秋育ち春育ちのアゲハチョウの成長Ⅲ 委 山鹿市立稲田小学校 5年 野中 1 研究の目的 ⑴ 平成 19 年の夏に人工的に昼間の時間を短くして羽化しなかった8匹のサナギはいつ羽化する のか。 ⑵ 秋に育つアゲハチョウのよう虫は、どのような条件で冬越しのサナギになるのだろうか。 ⑶ アゲハチョウ以外のチョウのよう虫は、どのような条件で冬越しのサナギになるのだろうか。 2 研究の方法 ⑴ サナギの様子を継続して観察し、部屋の最高気温と日の出、日の入り時刻を調べる。 ⑵ アゲハチョウのよう虫の大きさや様子を観察する。1日を通して観察するが、よう虫の大きさ は夕方決まった時刻に観察する。気温と昼間の日の長さを調べる。 ⑶ ナガサキアゲハ、ジャコウアゲハを (2) のように調べる。 3 研究の結果 ⑴ 平成 19 年の夏に人工的に昼間の時間を短くして羽化しなかった8匹のサナギはいつ羽化する のか。 ・1匹のアゲハチョウが約4ヶ月サナギで過ごし、羽化することができた。春に最高気温が 20℃ 以上になり、羽化する準備ができても長い間サナギでいると羽化できなかった。 ⑵ 秋に育つアゲハチョウのよう虫は、どのような条件で冬越しのサナギになるのだろうか。 - 52 - ・ 最高気温が 30℃近い日にサナギになると、約 10 日で羽化した。昼間の時間は 11 時間より長かっ た。 ・ 秋に羽化するのか、冬越しのサナギになるのかは、昼間の長さと温度が深く関係していた。 ⑶ アゲハチョウ以外のチョウのよう虫は、どのような条件で冬越しのサナギになるのだろうか。 ・ 最高気温が 25℃くらいの日にサナギになると、ほとんどは冬をサナギで過ごし、約6ヶ月後に 羽化した。サナギになったときの昼間の時間は約 11 時間かそれより短かった。 4 研究の考察 ⑴ 昨年夏に、人工的に昼間の時間を短くして羽化しなかった8匹のサナギは継続して観察した が、1匹だけしか羽化しなかった。冬越しのサナギのように人工的に昼間の時間を短くして長い 時間過ごすようにしても、羽化できたのは3匹だった。予想では昼間の時間を短くすると、全て 冬をサナギで過ごすと考えたが違っていた。 ⑵ アゲハチョウは最高気温が約 25℃で、昼間の日の長さが約 11 時間になると冬越しのサナ ギになった。秋に羽化するか、冬越しのサナギになるかは温度と昼間の長さが関係していた。 ⑶ ジャコウアゲハ1匹は最高気温が 25℃以下の時にサナギになっても冬越しのサナギにはな らなかった。⑵で冬越しのサナギになる条件は温度と昼間の日の長さが関係しているが、最高気 温が 25℃以上で昼間の日の長さが 11 時間以下であっても冬越しのサナギになるとは限らない。 3年間研究を続け継続してよう虫を育てたことで、疑問が解決したり、新しいことに気づいたり してよい経験になった。 - 53 -
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