CSR活動の最新情報はWebでもご覧いただけます。 ホーム > CSR・環境 > 人材と人権に対する取組み 人材と人権に対する取組み 「人材」 は企業の最大の資産であるという考えのもと、丸紅では社員が能力・スキルを最大限に発揮できるような ● 体制をつくり、一人ひとりがその価値を最大限に高められる環境を整えることを人事制度の基本姿勢としています。 ● 人権 労働慣行 ローテーションを実現できるよう、能 しています。性別、国籍、年齢、職歴、 力に応じて「処遇」を決定する仕組みを 障がいの有無にかかわらず社員が活 2011年度より導入しました。また、 「研 躍できる職場環境づくりはもちろん、 「経験」 「処遇」 「研修」 の三位一体の施策 修」については、現場のニーズに応じた 誰もが生き生きと活躍できるよう、 丸紅グループでは、中期経営計画 研修を実施するため、各部門が主体的 「多様な個の強みを活かす企業文化・ 「SG-12」の施策のひとつに「経営主導 にプログラムを策定する部門別研修を 価値観の確立」に向けた取組みを実施 による人材戦略の推進」を掲げていま 強化し、全社研修は階層別研修と選抜 しています。 す。経営環境の変化およびビジネスモ 型研修を中心に再構成しました。 「SG-12」 における人材強化策 デルの多様化に対応すべく、社長を議 2011年度レビュー 経営主導による人材戦略の推進 2011年度に 「経験」 「処遇」 「研修」 三位一体の 人材強化策を導入しました。 ワーク・ライフバランス施策の さらなる推進 2010年度に改訂したワーク・ライフバランス諸施策の 浸透・周知徹底を図りました。 社員の内訳と平均年齢 (2012年3月末現在) 男性 総合職 2,892名 女性 一般職 1名 710名 711名 その他 211名 41名 252名 合計 3,104名 平均年齢 42.4歳 計 219名 3,111名 970名 4,074名 40.6歳 42.0歳 女性総合職数の推移 (年度末時点) 公正な採用活動 2009年度 2010年度 2011年度 181名 201名 219名 うち 新 卒入社 (30名) (24名) (21名) ワーク・ライフバランスの さらなる推進 「SG-12」で掲げる“持続的成長に挑 行っています。また、海外赴任者・帰 任者および帯同家族を対象に、赴任前 と帰国後に健診を行い、産業医ととも に健康管理の徹底を図っています。 戦する「強い丸紅」の実現”に資する重 要な施策として、ワーク・ライフバラン メンタルヘルス支援施策 ス施策を改訂しました。育児や介護な 産業医の助言のもと、各種研修時に どのライフイベント時に、社員の仕事と メンタルヘルスをテーマにした講座を 生活の両立を支援する 「ライフイベント 設けているほか、 外部EAP (Employee サポートプログラム」と、社員が質の高 Assistance Program / 従 業 員 支 援 い成果を生み出すことを目的に、時間 体制)の導入、 『メンタルヘルスケア・ 外勤務削減や休暇取得を推進する「メ マニュアル』の配布などを実施してい 長とする「HR戦略会議」を設置すると 経営層と社員のコミュニケーション 採用にあたっては、応募者の能力・ ともに、各営業部門、コーポレートス 丸紅では、経営理念や方針を共有 適性のみによる選考を行い、差別のな タッフ部門各部、海外地域に「HR責任 するため、経営層と社員とのコミュニ い公正な採用活動を基本方針として 者」を任命し、丸紅グループ全体の人 ケーションを促進しています。階層別 います。 シニア層の活用 リハリワーク推進プログラム」 を二本柱 ます。 材強化に重点的に取組んでいます。 研修や新任課長研修などの全社研修、 たとえば、国籍、本籍、性別、身体の 改正高年齢者雇用安定法に基づき、 として進めています。 12年1月には、ほとんどのグループ 具体的には、実務を通じた 「経験」 を柱 および部門ごとに行う研修において 障がい、出身大学などにかかわらず、 60歳以降の継続雇用制度を導入し、 ライフイベントサポートプログラム 会社で、メンタルヘルスに関するセル とし、 「処遇」 「研修」 とあわせた三位一体 は、社長をはじめとした経営層との対 広く応募の機会を与える「オープンエ 原則、希望者全員をその対象としてい として、11年度は介護に焦点を当て フケア研修などのe-Learningが利用 の施策を導入しました。 