平成23年度研究紀要を掲載しました。 - 県立広島皆実高等学校

平 成 2 3 年 度
研
究
第
紀
10
要
号
広 島 県 立 広 島 皆 実 高 等 学 校
目
次
はじめに
校
1
松林
博文
平成23年度の広島皆実高等学校教育研究等のまとめ・・・・・・・・・・・・・・・p 1
教
2
長
頭
大久保
宏登
各教科における研究主題と成果及び課題
(1)各教科における研究主題と実施科目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
p9
(2)「国語科」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p11
(2)「地歴・公民科」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p12
(3)「数学科」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p13
(4)「理科」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p14
(5)「保健体育科」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p15
(6)「芸術科」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p16
(7)「英語科」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p17
(8)「情報科」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p19
(9)「家庭科」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p20
(10)「看護科」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p21
3
研究授業・研協議会記録
(1)「古典」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p22
国
語
科
馬石
麻由子
(2)「日本史A」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p28
地理歴史科
上杉
幸子
(3)「数学 A」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p33
数
学
科
武島
正太郎
(4)「理科総合 A」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p39
理
科
丹下
寿浩
(5)「スポーツⅢ」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p45
保健体育科
松下
秀明
(6)「情報 A」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p49
情
報
科
中島
緑
(7)「英語Ⅰ」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p53
外 国 語 科
石村
まさみ
(8)「基礎看護」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p57
衛生看護科
武内
徳子
(9)「精神看護学方法論」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p61
衛生看護科
4
授業改善のねらいと方法
米光
裕子
―広島皆実高校の教育力の向上に向けて―
(公開研究授業における広島大学大学院池野範男教授の講演要旨)・・・・・・・p67
指導教諭
春山
かおり
5
第 348 回教職員等中央研修(第 1 回中堅教員研修)報告・・・・・・・・・・・・・・p68
理
6
科
大川
10年経験者研修報告
(1)
「10年経験者研修を終えて」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p72
英
(2)
(3)
語
科
石村まさみ
「10年経験者研修を終えて」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p73
英
語
科
福本
敬子
「10年経験者研修を終えて」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p74
衛生看護科
7
敬洋
武内
徳子
初任者研修報告
(1)
「1年間を振り返って」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p75
数
(2)
学
科
中谷
光貴
「1年間を振り返って」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p76
衛生看護科
大賀
智代
は
じ
め
に
広島県立広島皆実高等学校
校
長
松
林
博
文
本校は昨年度からミッションを「旧制広島県女以来の歴史と伝統を受け継ぎ,生徒を鍛えて
『気高く凜々しい日本人』を育てる」とし,簡潔明快に本校教育の使命を謳いました。
そしてビジョンの一部に,
生徒一人ひとりの文武両道を実現し,文武ともに「一流」を目指す。
①授業で生徒を鍛える(授業第一主義)。
②部活動等,課外活動で生徒を鍛える(総合力の獲得)。
という文言を入れ,
『広島県女』創設以来本校の不動で永久の校是は「文武両道」であることを
改めて再確認し,学校改革に取り組み始めました。
また「教育の方向」を,
我が国の歴史・文化・伝統・慣習に裏打ちされた常識、つまりは国民の良識に支えられ
た「日本人としての在り方・生き方」を継承・発展させる教育を基本とした上で,学校教
育の目的は「人格・学力・見識の向上と規律の内面化」にあることを再認識して,これを
不易な基盤とし,高い水準に到達することを生徒に求め,学校をして生徒を鍛える場とす
る。
とし,「生徒の理想像」を,
謙虚で、礼儀正しく、思いやりがあり、誠実・正直・素直で、少々の困難にも立ち向か
ってゆく勇気と忍耐力があり、誰にも頼らず自立しようとする若者らしい気概のある生徒。
としました。
キー・ワードは「一人ひとりの文武両道」・「文武両道の全県のモデル校としての広島皆実高
校」・「一流」・「気概」・「生徒を鍛える」です。
本年度はこの趣旨に従い,「学習方法セミナー」と「学力補充指導」を 1 年生から導入し,
早い内から自学自習の習慣をつけさせ,昨年度から導入した「部活動顧問による学習支援」,
「チ
ューター制」等と絡ませ,
「学力をつける3年間」を再構築すべく全校を挙げて取り組んでいま
す。
教育の基本にして最大の条件はやはり「教師」そのものです。「人間は大好きな人からでし
か物事を教わろうとはしない」という教育の鉄則を胸に刻みつつ本校の先生方は,テクニカル・
スキルはもちろん,コンセプト・スキルさらにはヒューマン・スキルの向上を目指して努力し
ています。つまり,「生徒を鍛える」前に先ず自分自身を鍛えるということです。
本研究紀要はその教育活動の一端を報告するものです。構成を第一部は授業改善研究,第二
部は各種研究報告,第三部を個人研究,第四部をその他としています。
拙い報告ですが,この研究紀要をお読みいただき,多くの方々からの忌憚のない御意見と御
指導をいただければ幸いです。
平成23年度の広島皆実高等学校教育研究等のまとめ
広島皆実高等学校 教頭 大久保宏登
1 学びの本質を踏まえた授業研究
新しく学ぶ知識・概念を既に持っている知識や概念と関連付け自分の知識体系の中に再組織化でき
ることが学びの基本です。言い換えると,知識や概念同士の関係性を把握させることが学びの本質と
言えます。ベネッセ教育総研顧問の高田正規先生はこのように述べています。ポイントは知識を活用
することでしょう。活用することで個々の事象を関連付け,体系的に思考することが可能となり,使
える知識として定着します。
平成24年度大学入試センター試験の直後,1・2年生が大学入試センター試験体験受験をしてい
ます。そして,数学Ⅰ・A の2次関数の解答結果について,数学科は次のような分析をしています。
「2次関数の授業で何回も扱った内容がいまだに定着していない。2 次関数ができていないからと
いって,もう一度同じ内容を教えればできるようになるとは思えない。この問題を通じて,どのよう
な知の活用が求められているかをしっかり分析し,授業の中で活用を仕組んでいく必要がある。
」
さらに,指導第二課高校教育指導係の松島指導主事の示範授業(2年生物)の中で,次のような授
業展開がありました。
【今日の課題】
体細胞分裂において,なぜ,分裂前に染色体を複製する必要があるのか?
