(JP) CSO Statement - TICAD V NGO コンタクトグループ

Civic Commission for Africa
第5回アフリカ開発会議
TICAD V にかかる市民社会の共同声明
2013 年 6 月 3 日
2013 年 6 月 12 日(原文に基づき一部加筆)
TICAD が 1993 年に開始して以来、アフリカおよび日本の市民社会は、TICAD の成果がアフリカの人々およびよ
り良いアフリカの開発のために活かされるよう、TICAD プロセスに働きかけてきました。私たちはこれまでの連
携により得られた成果について評価しています。しかし、TICAD V においてこれまでの TICAD と比較して市民社
会参加枠が狭められ、その役割が制限されたことを懸念しています。TICAD IV では市民社会のモニタリングの役
割が明確に位置づけられたフォローアップ・メカニズムが提示されました。TICAD V では横浜宣言 2013 において
市民社会がパートナーとして言及されているにもかかわらず、TICAD V フォローアップ・メカニズムには市民社
会への言及は見られません。これは、TICAD のすべての共催者が署名した開発効果原則、また日本政府が合意し
た CSO 開発効果のためのイスタンブール原則にも反するものです。
私たちは、TICAD においてアフリカの人々の声が直接 TICAD の横浜宣言および横浜行動計画に反映されるように
活動してきました。そして、TICAD V 横浜宣言および横浜行動計画 2013 において、エチオピアやセネガルを含む
アフリカ国内 10 の拠点における人材育成、また政府主導かつ民間セクターが牽引する経済モデル、および日本の
外交政策における国際保健の優先化など、アフリカの人々および市民社会の声は適切に反映されたと考えています。
TICAD V は閉幕し、私たちは TICAD V の成功を心に抱き、横浜を後にします。市民社会は、アフリカの開発に対
し今後5年間で 3.2 兆円の支援を表明した日本政府のコミットメントを支持します。アフリカの人々にとってこれ
は大きな希望であり、アフリカは開発に向けた大きな機会を得られました。
1993 年より今般の TICAD に関わってきた市民社会として、今後 5 年間の ODA に関し日本の安倍首相が強調した
ように、支援がインフラ整備、人材開発、保健への普遍的アクセス、農業、平和と安定に向けて活用されることを
望みます。これは NGO としてもこれまで主張してきた開発の中心的なテーマですが、日本政府の ODA が削減の
傾向にあることを懸念しています。
特に今般の TICAD において、日本政府のリーダーシップにより焦点化されたアフリカにおける人間の安全保障は、
成長のための包摂的な社会につながります。私たちはアフリカ諸国の政府に対し、この TICAD の機会をアフリカ
の人々に影響する主要課題に取り組む重要な機会として捉えるよう訴えます。私たちはアフリカの政府が効果的な
サービス提供において直面する困難についてよく理解しており、開発プロセスの計画、サービス提供、モニタリン
グなどの各段階において市民社会およびコミュニティを含むことを希望します。私たちは、日本の ODA が土地収
奪や小規模農家・地域コミュニティの立ち退きにつながるモザンビークのプロサバンナ事業で見られるような大規
模な農業プロジェクトにより、人々およびコミュニティが無力化・弱体化されることのないよう、警告を発します。
私たちはアフリカ諸国の政府および日本政府に対して、援助がこのようなことに使われることのないよう、また脆
弱なコミュニティの権利を尊重するよう、訴えます。
私たちは、ポスト 2015 年開発目標に関する国連ハイレベルパネルの枠組み設定に向けた努力を評価します。あら
ゆる形態の貧困の根絶という究極の目標を達成するために、ポスト 2015 年開発枠組みは真に革新的でなければな
りません。今後、提案や原則を明確な目標に置き換える作業が進むにつれ、そのビジョンはお決まりの内容ではな
く、野心的なものでなければなりません。アフリカおよび日本の首脳たちは、新しい開発枠組みが包摂的社会およ
び環境の持続可能性に基づく成長を目指すよう取り組む必要があります。
いかなる国際的合意においても、難しいのはその実行です。新しい目標達成に向けた具体的な行動を引き出すため
には、最も貧しく、脆弱な立場に置かれた人々が自国の政府に対して、約束を守らせることを可能にする強固で透
明なアカウンタビリティ・メカニズムの導入が必要です。各国政府が今回の TICAD でポスト 2015 年に関して合
意したことを本当に重視するのであれば、上記で挙げたような課題も含め、その精神を、2015 年まで待つのではな
く、今すぐに行動に反映させなければなりません。
連絡先
グスターブ・アッサー(ベナン)
アフリカ市民協議会(Civic Commission of Africa)代表
ソーシャルウォッチベナン・コーディネーター
住所:03 BP 2097 Jericho Cotonou, Benin
電話:+229 95 96 16 44
E-mail:[email protected]
稲場雅紀(日本)
TICAD V NGO コンタクト・グループ・コーディネーター
事務局:(特活)アフリカ日本協議会
住所:東京都台東区東上野 1-20-6 丸幸ビル 3 階
電話:03-3834-6902
E-mail:[email protected]