話の時間を設けています。11年度は ントリー」の実施、本人の能力・適性 ます。また、 「シニアキャリア・マッチ ました。 「介護ニーズ調査」 を行ったと できるようになりました。 「経験」施策のひとつとして、若手総 64回の研修に経営層が参加し、助言 を判断するのに不要な本籍地や宗教、 ングシステム」により、グループ内で ころ多くの社員が「将来直面する介護 合職を重点対象とし、20代での海外経 や意見交換を行いました。 家族状況などの記入欄がない「エント 有為な人材を有効活用していけるよ に不安をもっている」という結果が出 験必須化と最前線の現場経験促進を掲 リーシート」 、面接時は応募者の基本 う、シニア層の人材流動化と適材適所 ており、これまで実施してきた介護セ 海外赴任者とその家族のための サポート・福利厚生 げています。海外経験・現場経験を通 的人権を尊重した質問を行い、本人の の配置を目指しています。 ミナーに加え、個別相談会や制度面 海 外 赴 任 者とその家 族が 安 心し 能力・適性に基づく採用選考を実施 12年3月末現在、継続雇用制度によ の整備、ソフト面の施策を検討してい て赴任期間を過ごすための研修やサ しています。 る社員数は87名です。 きます。 ポートを実施しています。 して、グローバルに活躍できる人材、現 多様な人材の活用・登用 場感覚に優れた人材の育成を目指すも のです。これらの「経験」施策を促進す 人事部内に専任チームを設置して、 また、就職希望者の会社・社員訪問 るため、よりダイナミックな人事異動・ ダイバーシティ・マネジメントを推進 を積極的に受け入れており、OB・OG 若手総合職より 20代での海外経験 米国での経験によって自信が付き、視野が広がりました。 ビジネストレイニーとして の私のミッションは、丸紅最大 の海外拠点である米国会社で の財務業務を習得することで した。北米各地への出張ではそ こに働く社員の姿を目の当た りにし、丸紅のビジネス規模を 肌で感じました。また、外資系 金融機関への研修プログラム も経験し、彼らの仕事のスピー ド感にとても刺激を受けまし 29 2011年度の重点活動項目 Marubeni CSR Report 2012 た。得たものは多岐にわたりま すが、本物の金融知識をしっか りと身に付けなければ、世界で は通用しないことを強く意識 するようになりました。 現在は本社の資金調達業務 を担当し、外資系金融機関との 折衝を重ねる日々ですが、米国 での経験から海外で対等に戦 う自信が付き、視野が格段に広 がったことを実感しています。 財務部 資金課 有澤 広之 2006年入社。財務部にて 主に為替関連業務に従事 したのち、10年5月から11 年11月まで丸紅米国会社 (ニューヨーク)にビジネ ストレイニーとして駐在。 くるみんマーク 子育て支援に積極的な企業 として、厚生労働大臣による 認定マーク「くるみん」を取 得。08年から継 続して、11 年も取得しました。 障がい者雇用の推進 のいない大学の学生にも広く門戸を 障がい者雇用促進を目的として、丸 10年度からは、遠距離介護支援の NPO法人「海を越えるケアの手」と法 人契約を結び、海外駐在時の介護支援 開くため、人事部直通の「社員紹介ダ 紅オフィスサポート(株)を設立し、厚 イヤル」 を設置しています。 生労働大臣より特例子会社*の認定を さらに丸紅グループ全体として公 受けています。12年3月末時点で、11 メリハリワーク推進プログラムの 自己啓発支援制度 正な採用選考を行うため、 『 丸紅採用 名の障がい者が社員として就労して 一環として、残業時間の多い部署に 従業員の自己啓発に対する意欲を マニュアル』を作成しグループ会社に います。 対する「多残業撲滅キャラバン」や、 従来以上にサポートするため、05年か も周知徹底を図っています。 障がい者雇用率(年度末時点) 特別休暇の改訂などを行い、時間外 ら自己啓発支援制度を導入していま 勤務削減や休暇取得促進の取組みを す。中小企業診断士や公認会計士など 進めています。 