分裂後に複製をつくることも考えられるが,そうはしない。なぜなのかを論理的に説明できること
が目標となっていました。教授者は既習事項を確認し,パワーポイントの画面で,分裂前に複製して
も分裂後に複製しても染色体の数や形は同じであることを示して課題意識を持たせていました。生徒
たちは,既習の知識「体細胞分裂」
「染色体の複製」
「遺伝子」などを思い起こし,染色体の模型をつ
くり,それを使ってグループで思考し説明をし合っていました。
知識を活用すれば解決できる課題を明確に示し,学習材料をイメージしやすい形に変換し,思考し
たことを正確に表現することまで求めた展開であり,
そこには優れた学習方略があったと感じました。
「学習方略」という用語は,学習者が外界から刺激や情報を取捨選択して取り入れ,分類・変
換をしたり,判断したりして自分の知識の体系の中に組み入れていく認知過程を重視し,学習の
効果を高めることをめざして意図的に行う心的操作あるいは活動のことである。
学習方略に含まれる具体的方法は,大きく5つのカテゴリーに分けることができる。
① リハーサル方略(記憶材料の提示後にそれを見ないで繰り返すこと。反復する,模写する,
下線を引くなど。
)
② 精緻化方略(イメージや既知の知識を加えることによって学習材料を覚えやすい形に変換
し,本人の認知構造に関係づける操作。言い換える,要約する,質問する,類推するなど。
)
③ 体制化方略(学習材料の各要素がばらばらではなく,全体として相互に関連をもつようにま
とまりをつくること。グループ分け,並べる,図表作成,概括,階層化など。
)
④ 理解監視方略(学習者が自ら授業の単元あるいは活動に対する目標を確立し,その達成程度
を評価し,修正する等をよりよく行うための活動。失敗を自己監視する,自問する,一貫性を
チェックする,再読するなど。
)
⑤ 情緒的方略(学習に伴う不安を制御した上で学習意欲を維持し,時間を効果的に用いるよう
に工夫すること。不安を処理する,自己効力感・結果期待を持つ,生産的環境をつくる,時間
を管理するなど。
)
(ワインスタインとメイヤー 1986)
-1-
平成23年度は,教科がそれぞれ独自の研究テーマを設定して授業研究を進めてきました。
「思考
力を伸ばす」
「探求的な授業をつくる」
「読みを深める」
「主体的学習者を育てる」などのテーマにつ
いて研究授業を行い協議を深めてきましたが,その中で取り上げられてきたことの中には,学習方
略を駆使し,知識の活用にアプローチできた事例が多々あったと思います。この1年で明らかにな
った有効な実践事例は教科の財産として,指導案や教材という形で蓄えてください。
2 家庭学習の定着と学びに向かう力
子どもたちの学習行動は,親や教師の統制から始まり,その「統制」による学びを「納得して行動
する(取り入れる)
」プロセスで「やる気」が触発されたり,その人の持っていた学習観が修正されたり
します。これらのことにより「やればできる」という自己効力感も高まることになります。この「納
得して行動する」ということが,生徒にとってはあんがい難しいのではないでしょうか。家庭学習で
取り込んだ知識が授業という実践の場で役に立ったとか,失敗に学ぶことによって獲得した知識や技
術が別の課題解決に役立ったなどの体験が「納得して行動する」ための原動力になっているのではな
いかと考えます。家庭学習での課題を確実に指示する(統制)ことと,授業の中に家庭学習で取り込
んだ知識を活用していくこと(納得)は,
「やる気」を起こし「やればできる」を実感させることにつ
ながると考えます。
平成23年度,家庭学習の定着に向けて取組んだ実践の中には,
「統制」と「納得して行動する」に
関する具体のものがありました。年度当初に「授業の終わりに家庭学習を明確に指示すること」を確
認してスタートしましたが,実際に2学年数学科では,次のように家庭学習を導いています。
統制の実践例
① 進度を調整しその週の内容で週末課題を作成(難題も加える)する。プリントにして 1 人
2 枚配付して提出させる。小テストに出題するときは必ず数値を変え,覚える勉強をさせな
い。計算を速く正確に行うことを目的として量も多めに出題する。
② 数学Ⅰ・A の復習テストを計画的に実施(2 週間に1度)する。これもプリントにして2
枚配付して提出させる。テストは 30 分問題で数値を変える。
③ 担当しているクラスについては小テストの追試を実施する。全問正解するまで解かせる。
さらに2学年では,統制により取り込んだ数々の知識が役に立ったことを実感できるように,学年通
信で模試の成果等を紹介するなど,
「納得して行動する」に向けた工夫を行っています。
「納得して行動する」をもたらす具体例(2学年通信第12号から)
◆ 進研模試 数学V字回復!「1日1題の成果あり」
右のグラフは入学してこれまでの進研模試の結果です。
2 年 11 月から英数国総合で 1.9 ポイントアップ。これは
前回落ち込んだ数学が 3.5 ポイントアップ,加えて国語も
1.2 アップしたためです。数学では,週末課題の反復学習に
加えて,0 学期から始まった「1 日 1 題」の成果が出ている
と言えます。先日のマーク模試でも 1 日 1 題とほとんど同
じ問題が出題されました。1 日 1 題をやっていない人は,既
に大きく損をしています。問題を用意・採点してくださる先
生方に感謝の気持ちを忘れず,あと 10 ヶ月,毎日最後まで
-2-
進研模試 成績推移
57.0
56.0
55.0
54.0
53.0
52.0
51.0
50.0
49.0
48.0
1年7月
1年11月
1年1月
2年7月
2年11月
2年1月
続けましょう。
何か行動を起こそうと思ったとき,
人はまず行動に対して自己効力感というフィルターを通して
「で
きそうか?」を判断します。自己効力感の高い人は,
「できそうだ!」と考えているため活動的でポジ
ティブな気持ちで行動するので結果も良くなる確率が高まります。成功すればまた自己効力感が高ま
るので,やる気が出てくるといった正のスパイラルが発生しやすくなります。
自己効力感を高める方法として,バンデューラは次のことを述べています。
◆
達成体験: 自分自身で成功したり達成したという体験
◆
代理経験: 他者が達成している様子を観察することで「自分もできそうだ」と感じること
◆
言語的説得:能力があることや達成の可能があることを言語で繰り返し説得されること
今年度は自己効力感に関する調査(身に付けていくべき能力)を9月及び3月の2回行いました。生
活面,学習面,進路探索面について28項目を設けて5段階の自己評価としました。その結果,1年も
2年も効力感が低い項目が次の学習面に関するものでした。
学校評価アンケート2年生普通科(第1回調査 9 月→第2回調査 3 月:肯定的割合%)
1学年
2 学年
指示された家庭学習をやりきること
47→53
61→65
効率よい勉強を行うこと
27→30
42→42
授業等において,質問したり考えを述べたりすること
25→27
41→47
目標に向けて自ら学習計画を立てること
32→37
46→51
自ら計画した学習をやり抜くこと
32→35
45→45
