1/4 意交基原第1-4号 シビアアクシデント対策 - 原子力規制委員会

意交基原第1-4号
シビアアクシデント対策としてのアクシデントマネージメントに係る活動について
平成23年2月16日
原子力安全委員会事務局
1.これまでの経緯
(1)アクシデントマネージメントに係る活動全般
原子力安全委員会は、TMI事故に関する調査審議の結果を踏まえて、我が国の原
子力発電所の安全性向上に資すべき教訓を「我が国の安全確保対策に反映させるべき
事項(52項目)」として抽出し、とりまとめ報告書を昭和54年9月に公表した。
また、昭和55年6月に「我が国の安全対策に反映すべき事項について(審査、設計
及び運転管理に関する事項)」を決定して公表した。これらを受けて、制御室への接
近性及び居住性、事故時格納容器内モニタリング及び水素濃度制御、運転員の誤判断
防止、操作防止等に係る安全設計指針等の指針類が改訂され、発電所の設計への反映
や運転管理(事故時運転手順書、運転員訓練等)の改善が行われた。
その後、原子炉設置者は、国の指導に基づき、従来の「イベントベース」手順書を
補完する「兆候ベース」あるいは「安全機能ベース」の手順書を検討・整備するとと
もに、要員に対して「運転訓練センター」等において手順書に基づく教育・訓練を行
ってきた。さらに、原子炉設置者は、シビアアクシデントに拡大した場合の影響を緩
和するための対策についても検討を進めた。
上述したようなシビアアクシデント(以下「SA」という。)への拡大防止対策及
びSAに至った場合の影響緩和対策、いわゆるアクシデントマネージメント対策(以
下「AM」という。)が発電用軽水型炉原子炉施設の安全性の一層の向上を図る上で
重要である等の考えから、原子力安全委員会は、SAの役割と位置付けや、さらにそ
の整備に際して我が国が取るべき考え方等について検討を行い、「発電用軽水型原子
炉施設におけるSA対策としてのAMについて」(平成4年5月(別添1)、平成9
年10月一部改正(別添2))(以下「同文書」という。)をまとめた。
この中で、我が国の原子炉施設の安全性は、現行の安全規制の下に、各段階におい
て、多重防護の思想に基づき厳格な安全確保対策を行うことにより十分確保されてい
るため、SAは工学的には現実に起こるとは考えられないほど発生の可能性は十分小
さいものとなっており、原子炉施設のリスクは十分低くなっていると判断している。
従って、AMの整備は、この低いリスクを一層低減するものとして位置付けられるこ
とから、原子炉の設置又は運転を制約するような規制的措置として要求されるもので
はなく、原子炉設置者において(効果的なAMを)自主的に整備し、万一の場合にこ
れを的確に実施できるようにすることが強く奨励されるべきであるとしている。
当時の経済産業省資源エネルギー庁は、当委員会の決定を受けて、平成 4 年 7 月に
原子炉設置者に対してAMを自主的に整備することを求めた。当委員会は原子炉設置
者が行った既設炉51基におけるAMの実施方針について、経済産業省における評価
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結果について報告を受け、これを了承している(平成7年12月)。また、新設の原子
炉施設6基についても同文書に基づき原子炉設置者が行ったAMの検討報告に関する
経済産業省からの評価報告(平成7年6月女川3号、平成15年9月浜岡5号、志賀2
号、東北東通1号、平成20年10月泊3号、平成22年12月島根3号)について報
告を受け、順次確認を行っている。
以上のように、当委員会においては、SAに対する原子炉設置者が行う自主的な整
備のうち、実施方針の妥当性等を確認することにより、より一層の安全確保に努めて
いる。
(2)定期安全レビューにおける安全性等再評価
定期安全レビュー(PSR)は、平成4年6月に、当時の経済産業省資源エネルギ
ー庁が行政指導により「品質保証活動として、原子力発電プラントの安全性等の向上
を目的として、約10年毎に最新の技術的知見に基づき各原子力発電所の安全性を総
合的に再評価する」ことを主目的として、事業者にその実施をもとめたものである。
平成15年10月に実用炉規則の改正が行われた際には、PSRの実施を保安措置
上義務化するとともに、これを保安規定の要求事項として、国はその内容を確認して
