平成24年度 1号(4月6日発行) - 北海道教育大学附属札幌中学校

附属札幌中学校「学校だより」
北海道教育大学
附属札幌中学校
藤 房
教育の基軸は何か
平成24年4月6日発行
№1
校
長
佐藤 昌彦
なぜ、今、教育の基軸にかかわる問いを提示したのでしょうか。そ
れは新年度のスタートにあたって今後の教育にかかわる基本的な方
向を明確にしたいと考えたからです。
では、何が基軸になるのでしょうか。あらためて、そう問われれば、
迷うことなく「価値観の形成」と答えます。この言葉を取り上げた理
由は、昨年(2011 年)の 3 月、福島原子力発電所が爆発し、自然や
ものにかかわる人間の責任が厳しく問われる事態になったからです。
放射線の高いところでは、教室で学ぶことも校庭で運動することも、
そこに住むこともできなくなりました。
原発事故から 9 か月になる 12
月の時点で約 15 万 7000 人が帰宅できずにいたのです。北海道に避難
したある幼児が「ここは、大きく息をしていいの」と尋ねたといいます(朝日新聞 2011.8.30)
。大気中
の放射性物質を吸い込まないようにマスク着用の生活がずっと福島で続いていたからです。
私の実家は福島にあります。3 月 11 日の大震災で母が避難所に移ったとの連絡を受け、急きょ、12
日には新千歳空港から福島に戻りました。到着して間もなく、福島原発が爆発。以後、大地震による飲
料水や食料の欠乏に加えて、放射性物質の放出による屋内退避、避難準備、ガソリンの供給不足による
避難断念など、様々な緊迫した状況のなかで過ごすことになりました。生活必需品の買い出しでは、外
部被ばくをさけるために、マスク、雨合羽、手袋などで全身を覆い、目だけを出した姿で店の前に並ば
なければなりません。異様な光景でした。
ものは人間に恩恵をもたらすとともに、一転すれば、大惨事を引き起こします。福島の事故はチェル
ノブイリと同じレベル7と発表されました。何を大切にこれからの教育を組み立てていけばいいのでし
ょうか。このことは日本における切実な課題です。様々な視点から切り込むことができますが、中心軸
には、冒頭で述べたように「価値観の形成」を位置づけることが重要と考えます。何をよしとするのか、
どのような方向へ進めばいいのか、それらを判断する拠りどころが「価値観」だからです。誤れば、福
島原発事故のように大変な惨禍となります。
それでは価値観形成の条件として最低限どのような視点が必要となるでしょうか。さらにそのように
問われれば、
「自然」と答えます。なぜなら、人間は自然の一部であり、自然に支えられてこそ、生き
ることができるからです。原発事故では、空気、土、水など、自然のすべてのものが放射性物質によっ
て汚染され、場所によっては、長期間、立ち入ることができない状態になってしまいました。自然に逆
らっていないか、自然に無理をかけていないか、自然の理にかなっているか。これらは今回の事故から
再起するために欠かすことができない視点であるとともに、教育における具体的な内容や効果的な指導
法を考える上での大事なポイントです。
東日本大震災での交通機関の麻痺や原発事故による屋内退避によって、私が札幌へ戻ることができず、
福島にいることを知った北海道の多くの方々から、たくさんの飲料水や米、魚、野菜、果物、保存食料
などを送っていただきました。一つ一つが届くたびに、北海道の方々のあたたかな心を強く感じ、感謝
の思いでいっぱいになりました。一番たいへんな時に助けていただいた御恩にお応えできるよう、「価
値観の形成」という基軸をふまえながら、北海道の子どもたちの教育に全力で取り組んでいきます。
新年度にあたって
副校長
中村
邦彦
今年度より、副校長として着任いたしました中村邦彦と申しま
す。キタラのすぐそば、電車通り沿いにある中島中学校から参り
ました。伝統ある附属札幌中学校の一員として勤務することがで
き、本当に嬉しく思っています。子どもたちのために精一杯取り
組んでいきたいと思っています。どうぞ、よろしくお願いいたし