身に付けていくべき能力(自己効力感に関する評価項目)
第2回調査の結果,自己効力感を高めている生徒は増えています。しかし,もともと自己効力感の
低い生徒の変化はあまり見えませんでした。低学年での学力補充や個別指導による課題解決を徹底す
ることで「やればできる」という達成体験を得させることの必要性を感じます。
3 授業研究の推進
今年度は,生徒による授業評価の方法を改良して,授業者が指定する2クラスでのアンケート実施
としました。この度の改良の目的は,授業者が主体的に分析することで課題を探り解決の手立てを見
出すことができるようにしたものです。授業評価アンケートを授業改善のツールとして活用し,成果
の手応えを実感している教師がいます。これも一つの達成体験であり,今後の授業研究への意欲の高
まりにつながるものであると考えます。
第2回授業評価のまとめの中にある,
授業改善の成果についてのある授業者のコメントを紹介して,
平成23年度広島皆実高校の授業研究のまとめとします。
bとi以外はすべて上昇した。bの微減については,学習方法について前期にかなり力を入
れて指導をしており,一定の改善が確信できたので後期にはあまり力を入れて指導をしていな
いのが原因だと思われるが問題はない。今後も徐々に自主的な学習にシフトしていく。
前回,課題として考えていたfの評価が大きく上昇したのはよかった。アンケートには現れ
ていないが,本クラスは模試成績が非常に伸びている。これも授業改善の成果だと考える。
-3-
〈参考資料〉
平成23年度 生徒による授業評価実施要項
1 目的
授業に対する取組み方や授業を受けた手応えについて,生徒から率直な意見を聞くことで,授業改
善の一助とする。
・授業者自らが積極的に指導方法や授業構成等の課題を見つけ,その工夫・改善を図る。
・年度末には授業に係る工夫・改善の結果を評価し,その成果と課題を明確にする。
2 方法等
(1)授業評価・授業改善の実施手順
ア 生徒による授業評価(第1回)について
授業者は,担当する2クラスで生徒による授業評価アンケートを実施する。ただし,1クラス
の構成員は20人以上とする。2クラスの選定は授業者が行う。生徒に「授業評価アンケート」
を配付した際は授業評価の目的を丁寧に説明する。授業者は,授業終了前10分程度を使ってア
ンケートを実施する。その後,評価結果を集計し「集計表」と「評価のまとめ」を作成して教頭
へ提出する。教頭は,教科としての集計結果を整理し教科へフィードバックする。授業者個人の
評価データは教頭が管理し一般には公開しない。
イ 授業改善の取組み
授業者は,相互授業観察や教科内の授業研究,生徒による授業評価アンケートの結果をもとに
課題を明確にし,その改善に取り組む。管理職は10月からの自己申告の面談や授業観察を通じ
て,取組みの進捗状況を把握し助言をする。
ウ 生徒による授業評価(第2回)について
授業者は,第1回と同じクラスで生徒による授業評価アンケートを実施する。実施後はアンケ
ート結果を集計し「評価のまとめ」を作成して教頭へ提出する。評価のまとめの中で,授業改善
の成果と次年度に向けた課題を明らかにする。教頭は,教科としての集計結果を整理し教科へフ
ィードバックする。
(2)授業評価に関するデータについて
授業評価票等のファイルは,
「皆実共有フォルダ」⇒「管理職からの連絡」⇒「平成23年度授業
評価」というフォルダに入れておく。
ア 「平成23年度生徒による授業評価アンケート」の様式
イ 「平成23年度授業評価集計表」の様式
ウ 「平成23年度授業評価のまとめ」の様式
(3)授業評価の実施期間
ア 生徒による授業評価アンケート(第1回)
イ 授業評価アンケートのまとめの提出締切
7月12日(火)∼7月20日(水)
8月5日(金)
ウ 生徒による授業評価アンケート(第2回) 2月上旬(3 年生は1月上旬までに)
-4-
平成23年度生徒による授業評価アンケート
日々の授業は,生徒の意欲と教員の熱意によって成立するものです。このような観点から,より良い
授業を目指してこのアンケートを実施します。生徒のみなさんは,日ごろの授業をふり返って率直な評
価をしてください。以下の質問について,該当する数字に○をつけてください。
【記入上の注意】
① 学年・学科・クラス名の記入をしてください。さらに,教科・科目名を記入してください。
② 次の〔評価基準〕を参考に該当する番号に○をつけてください。
〔評価基準〕
5 よくあてはまる
2 あまりあてはまらない
年
教科・科目名
4 あてはまる
1 あてはまらない
H
3 少しあてはまる
授業者
教師の働きかけ
評 価 表
No.
評
価
内
容
・
事
項
評 価 基 準
a
板書や資料は見やすく整理されている。
5
4
3
2
1
b
予習・復習などの学習方法について具体的な指示がされている。
5
4
3
2
1
c
授業の目標や学習の意義が提示されている。
5
4
3
2
1
d
先生の指示や説明はよく分かる。
5
4
3
2
1
e
先生は,
「なぜそうなるのか」などを授業の中で考えさせている。
5
4
3
2
1
f
授業は大学入試にも照準を合わせた内容である(5教科)
。
5
4
3
2
1
g
この授業を受けて,学力や技能の向上を実感している。
5
4
3
2
1
h
この授業を受けて,興味関心が深まり学ぶ意欲が出てきた。
5
4
3
2
1
i
(独自質問)
5
4
3
2
1
生徒への効果
3 自由意見等
-5-
平成23年度 第1回授業評価のまとめ
年
H
生徒人数
教科・科目名
授業者名
1 授業評価結果
【5:よくあてはまる
4:あてはまる
3:少しあてはまる
2:あまりあてはまらない
1:あてはまらない 】
No
評
価
内
容
・
事
項
平均
5
4
3
2
1
5・4
評価
割合%
割合%
割合%
割合%
割合%
の
割合%
a
板書や資料は見やすく,整理されている。
b
予習・復習などの学習方法について具体的な指示がされてい
る。
c
授業の目標や学習の意義が提示されている。
d
先生の指示や説明はよくわかる。
e
先生は,「なぜそうなるのか」などを授業の中で考えさせてい
る。
f
授業は大学入試にも照準を合わせた内容である(5教科)。
g
この授業を受けて,学力や技能の向上を実感している。
h
この授業を受けて,興味関心が深まり学ぶ意欲が出てきた。
i
(独自質問)
2 課題と改善策
クラスの特徴
授業課題
改善策
-6-
平成23年度生徒による授業評価アンケート(第2回)
日々の授業は,生徒の意欲と教員の熱意によって成立するものです。このような観点から,より良い
授業を目指してこのアンケートを実施します。生徒のみなさんは,9月以降の授業をふり返って率直な
評価をしてください。以下の質問について,該当する数字に○をつけてください。
【記入上の注意】
① 学年・学科・クラス名の記入をしてください。さらに,教科・科目名を記入してください。
② 次の〔評価基準〕を参考に該当する番号に○をつけてください。
〔評価基準〕
5 よくあてはまる
2 あまりあてはまらない
年
教科・科目名
4 あてはまる
1 あてはまらない
H
3 少しあてはまる
授業者
教師の働きかけ
評 価 表
No.
