PWM 制御 ER バルプに よ る ミニチュアベロ』ズアクチュエータ - TOPIC

計測自動制御学会東北支部第177阿研究集会tl明乱10.3り
資料番王」一177−コ0
PWM:制御ERバルブによる
ミニチュアベローズアクチュエータのサーボ特性
CoI](roICharaCtCristicsofMiniiIturCl王eJlowsActuatordrivenby
apairofPWMCoIltrO]1cdEJlVa]vcs
○萩野 克也(山形大院),
岩手 直喜, 中野 政身(山形大工)
助指呼〟几4G爪rO,鮎〃揖r〔諷〟7甘,」l血T〟l扇几4&i〃口
DcptLOfMechani亡a]System「ngineering,YamagataUniversi吋
キーワード:ERアクチエェ一夕〔ERActuator).分散素ER流体(ERSuspensjon),3ポートER
バルブ(ThreePortsERVa]ve)rPWM制糾PWMCoTltrO]),PID制御即(PTD
Contro]Strategy),サ←一ボ特什(ServuTCharacteristics)
連絡先:〒舛2一台510 米沢市城南4−3−】6山形人草工′、Jr=部機械システム工学科中野研究室
中野政軌 丁巳1:(0238)26・324g,Fax:(02瑚26−3248.仁一I11ai]:nakano@mnaka.yz.yamagata−u.aC,jp
l.緒言
であると考えられた閉鎖から全開までの連続
流量制御が可青巨であることを示Lている†4).こ
ER流体は,電場の印加によって粘性を数ミ
こでは,3ポートのERバルブによって駆動さ
リ秒のオーダーで可逆的に変化できる機能性
れる小型のベローズアクチュエータの位置フ
流体であり,その特徴によりER流体を作動流
ィードバック制御を行い,このときの制御特性
体とする流体回路では,全く可動部を持たない
について検討している.
電極部だけからなるERバルブを用いて流量や
圧力を制御することが可能となる川.このよう
ユ.実験装置及び実験方法
なERバルブを用いた小型アクチュエレク〃〕制
ユ.1 アクチュエータ
御など流体制御機器への応用が試みられてき
本研究で使用したベローズアクチュエータ
ている(三川)
(ベローズ有効直径19,7mm)とフィン型ER
本研究では,すでにERバルブのPWM波電
バルブ(電極間隔0.8mm,電極長さヨ01¶m,通
圧に上る流量制御を提案し,分散系ER流体の
路断面積25.日mm2)を園=及び図2に示す.
場合には通常の可動弁と同様な静的流量制御
ニグ〕アクチュエータは,供給用・排出用の二つ
特性をDu甘比を可変することにより実現でき,
のERバ/レプと,上部に一つのベロ叫ズを有す
Du丹比が1で全閉状態を,0で全開状態を圧力
る単一ベロ
差に依存せず実現でき,DC電圧印加では幽購
ーズを採用することにより,アクチュエータ駆
−1−
ーズ型アクチュエータである.ベロ
動時の摩擦抵抗をなくすことが可能となろ.各
Hz〕に変換し,二台の高電圧増幅器を介して印
ERバルブをPWM制御することにより,ベロ
加されろ.ベローズ変位は,高精度レーーザ一変
ーズ内への流入流出流量を変化させ,ベローズ
位計によっ■r検出され,コンピュータヘフィー
の変位を制御するというものである.
ドバックすることに上り,ペロー▼→ズアクチュエ
ータを制御する.また,制御電圧及びベロ巾ズ
Bell(IWS
変位はアナライジングレコーダによって記録
される.なお,使用したER流体は,スルホン
化重合体の分散粒子(含水率2.2%,平均粒子
撞5J上m)を10cStのシリコーンオイルに体積
分率ユO vol%で分散させた粒子分散系ER流体
(TX−ERユ057二 目本触媒製)である.
Fig・lStructureofthreeportstypeERvalve
†叩H削HT ■ll醜nk
f:ig▲3「叩erimentatapparatusfbractuatorcontrol
ヱ.駐RパルプのPWM流量制御
El亡亡trl※l鴨
PWM制御は周期的なON−OFF制御であるた
Fig・2ConfigurationofERvalveconsistlngOffi−1
b′Pee】ectrodes
め適用する系の最大圧力差におけるERバルブ
の全閉時の電場強度を振幅にとれば,ERパル
ユ.エ アクチュェ一夕フィードバック実験装置
プの全閉と全開状態を周期的に実現でき,その
アクチュエータフィードバック実験装置及
時甘卜一周期あたりの開閉率はD叫比によって
び測定系を図3に示す.アクチュエータヘの
変化できるため圧力差の変化に依存せず仇吋
ER流体の供給は,圧縮空気を用い−rER流体タ
比がnで全開,1の時に全閉状態を実現でき,
ンクを一定圧に加圧して定圧力源で行われる.