の資格を取得するための費用の支援 2009年度 採用者数の推移 2010年度 2011年度 2012年度 総合職 109名 103名 114名 一般職 20名 20名 40名 1.92% 2010年度 2.03% 2011年度 2.19% *特例子会社:障がい者の雇用に特別な配慮をし、障 がい者の雇用の促進などに関する法律の規定によ り、一定の要件を満たしたうえで厚生労働大臣の認 定を受け、障がい者雇用数を親会社の障がい者雇用 率に反映できる子会社。 策を充実させました。 などを行っています。 健康管理への取組み 全社員を対象に年1回の定期健診を 30 人材と人権に対する取組み 外部からの評価 丸紅グループ 丸紅出資のチリの2つの銅鉱山で、 政府や業界団体から3つの賞を受賞 労働組合とのかかわり 人権の尊重 丸紅従業員組合は1949年に発足し 丸紅は、グローバル企業として、世 ました。12年3月末現在、組合員は約 界基準に則った人権の尊重を、健全な 2,300名、組織率は約57%となってい 企業経営に欠かすことのできないき ます。会社と組合は、会社の繁栄と従 わめて重要なものと位置づけていま 業員の社会的・経済的地位の向上を共 す。 『丸紅行動憲章』 『コンプライアン 通目的として、それぞれの立場を尊重 ス・マニュアル』の精神に則り、人権 経営トップ層に対する「人権トップ し、誠実な話し合いを通じて、秩序ある を尊重する企業文化の構築に向けて、 研修」をはじめ、 「 部長研修」 「管理職 労使関係を築いています。また、働く グループを挙げて取組んでいます。 研修」 「一般社員研修」 「支社人権研修」 環境に関する制度や施策の導入、その 運用において、従業員組合との協業に よる活動を積極的に推進しています。 従業員組合より 従業員組合委員長 加納 健一 従業員組合は、2011年度の活動ス ローガン「自ら、進んで、行動しよう! ~組合はあなたのもの~」を掲げ、従業 員が感じた「問題意識」や「改革」を、自 ら「行動」に移し、より良い丸紅が実現 されるための活動を展開しています。 近年は好調な市況の影響もあり、高い 業績を挙げる総合商社ですが、このよ うな時期であるからこそ、労働組合の本 分である会社との協議・交渉・提言や 経営陣との対話を通じた活動は従業員 にとって重要なものであると考えます。 12年度は、大幅に改訂された人事処 遇制度の運用初年度となりますが、制 度設計の理念に従った運用の実施を労 使ともに確認する過程を通じ、総合商社 の人材がさらに活性化される職場環境 の創出に従業員の立場から寄与します。 また、中期経営計画「SG-12」 は、本年 度が最終年度となることから、次期中 期経営計画でも持続的な成長を目指す 丸紅において健全な労使間の関係を従 業員組合は維持していきます。 31 れた人権も含まれています。 *ILO国際労働基準:労働における基本的な基準を定 めたもので、①労働組合権の確立、②強制労働の禁 止、③雇用における差別の禁止、④児童労働の禁止、 の4分野・8条約で構成されている。 Marubeni CSR Report 2012 エスペランサ銅鉱山が、国際的に権威のあるチリ鉱業協会(SONAMI)よ り、大型鉱山の部で「特別賞」を受賞。海水を利用した選鉱工程や世界最大級 の破砕機など、銅鉱山産業に革新的な発展をもたらす技術の導入が評価され ました。また、チリ鉱山技師会(IIMCh)からは、業界に技術的に大きく貢献し たプロジェクトであることが評価され、 「Raul Saez賞」 を受賞しました。 丸紅グループにおける 人権啓発 「事業会社人事セミナー」を開催して 人権同和問題推進委員会 います。11年度は12年1月に開催し、 81年設置。委員長は人事部担当役 62社が参加しました。 員、委員はコーポレートスタッフ部門 社内イントラネットに人権問題に の各部長、営業部門の各総括部長およ 対する基本方針や研修資料を随時公 び支社長・副支社長で構成されてい 開したり、人権に関する標語を公募・ ます。11年度は7月に開催しました。 発表するなどの啓発活動も継続して 行っています。 公正採用選考・人権啓発推進員の選定 国内本社および3支社において、公 正 採 用 選 考・人 権 啓 発 推 進 員 の 選 任・届け出を行い、公正な採用選考シ ステムを確立しています。 