評
価
内
容
・
事
項
評 価 基 準
a
板書や資料は見やすく整理されている。
5
4
3
2
1
b
予習・復習などの学習方法について具体的な指示がされている。
5
4
3
2
1
c
授業の目標や学習の意義が提示されている。
5
4
3
2
1
d
先生の指示や説明はよく分かる。
5
4
3
2
1
e
先生は,
「なぜそうなるのか」などを授業の中で考えさせている。
5
4
3
2
1
f
授業は大学入試にも照準を合わせた内容である(5教科)
。
5
4
3
2
1
g
この授業を受けて,学力や技能の向上を実感している。
5
4
3
2
1
h
この授業を受けて,興味関心が深まり学ぶ意欲が出てきた。
5
4
3
2
1
i
(独自質問)
5
4
3
2
1
生徒への効果
3 自由意見等
-7-
平成23年度 第2回授業評価のまとめ
年
H
生徒人数
教科・科目名
授 業 者 名
1 授業評価結果
【5:よくあてはまる
4:あてはまる
3:少しあてはまる
2:あまりあてはまらない
1:あてはまらない 】
No
第2回授業評価アンケート結果
評価内容 ・ 事 項
a
b
c
d
e
f
g
h
i
5
割合%
板書や資料は見やすく,整理されて
いる。
予習・復習などの学習方法について具体的な指
示がされている。
授業の目標や学習の意義が提示され
ている。
先生の指示や説明はよくわかる。
先生は,「なぜそうなるのか」などを授業の中
で考えさせている。
授業は大学入試にも照準を合わせた内容であ
る(5教科)。
この授業を受けて,学力や技能の向上を実感し
ている。
この授業を受けて,興味関心が深まり学ぶ意欲
が出てきた。
(独自質問)
2 課題と改善策
授業改善の
成果等
次年度への
課題(改善策
を含めて)
-8-
4
割合%
3
割合%
2
割合%
1
割合%
平均
評価
5・4 の
割合%
第1回の
結果
平 均 5・4 の
評価 割合%
1
教
国
各教科における研究主題
科
語
地歴・公民
研究主題
古文を読む力を高める学習指導の工夫
生徒の思考力を高める授業の創造
数
学
探求的な授業の創造
−知識を獲得するための探究的活動−
理
科
思考力を伸ばす授業の創造
保健体育
生徒の思考力を向上させる体育授業の創造
芸
言語活動を充実させた芸術教育
術
外国語(英語)
自発的な学習者を育てる授業のあり方
情
報
思考力を深めるための場面を取り入れた授業の創造
家
庭
思考力を高める活動を促すTT(ティームティーチング)の活用
看
護
考える力・表現する力を伸ばす授業の創造
2
授業時間
研究協議
(50 分)
(50 分)
10 月 4 日
7限
放課後
(火)
13:25∼
16:25∼
10 月 21 日
3限
4限
(金)
10:50∼
11:50∼
10 月 27 日
3限
4限
(木)
10:50∼
実施日
11:50∼
実施科目・指導内容等
教室
科目・クラス
基礎看護
1年2H
指導内容
看護の対象の理解
武内徳子
1 年2H
理科総合A
物質の構成
1年4H
丹下寿浩
1年4H
日本史A
第1次世界大戦と日
2年5H
本
古典
『源氏物語』
2年3H
「光る君誕生」
数学A
確率
社会科教室
上杉幸子
2年3H
11 月 9 日
5限
6限
(水)
13:25∼
14:25∼
担当者名
馬石麻由子
1年5H
武島正太郎
1年5H
情報A
マルチメディアの活
1年6H
用,表現の工夫
第2体育館
スポーツⅢ(柔道)
柔道に必要な基本動
柔道場
3年1H 女子
作
情報教室
中島
緑
松下秀明
11 月 14 日
6限
7限
(月)
14:25∼
13:25∼
1 月 17 日
2限
3限
専攻科
小児看護学方法論Ⅰ
(火)
9:50∼
10:50∼
1 年生教室
専攻科1年
1 月 24 日
4限
5限
1年2H
基礎看護
英語Ⅰ
1年4H
1年4H
-9-
Lesson 6
Living with
石村まさみ
Chimpanzees
小児看護過程
堀
褥瘡の予防と手当て
和代
大賀智代
(火)
11:50∼
13:25∼
1 月 26 日
4限
5限
専攻科
精神看護学方法論Ⅰ
(木)
11:50∼
13:25∼
1年生教室
専攻科1年
1 月 31 日
5限
6限
(火)
13:25∼
1年2H
基礎看護
精神疾患患者の看護
米光裕子
注射法
髙延綾弥
2年2H
14:25∼
2年2H
※芸術,家庭は今年度は実施せず。
指導助言者
看護:広島県教育委員会
教育部
指導第二課
指導主事
吉川
由縁
理科:広島県教育委員会
教育部
指導第二課
指導主事
松島
康浩
地歴:広島県教育委員会
教育部
指導第二課
指導主事
土佐
吉男
国語:広島県教育委員会
教育部
指導第二課
指導主事
荒尾
幸司
数学:広島県教育委員会
教育部
指導第二課
指導主事
部屋
聡
情報:広島県立教育センター
外国語:広島県教育委員会
教育情報部
保健体育:広島県教育委員会
教育部
指導主事
指導第二課
教育部
宮地
指導主事
スポーツ振興課
浩
村上
貴子
指導主事
平田
篤
上記の研究授業に加えて,チャレンジハイスクール事業の一環で,本校の職員による研究授業なら
びに指導主事による示範授業が行われた。
- 10 -
平成23年度
各教科における研究主題と成果および課題
教科名(
研究主題
国語
)
古文を読む力を高める学習指導の工夫
第1回
8月30日
単元名:「枕草子」
学年・クラス:2−3 授業者:馬石麻
由子
研究授業の
記録
第2回
11月9日
単元名:「源氏物語」 学年・クラス:2−3 授業者:馬石麻
由子
第3回
2月14日
単元名:「和歌の鑑賞」 学年・クラス:2−3
授業者:荒尾 幸司指導主事(広島県教育委員会指導第二課)
指導において以下のことが大切であることが確認できた。
○授業の中で考える場面をとり,書く活動を入れることで,生徒自身に理解を
深めさせていくこと。
○音読。
○中心となる発問を授業者同士で統一しておくこと。
今年度の成果
教材研究において授業者同士の話し合いをできる限り持つこと。
具体的には以下のことを共有していきたい。
○中心となる発問を練っていくこと。
○古典常識を教えるタイミングを検討すること。
今後の課題
- 11 -
平成23年度
各教科における研究主題と成果および課題
教科名(地歴・公民)
研究主題
「生徒の思考力を高める授業の創造」
第1回
8月26日
単元名:「現社:消費者問題」学年・クラス:1年6H
授業者:土佐吉男指導主事(広島県教育委員会指導第二課)
研究授業の
記録
第2回
10月27日
単元名:「第一次世界大戦と日本」学年・クラス:2年5H
授業者:上杉幸子
第3回
1月26日
単元名:「明治憲法下の政治
」学年・クラス:1年6H
授業者:牧原英伸
・ 発問の仕方一つで生徒の反応が違うので,発問の大切さを意識する。
・ 授業内に内容を盛りこみ過ぎるので,まとまりのある授業構成にする必要が
ある。(学習の転移を考える必要がある,全部を教えようとする傾向)
・ 教材の活用法・・・取捨選択とどのレベルまで生徒に要求するのか。
・ ペアワークの手法については,普段のクラスの中で,話せる雰囲気を作って
今年度の成果
おく必要性がある。教師側の柱立てが何よりも大切である。