ます。
さて、平成 24 年度がスタートしました。札幌は例年になく雪
解けが遅く、附属中学校のキャンパスの周囲もまだ雪景色。それ
でも、時折、温かな日差しや清々しい風が確かな春の到来を教えてくれ、何か新しいことが始まるとい
う予感とともに心弾むような思いを抱かせてくれます。
本校でも、新学期の準備を職員全員で、新たな気持ちで行なってきました。今年度は特に新学習指導
要領の全面実施の年にあたり、
「不易と流行」を一つの合い言葉としています。
「不易と流行」とは、い
つまでも変化しない本質的なもの(不易)を忘れない中にも、新しく変化を重ねているもの(流行)を
も取り入れていくということです。一つ一つの教育活動を、この「不易と流行」の視点で捉え直し、附
属中としての伝統を引き継いでいくものとするか、時代の流れとして見直し、形を変えて充実させてい
くものとするか、検討しているところです。それはもちろん、生徒にとって、より良い学び、より充実・
発展した活動とすることをねらいとしてのことです。今年度の附属中の教育活動に対しまして、ご理解
とご協力をお願いいたします。
話は変わりますが、私の家はごく普通の家庭でしたが、両親がことあるごとに言っていた言葉があり
ました。それが、
「一生幸せでいたければ正直でありなさい。
」という言葉でした。西洋の格言らしいの
ですが、幼い頃、たわいもない嘘をつくたびにこの言葉をもち出されたものですからたまりません。自
分は一生幸せになれないのではないかと本気で心配したものです。何か失敗したときでも、嘘をついて
ごまかしちゃえという安易な心と嘘をついたら幸せな人間になれなくなるのではと心配する心が入り
混じり、気がつくと結局素直に白状していました。両親のねらいは見事に当たったわけです。兎にも角
にも、この言葉は、我が家にとって「家訓」のような存在であり、自然と私の中に刷り込まれていった
言葉です。親の姿勢やものの考え方、価値観というものは、子どもの成長に知らず知らずに大きな影響
を与えるのです。
学校における「家訓」が「校訓」です。学校としての教育に関する目標や方針を表したものです。本
校の校訓は、
「清新・進取・斉正・親和」
。
「いつも生き生きと、心とからだをはたらかせましょう。」
「な
にごとにも積極的に、自ら進んで取り組みましょう。」
「品位と正義を重んじ、けじめのある中学校生活
を送りましょう。
」
「人々との交わりに喜びをもち、ともに向上することをめざしましょう。
」と設定し、
機会あるごとに、生徒に提示しています。そして、本校にとっては、この校訓こそが「不易」の部分で
す。家訓のように、じわじわと、自然に、生徒の成長に影響を与えていくものとなるよう、教職員一同、
附属中の伝統として「校訓」を大切にしながら、教育活動に邁進していきます。
新任の教職員の紹介
今年度も新しく着任した 11 名の教職員を迎え、新たな気持ちで教育活動を推進していきます。今後
ともよろしくお願いいたします。
・校長
佐藤 昌彦 校長先生(北教大教授兼任)
・副校長
中村 邦彦 副校長先生(中島中より)
・英語科教諭
山口 修司 先生(東月寒中より)
・特別支援担当教諭
前田 恵美 先生(稲積中より)
・養護教諭代替教諭
今田 琴歌 先生(北教大札幌校より)
・社会科講師
鈴木 恒太郎 先生(北教大札幌校より)
・理科講師
佐々木 舞 先生(北教大札幌校より)
・理科講師
村上 奈央 先生(北教大旭川校より)
・技術・家庭科講師
澤野 健児 先生(真栄中より)
・特別支援担当講師
小林 由佳子(太平小学校より)
・用務員
吉原 雅美さん
本校では、昨年度から学習指導要領の完全実施を先取りし、「生きる力」を育成する教育課程を編成
して教育実践に取り組んできました。その結果、いくつかの課題が見えてきました。
今年度は、その課題の解決に向けて、例年行ってきた行事等を見直したり、新たな取り組みに挑戦し
たりすることを考えております。そのためにも「共創の学校」の理念に基づき、生徒、教師、保護者、
