支 援 す ま 東 は 施設の耐震化促 祉 進を 、福 し 京 都 福祉施設における 耐震補強の手引き 社会福祉施設等耐震化促進事業 ! 地震がきても大丈夫ですか、 あなたの施設? 保育所や高齢者施設は、自力での避難が難しい方が多く利用する施設であり、ま た、その一部は、地震発生時に被災者の受入れ機能を果たすことなどから、その耐 震化は喫緊の課題になっています。 東京都は、都内にある民間の社会福祉施設(保育所や高齢者施設など)が行う耐 震診断と、耐震改修事業の一部に補助金を交付する新たな支援制度を創設しました。 たとえ地震が発生しても、安心して運営ができる安全な施設を実現しましょう。 都内の福祉施設について、耐震化に関するアン ケート調査を実施した結果(対象約 12,000 施設 H23までに耐震診断実施完了 H23までに耐震診断実施完了 のうち、回答 7,669 施設)、旧耐震基準の建物 (3,075 棟)のうち、要改修、要診断と見込まれ 診断補助開始 る建物が約半数(1,383 棟)を占めることが明ら かになりました(平成 20 年4月1日現在)。 この結果を踏まえ、都民が利用する福祉施設に H25までに耐震化完了 H25までに耐震化完了 (%) 100 耐震化率 おいて、震災から利用者等を守るため、平成 21 年度から福祉施設の耐震化を促進する補助事業(耐 震診断・耐震改修)を創設しました。 改修補助開始 耐震化促進事業 (※「耐震診断」については、平成 20 年度から 事業開始しています。) 年間を通して休日の少ない保育所や、利用者の アンケート調査 方の生活の場になっている特別養護老人ホームの H19 ような施設は、耐震化の工事が困難と思われがち H20 H21 H22 H23 H24 H25 (年) 都内民間社会福祉施設等の耐震化完了目標 ですが、諸条件に応じて工法等を工夫することに より耐震改修の工事が可能です。 本冊子は、補助制度の概要との手続のほか、耐 本冊子により 本冊子 により、各事業者の方のご理解が深ま 、各事業者の方のご理解が深ま 震改修の方法、事例等につき、事業者様の皆様に り、福祉施設の耐震化が一層進んでいくこと ご理解を深めていただくためにまとめました。 を期待しています。 を期待しています 東京都は、福祉施設の耐震化を促進します 都は、福祉施設の耐震化を促進するため、都民が利用する民間の社会福祉施設等(保育所や高 齢者施設など)が行う耐震診断と、耐震改修事業の一部に補助金を交付する新たな支援制度を創 設しました。 耐震診断に対する補助事業は平成20年12月から、平成23年度までの3か年で、耐震改修 への補助事業は平成21年4月から平成25年度までの5か年で、この事業の活用により耐震化 が完了することを目標としています。民間の社会福祉施設等の耐震化促進事業のみを対象とした 補助制度は全国でも初めて実施されるものです。これを契機に耐震化に取り組んでください。 1 福祉施設の耐震化 耐震補強の進め方 昭和 56 年以前に建築された建物は、古い耐震基準(旧耐震基準※1)で建 てられているため、大地震において倒壊する危険性が大きいとされています。 あ なたの建物は、 古い耐震基準で建てられていませんか? Yes ! step1 耐震診断を受けましょう まずは、あたなの建物が安全であるかを、専門家に診断してもらいましょう。 診断 耐震診断の判定基準 ■鉄筋コンクリート造、鉄骨造、その他 構造耐震指標(Is 値)が 0.7 未満の施設は耐震改修が必要 ■木造 構造耐震指標(Iw 値)が 1.1 未満の施設は耐震改修が必要 1 耐震診断結果 耐震診断の実施には、 東京都の補助制度を 活用ください ⇒裏表紙参照 2 耐震性に問題ない 安心して施設を運営できます。 2 耐震改修が必要 補強が必要です。 耐震改修を検討しましょう。 step2 耐震改修を行いましょう 設計 ■耐震改修方法の決定 診断の結果から、建物の弱いところを補強す るための方法などを専門家に検討してもらい、 耐震改修計画をつくりましょう 工事 耐震改修の実施には、 工事費等に対する東京 都の補助制度を活用く ださい ⇒裏表紙参照 ■工事の実施 耐震改修計画にもとづき、工事を行います。 このとき暖房工事など、耐震化以外の工事※2を一緒に 行うと効率的なリニューアルが実現します。 これで、 あなたの建物は安心して利用できますね。 ※1 旧耐震基準:「新耐震基準(昭和 56 年6月1日) 」が 適用される前の建物の耐震基準 ※2 補助対象は、耐震改修費のみで、その他改修費は除く。 