・ 国語等では「どう思いましたか」になるが,地歴公民では,「どうしたか」
と考える問いの設定が難しい。事例をあげて背後にあるものを思い出すよう
にする。事例もより身近なものを取り入れることの難しさを感じた。
・ 授業のねらいを明確にし,それにせまる発問をいかに工夫していくかが大切
である。
・ 日々の授業で,どこまで生徒に要求するのかということを,明確にしておく
ことが大切である。
・
いろいろな資料やデータを分析する力・読み取る力を,普段の授業の中で
培う取り組みを仕組むことが大切である。
今後の課題
・
思考力を高める授業の手段として,言語活動(言語活動など)を取り入れ
た発表活動は必要と思われる。今年度は,生徒に求めるねらいの明確さと
その方法との使い分けが整理できないままであった。生徒に求める柱立て
をしっかり示したうえで,生徒の活動を保障することがねらいに近づくも
のと考える。
- 12 -
平成23年度
各教科における研究主題と成果および課題
教科名(
研究主題
数学
)
探究的な授業の創造−知識を獲得するための探究的活動−
第1回
8月26日
単元名:「図形と計量」学年・クラス:1−7H
授業者:前田淳一
第2回(示範授業)
研究授業の
8月26日
記録
単元名:「図形と計量」学年・クラス:1−6H
授業者:部屋聡指導主事(広島県教育委員会指導第二課)
第3回
11 月 9 日
単元名:「確率」
学年・クラス:1−5H 授業者:武島正太郎
第4回
1月10日
単元名:「数列」
学年・クラス:2−7H 授業者:若宮靖史
現象としての成果は,指導案検討が従来よりもさらに充実したということが
あげられる。授業者が誰になっても授業ができるほどに数学科の教員全員が真
剣に検討に臨んだ。特に,第4回の研究授業は「数学的帰納法の導入」であっ
たが,その指導案検討では,これまで各教員がどのように指導していたのかと
いうことを出し合う中で,ノウハウを共有することができ,さらに問題点を指
今年度の成
果
摘し合うことで自身の指導を見直すきっかけになったと考える。その結果,理
解が困難だといわれる数学的帰納法による証明の構造的な理解を図ることがで
きた。このようなことを繰り返す中で,普段の授業のどこをどう改善すればよ
いのかという方向性を共有することができ,同じスタンスで授業に臨めるよう
になりつつあると考える。このことが最も大きな成果である。残念ながら,す
ぐに目に見える形での成果ということではないが,ボディーブローのような形
で本校数学科の底上げにつながっていくものと考える。
今年度の成果は,すぐに成果として目に見えるものではない。しかし,生徒
は3年間で卒業していくのであるから,在学中に何らかの成果を出す責任があ
る。そのような意味から,生徒の学力向上に直結するような具体的な取組を構
築する必要がある。幸い,今年度2年生1月の進研模試の結果,平均点偏差値
が 53.9 と近年にない高い数値を出した。また,1年生1月の進研模試では,偏
差値 60 以上の生徒が 25 名と例年になく多い。一方で成績下位の生徒も多く,
今後の課題
成績の二分化傾向が見て取れる。特に成績下位の生徒は学習意欲にも乏しく,
家庭学習時間も少ない。このような現状を打破するためには,生徒の理解を重
視する授業の創造をより一層図ることが重要であり,やらされる学習からやろ
うする学習へ転換する必要がある。
- 13 -
平成23年度
各教科における研究主題と成果および課題
教科名(
理科
)
思考力を伸ばす授業の創造
研究主題
−生徒どうしが関わる場面を取り入れた授業展開を通して−
第1回
7月
8日
単元名:「細胞と生物のからだ」
学年・クラス:2年6・7H
生物選択者
授業者:森江秀行
第2回
10月21日
研究授業の
記録
単元名:「物質の構成」
学年・クラス:1年4H
授業者:丹下寿浩
第3回
1月13日
単元名:「いろいろな様式の遺伝」
学年・クラス:2年6・7H
生物選択者
授業者:森江秀行
第4回
1月13日
単元名:「遺伝情報の分配」
学年・クラス:2年6・7H
生物選択者
授業者:松島康浩指導主事(広島県教育委員会指導第二課)
① アイデアやアドバイスを出し合えた。
ホワイトボードを活用した研究授業を行うということで,教科会でアイ
デアを出し合い,安価にホワイトボードを自主制作できた。
授業者が思い描いた授業をどうやったら実現できるかについて,教科内
で活発に様々なアイデアを出し合ったり,アドバイスをし合える機会を持
つ事ができた。
② 情報交換がなされた。
理科は,物理・化学・生物・地学それぞれ専門分野に分かれており,
教科会においても同じ科目を担当していない限り,なかなか生徒や授業
今年度の成果
について情報交換をする場面は少ない。研究協議の場で各々の取り組み
内容がわかり参考になって良かった。
また,松島指導主事から他校の取り組みについて情報提供がなされ,大
変参考になった。
③
授業に今までとは違った活気が出てきた。
少人数のグループで話し合い,自分達の考えを他の人にホワイトボ
ードを使って説明をするという活動を通して,ただ授業を受けているという
ことではいられなくなり,グループ内で協力して思考するようになって能動
的に授業に参加するようになった。
いつも同じ授業展開をしているとマンネリ化をしてくるので,話し合いに適
今後の課題
した教材研究や授業展開の方法など工夫をしていくことが必要である。
また,今回,他校の様々な取り組みが情報提供されているので,取り入れられ
るものは取り入れて行きたい。
- 14 -
平成23年度
各教科における研究主題と成果および課題
教科名(
研究主題
保健体育
)
「生徒の思考力を向上させる体育授業の創造」
第1回
11月9日
単元名:「柔道」 3年生1H(女子)
授業者:松下秀明
研究授業の
記録
今回の授業研究では,
「生徒の思考力を向上させる体育授業の創造」とい
うテーマをもとに保健体育科全体で改めて生徒の状況をつかみ,授業を見
直す中で体育科の将来的なビジョン等についても議論を重ねることができ
た。
担当された松下教諭が敢えて授業クラスを体育科3年生の女子に設定し
たのも他の保健体育科教員が3年間の内に授業・部活動のいずれかで人間
今年度の成果
関係をつくっていることにあった。
生徒の成長を感じつつも卒業後に競技者としてもしくは体育・スポーツ
の将来を担う指導者として活躍するために授業をいかに改善していくべき
かという視点を持つことができた。
体育科の生徒を基準にして考えることで普通科の生徒に関してもよりき
め細かい指導が必要であることが把握できた。
今年度の成果をより具体的な形としていくために,授業の改善はもとより成
績評価方法の研究を進めなければいけない。
来年度はグラウンド改修の予定があり施設面で非常に難しい面も出てくる
が,今年の研究主題「生徒の思考力を向上させる体育授業の創造」を考え
ると学年全体,もしくは3年間を見通した授業内容,評価方法についての
検証が必要ではないか。
今後の課題
特に,授業で実施される「実技テスト」や「評価プリント・カード」につ
いての研究をしていく必要がある。
- 15 -
平成23年度
各教科における研究主題と成果および課題
教科名(
研究主題
芸術科
)
言語活動を充実させた芸術教育
