
美しが E紘小
清田中
北野中
平岡中
北野台中
真栄中
平岡中央中
平岡緑中
-研究テーマ及び研究推進計画について
研究主題
.研究推進体制について
身近な食に気付かせ、
心に響く食教育を
豊かな J
L
'を育てる食指導
豊かな食に気付かせ、
心に響く食教育を
自分らしさを生かし、
ともに高めあう子どもの育成
身近な食に気付かせ、
心に響く食教育を
身近な食に気付かせ、
心に響く食教育を
かかわり合い、両め合う子どもの
姿をめざす食指導
身近な食に気付かせ、
心に響く食教育を
百葉を通わせ、心を通わせ、
共に学び合う食指導
豊かな心と好ましい人間関係を
育てる食指導
楽しく効果的な食指導
身近な食に気付かせ、
心に響く食教育を
毎日の食事の構もて成るに子つどいて関心を
もの育成
豊かなかかわりをもち、
自ら考えて学び続ける子供の育成
学びの実感が生まれる授業の創造
食文化の理解左京全な食指導
身近な食に気付かせ、心に響く
食教育の推進について
食教育を充実させて
豊かな J
L
'J:::カミらだを育てよう
給食を通して、望ましいつ食け習さ慣せを
る
どう身に
か
身近な食に気付かせ、
心に響く食教育を
中学校における食指導のあり方に
ついての研究
身近な食に気付かせ、
心に響く食教育を
町実践
-研究実践校について
-その他
※研究推進体制については、日 I
J
紙参照
2 実践研究日
平成 23年 1
0月 1
1日(火)
平岡中学校
実践研究発表
(
1
) 中学校 2年 生 道 徳 指 導 案 に つ い て
「ポーラスターの夢j
北野中学校栄養教諭多田志希子
(
2
) バイキング給食の指導について実践報告
.区内全推進委員全員からの発表
・質疑応答及び意見交換
-まとめ
-道徳学習指導案
日 時:平成 23年 1
1月 2
1 日(月) 5校時
生 徒 :2学年全学級
指導者:各担任
1.主題名
郷土を愛する心
2. 題材名
「ポーラスターの夢」
3. 題材について
郷土の伝統や産業は、長い年月をかけてっくり上
げられ受け継がれてきたものであり、中学生は、地
域社会の一員として、地域をより発展させ引き継い
でし、く役割を担っている。都市化が進む札幌では、
地域の特色を生かした様々な農作物が作られており、
清田区では、『ポーラスターほうれん草』の栽培が盛
んである。清田区の学校給食では、毎年 6 月と 1
0
月に『ポーラスターほうれん草』を取り入れている。
『ポーラスター』というブランドで高い評価を得て
いるが、地元ではあまり知られていないのが実情で
1 全市研究集会
平成 23年 6月 21日(火)
西宮の沢小学校
はないだろうか。
(
1
) 全体会
-講話「札幌市教育研究推進事業の今年度の研究推
進について J I
食育の推進について
札幌市児童生
教育センタ一指導主事田中義直氏
栄養指導担当係長
(
2
) 地区集会
田村理都子氏
して発展したのかを知ってもらい、地元の農業に関
心をもたせたい。『ポーラスターほうれん草』を通し
"
'
J
徒の実態に関する基本調査より "
・講話「食育の推進について j
子どもたちには、地元清田区の農業がどのように
て郷土に親しみ、困難を乗り越えながら農産物の開
発と生産に努める人々への尊敬と感謝の気持ちを深
めてほしいと願い、この題材を設定した。
4. ねらい
・「ポーラスターほうれん草」が生産されるようにな
るまでの背景や、現在生産している農家の思いを知
-合・食指 清田2-
る
清田区で生産されている様子や、農
家の方の話を聞こう。
0
・清田区の農業の発展に力をつくす人々へ、尊敬と
感謝の気持ちをもっとともに、清田区の人間として、
できることは何かを考える。
5. 食育の視点
・日本の食文化や食の歴史、郷土の産物に触れ、食
生活との関連を理解することができる。
(食文化)
-生産者や白然の恵、みに感謝する。
(感謝の心)
・食の未来を見つめ、環境や資源に配慮した食生活
をしようとする。
(社会性)
6. 準 備
・D V D ~ポーラスターの夢」
・資料「ほうれん草農家、三上さんのお話から」
・「ポーラスター」を使った給食メニューの写真
・「ポーラちゃん」の掲示物
7. 展 開
学習内容・学習活動
教師の
留意点
働き掛け
導
入
│給食に清田区の特産品が使われて│
いるが、それは何だろう?
20 献立名を見て予想、
する。
分
「ホ-ラストほうれん
草」だとわかる。
-使われてい おひたし
る献立の写真 ほうれん
}
7
をはる。(ヒン 草t'
トは「野菜 J
) ほうれん
草とコーン
-1ポーラちゃ の
サ
ラ
ゲ
ん」の掲示物
を黒板には
る
。
答えは「ポーー ~ Iポーラ
ラスターほう
スター」
の文字を
れん草」
6月と 10月 板 書
に給食に出て
おり、みんな
食べていた。
スーパ一等で売られているのを見
たことがあるか?