2 福祉施設の耐震化 耐震補強施工例 1 File ナオミ保育園 ナオ ナオ オミ保 ミ ▲補強前 補強 ▲補強後 ■改修の概要 柱補強 補強工事は、開口部への鉄骨ブレース設置と柱の鉄 筋コンクリート増打ちが主なものとなっています。耐 震改修と同時に床暖房設備の改修も行っており、効率 的なリニューアル工事を実施しています。 2つの保育室を対象とした改修については、工事時 期をずらすことにより、工事期間を通して閉鎖する部 屋を1室に限定しています。 プレイルーム(遊戯室)と空室を保育室として活用し、 園児を順次移動させる方法で、施設運営を休止するこ となく耐震改修を実現しました。 プール 鉄骨補強 保育室 柱補強 保育室 食堂 床暖房工事 ■工法の特徴・採用理由 事務室 1階▲ 道路 一体となった保育室の間を補強する必要があったた め、鉄筋コンクリートではなく鉄骨ブレースを用いた 補強を行っています。これにより奥の部屋への採光と 見通しが確保されています。床部分は一部補強材をカッ トし、段差のない床面での通行が可能となっています。 ■工事工期 1 ヶ月 2 ヶ月 3 ヶ月 1 期工事(北側エリア) 鉄骨ブレース補強、柱補強 ■ちょっとひと工夫・アドバイス 着工 ・園児たちはものめずらしい工事に興味津々。工事の 様子を見えなくする工事エリアの区画と目隠しが大 切です。 ・園児の安全に配慮したやさしい素材を使用するとと もに、園児にも受け入れやすいデザインを採用する などの配慮が必要です。 部屋移動 2 期工事(南側エリア) 柱補強 竣工 床暖房改修工事 ■概算工事費 耐震改修費 その他改修費 合 計 3 耐震化補強施工例 約 27,000 千円 約 6,700 千円 約 33,700 千円 発注:社会福祉法人ナオミの会 ナオミ保育園 施工:岡建工事株式会社 2 File くるみ保育園 くるみ保 くる み ▲補強前 補強 ▲補強後 ■改修の概要 耐震性の劣る1階部分について、壁の補強を行って います。また、2つの棟をつなぐ渡り廊下の接続部に も不具合が見つかったため同時に改修を行い、構造的 な問題をすべて解消しました。 工事は、園児の登園が少ない8月に実施。工事対象 エリアの保育室を閉鎖したうえで、2室ある2歳児ク ラスを1室で運用して、施設を供用しながらの耐震改 修を実現しました。 厨房 保育室 玄関 事務室 兼保健室 保育室 保育室 ■工法の特徴・採用理由 1階▲ 補強箇所が保育室の外壁開口部となるため、鉄筋コ ンクリートの代わりに鉄骨ブレースによる補強を行い、 窓からの採光と通風を確保しています。渡り廊下部分 は、地震時の揺れで建物本体が破損しないよう、揺れ を吸収できる接続構造に改造しました。 改修ヵ所 ■工事工期 1 ヶ月 準備・解体 ■ちょっとひと工夫・アドバイス 着工 ・園児が少ない8月に工事を実施したことで、2クラ スの1室運用も可能となり、園児への影響も最小限 に抑えることができました。 ・資材の搬入は園児のいない日曜日に行い、安全の確 保に留意しました。工事施工は平日の昼間(園児の 昼寝時間を除く。)に行い、園児や周辺住民へ配慮し ています。 補強工事 内外装復旧工事 他改修工事 ■概算工事費 改修費 約 6,500 千円 4 耐震化補強施工例 竣工 発注:社会福祉法人聖心会 くるみ保育園 設計・施工:株式会社チャイルド社 耐震改修にあたっての工夫 耐震改修のポイント! ① ポイント 工期をできる限り短縮することにより、利用者に最大限配慮 ② ポイント 補強工事の騒音、振動、埃などの環境対策及び工事中の安全確保 耐震改修を「居ながら工事」で行うための工夫をいくつか紹介しましょう。 耐震改修の工夫事例① 空きスペース利用した改修方法 現在ある空室や代替できる部屋に、対象エリアの人たちを一時的に引越しさせることに より、工事会社の時間的な制約が少なくなり、工期の短縮が図れます。 ▼保育園のお部屋の引越し事例 ①0∼1歳児のお引越し ②3∼4歳児のお引越し ・0∼1才児の部 屋が耐震工事の 対象エリアに なっちゃた ! ・ホ ー ル や 空 き 部 屋 を 使 っ て、部 屋 の 使い方を工夫しま しょう ! ・それじゃ、大き い園児は、2階 のホールへお引 越ししよう。 ・でも幼児は 1 階 がいいよね。 ・工 事 を ス ム ー ズに行うため、 この部屋を空 け渡さなけれ ばなりません。 ・うまく工事のエリアを確保できました。 ホール5歳児 2階 3∼5歳児 2∼4歳児 0∼1歳児 1階 0∼2歳児 工事エリアに 空きスペースを活用して工期短縮! 