公開研究授業は実施していない。
研究授業の
記録
・ 鑑賞をして感想を書かせる。
・ お互いに教えあう。
・
英語・ドイツ語・ラテン語のことばの共通性,ことばに興味を持たせる。
実技を通しての言語活動である。
今年度の成果
・
自分の思いを鑑賞でことばに表す。基本的な漢字の間違いをする。
・
ワークシートを使っての穴埋めで流れを使ったもの。
・ 作品のなかでの言語活動,臨床美術を取りいれ,どこが・どういう風に・
どう思ったか等感じ方を言葉で理解させ表現させている。
三科目それぞれが,言語活動を充実させるための授業の実技指導を通して,言
葉で表現することを試みた。鑑賞ではワークシートを使った物やプリントに自
由に書かせる物も試みた。美の感じ方を言葉で表現するのと違い,書かせるこ
とで漢字の間違いをすることもあるが成果はあったものと考える。
・ ワークシートを使っての穴埋めで流れを使ったものは,授業の中で教えた
いことが伝わっているのか。聞く集中力がなければ実質的なものになってい
ない。
・ 聞いて理解する,授業内容を身につけていない。
・ 効率よくどこからしたらよいか,段取りを教えて学べていない。見通しを
考えての活動をしていない生徒がいる。
今後の課題
・ 受ける側の力を見て授業をする。
・ コミュニケーション能力につなげる授業をする。
・ 言語活動とは思考力。充実させた芸術教育の充実とはただ言語活動を取り
入れただけではいけないのでは。
- 16 -
平成23年度
各教科における研究主題と成果および課題
教科名(
英語
)
自発的学習者を育てる授業のあり方
研究主題
第1回
9 月 22 日
単元名:「英語Ⅰ, Lesson 4 Punana Leo」 1 年 5H
授業者: 浅井智雄
研究授業
第2回
11 月 14 日
の記録
単元名:「英語Ⅰ,Lesson 5 Diving into Mystery」1 年 7H
授業者:石村まさみ
第3回(示範授業)
2月9日
単元名:「英語Ⅰ, Lesson 8 Good Ol’ Charlie Brown 」1 年 7H
授業者:村上貴子(広島県教育委員会指導第二課)
1
研究主題の設定
指導主事を交えた協議会の中で,皆実高校の生徒の現状について意見を交換するこ
とを通じて,日頃の授業での教員の疑問点を具体化した研究主題を設定することがで
きた。また,生徒の自発的英語学習姿勢を育てるための授業中の働きかけを,各教師
が日頃の授業でより意識することが出来るようになった。とりわけ,2学年において,
実用英語技能検定受験者が昨年度に比べて大幅に増加したことは,教科書をベースに
した英語学習への興味関心や動機を高めるための様々な工夫がなされたことの成果と
言える。
2
複数回の研究授業の開催
今回の研究授業の対象者はすべて,1年生であったが,授業を見学し,授業につい
て協議を重ねることによって,授業を成立させる様々な要因(授業目標の設定方法,
今年度の成
果
導入,授業での学習活動や求める家庭学習の程度,評価方法,英語使用頻度,等)に
ついて,より思考を深めることができ,翌日からの日常の授業実践に素早く反映させ
ることができた。
3
示範授業の実施
指導主事という立場で,学校現場での授業をしていただく機会を得ることができた
ことは,新学習指導要領実施を控えたこれからの英語教育を推進していかなければな
らない英語教師として,自らの英語力や英語指導力の向上に絶えず努めなければなら
ないという自覚を再確認できたという点で,教育的および教員研修として,大変,価
値あるものであった。
4
定期考査分析や校内模試作成
考査結果を数的に評価することにより,生徒の弱点分野を明らかにすることができ,
学習指導がより効率的に行えるようになった。また,英語教師自ら,校内模試問題作
成と作問検討に携わる中で,作問スキルを高めることができた。
- 17 -
1
研究主題の設定とその評価
今年度,テーマとした「自発性」は,英語学習の情意面に関する要因である。
「自発
性」を評価する場合,予習状況を主な指標とすることが多い。各教師が生徒の予習状
況を評価することに加えて,4技能における自発性という側面も考慮した研究主題を
設定し評価できれば,もっと学習の質が高まると思われる。
今後の課
題
2
センター試験に対応した授業研究
本事業(チャレンジハイスクール事業)の目的の一つとして,センター試験成績向
上があげられている。近年のセンター試験では,大量の英文を短時間で素早く処理す
る能力がますます要求されてきている。この力をつけるためには,自発性だけではな
く,授業でのトレーニングも必要である。センター試験で要求される英語学力要素(未
知語の意味の推測,段落構成の把握,主題文の検索など)をテーマとした,授業研究
も取り入れる必要がある。
- 18 -
平成23年度
各教科における研究主題と成果および課題
教科名(
研究主題
情報
)
学年・クラス:1年6H: 授業者:中島
緑
思考力を深めるための場面を取り入れた授業の創造
第1回
11月9日
研究授業の
記録
単元名:「マルチメディアの活用」
第2回
月
日
単元名:「
」学年・クラス:
授業者:
日
単元名:「
」学年・クラス:
授業者:
第3回
月
○
与えられた課題に取り組む際に,グループの考えをまとめ,グループの
言葉でまとめることにより,思考力を深めることができた。
○
限られた時間のなかで,情報モラルを考える場面やコミュニケーション
を行う場面を取り入れることができた。
○
他者の意見を取り入れ,自らの思考を修正する活動は大切である。
○
実習時間の確保と実習内容の充実
○
学習指導要領の改訂に伴い,思考力を深める場面をどこに取り入れてい
今年度の成果
くか。
今後の課題
- 19 -
平成23年度
各教科における研究主題と成果および課題
教科名(
研究主題
家庭
)
思考力を高める活動を促すTT(ティームティーチング)の活用
公開研究授業は実施していない。
研究授業の
記録
今年度,初めて導入したTTを活用し,「思考力を高める活動を促す」授業
内容の工夫を模索した。
TTの導入により,衛生面,安全面,技術面,授業規律において,指導と生
徒対応が細やかにできるようになった。また,プリント配布や実験準備等の作
業が分担されることで,授業展開がスムーズになり,授業時間を効率的に活用
今年度の成果
できるようになった。これらの結果,実験・実習やワークシート・レポート作
成,グループ討議等における生徒の発言や疑問などに対応し,生徒が教師との
対話を通し,思考を深めることのできる場面を増やすことができた。
家庭基礎は2単位で展開するには内容が多岐にわたっており,また,生徒の
生活経験は年々乏しくなっていく現状がある。そのため,TTを活用し,より
効率の良い授業展開と決め細やかな指導を行っていくことは意義深いと考え
られる。
今後も,質の高い授業実践に向けて,授業改善の工夫を検討し続けていかな
ければならない。その具体的な内容として,TT指導の形態に授業展開やTT
を活かした指導内容・評価の在り方がある。また,授業の日程調整や実験実習
の内容の確認,役割分担等,教師間での連絡と連携を密に取ることが不可欠で
今後の課題
あることが再認識された。
生徒の思考力を高めるためには,授業の中で,生徒が自ら行動を起こし,課