いる。PSRの評価項目は、(1)原子力施設における保安活動の実施状況、(2)
原子炉における保安活動への最新の技術的知見に反映状況、及び(3)確率論的安全
評価(PSA)である。上記評価項目のうち(3)については、事業者が任意に行う
ことが望ましいとしている。事業者は、個別原子力プラントのPSAを任意で実施し
て、当該プラントの施設等(AM対応含む)のリスク抑制水準を再評価しその維持・
向上に資することとしている。
また、平成20年8月には、PSR実施の透明性・実効性の確保の観点から、基本
的要求事項を定めたガイドライン等を制定している。(添付3)
2.平成4年以降のアクシデントマネージメントに係る活動の詳細
原子力安全委員会は、平成4年5月に、当面は、新設炉については設置許可等の安全
審査の際に(平成9年10月の一部改正以降は、詳細設計段階以降)、運転中または建
設中の原子炉については順次、AMの実施方針について行政庁から報告を受け、検討す
ること、その際には、確率論的安全評価(PSA)について行政庁から報告を受け、検
討することなどを決定した。
これを受け、平成4年7月、通商産業省は、AMの位置づけ、今後の進め方について
決定し関係者に通知を行った。
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2-1 原子力安全委員会決定に基づく原子力安全・保安院等の活動
(1)運転中または建設中の原子炉のAM実施方針(PSAを含む)
平成 6年10月 既設51基について原子力安全委員会報告
(平成7年12月原子力安全委員会了承)
(2)新設炉のAM実施方針(PSAを含む)
平成 7年 6月 女川3号について原子力安全委員会報告
(平成8年3月原子力安全委員会了承)
平成15年 9月 浜岡5号、志賀2号、東北東通1号について原子力安全委員会報
告(平成15年12月、原子力安全委員会にて妥当と判断)
平成20年10月 泊3号について原子力安全委員会報告
(平成21年1月、原子力安全委員会にて妥当と判断)
平成22年12月 島根3号について原子力安全委員会報告(現在検討中)
2-2 その他の原子力安全・保安院等における自主的な活動
(1)工事認可申請又は届出段階での確認
原子力安全委員会決定に基づく活動の他、平成8年9月に「発電用軽水型原子力発電
所におけるアクシデントマネージメントの整備について」により、各電気事業者に対し
て、工事認可申請または届け出の時点において、AM策の整備が既存の安全機能(安全
設備)に影響を及ぼさないことを説明する資料の提出を要求し、影響がないことを確認
している。
(2)AM整備上の基本要件についてとりまとめ
AMの促進及び整備等に関する行政上の役割を明確にするため、これに関する実施
体制、施設・設備、知識ベース、通報連絡、要員の教育等の基本要件を「アクシデン
トマネージメント整備上の基本要件について」(平成11年4月、平成14年4月)
としてとりまとめた。
(3) AM導入後の評価の実施
電気事業者におけるAMの整備が、実施方針どおりに実施されているか、整備された
AMの有効性評価、実施体制、施設/設備類、知識ベース(あらかじめ有効かつ適切と
考えられる措置の手順等)、通報連絡及び教育等の事項について評価を実施し、整備さ
れたAM策に関し既に確認されている指針、基準への適合状況の確認、及び基本要件に
対する適合性並びにPSAによるAMの有効性評価等について、国の立場からこれまで
検討・評価した結果をとりまとめた。
平成14年10月 52基のAM導入後の評価結果(うち13基はPSAを含む。)
について、原子力安全委員会へ報告
平成16年10月 残り39基のPSAについてとりまとめ(原子力安全委員会への
報告なし。)
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3.定期安全レビュー(PSR)におけるPSA再評価
平成 4年 6月 資源エネルギー庁は、行政指導文書にて10年毎の定期安全レビ
ュー(PSR)実施を要求
平成10年11月 原子力安全委員会は、エネ庁が平成8年4月22日に原子力安全
委員会へ報告した「高経年化に対する基本的考え方」について審
議を行い、妥当と判断。
平成15年10月 経済産業省は、実用炉規則改正し、PSRの実施を保安措置上義