耐震改修の工夫事例② 工事区画の設置による利用者の安全性確保と環境対策 工事区分例 ▲ ●プールに覆蓋 仮設スペース ●仮囲い 保育エリア 工事エリア 5 耐震化にあたっての工夫 園児動線 事の 安心な工 、 安全 ために、工事エリアを完全遮断! ●仮囲い 工事動線 工事中に何をしているかは、皆さ ん気になるところですが、工事エリ アは危険がいっぱいなところである ため、「居ながら工事」ではエリア を完全遮断して、利用者の安全性を 確保することが重要です。また、環 境対策も容易となり、工事もスムー ズに進めることができます。 社会福祉施設等耐震化促進事業のご案内 都民が利用する社会福祉施設等の耐震化を促進していくため、耐震化促進事業(耐震診断と耐 震改修)として補助制度を創設しました。補助の条件などは次のとおりです。 項 目 共 通 対象施設 対象建築物 対象事業 内 容 社会福祉施設等※1 のうち、次のすべてに該当する施設が対象となります。 1 都内に所在する施設又は、都外に所在する都民対象施設であること ( 入所及び 通所施設)。 2 建築基準法における新耐震基準導入以前に建築された施設であること。 3 私立施設であること。 ※2 4 自己所有施設であること。 5 各施設に適用される法律、要綱等の基準に適合する施設であること。 ※1 不特定の利用者が一定の時間滞在、利用する施設で、訪問看護ステー ション等の利用者が不在の施設を除くすべてが対象です。 ※2 建物の構造、階数、面積を問いません。 これまでに耐震診断を実施していない施設 「建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための基本的な方針」(平成 18 年 国土交通省告示第 184 号 ) に定める方法により補助対象年度内に行う耐震診断 耐 震 診 断 対象経費 耐震診断に要する経費 ※ 耐震改修促進法の「認定」を受ける前段階に取得する耐震診断の妥当 性を裏付ける専門機関による「評定」の経費は対象外となります。 補 耐震診断に要した費用の5分の4( 千円未満切捨て ) です。 ただし、補助対象面積※1 に補助単価※2 を乗じた額が耐震診断に要した費用を下 回る場合は、それに5分の4を乗じて得た額とします。 ※1 補助対象面積に上限はありません。 ※2 補助単価 1,000 ㎡以内の部分 :2,000 円 1,000 ㎡を超えて 2,000 ㎡以内の部分 :1,500 円 2,000 ㎡を超える部分 :1,000 円 助 額 対象建築物 1 鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造 構造耐震指標 (Is 値 ) が 0.7 未満の施設 2 木造 構造耐震指標 (Iw 値 ) が 1.1 未満の施設 耐 震 改 修 対象事業 柱、壁、梁等の補強や増設等の耐震補強に要する工事 ※ 補強後の建物に係る構造耐震指標が、鉄骨造等は Is 値が 0.7、木造は Iw 値が 1.1 を超え、又は、補強によってこれと同程度の耐震性能が認めら れることが必要です。 対象経費 1 工事費又は工事請負費 2 工事事務費(設計費含む。 ) ※ ただし、下記の費用は対象外となります。 1 土地の買収又は整地に要する費用 2 既存建物の買収 3 その他、施設整備費として適当と認められない費用 補 1 耐震診断の結果が Is 値 0.3(Iw 値 0.7) 未満であった施設 耐震改修に要した費用の8分の7( 千円未満切捨て ) です。 ただし、補助対象面積に 47,300 円を乗じた額が耐震改修に要した費用を下 回る場合は、それに8分の7を乗じて得た額とします。 2 耐震診断の結果が Is 値 0.3(Iw 値 0.7) 以上 0.7(Iw 値 1.1) 未満であった施設 耐震改修に要した費用の 16 分の 13( 千円未満切捨て ) です。 ただし、補助対象面積に 47,300 円を乗じた額が耐震改修に要した費用を下 回る場合は、それに 16 分の 13 を乗じて得た額とします。 ※1 1、2とも工事事務費は、工事費又は工事請負費の 2.6%が上限です。 ※2 他の補助制度と併用が可能な場合は、補助率が異なることがありま すので、詳細は各施設所管課にお問い合わせください。 助 額 ■問い合わせ先■ 東京都福祉保健局総務部総務課 〒163-8001 東京都新宿区西新宿二丁目8番1号 電話:03-5320-4021 FAX:03-5388-1400 2009.3
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