ビジネス・ユーザーによるビジネス・ルール管理 【C-3】 - IBM

【C-3】
ビジネス・ユーザーによるビジネス・ルール管理
ビジネス・ユーザーがリードするビジネス・アジリティーの実現
日本アイ・ビー・エム株式会社
ソフトウェア事業
WebSphere事業部 ILOG事業開発
Client Technical Specialist
松田 充弘
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本セッションのテーマ
 ビジネス・ルール管理の理解、およびビジネス・プロセス管理との対比
 ビジネス・ルール管理は、ビジネス・ユーザーのアクティブな参加によって
ビジネス・アジリティーを促進
 WebSphere ILOG BRMS の提供するルール管理機能
 ルールの開発と運用
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アジェンダ
1. ビジネス・プロセス管理(BPM)とビジネス・ルール管理(BRM)
2. ビジネス・ユーザーとビジネス・ルール
3. ビジネス・ルール管理システム IBM WebSphere ILOG BRMS
4. BRMSの開発と運用
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1. ビジネス・プロセス管理(BPM)とビジネス
・ルール管理(BRM)
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企業のアジリティ-を実現するBPM&BRM
プロセス管理
 企業のコア活動の「方法」を記述
 自動化可能な要素と
人的要素を結合
 組織のオペレーション効率に
密接な関係
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ルール管理
 企業活動の「内容」を決定
 意思決定の自動化にフォーカス
 組織のオペレーショナル・インテリジ
ェンスと密接な関係
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BPM&BRM
 ビジネス・プロセス管理
– ビジネス・オペレーションの効率化
– プロセスを可視化し、分析し、改善していくサイクルを実現
 ビジネス・ルール管理
– ビジネス・ルールは、ビジネス戦略の実装
– 変化への対応、新戦略の素早い施策を可能に
– 戦略的意思決定の自動化
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BPM と BRM の連携
WebSphere ILOG BRMS
WPS(BPM)
注文検証
注文パラメーター
不正検出
意思決定
サービス
レポート・パラメーター
(例外など)
例外 ?
いいえ
ユーザー・ツール
例外処理
はい
ルールをデプロイ
いいえ
はい
注文を受諾 ?
注文検証ルール
不正検出ルール
手動レビュー
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注文分解
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ルール・
リポジトリー
2.ビジネス・ユーザーとビジネス・ルール
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ソフトウェア保守のボトルネック
BRMS は、このボトルネックを回避するショートカットを提案
ビジネス・ポリシーの更新
IT 開発/QA
ビジネス
サポート
アナリスト
ビジネス・ポリシーの更新
要件
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開発
稼働
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ポリシーからルールへ
 ビジネス・ルールは、ビジネス・ポリシーを正規化した実行可
能な定義
 ビジネス・ポリシーは、ビジネス・ユーザーが決めるもの
 BRMSはビジネス・ルールをビジネス側の概念モデル、ビジ
ネス語彙で表現し、ビジネス・ユーザーが理解できる形式で
実装する
 BRMSは、企業の戦略的なビジネス・ポリシーを、ビジネス・
ユーザーとIT技術者に共通の言語に統一し、ビジネスとITの
コラボレーションを可能にする
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ITによる意思決定の変更管理
 従来のアプローチ
– 業務ユーザーが、ビジネス・ポリシーを含む要件を定義
– ITが、アプリケーションの中にルールをハード・コーティングし、通常
の開発サイクルを経てデリバリー
 ITによるビジネス・ルールの管理
– BRMSを用いてITが業務ポリシーをビジネス・ルールへ変換
 ITによるルール保守
– 業務ユーザーには、読み取り専用のアクセスを提供
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ビジネスによる意思決定の変更管理へ
 ビジネス・ユーザーによるアクティブなビジネス・ルール管理
– ビジネス・ユーザーは、ビジネス・ルールにアクセスし、変更すること
が可能に
– ITは、引き続き技術的な運用のタスクを行うが、ルール保守のタスク
からは解放される
 ITとビジネスのコラボレーションによるメリット
–
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–
–
–
ビジネス・ポリシーの透明性