D叫比によって連続流量制御が可能となる、図
各ERパルプへは,目標値との偏差に応じた制
4には,試作LたERバルブを一定差圧のもと
御電圧がコンピュータより出力され,PWM回
で DC電圧制御及びPWM制御(電圧振幅
路によってPWM波電圧(キャリア周波数100
3月kv/mm〕を行ったときの静的な怖量制御特性
−2−
を示す・いずれの制御方法でもバルブの一つの
3.アクチュエータの
機能である全閉状態を実現できるが,DC電圧
オープンループ制御特性
印加時には差圧によって全閉時の電場強度が
各ERバルブヘのDub′比を制御電圧』Fに比
異なるU・)に対して,PWM制御の場合にはDuty
例して制御しアクチュエータを駆動するオー
比が=朋寺にいずれの圧力差においても全閉が
プンループ制御方法を図5に示す.制御電圧OV
可能であり,高精度の連続流量制御が可能にな
において,各ERバルブのm叫比を1として全
ると考えられる州.
閉を実現する方法と,オーーバラップ量仇⊥′を導
入して制御電圧0V時のDuty比が1一旦wとなる
∠介kPa
制御方法について検討Lている桝.
●.サイコ
0,・プj.朗
▲.・イブ.7占■
A.・Jタ.アイ
■.・β0.βJ
的
Clo血gl
仇吋R且血
■−■・・■ ■巾
吉川
缶I
■
A
■ A
A
■ ■
■ ▲
△ム
△A
▲
■■
㌔
A
■
△
㌔
■−■
■■
AA
』「
tO
5
威kVコ/mmZ
Fig・5RelationshipbetweeneontroIvoltageand
dutyratiosoftwopalrSOfERvaTvesin
(a)DCvD】tagecontro]
PWMcontro】
∠節kPa
アクチュエータへのER流体の供給圧力を
●、・Jさ.ご
0.・j丘p
50kPaとし,このときにERバルブが全閉を実
▲
□
▲
□
■
■.・ヰ且ヰ
ロ.・占ユ古
▲.−βプ.∫
現できるPWM電圧振幅とLて2.5kV/mmと設
▲
D
○
口
■
■
定して実験を行った.囲6には制御電圧範囲
▲
■︵=●
■0●
0●
○ ●
▲ ロ ■ ∩●
■
□
□
■
0 ●
0 ●
●
』F⊆±2.5V と一定にした時のオーソ1ラップ量
上h−′を0%から]0%まで変化させた時のアクチ
ニ・ェエータ変位J〔り応答波形を示す.拓ノ′=0%で
は,応答波形は完全な正弦波とはならず最大及
仇5
び最小変位近傍で平坦な領域が存在し非線形
Duけ且atjo
性が強いことが分かる.最大及び最小変位領域
(b)PWMcontroI
は両ERバ′レプが全閉状態から開放へ,逆に開
Fig・4 Staticflowratecontro)characteristicsor
ERva】ve
放状態から全閉へ切り替わる領域に対応して
−]_
おり,全閉状態で電極間に停留したクラスター
分かる.図7には,オーバーラップ量30%のと
によって流量変化に遅れが生じたことに起因
き〝〕アクチュエー
しているものと考えられる.そこで制御電圧
ら分かるように周波数が高くなるにつれてゲ
』「=OVにおいてオーバーラップ量月俳・を設け
イン及び位相共に減少していることが分かる,
て早めにERバルブを開放してやることによる
タの周波数特性を示す.固か
4.PWM制御されたERバルブによる
効果を示す.オーバーラップ量が大きくなるに
アクチュエータの位置サーボ制御系
つれて応答波形が正弦波に近くなるとともに
ベローズアクチュエータの位置サーボ系の
変位振幅も増大し,線形性が確保されることが
ブロック棉図を図呂に示す.補償要素として
ユ
∈︻亡−、
lJ−
P】D制御即を適用する.そのコントローラから
l 爪U
U)操作量とERバルブヘのPWM電圧のDuty比
rJ
との関係は図りに示すように出力される.PWM
H
つ▲
∈∈
回路からのPWM電圧は,二台の高電圧増幅
1几U
器を介して各ERバルブに印加される.PID制
†J
御即を含めたコントローラとしてコンピュー
†−一−
已−︻亡一仁︻
タを用いて実現している.そのサンプリングタ
爪V
イムはImsecである.すでに,前項のオープン
て︼
ループ制御系において特に制御電圧が0Vにお
■7−1 ∧U
∈一巳 h
エ
コ
4
5
Tim七Ilゴ代l
Fig・6Changesof−wavefbrmsofactuatordisplacernent
XWithoverlapdutyratioD(Nr
Fig・呂BIockdiagramofposition]ngSerVOrSyStem
ofminiaturebe]Iowsactuator
Closimgl mけR且血
100
ControIJerOⅦtPut
】01
Frequency fHzz
Fig・9RelationshipbetweencontroL]eroutputand
dutyratiooflPWMvoltagetoapairofER
valves in PWM control
Fig・7ChangesofgainandphaseofactL.atOr
responsewith仁OntrO‖†equency
一4−
いて両ERパルプのDu年比のオーバーラップ量
の良いPIDパラメータを求めている.