「Dow Jones Sustainability World Index」 (DJSI World)は、ダウジョーンズ社(米国) とSAM(Sustainable Asset Management) グループ(スイス)の提携により、世界の大 手 企 業 約2,500社 の 中 か ら、環 境、社 会、 経 済 の3分 野 に お い て 企 業 の 持 続 可 能 性 た銅鉱山であるとして、チリ鉱山省から「Benjamin Teplizky Lijavetzky賞」 銘柄を選定し組み入れた世界的な株価指 が贈られました。積極的な安全活動への取組み、鉱区の開発など、安全と成長 を両立させた操業が評価され、06年に次いで2度目の受賞となりました。 丸紅 『M-SPIRIT (エムスピリット) 』 が優秀賞、 「MS+ (エムエスプラス) 」 が総合賞を同時受賞 標です。丸紅を含め、世界中から342社、う ち日本企業からは25社が選ばれています。 FTSE4Good Global Index 「FTSE4Good Global Index」は、ロンドン証 券取引所の子会社であるFTSE International Limited社が開発・創設した株価指標です。 企業における 「環境マネジメント」 「気候変動」 「人権・労働」 「サプライチェーン労働基準」 日本経団連事業サービス 社内広報センターが主催する11年度「経団連推 薦社内報」で、丸紅グループ広報誌『M-SPIRIT』が、優秀賞(今年度は214作 品中4社)を受賞しました。また、丸紅グループのコミュニケーションサイト 「贈収賄防止」 への各取組み状況を基準として 評価し、組み入れ企業を選定しています。丸 紅は、01年のインデックス創設以来、継続し て組み入れ企業に選ばれています。 「MS+」がイントラネット部門で唯一総合賞を受賞し、10年度に続いてダブ ル受賞となりました。今回の受賞を励みに、丸紅グループ内のコミュニケー ション促進を目指して一層の充実を図ります。 セクシャルハラスメント・ パワーハラスメント防止の強化 就業規則において、セクシャルハラ 丸紅 スメントの定義、禁止行為、処分など 『コンプライアンス・マニュアル』 の制定 を規定しています。さらに、 『コンプラ 丸紅の『コンプライアンス・マニュ イアンス・マニュアル』においては、 アル』では、遵守事項の第1項に「人権 セクシャルハラスメント・パワーハ の尊重、差別・セクシャルハラスメン ラスメントの禁止を遵守事項として ト・パワーハラスメント等の禁止」を 明記しています。 掲げています。この人権の概念には、 また、人事部に相談窓口を設置して 日本国憲法や労働基準法のみならず、 いるほか、コンプライアンス相談窓口 世界人権宣言などで定められた基本 「勇気の扉」を通じて相談を受けつけ 的人権、ILO国際労働基準*に定めら Dow Jones Sustainability World Index (DJSI World) (Sustainability)を評価し、上位10%の株式 た、グループ各社においても人権を 尊重する企業文化を構築するために、 SRIインデックスへの組み入れ 一方、エルテソロ銅鉱山には、チリにおいて最も安全で持続的成長に貢献し などの社内研修を実施しています。ま 丸紅グループにおける 人権問題の取組み体制 丸紅 る体制をとっています。 「SAMセクターリーダー」 に4年連続、 「SAMゴールドクラス」 に3年連続で 認定されました 丸 紅 は、SRI( 社 会 的 責 任 投 資 )イ ン デ ッ ク ス の ひ と つ、Dow Jones Sustainability Indexへの組み入れ企業を評価・格付けするSAM社によっ て、所属する産業セクターで最も評価の高い「SAM Sector Leader」 (全世 界で58社、うち日本企業3社)に4年連続で認定されました。さらに、総合評 モーニングスター社会的責任 投資株価指数 (MS-SRI) 「モーニングスター社会的責任投資株価指 数(MS-SRI) 」は、モーニングスター(株)が国 内上場企業約3,600社の中から社会性に優 れた企業と評価する150社を選定し、その株 価を指数化した国内初の社会的責任投資株 価指標です。丸紅は、インデックスが創設さ れた03年から継続して組み入れ企業に選定 されています。 価でも最高ランクの 「SAM Gold Class」 (全世界で87社、 うち日本企業4社) に3年連続で認定されました。 32
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