地域・社会が有機的に関連し合い、新しい学校づくりに向けて協力し合う必要があります。特に生徒の
皆さんには、
自分たちの学校生活をどのようにデザインし直していくかを考えてほしい 1 年となります。
新しいことに挑戦し、新しい附属札幌中学校を創り上げる、そんな 1 年を目ざしてほしいと思います。
今年度の附属札幌中学校の教職員
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石斉中佐
川藤村藤
基康邦昌
樹夫彦彦
□新しい出会いを大切にし、学級のつながりを大切にしましょう。
□新しい学年での明確な「自分自身の理想の姿」を描くことができるようにしましょう。
日(曜日)
行事等の予定
4/ 1(日)
~5(木)
6(金)
春
季
休
最終下校時刻
業
始業式・新任式
(簡易給食)
2年
3年
14:10
16:30
第 67 回入学式
(簡易給食)
2年
3年
16:00
16:50
7(土)
8(日)
9(月)
10(火)
学級写真撮影、卒業アルバム個人写真撮影(3年)
口腔検査(全学年)
11(水)
16:50
授業参観 13:50~
12(木)
16:50
学級懇談会
PTA各委員会・ふじづる委員会
14:55~
15:50~
15:00
研究日2
13(金)
尿検査1次
学力テスト
16:50
前期委員・専門局員選出、委員会・専門局会
午前3時間授業(給食なし)
14(土)
PTA総会・ふじづる総会
13:00~
PTA各学年集会・各学年懇談会
14:10~
PTA各委員会・ふじづる委員会
16:05~
韓国訪問団説明会
16:25~
(PTA役員会
16:25~)
12:20
15(日)
16(月)
振 替 休 業 日
17(火)
全国学力・学習状況調査(3年のみ)職員会議5
16:20
18(水)
内科検診①(3年・D組)研究日3
16:30
19(木)
内科検診②(2年)
社会科・理科教材販売(朝)
16:50
内科検診③(1年)
委員・局員承認式
20(金)
部活動不可
部活動不可
16:50
委員会・専門局会
21(土)
3年登校活動日(午前)
22(日)
部活動不可
部活動不可
23(月)
16:50
24(火)
委員会・専門局会
25(水)
養護基礎実習
教育相談①(午後)
26(木)
体位測定(全学年)
教育相談②(午後)
15:35
27(金)
尿検査(2次)
教育相談③(午後)
15:35
28(土)
部活動結成集会(1年:希望者のみ、2・3年:加入者のみ)
29(日)
昭和の日
30(月)
振替休業日
16:50
研究日4
15:35
INFORMATION
年度の初めとして、保護者の皆様にお願いし、徹底していただきたいことがあります。趣旨をご理解
の上、ご協力をよろしくお願いいたします。
本校行事、PTA活動への参画について~共にあゆむ姿勢を大切に
本校では、
「共創の学校」の理念を大切にし、互いに学び合い、高まり合うことができる場としての
学校を目ざしています。子どもの学びの姿を中心として、特に、保護者と教師が共に同一方向に向かっ
て子どもたちの成長を見守っていきたいものです。お忙しいとは存じますが、学校で行われるさまざま
な活動に積極的に出席していただければ幸いです。また、互いに連絡を取り合うことも大切です。保護
者と学校が共にあゆむ姿勢を大切にする本校行事、PTA活動への参画を今年度もお願いいたします。
昨年度の委員会活動から
昨年度のリサイクル委員会で回収した牛乳パックを業者さんにお渡し
したところ、4 月 3 日に、写真にあるティッシュペーパーを頂きました。
日常活動の取り組みが形となって表れました。これらのティッシュペー
パーの使い方につきましては、今年度のリサイクル委員会で検討するこ
とになります。今年度も、昨年度以上に各委員会活動が活性化されるこ
とを期待しています。
入校許可証について
学校での安全管理の徹底のため、入校手続きをお願いしております。保護者の皆様につきましては、