をコ0%と設定することにより,系の線形性が確
図10には,PIDパラメータを‡K=1,Tl=0.0】5,
保されると同時に制御特性も改善されること
TD=0,000005l,(K=3,Tl=0.O15,TD=0.0005‡
が得られているためオーバラップ量はq仰・=
及び†K=5,rr戸0.05,Tu=0.0005)としたとき
30%と設定して制御実験を行う.
のアクチュエータの変位特性を示Lている.
5.アクチュエータのサーボ特性
K=】及びK=3の時には,振幅が大きく応答が
遅くなっていることが分かるが,K=5では振幅
アクチュエータヘのER流体の供給圧力を70
が小さく,整定時間は0.2sECとなっているため,
kPaとし,このときERバルブで全閉が実現で
2
きる電場強度としてPWM電圧(キャリア周波
1
∈仁︼
数川OHヱ)振幅をコ.5kV/mmとして実験を行っ
叛
た.
爪U
〕
4
0.6
0.呂
2
∈∈
ベローズアクチュエータの位置フィードバッ
5
つ﹂
ステップ応答及び周波数応答の実験を行い,
H
l
ク制御系の制御特性について検討している.
几U
5.1ステップ応答特性
巨
nU
る.二のときPIDパラメータ(比例ゲインK,
0.1
0.2 仇ヨ
l
l
︻ヒ∈
0.5mmから1mmにステップ状に変化させてい
0.4
つ﹂
ステップ応答実験でi・もベローズ目標変位を
0.ユ
0.4
0.5
77甜ビ Se:C
積分時間T−,微分時間TD)を変化させて応答
(a)Wavefbms
2
F−F︼
1
H
ハU
0.2
0.4
0.占
0.8
1
l
︻亡F︻ 叫
0.4
つ]
0.2
nU
0.6
0.$
1
2
1
已︼∈︼ 巧
100
nU
0.2
0.ヰ
0.6
仇召
101
Frequency fHz
1
7了椚ピSeC
(b)Frequencycharacteristics
Fig.11Frequencyresponsesofbet]owsactuator
Fig,10Stepres匹■1SeOfbeJ[owsact−uatOrSerVO−SyStern
SerVO−SySt亡=m
−5一
この系での適切なPIDパラメータであると考
クチュエータの出力波形を示す.100Hzの波形
えられる.
では高い周波数の微小振幅の振動が顕著に見
5.三 周政教特性
受けられるが,キャリア周波数がコ00Hz,500Hヱ
周波数特性実験でほ,入力に一定周波数の振
と高くなるに一〕れて応答波形がかなり改善さ
幅0−5mmの正弦波状信号を加えて,出力との
れていることが分かる.供給圧力の増大や,よ
振幅比及び位相のずれと周波数の関係につい
り適切なP旧パラメータやキャリア周波数を
て実験を行っている.このとき,PIDパラメー
設定することにより,周波数特性を改善できる
タとLてステップ応答実験において最も応答
可能性がある.
性のよかった(K=5,T.=0.0㍉ TD=軋0005)を
6.緒言
採用している.
小型のベローズアクチュエータの位置フィ
図11(a)には,周波数l,5,10Hzのベローズ
ードバック制御系を構成することによって,
アクチュエータの入力波形及び出力波形を示
PWM制御された2つのERバルブからなる3
している.周波数1Hz田ときには,ほぼ目標
ポートERバルブによって駆動されるベローズ
値に追従していることがわかるが,5Hz一亡は位
アクチニ1エータの制御を適切に行えることを
相が遅れ始め,】OHヱになると振幅が小さくな
示し,ベローズアクチュエータのフィードバッ
っていることが分かる.図11(b)に示す周波数
ク制御を行う際には,制御則としてP旧制御則
特惟によれば,バンド幅が約呂lTzとなる.
が有効であることを示した.また,供給圧力の
﹁⊥
l
∈∈ H
増大や,より適切なPIDパラメータやキャリア
周波数を設定することにより,系の応答速度を
几U
更に速める可能性がある.またバルブの流量特
2
3
4
5
﹁﹂
性の改善,小型ベローズの選定などにより糸の
=200Hz
C〟rr∫即爪■g
■・−
﹁uE︼.H
応答速度を更に速められる可能性がある.
1
ヨ
2
2
C(irrferFre
参考文献
4
王把〝亡V=500Hヱ
一・−
︻トH︻亡 巨
(り中野,JSME第7コ期全国大会講演資料集
No.940−30〔Ⅳ)(l卵4),251
0
2
ユ
4
(2)C.Wal托Proc.of5thlnt.ConflOnERF.MRS
5
77〝7ビ SeC
andAT,WorldScientinc,(1996),37
Figl12Dependenceofbel]owsactuatorservo− (j〕横田,近藤,機論(C編〕,且ト60l,(199恥
SySternOnCarrierfrequencyofPWMwaves
(4)中晩皆川,JSME第73期通常総会講演論文集
No96−1(ⅢXl閑職20ウ
図1コには,入力としてIHzの正弦波状信号
(5)中野,皆川JSME茄74期通常総会講演論文集
を加えたときのPWM波のキャリア周波数を
No97−1(Ⅳ賞Ⅰ明7),封0
100Hz,200Hz及び5001lzと変化したときのア
ー6−