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自由論題 中国と国際関係
報告2
謝 志海(共愛学園前橋国際大学)
中国のアフリカ政策: FOCAC の役割を中心として
China’s Africa Policy: An Analysis Focusing on the Role of FOCA
中国のアフリカへの進出が注目を集めている。日本と比べると、TICAD(アフリカ開発会
議)と同じく、FOCAC(中アフリカ協力論壇、Forum on China-Africa Cooperation)といっ
た制度が盛んでいる中国−アフリカ関係の裏で働いている。FOCAC とは、三年ごとに中国
とアフリカで相互に開催され、中国とアフリカ諸国の間の貿易、外交、安全保障、投資関
係を促進するメカニズムとして、中国−アフリカ関係の枠組みやガイドラインを統括してい
る。2000 年創立されて以来計5回の FOCAC 会議は開催された。この間、アフリカにおけ
る中国の経済や政治的なプゼンスも強い勢いで伸びつつある。とりわけ、中アフリカの間
の貿易額と中国の対アフリカ投資額とのどちらも絶対的な額が急激に増えるとともに、ア
フリカの貿易や投資に占める比率も日本とヨッローパを上回ってきた。その中では、
FOCAC の貢献が大きいと言わざるを得ない。
FOCAC は当初、日本の TICAD をまねして、
中アフリカの連携を強めるため、作り上げたが、開催の頻度と会議のスケールとも TICAD
を超えてきた。中国のアフリカへの進出が世界に注目されているが、FOCAC の存在がまだ
あまり広く知られていない。本論文は、中国のアフリカ政策における FOCAC の果たした
役割を中心として検証してゆきたい。とくに、本論文は FOCAC の創立の背景、動機及び
貿易、外交、安全保障、投資関係等の分野から見た中国−アフリカ関係に与えた影響を研究
する試みである。ついでに、中国の FOCAC と日本の TICAD と比較しながら、中日の対ア
フリカ政策の異同も述べて行く。