入校証の提示によって、その手続きを省かせていただいております。ご来校の際には入校証を忘れずに
ご持参ください。
欠席・遅刻等の連絡は直接お電話で
本校は広域通学ですので、お子様が欠席または遅刻をする場合、必ず保護者の方から学校へ電話連絡
をするようお願いいたします。その際、朝の打ち合わせが8:25~8:35に行われますので、8:
15までに連絡をしていただくようお願いいたします。保護者の方と学級担任が、直接お話できること
が理想と考えております。FAXでの連絡はご遠慮ください。
また、お子様が体調を崩したときなど、学校から早退する場合につきましても、保護者の方と連絡を
取らせていただきます。
「家庭環境調べ」には確実な連絡先をご記入ください。
プリント等の配付物について
年間を通じて、学校から発行されるプリント等の配付物が多くあります。中学生になると、保護者宛
てのプリント等が保護者の方に渡らない場合があり、学年が上がるにつれてその傾向が強くなるようで
す。プリント等の配付物は学校の様子の紹介や重要な内容のものとさまざまですが、お子様には、学校
からの配付物は漏れなく保護者に見せるよう指導しております。ご家庭におかれましても、学校と同様
にお子様に声をかけていただきたいと思います。プリント等のお知らせではありますが、学校とご家庭
の日常からのかかわりが大切であると考えています。よろしくお願いいたします。
個人情報保護に関してご協力を
本校は子ども同士、各ご家庭間で連絡をとる場合、広域通学であるため「家庭名簿」は必要ものとな
ります。また、平成 20 年度からは「一斉連絡応答システム(ケータイ連絡網)
」を導入しております。
緊急時の連絡手段として、これらの利点を活かし、最も良い方法を選択していきたいと考えております。
個人情報の保護が求められる社会情勢の中で、情報として最小限の内容にとどめ、名簿等の取り扱いに
は十分配慮いたします。各ご家庭におかれましても、趣旨をご理解の上、学校の教育活動の目的以外で
の使用がないよう、個人情報保護厳守で取り扱い願います。
正式名称を使用します
本校は国立大学法人の附属学校となって9年目を迎えました。今まで、国立大学時代の慣習として用
いてきました「教官」という言葉につきましては、法人化後は正式な名称ではないことから、今年度よ
り正式名称に改めさせていただきます。したがいまして、
「教官室」は「職員室」に、
「○○教官」とい
う通称も「○○先生」
「○○教諭」と改めさせていただきます。校内の表示等、まだ変更されていない
部分もありますが、ご理解よろしくお願いいたします。
本校駐車場の利用について
保護者の方が本校に来校される場合、多くの方が自家用車を使用されます。全校行事や研究大会、小
学校の行事と重複する場合、特に駐車場が混雑します。その際の駐車場使用に
ついて、いくつかお願いしたいことがあります。
※ 警備員や係員がいる場合は、必ずその指示に従ってください。
■ まず、駐車場(下図①)を使用してください。
■ 駐車場(下図①)には限りがありますので、その際は下図②の場所を利用してください。
■ ②の駐車場がいっぱいの場合は、矢印に沿って進んでいただき、左側に寄せて縦列駐車して
ください。
■ 縦列駐車がいっぱいになった場合は、大学テニスコート横の駐車場(下図③)を使用してく
ださい。
■ 縦列駐車と③の駐車場を使用された場合、お帰りの際は、矢印の進行方向に進みますと、図
の右下の太矢印の位置に出ますので、一方通行でお進みください。
■ 図の「×」の部分には、進入しないようお願いします。
■ バスベイは、中学校において使用することはありません。使用しないようご協力ください。
※警備員、担当者の指示に従ってください。
※校舎前の駐車場に止められない場合は、矢
印の通路に駐車されても結構です。その場
合、左に寄せ、他の車が通れるようにして
ください。
※バスベイは駐車禁止となっております。
③
②
①
②
Sマート
の場所が駐車可能場所です。