題に対して判断をする場面を増やしていくことが重要である。そのためにも,
TT指導を効果的に活用できるよう,検討を続けていかなければならない。
また,体育科における授業改善の工夫も引き続き取り組んでいかなければな
らない。
- 20 -
平成23年度
各教科における研究主題と成果および課題
教科名(
研究主題
看護
)
考える力・表現する力を伸ばす授業の創造
第1回
10月4日
単元名:「看護の対象の理解」1年2H:授業者:武内徳子
第2回
1月17日
研究授業の
記録
単元名:「小児看護過程」専攻科1年:授業者:堀
和代
第3回
1月24日
単元名:「褥瘡の予防と処置」1年2H:授業者:大賀智代
第4回
1月26日
単元名:「精神疾患患者の看護」専攻科1年:授業者:米光裕子
第5回
1月31日
単元名:「注射法」2年2H:授業者:髙延綾弥
今回の授業研究では,考える力・表現する力を身に付けさせるために5年一
貫看護教育の各学年に応じた授業内容の工夫を実践した。また,看護科全体の
教員が一つの授業を検討していくことで生徒の状況を把握し,状況に応じた教
材の工夫や授業展開の工夫についての意見交換もできた。
今年度の具体的な取り組みとして,思考のポイントを提示したグループワー
今年度の成果
クや論理的思考を取り入れたワークシートの工夫,既習学習や臨地(臨床)実
習と関連付けた学習内容等を取り入れ,考える力を身に付ける方法を実践し,
検討ができた。表現する力では「他者の意見を聴く力」に重点を置き,ワーク
シートの活用から「自分の考えを他者に伝えられる表現力」が身に付き,言語
活動の充実へと繋がった。これらの実践を看護科全体の教員が共通認識として
得ることができ,今後の授業展開や教材の検討に大変参考になった。
今後も継続して,考える力・表現する力を伸ばす授業内容の充実と使用する
教材の工夫を図り,5年一貫看護教育の中で各学年に応じた教材の検討が必要
である。低学年で論理的思考を取り入れたワークシートを活用し,発表させる
ことで高学年,専攻科になるとワークシートがなくても論理的に発表できるよ
今後の課題
う段階的にワークシート等の教材を検討する必要がある。また,校内での学習
が臨地(臨床)実習の場においても実践できるよう日々の学習指導を丁寧に行
うことが必要である。
- 21 -
国語科学習指導案
授業者
1
日
時
平成23年11月9日(水)5限(13:25∼14:15)
2
対
象
普通科
3
単元名
4
単元設定の理由
2年3H
40名(男子10名
馬石麻由子
女子30名)
『源氏物語』「桐壺」
(1)単元観
『源氏物語』は女性の手による最古の長編物語として,世界的にも高い評価を受けている作
品である。後に成立した作品にも大きな影響を与えており,今後様々な作品を読み味わう上で
も,
『源氏物語』を知った上で読むかどうかでその内容に深浅が生じることもある,古典を学習
する上では必要不可欠な作品でもある。その中で,
「桐壺」の巻は,主人公光源氏の生い立ちが
描かれる物語の冒頭部で,読解には,身分制度や階級,婚姻のしきたりなどの古典常識の知識
が必要とされる上,難解な表現も多く,高校2年の生徒には,親しみにくいかもしれない。し
かしそこに描かれているのは,その時代のその場面を懸命に生きる人間の姿である。難解さの
向こうにある,現在にも通じる作品の魅力は,きっと生徒に伝わるはずである。また「桐壺」
は,桐壺帝や桐壺更衣のみならず,弘徽殿女御や殿上人,多くの皇妃たちなど,様々な視点か
らの読解が可能で,ひとつの現象に対して,様々な人々が,置かれた立場の中で,どのような
思いをもち,どのような行動をとっていくのかを,多角的に,深く考えさせることのできる,
大変よい教材であると考えている。
(2)生徒観
2年3H は全員が同じ選択科目の純粋な文系クラスである。古典に対する苦手意識は少ない
が,まとまった文章の読み取りには,まだ自信が持てない生徒も多い。現在,修学旅行を経て
クラスはまとまりつつあり,学習に対しても前向きに取り組めるよい雰囲気がある。意見交換
を通じ,
『源氏物語』の魅力に気づき,様々なものの見方,考え方を尊重できる姿勢を培ってく
れると考えている。
(3)指導観
『枕草子』で「村上の先帝の御時に」を学習し,古典常識の知識を増やしてきてはいるが,
まだ不十分な点も多い。『源氏物語』のアウトラインや,平安時代の婚姻,官位・階級の制度,
当時の社会情勢なども理解できるような補助資料の活用が必要である。また,意見交換をさせ
る上での視点の与え方も重要である。「ましてやすからず」「人のそしりをもえはばからせ給は
ず」など,場面ごとに一つの切り口を示し,なぜそのような表現であるのかをグループで考え
させることで,単純な現代語訳にとどまらない,深い読解を促していきたい。
- 22 -
5
単元の目標
(1)
『源氏物語』に描かれた,様々な人間の生き方,あり方を,仲間と協力しながら積極的
に読み進めようとする。(関心・意欲・態度)
(2)既習事項および参考資料を活用して,登場人物の置かれた立場を考慮してその心理・
行動を読解する。(読む能力)
(3)敬語などの文法事項,古典常識について理解する。(知識・理解)
6
単元の評価規準
関心・意欲・態度
読む能力
知識・理解
・『源氏物語』に描かれた, ・既習事項および参考資料
・敬語などの文法事項,古
様々な人間の生き方,あり
を活用して,登場人物の置
典常識について理解してい
方を,仲間と協力しながら
かれた立場を考慮してその
る。
積極的に読み進めようとす
心理・行動を理解している。
る。
7
単元の指導と評価の計画(全 9 時間)
次
学習内容(時間)
評価
関
読
知
評価規準
評価方法
○単元の目標を把握
し,学習の見通しを持
○
つ。
○『源氏物語』の作品
についてアウトライン
1
・後宮の女性たちの立場や
・発言
○第1部分前半「いづ
使命を理解した上で,その
・観察
れの御時にか、∼まし
心情を読みとっている。
を知る。
○
◎
○
てやすからず」の内容
を,意見交換も交えな
がら読みとる。
○後宮の女性たちの階
級について確認する。
・当時の常識に反する帝の
・発言
の宮仕へ∼御もてなし
行為とその心情を理解し
・観察
なり」の内容を,意見
ている。
○第1部分後半「朝夕
○
◎
2
交換も交えながら読み
とる。
- 23 -
○第2部分「上達部・
○
◎
・周囲の貴族たちと桐壺更
・発言
3
衣の心情を理解している。 ・観察
上人∼まじらひ給ふ」
の内容を,意見交換も
交えながら読みとる。
・桐壺更衣の置かれた状況
・発言
を理解している。
・観察
・「玉の男皇子」誕生の持
・発言
も∼かしづき給ふこと
つ意味と父帝の二人の皇
・観察
限りなし」の内容を,
子への心情を理解してい
意見交換も交えながら
る。
○第3部分「父の大納
○
◎
4
言は∼心細げなり」の
内容を,意見交換も交
えながら読みとる。
5︵本時︶
○第4部分「前の世に
○
◎
読みとる。
・皇子誕生前と後の桐壺更
・発言
おしなべての∼おぼし
衣への処遇の違いとその
・観察
疑へり」の内容を,意
理由を理解している。
○第5部分「初めより
○
◎
6
見交換も交えながら読
みとる。
・皇子誕生により桐壺帝と