ビジネス・ユーザーがビジネス・ルールのオーナーとなる
ビジネスがより柔軟に
ITリソースの配置が効率化される
ITのボトルネックを解消
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ビジネス・ユーザーによるビジネス・ルール管理
 ビジネス・アジリティーの促進
– 市場変化の速さ、競争優位性の確保の為に、従来よりもさらに
短いソフトウェア・リリース・サイクル
– パラメーターの変更だけでなく、ルールの追加や編集を可能に
 ビジネス・ユーザーがルール管理を行うために
– ビジネス・ルールの確認や変更を、安全でわかりやすい環境で
行うルール編成環境
– 変更の為の影響分析
– 目的に応じたルール検索とカスタム・ビュー
– ルールの変更のテスト/シミュレーション
– 管理されたルールへのアクセスと変更トレーサビリティー
– ルールによる意思決定のモニタリング
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3.ビジネス・ルール管理システム
IBM® WebSphere® ILOG® BRMS
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WebSphere ILOG BRMS ソリューションマップ
開発
Rule Studio
(Eclipse)
ルール管理
•Rule Team Server
•Decision Validation
Services
同期化
プロセス・オーナー
IT 開発者
ルール・リポジトリー
運用
Rule Solutions
for Office
ビジネス・リーダー
ビジネス・ユーザー
IT サポート
ルールの配布
コード生成
Rule Execution
Server
J2EE/J2SE
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Rule Execution
Server
(SOA)
Rules for
COBOL
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Rule Execution
Server .NET
ビジネス・ユーザーの為のルールの管理
–
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–
–
階層化したルール定義
Webベースの容易な操作性
ガイド付きのルール編集
ルール・チェック機能
Word/Excelによるルール編集
ルール毎の更新履歴
バージョン間差分表示
ルール・セット全体のバージョン管理(ベースライン管理)
クエリー/セマンティック・クエリー(意味的条件ルール検索)
スマートビュー (カスタム ルール階層ビュー)
ルール・レポート
役割によるアクセス管理
テスト/シミュレーション機能
実行ルールのトレーサビリティー
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ビジネス・ルール
業務表現の自然言語構文
定義
{ 入院保険30、入院保険60、入院保険120 } を ‘入院保険リスト’ とす
る。
仮定条件
以下に続くすべての条件は正しい :
- ‘申込情報’ の 保険タイプ は ‘入院保険リスト’ の 1 つである
- ‘申込情報’ の 入院日額 は 0 より大きく 2000 未満である 、
その場合
エラーコード “N021”
内容 “入院日額未達”
対処 “日額を増額" 。
意思決定テーブル
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ビジネスとITに共通で
可視化されるポリシー
意思決定ツリー
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ガイド付きのルール編集
 ルール編集エディター
– 構文フレームによるガイド
– 候補リストからの選択
– 文法チェック
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クエリー
 クエリーのユース・ケース
– 多数のユーザーによって 数 カ月間にわたって作成された 10,000を超
えるルールがある。ユーザーは、自分が作成したルールのみを表示
したいと思っている。
– 特定のデータ値を変更する新しいルールをプロジェクトに追加する。
ユーザーは、この新しいルールの影響を評価するために、このパラメ
ーターを使用するルールを確認したいと思っている。
– ユーザーは、ある特定の結果になるルールのリスト、または、そのよう
な状態が確認された場合にアクティブになる可能性のあるルールのリ
ストを確認したいと思っている。
(セマンティック・クエリー/意味的条件検索)
– クエリー定義の例
検索: ビジネス・ルール
条件式 各ビジネス・ルール は[ ‘結果’の料金は 10000 より大
きい ] の状態に導く可能性あり
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ルールのバージョン管理
ルールの変更履歴
バージョン間の差分表示
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ルール・レポート
•
•
•
•
ルール一覧レポートのExcel文書を生成
クエリーによる選択
作成日、作成者、最終変更日、最終変更者、バージョン、状態等
管理環境のルール表示へ直接リンク
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Word/Excelを使ったルール編集