清田区産のプラン
ド野菜であること
を改めて知る
の準備
I
ホ
'
}
ス
トの夢」
u
ホ
ク
レ
ン
シ
ョ
ッ t、八
紘学園、くる
るの社で売ら
れているが、
地元ではあま
り知られてい
ないことにも
注目させる。
給食も、
清田区だ
けで使わ
れている
約 1
5分
DVDの内容を思い出
しながら資料を各
白で読む。
資料・ワーク
シートを配布
-資料の内容
は
、 DVD の中
で語られてい
たホ。イン卜部分
及び補足であ
る
。 D V Dの
内容と資料か
ら、農家の思
し、やホ。ーラスト
の将来につい
て考えさせた
、
し。
│農家の思いやポーアスターの将来│
について考えよう。
ほ
…
一
正
日
山
U
吋
山
一
…
ん
う
岬
州
叩
叫
草
一
開
一
れ
良
三上さんの思い
ホ。ーラスダーの誕生に
展
ついて
開
他のほうれん草と
の違いや良さ
20
分
.ワークシート
DVD.TV
ワークシートに記
入する
に
(
ほ
予想される内容)
うれん草農家の
苦労が分かつた。
.
t
青田区に水田があ
ったことが分か
った。
-農家を続ける苦労
が分かつた。
.二上さんの熱い思
いに驚いた。
-給食で使うのは、
L 新鮮で美味しい
から
考えを交流しよう
O
ワークシート
の 1と 2に記
入する。
-給食で
使うのは
地産地消
の観点か
ら
。 清田
区でとれ
る野菜を
身近に感
-多くの生徒
に発表させ
る
。
じてほし
し、からで
ある。
-残さず
ポーフスターが清田区の特産品で 食べるこ
とは当た
あり続けるには?
り
前
、 こ
3
ワークシートの
-農家が無く
こから一
ま
について記入する。
ならないため 歩進んだ
と
の方法
考えを引
め
-ほうれん草 き出した
、
。
を作り続けれ し
1
0
られる方法
分
-清田区の住
んでいる私た
ちはイ可ができ
ホ
。
ー
ラ
ス
タ
ー
るか、などを
考えさせた
ほうれん
、
し
草を守り
愛するこ
とは清田
O
-合・食指 清田3-
アイプ、アを発表す
る
ワークシート
回収
区を愛す
ることに
つながる
ことに気
づかせた
し
、
。
-バイキング給食の指導について実践報告
O献立・調理能力
O指導時間の確保
0会場・用具の準備
3つのテーマに絞って意見交流した
話合いの中では、献立の作成の際に考慮、している
《ワークシート》
点、職員会議での提案方法、事前事後指導の時間確
『ポーラスターの夢』ワークシート
2年
保の問題、用具や準備の仕方、会場を盛り上げる士
組 番
夫例等、細かい部分まで意見交換ができ、すぐに明
1.三上さんの話、ポーラスターほうれん草の栽培・収穫の
日から使える情報を交流することができた。
様子、清田区の農業についてなど、 DVDを見て感じたことを
顧問の校長先生からは、バイキング給食を実践す
書きましょう。
るにあたり、「多くの悩みを抱えている現状を知るこ
とができた。実践交流日にお互いの情報を交流でき
た意義は大きかった。」と感想をいただ、いた。
2. 給食でポーラスターを使っているのはなぜだと思います
V 成果と課題
カ通?
1 成果
今年度は、身近な食である特産物ほうれん草の「ポ
ーラスター」について、中学校における指導を道徳
の授業実践を通し研究を深めてきた。中学校の授業
3. ポーラスターが清田区の特産品であり続けるためには?
実践は事例が少ないため、よい機会となった。その
際には、教科教諭の助言をいただき、大変有意義な
研究となった。
さらに、「食に関する指導」では、各校のバイキン
グ給食についての指導実践交流を行うことができた。
※検討した指導案について、実践発表日以降の授業
区内全推進委員からの発表後、交流を行うことで、
実践となるため、顧問である校長先生より助言をい
それぞれ抱えていた課題が、他の学校の様子を直接
ただいた。
聞くことで解決され、今後、各校の指導計画を作成
・北野台小学校大松校長先生と清田中学校村上
する上で大いに役立つという意見が出されていた。
校長先生より
2 課題
・道徳の時間を利用しての食指導は、食指導本来の
ねらいと道徳本来のねらいをどのようにすり合わせ
るかが難しい。小学校で、行うので、あれば、教科や学
顧問の先生から助言をいただいた中でも示された
ように、食に関する指導の時間確保が難しい。特に
中学校はその傾向が強い。しかし、新学習指導要領
級活動の時聞が指導しやすい。
が実施されるにあたり、変化の時なので、各学校で
-担任の先生の指導技術は、非常に高いので、よく
も教育課程に位置付けるように働き掛けていきたい。
相談し、担任と栄養教諭・栄養職員が協力して子ど
もたちに伝えたいことを指導してはいかがだろうか
そのためには、栄養教諭・栄養職員が個人で悩む
0
・道徳は白分の生き方を考える時間であり、答えは
一つで、はない。食育はより良い食生活を身に付けて
ほしいものなので、一石を投じる効果はあるが、
教師側がこうなってほしいという願し、を前面に出し
のではなく、校長、教頭、教務主任等とよく相談し、
今、育てたい力は何かを明確にすることが必要であ
る。その上で、子どもたちが白ら考え、判断し、行
動するために、大人として、学校として、何をして
いくべきなのかを議論し、実践のために役割を考え
ていってほしい。
・できれば T Tで取り組みたい。栄養教諭・栄養職
ることが課題である。
員の専門性を発揮し、資料や具体物、映像の提供も
してほしい。
-合・食指 清田4-