務化、保安規定の要求事項とし保安検査で確認することとした。
平成4年
34基よりPSR報告書が保安院へ提出。
~14年8月
平成15年10月~ 保安検査においてPSR実施計画、結果について確認。PSRに
おいては、PSA再評価にて発電所の安全・信頼性レベルの確認
安全設備(AM含む)の有効性等について、事業者は任意に実施
して確認している。
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(添付1)
(添付2)
(添付3)
別 添
実用発電用原子炉施設における
定期安全レビュー実施ガイドライン
平成20年8月29日
原子力安全・保安院
来
改訂
0
歴
日付
平成20年8月29日
内容
新規制定
目
次
1.経緯
・・・・・・・・・・・・
2
2.定期安全レビューの意義
・・・・・・・・・・・・
3
3.適用範囲
・・・・・・・・・・・・
3
4.原子炉施設における保安活動の実施状況の評価
・・・・・・・・・・・・
4
5.原子炉施設における保安活動への最新の技術的知見の反
・・・・・・・・・・・・
映状況の評価
5
6.確率論的安全評価
・・・・・・・・・・・・
6
7.追加措置の品質保証計画への反映
・・・・・・・・・・・・
6
8.定期安全レビューの実施時期
・・・・・・・・・・・・
6
(参考) 定期安全レビューに関する国の検査等
・・・・・・・・・・・・
7
1
1.経緯
定期安全レビュー(PSR1)については、平成4年6月に、当時の資源エネルギー庁が
行政指導により、事業者に対し、「品質保証活動として、原子力発電プラントの安全性等
の向上を目的として、約10年毎に最新の技術的知見に基づき各原子力発電所の安全
性等を総合的に再評価すること」と、その結果の報告を求めたことにより開始された。
その後、平成15年7月に開催された「検査の在り方に関する検討会(第10回)」にお
ける審議等を踏まえ、平成15年10月に、「実用発電用原子炉の設置、運転等に関する
規則」(昭和53年通商産業省令第77号。以下「実用炉規則」という。)を改正し、実用発
電用原子炉設置者による「原子炉施設の定期的な評価」の実施を保安措置として義務
付けるとともに、保安規定の記載事項とした。
また、平成17年8月にとりまとめられた「実用発電用原子炉施設の高経年化対策の
充実について」において、事業者の組織風土の劣化についての評価を定期安全レビュ
ーにおいて実施することが追加的に要求された。これを踏まえ、平成19年4月にまとめ
られた「発電設備の総点検に関する評価と今後の対応について」を受けて、安全文化を
醸成するための体制整備等を保安規定記載要求事項とする省令改正がなされている。
さらに、平成18年9月にとりまとめられた「原子力発電施設に対する検査制度の改
善について」において、「保全プログラム」に基づく保全活動に対する検査制度の導入、
安全確保上重要な行為に着目した検査制度の導入、根本原因分析のためのガイドライ
ンの整備等の3点を柱とする検査制度の新たな方向性が提言されている。これにより、
定期安全レビューを高経年化対策の充実の観点からも一層強化することが求められて
いる。
即ち、定期安全レビューの目的2である「必要に応じて安全性向上のために有効な追
加措置を抽出することにより、今後、当該プラントが最新の原子力発電プラントと同等の
高い水準を維持しつつ安全運転を継続できる見通しを得る」ことが確実に履行されるこ
とが一層強く求められている。
このため、今般、当院は、定期安全レビュー実施の透明性・実効性の確保の観点から、
事業者が原子炉ごと及び10年を超えない期間ごとに実施するレビューの評価、実施方
法等について、基本的要求事項を定めた定期安全レビュー実施に係るガイドライン等を
制定するものである。
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PSR:Periodic Safety Review の略
平成15年7月に開催された「検査の在り方に関する検討会(第10回)」において、PSRとは、「対象とする原子力発電プラントの安全
性に係わる諸特性のふるまいについての調査・分析はもとより、国内外の原子力発電プラントの運転経験や原子力安全に係わる最新
の技術的知見の当該プラントに対する反映状況の調査・分析、さらに確率論的安全評価をも併せ用いて、電気事業者が当該プラントの