•
•
•
•
ルール管理環境からルールをMS Office用のルールファイルに抽出
MS Office - Word/Excelを使ったルール編集(ルール編集Plug-In)
更新をルール管理環境へマージ
通常のWord/Excel文書として仕様定義書に再利用可能
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意思決定のモニタリング
(デシジョン・ウェア・ハウス)
• 意思決定の完全なトレーサビリティーを実現
• 意思決定のルール実行を記録
意思決定ID、実行されたタスクとルール、入出力データ
• 実行されたルールから、ルール・リポジトリー内のルール定義へのリンク
• 大量の意思決定の記録から検索
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4. BRMSの開発と運用
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従来のシステム開発
ビジネス・ポリシー
要求仕様
 ビジネス・ユーザーからは、ビジネス・
ポリシーの実装はブラック・ボックス
 ビジネスとITの間には壁
ビジネス
IT
要件定義
設計書
 開発者の作業はビジネス・ポリ
シーからプログラムへの翻訳
 ルール・ロジックとデータ・アク
セスや制御ロジックの混在が
保守性を悪くする
プログラム実装
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物理データ
従来のシステム開発の課題
 開発者に業務専門知識が必要
– 従来の開発手法は、業務要件を理解してプログラムの設計書に落としてい
く作業であり、仕様理解のギャップが生まれやすい。
– ビジネス・ユーザーにシステム設計書を見せても理解が難しい。
– 各工程毎に成果物の作成とレビューを行い時間がかかる。
 ビジネス・ルールは頻繁に変更が発生する。
– 開発初期にすべての要件を固定することは不可能
– 開発側からは、仕様凍結が求められ、それ以降の変更は追加工数とされる
– ドキュメントと実装の乖離が発生し、改修コストが増大
– 変更を前提としないプログラミング技術
– 変更対応の為の仕組みの実装には、複雑さと開発コスト、柔軟性は不足
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BRMSのビジネス・ルール実装
ビジネス・ポリシー
 ルールは仕様
書に
ビジネス
IT
仕様書
ルール
ルール
ビジネス・オブジェクト・モデル
実行オブジェクト・モデル
 開発者は、システムのデータ・モデルと
ビジネスの概念モデルの関係を整理し、
ルール定義のインフラを構築
 ルールの実行アーキテクチャーを整備
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 ビジネス語彙で可視
化されるルール
 ビジネス語彙による
ビジネス概念モデル
物理データ
BRMSの開発
 ビジネス・ユーザーが開発に積極的に参加可能
– ビジネスの語彙で定義されるビジネス・オブジェクト・モデル
– ルールはビジネス・ユーザーが理解可能であり直接レビューできる
 ビジネス・ルールの実装にはアジャイル開発方式が有効
– 開発初期にすべての要件を固定せず、実装の繰り返しのなかで吸収
– BRMSでは、開発途中でもルールの変更に柔軟に対応可能
– ドキュメントよりもルールの実装を優先していく
– ルールの定義が仕様書となる。
 BRMS開発のROI
– 開発/保守コストの削減
– 意思決定の自動化によるビジネス・スループットの短縮
– ビジネス・アジリティーがもたらすビジネス・インパクト
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BRMSの運用
 BRMS導入による変更容易性や業務主導のルール管理は、
混乱の原因ともなりうる
 ルール変更の統制(ルール ガバナンス)が重要
– BRMSアプローチという約束を守るための支援
– 業務とITユーザの関わりをうまくバランスさせる
– ルール変更の完全なトレーサビリティー
– ルールの変更に対して、仕組みと組織を準備しておく
• ルール管理チームを提案
• BRMSや他のツールの利用と拡張のマッピング
– ルール開発と並行してルールガバナンスをデザインし、運用後も調整し
ていくことが必要
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ルールの変更管理プロセスの例
Rule Change Process
Rule Change Process
Change
Management
Board
Business
Analyst
Business User
Developer / DBA
QA Tester
Change
Management
Board
Software
Configuration
Managment
Business
Analyst
Business User
Developer /
DBA
QA Tester
Change
Request
Policy
Change
Identify scope of change and level of effort estimates for changes to:
Rules
Business Object Model
API’s
Database
Impacts to other parts of system
Change
Request
Approve
Change
Request?
