株式会社三英社製作所 単独運転検出装置(負荷変動方式) 背 景 逆潮流ありの分散型電源の系統連系システムでは配電線系統に不具合が生じ送電が停止 された場合に速やかに連系接続運転を停止し、単独運転による逆充電を防止しなければなら ない。 「系統連系規程」により、単独運転検出機能(能動方式と受動方式)を有する装置を設置 することで転送遮断装置や無電圧確認装置を省略することが可能である。 本機は単独運転検出方法として能動方式の一つである「負荷変動方式」を採用している。 QA600シリーズ 能 動 方 式(負 荷 変 動 方 式) 負荷変動方式とは系統に並列に負荷抵抗を間欠挿入することにより、挿入点両端の電流変化分の比を監視する。 電流変化分の比を電流分担比と言い、単独運転時には電流分担比が小さくなることにより系統の異常を検出する。 単独運転検出装置 (負荷変動方式) 系統側 インピーダンス 系 連系点 I1 I2 Z1 統 ΔI1 電流分担比 = ──────── ×100[%] ΔI1+ΔI2 発電機側 インピーダンス Z2 発電機 (ΔI1、ΔI2:負荷抵抗挿入時の電流変化分) 機 能 不足電圧検出機能 (UVR) 過電圧検出機能 (OVR) 不足周波数検出機能(UFR) 過周波数検出機能 (OFR) 能動方式(負荷変動方式) 受動方式(周波数変化率方式) 専用CT1(R相) 専用CT2(R相) 発電機端点 例:6,600V 連系時は系統側が電流を負担 95L 95H 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 0 発電機 単独時は発電機が電流を負担 単独運転発生 5 時間[s] 10 黄:I1(系統側) 緑:負荷挿入信号 橙:I2(発電機側) G 52R 昇圧Tr Tr 1φ R−S相 VT×2 (兼用可) 210V 複数台可能 52G 合計2400kWまで G 連系信号 能動 受動 OV UV OF UF 異常 (遮断器信号) 受 動 方 式(周 波 数 変 化 率 方 式) 単独運転が発生すると発電機の出力周波数が変動する場合がある。 このときに「周波数変化率方式」により単独運転を検出する。 又は 420V 制御電源 AC/DC 100∼220V 単独運転検出装置 負荷抵抗 装置本体の他に必要な機材 負荷抵抗器1台、CT2個、VT2個、単相Tr1台 信号線 各継電器信号出力 :個別に出力する。(無電圧a接点) 装置異常信号出力 :本装置に異常が発生したときに出力する。(無電圧a接点) 連系信号入力 :連系状態成立時の信号を入力する。 外 観 QA602 高さ :193[mm](操作パネル部) 幅 :331[mm](操作パネル部) 奥行き:228[mm] 重量 :7[kg] QA603 高さ :545[mm](架台含む) 幅 :345[mm] 奥行き:265[mm] 重量 :22[kg] 装置本体とは別途に、発電機容量に応じた容量・大きさの負荷抵抗が必要となる。 周波数変化率は次式で表す。 Fmax−Fmin 周波数変化率 = ────────×100[%] 基本周波数 Fmax :単位時間内(6サイクル)での最大周波数 Fmin :単位時間内(6サイクル)での最小周波数 基本周波数:商用電源周波数(50/60[Hz]) [Hz] [Hz] 周波数変化率[%] 電力系統側 演算部 59 装 置 構 成 電流分担比(連系時)> 電流分担比(単独時) R 27 適 用 設 備 適用発電機 :同期発電機、誘導発電機、逆変換装置など。 適用発電機容量:合計2400kWまで対応。(QA602は200kWまで対応。) 発電機出力電圧:3相 6600[V]、400[V]など 適用周波数 :50[Hz]または60[Hz] 連系点 系統負荷 単独運転局限化のための機能 電流分担比[%] 単独運転検出機能 ZL 挿入用負荷抵抗 1 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0 単独運転発生 0 5000 時間[ms]10000 15000 適 用 確 認 済(納入実績100台超) ・ 風力発電(誘導、同期):0.6∼2000kW ・ 風力発電(40kW)+太陽光(500kW) ・ 小水力(誘導、同期):34∼860kW ・ バイオマス発電(誘導、同期):28∼2100kW ・ スターリングエンジン:50kW ・ 蒸気タービン:1,180kW ・ ガスエンジン+太陽光+風力+バッテリー+燃料電池:計550kW ・ MGT×2(75kW、45kW)+太陽光(4kW)(インバータ、ハイブリッド):124kW 特 徴 ・ 励磁回路を持たない誘導発電機や出力変動の激しい風力発電設備、および逆変換装置(インバータ)に適用可能である。 ・ 既設の発電設備や受電設備を変更せずに後付けが可能である。 ・ 複数台の発電機に適用可能である。
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