運転開始以来行ってきた保安活動を約10年毎に評価し、必要に応じて安全性向上のために有効な追加措置を抽出することにより、今
後、当該プラントが最新の原子力発電プラントと同等の高い水準を維持しつつ安全運転を継続できる見通しを得るための取り組み」とし
ている。
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2.定期安全レビュー実施の意義
定期安全レビューは、品質保証活動の一環として実施されるものである。一方、保安
規定に基づく品質保証計画はJEAC4111に基づき実施されるが、このうち、計画(P)、
実施(D)、評価(C)3、改善(A)サイクルは、日常的なサイクルとマネジメントレビューに
代表される1年程度ごとのサイクルに大別できる。
このうち、評価(C)活動は、改善事項の抽出を行う上で重要な役割を担うものであり、
品質保証計画に基づき実施される短期的視点(日常∼1年程度の間隔)からの評価に
加え、別個の新たな視点からのツールとして、中長期的な視点(10年程度の間隔)に立
脚した評価、いわゆる定期安全レビューを併せ行い、抽出された安全性向上のための
有効な追加措置が品質保証計画に反映されることが重要である。すなわち、定期安全
レビューとは、事業者の自主的取組も含めた保安活動の中長期的な評価を実施するこ
とにより、原子力プラントの安全性・信頼性の一層の向上を図るとともに、運転開始後 10
年以上経過した原子力プラントについて、最新の原子力プラントにおける保安活動と同
水準の保安活動を維持しつつ安全運転を継続できる見通しを得るものである。
3.適用範囲
本ガイドラインは、実用炉規則第7条の5第1項(ただし、平成20年12月31日までは
同規則第15条の2第1項)に規定する原子炉施設の定期的な評価、いわゆる定期安全
レビューを行うため、事業者が実施する以下の評価項目について基本的な要求事項を
規定するものである。また、事業者が定期安全レビューを適切に実施しているかについ
て、国として保安検査で確認するための着眼点等を「保安検査・保安調査ガイド」に別途
定める。なお、以下の評価項目のうち、(3)については、事業者が任意に行うことが望ま
しい。
(1) 原子炉施設における保安活動の実施状況の評価
(2) 原子炉施設における保安活動への最新の技術的知見の反映状況の評価
(3) 確率論的安全評価
3 (JEAC4111−2003 8.4 データの分析)
組織は、品質マネジメントシステムの適切性及び有効性を実証するため、また、品質マネジメントシステムの有効性の継続的な改善の
可能性を評価するために適切なデータを明確にし、それらのデータを収集し、分析すること。この中には、監視及び測定の結果から得ら
れたデータ及びそれ以外の該当する情報源からのデータを含めること。
3
4.原子炉施設における保安活動の実施状況の評価
原子炉施設における保安活動の実施状況の評価を行うに当たっては、以下の要求事
項を満たすこと。
(1)評価の実施体制、実施手順等プロセスを明確にすること。
(2)評価の対象とする保安活動は、保安規定で要求される次の活動項目について、法
令で要求される活動のみならず、プラントの安全性、信頼性のより一層の向上に資
する事業者の自主的取組を含めたものとすること。
① 品質保証活動
② 運転管理
③ 保守管理 (機器・構造物の経年劣化に対する傾向監視を含む。)
④ 燃料管理
⑤ 放射線管理
⑥ 放射性廃棄物管理
⑦ 緊急時の措置
⑧ 安全文化の醸成活動
(3)評価に当たっては、(2)で示す活動項目ごとに、その目的の達成に向けた保安活動
の適合状況を明確にすること。
(4)評価に当たっては、中長期的な視点に立脚した評価、すなわち、時間経過とともに
知見が蓄積され、これら知見の反映成果が現れる評価期間としての特徴を踏まえた
評価を行うこと。少なくとも、以下の評価を行うこと。
① 評価対象期間中に行われた保安活動について、その活動を実施した後の運転実
績の蓄積や新たに得られた知見に基づく、当該保安活動の有効性の評価
② 評価対象期間中における以下に示す経年劣化事象の進展推移の評価
a. 中性子照射脆化
b. 照射誘起型応力腐食割れ
c. 低サイクル疲労
③ 「実用発電用原子炉施設における高経年化対策実施ガイドライン」における安全
文化の醸成活動の評価