Change
Request
Create / Update System
Rules Document
Yes
API or BOM
DB
Modification?
Document
and
Close
Generate ruleset
files, deploy to
development and
test application
servers
Add / Modify /
Delete unit tests,
ruleset tests,
integration tests in
test env.
(to previous page)
No
Software
Configuration
Managment
Execute updated
regression tests
using test
harnesses,
automated testing
tools and manual
test scripts in test
env.
Modify JRules
BOM
and / or
API
and / or DB
Yes
No
Add / Delete /
Modify Rule(s) in
Rule Studio in
development
environment
Regression
Tests Pass?
No
Unit Test API
Modify tests, rules, API’s as necessary in development environment and
update requirements document and change request
Add / Delete /
Modify Unit Test(s)
or Rule-Set Test in
development
environment
No
(from next page)
Yes
Document results
Change
Request
Execute Modified
Tests Using Test
Harness in
development env.
Coordinate timing for deployment of change
Test(s) Pass?
Deploy new ruleset to
production, close
change request, notify
all parties
Yes
Document
changes / Notify
Software
Config.
Managment
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Change
Request
Process Complete
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まとめ
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まとめ
 ビジネス・ルールは、企業の戦略的ビジネス・ポリシーの実装
 ビジネス・ルール管理は、企業の戦略面でのアジリティ-を実現
 ビジネス・ユーザーがビジネス・ルール管理に参加をすることで、ビジネ
ス・アジリティ-を促進
 WebSphere ILOG BRMS は、ビジネス・ユーザーが安全にビジネス・ルー
ルを管理することを可能にする
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ワークショップ、セッション、および資料は、IBMまたはセッション発表者によって準備され、それぞれ独自の見解を反映したものです。それらは情報提供の目的
のみで提供されており、いかなる参加者に対しても法律的またはその他の指導や助言を意図したものではなく、またそのような結果を生むものでもありません。
本プレゼンeーションに含まれている情報については、完全性と正確性を帰するよう努力しましたが、「現状のまま」提供され、明示または暗示にかかわらずい
かなる保証も伴わないものとします。本プレゼンテーションまたはその他の資料の使用によって、あるいはその他の関連によって、いかなる損害が生じた場合も、
IBMは責任を負わないものとします。 本プレゼンテーションに含まれている内容は、IBMまたはそのサプライヤーやライセンス交付者からいかなる保証または表
明を引きだすことを意図したものでも、IBMソフトウェアの使用を規定する適用ライセンス契約の条項を変更することを意図したものでもなく、またそのような結果
を生むものでもありません。
本プレゼンテーションでIBM製品、プログラム、またはサービスに言及していても、IBMが営業活動を行っているすべての国でそれらが使用可能であることを暗
示するものではありません。本プレゼンテーションで言及している製品リリース日付や製品機能は、市場機会またはその他の要因に基づいてIBM独自の決定
権をもっていつでも変更できるものとし、いかなる方法においても将来の製品または機能が使用可能になると確約することを意図したものではありません。本資
料に含まれている内容は、参加者が開始する活動によって特定の販売、売上高の向上、またはその他の結果が生じると述べる、または暗示することを意図し
たものでも、またそのような結果を生むものでもありません。
パフォーマンスは、管理された環境において標準的なIBMベンチマークを使用した測定と予測に基づいています。ユーザーが経験する実際のスループットやパ
フォーマンスは、ユーザーのジョブ・ストリームにおけるマルチプログラミングの量、入出力構成、ストレージ構成、および処理されるワークロードなどの考慮事
項を含む、数多くの要因に応じて変化します。したがって、個々のユーザーがここで述べられているものと同様の結果を得られると確約するものではありません。
記述されているすべてのお客様事例は、それらのお客様がどのようにIBM製品を使用したか、またそれらのお客様が達成した結果の実例として示されたもので
す。実際の環境コストおよびパフォーマンス特性は、お客様ごとに異なる場合があります。
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