(5)中長期的な視点に立脚した評価を行うに当たっては、運転開始以降現在までの運
転実績や安全性向上に係る指標等必要なデータや情報の範囲を明確にすること。
この際、どのようなデータ・情報を把握すると何が判断できるか明確にし、そのデー
タ・情報をどのように分析し、そこからどのような情報を得、どのように活用するか等
を明確にすること。なお、ここでいうデータや情報とは、例えば、補修等実施後の稼
働状況データや故障実績、放射性廃棄物の減容対策後の廃棄物発生量の推移、
設備の健全性評価における経年劣化事象の進展推移などをいう。
4
(6)評価の結果を踏まえ、プラントの安全性・信頼性の一層の向上のために有効な追加
措置の必要性を検討すること。
5.原子炉施設における保安活動への最新の技術的知見の反映状況の評価
原子炉施設における保安活動への最新の技術的知見の反映状況を評価するに当た
っては、以下の事項を満たすこと。
(1)評価の実施体制、実施手順等プロセスを明確にすること。
(2)評価の対象とする保安活動は、4.(2)に掲げる保安活動について、法令で要求さ
れる活動のみならず、プラントの安全性、信頼性のより一層の向上に資する事業者
の自主的取組を含めたものとすること。
(3)評価に当たっては、次の3項目からなる最新の技術的知見の反映状況の評価を行
うこと。
① 原子力発電所の安全性を確保する上で重要な設備に関するより一層の安全性
の向上を図るための安全研究成果
② 国内外の原子力発電所の運転経験から得られた教訓(自社プラントでの運転
経験から得られた教訓及び当院が文書で指示した調査・点検事項に関する措
置状況を含む。)
③ 原子力発電所の安全性を確保する上で重要な設備に関するより一層の安全性
の向上を図るための技術開発成果
(4)評価に当たっては、評価に用いる最新の技術的知見を明確にすること。特に、いま
だ具体的な安全規制、規格基準等に反映されていない技術的知見であっても、プラ
ントの安全性・信頼性の一層の向上を図る上で、保安活動への反映を検討すること
が重要な安全研究成果、運転実績、開発された技術等についても明確にすること。
(5)評価の結果を踏まえ、プラントの安全性・信頼性の一層の向上のために有効な追加
措置の必要性を検討すること。
6.確率論的安全評価
確率論的安全評価を行う場合には、以下の事項を満たすこと。
(1)評価の実施体制、実施手順等プロセスを明確にすること。
5
(2)以下の評価を行うこと。
・ プラント運転時における炉心及び格納容器の健全性の維持に関する評価
・ プラント停止時における炉心の健全性の維持に関する評価
・ 炉心の健全性の維持に対して大きな影響を与える安全機能及び通常の運転状
態を妨げる事象であって、炉心損傷への拡大を防止するために工学的安全施
設等(緩和設備)の作動を必要とする事象(起因事象)についての重要度評価
(3)評価の結果を踏まえ、プラントの安全性・信頼性の一層の向上のために有効な追加
措置の必要性を検討すること。
7.追加措置の品質保証計画への反映
定期安全レビューの結果、有効な追加措置が抽出された場合には、速やかに、品質
保証計画に基づき、その実施に係る具体的な計画を策定すること。
8.定期安全レビューの実施時期
設置者は、下記の時期に定期安全レビューを実施すること。ただし、実用炉規則第1
1条の2第1項及び第2項(ただし、平成20年12月31日までは同規則第15条の2第2
項及び第3項)の措置(高経年化技術評価等)を実施する場合には、これと同一時期に
実施すること。
(1) 原子炉施設の営業運転を開始した日以後10年を経過する日まで
(2) 定期安全レビューの実施後、10年を超えない日ごとまで
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(参考)
定期安全レビューに関する国の検査等
(1)国は、事業者が実施する定期安全レビューについて、4.から7.までの要求事項に
係る遵守状況を保安検査において確認する。
(2)上記(1)の確認を実施するに当たっては、別に定める「保安検査・保安調査ガイド」
に基づくこととする。
(3)国は、安全文化の醸成活動について、良好事例について奨揚するなどにより事業
者の取組を促進させる。
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