・発言
に∼桐壺なり」の内容
桐壺更衣に生じた新たな
・観察
を,意見交換も交えな
苦悩と心情を理解してい
がら読みとる。
る。
○第6部分「人より先
7
8
○全体を通して,それ
○
○
◎
・各登場人物について,背
・発言
ぞれの人物の人物像・
景も含めた理解をしてい
・観察
関係を整理する。
る。
・物語の展開に期待を持っ
・記述し
の後の運命を予測し,
て,自分なりの考えを表現
た用紙
今回の学習を通じて印
している。
○「玉の男皇子」のそ
○
◎
◎
9
象に残ったこと(人物)
について自由に記述
し,まとめる。
8
本時の展開(第5時)
(1)本時の目標
○「玉の男皇子」誕生の持つ意味と桐壺帝の「玉の男皇子」への思い入れの強さを読み
とる。(読む能力)
○意見交換を通じて,自分の読み取りを深めようとしている。(関心・意欲・態度)
- 24 -
(2)本時の評価規準
関心・意欲・態度
読む能力
知識・理解
・桐壺帝の「玉の男皇子」
「さへ」という副助詞や敬
・桐壺帝と桐壺更衣の置か ・
への思い入れの強さを,仲
れた立場を考慮して,
「 玉の
語などの文法事項,古典常
間と協力しながら積極的に
男皇子」の誕生の意味や二
識について理解している。
読み進めようとする。
人の皇子に対する帝の思い
の違いについて理解してい
る。
(3)本時の学習展開(第5時)
学習活動
指導上の留意点
評価規準(評価方
法)
1
本時の目標を確認する
・この部分ではじめて主人
公光源氏が誕生することを
確認し,彼の誕生の意味や
導
桐壺帝の彼への思いを読み
入
展
開
とっていくことを伝える。
2
第4部分を音読する
3
第4部分 冒頭文「前 の
・
「さへ」という添加の副助 ・既習事項(副助詞)
世 にも∼生ま れ給ひぬ」 の
詞から、皇子の誕生は何に
を利用して内容を
「さへ」に着目し,
「玉の男
対して添加されているの
理解している(発
皇子(光源氏)」の誕生がど
か,また皇子の誕生は「前
言)
の ような意味 を持ったも の
の世」からの「御契り」だ ・皇子の誕生の意味
であったかを考える。
という表現から,皇子の誕
について,様々な視
生の意味について考えさせ
点で考えようとし
る。
ている(観察・発言)
4
「玉の男 皇子」と「 一
の 皇子」を比 較し,同じ 父
・本文の表現を根拠に話し ・二人の皇子の違い
帝 を持つ皇子 にどのよう な
合わせ,意見をつきあわせ
を理解している(発
違 いがあるの か、グルー プ
る事で,的確に違いを捉え
言)
で話し合い,確認する。
させる。
5
桐壺帝の 二人の皇子 に
対する心情を理解する。
・二人の皇子の置かれた状 ・桐壺帝の心情を理
況に反比例するかのような
父帝の愛情のあり方を理解
させる。
- 25 -
解している(発言)
板書計画
9
味,二人の皇子の置かれた
の予告
状況の違いを確認し,次回
は桐壺帝が「玉の男皇子」
ま
の誕生前と後で,桐壺更衣
と
に対する扱い方を変化させ
め
・
「玉の男皇子」の誕生の意
本時の振 り返りと次 時
6
たことについて,その意味
や理由を考えていくことを
伝える。
源氏物語
紫式部
光る君誕生
○﹁玉の男皇子﹂誕生の持つ意味
副助詞・添 加
・世になく清らなる玉の男皇子 さへ
生まれ給ひ ぬ。
∼までも
☆﹁さへ﹂と いう 表現から分かること
私物に思ほ
しかしづき
給ふこと限
りなし
○﹁一の皇子﹂と﹁玉の男皇子﹂の違い
﹁一の皇子﹂ ﹁玉の男皇子﹂
①母親 右大臣の女御
桐壺更衣
②周囲 ・よせ重く
の
・疑ひなき
評価
まうけの
きみ
・世にもて
かしづき
聞こゆれど
③容貌 この御にほひ
めづらかな
には並び給ふ
るち ごの御
べくもあらざ
かたちなり
りければ
④父の
愛情
おほかたの
やむごとなき
御思ひ
- 26 -
P51
平成23年度
広島皆実高等学校研究協議会記録
教科名(
指導・助言者名(
指導第二課
研究主題
授業者(
馬石
麻由子
指導主事
戸田
正聡
国
語
)
司会者(
柿原
慶江
)
記録者名(
渡辺
和恵
)
)
)
古文を読む力を高める学習指導の工夫
研究授業にお
1
多様な音読(範読・群読・相互読み等)の導入。
ける指導上の
2
キーワードを手がかりにし,読みを深めさせる工夫。
工夫
3
グループ学習を導入し,生徒自身に内容を整理させる活動。
1
先生自身が美しく音読され,古典の世界に引き込まれた。
2
・「さへ」をキーワードに,
「玉の男皇子」誕生の意味を考えさせるこ
とによって,読みが深まった。
・文法学習でもなかなか定着しない「さへ」(添加)のイメージを,
この読解と通して生徒が具体的につかむことができたのではない
か。
討議の内容
(「研究主題」
3
・
グループ学習の方法がよく身についている。積極的に活動してい
る。
・ 予習をよくしてきている。生徒自身が自分で考える授業になって
をふまえて)
いた。
・ 比較の視点を与えないやり方(白紙のワークシート)はレベルが
高い。
その他
・ 生徒が楽しそう。雰囲気が素晴らしい。
・ 指示が的確。生徒の活動がスムーズに進んでいる。
・ 今後文法事項はどのように指導するか。→
学習のまとめで行う。
① 安心してみていられる授業。うまい。
② 生徒観「古典に対する苦手意識は少ないが…」は珍しい。
1年次の授業で古典嫌いを作っていない。素晴らしい。
指導・助言
の内容
③ 生徒が楽しそうなのは,先生が楽しそうだから。
④ 前回の授業(8 月
「枕草子」)で出た課題を生かしていた。
⑤ 発問の工夫もよくされていた。逆にスムーズに答えが出すぎた印象も。
「本当にそうなんですか?」と揺さぶる工夫があってもよい。
⑥
今後の課題
(次回研究授
業に向けて・
次年度に向け
本時は振り返りの時間が取れなかったのが課題。
日頃,教科指導の方法・内容について指導を受ける機会が少ないため,
よい研修の機会となった。今後は,スケジュールの中で,現代語訳・文法
の指導と,内容を深く読み取っていく指導とのバランスを,うまくとって
いける方法を研究していきたいと考えている。
て)
- 27 -
地理・歴史科学習指導案
日本史 A
授業者
1
日時:平成23年10月27日(木)3時限
2
場所:社会科教室
3
学年・クラス:2年5H(18 名)
4
単元名:「第一次世界大戦と日本」
5
単元について
上杉幸子
○単元観
大単元「近代日本のあゆみと国際関係」において,明治以降の日本の状況を国際情勢と
関連付けながら考察させる。その中で,本単元は第一次世界大戦と日本との関わりを取り
上げる。第一次世界大戦は,長期にわたる戦争の中で,新兵器の登場などにより,それ以
前に比べようのない犠牲を兵士や一般市民に与えることとなった。またその結果,その後
の国際連盟の設立や,ワシントン会議をはじめとする国際的な協調体制の進展などの変化
がみられる。こうした第一次世界大戦前後の国際環境の推移を日本の立場に着目しつつ考
察していく。その中で,日本が大陸に政治的・経済的に勢力を拡大していく過程と,それ
に伴う中国・朝鮮の民族運動の高揚や,社会主義国家誕生に対する日本の対応について多
面的多角的に考察する。
○生徒観
2 年生,2 単位の選択クラスである。授業態度は素直でまじめな生徒が多い。4月当初
に実施したアンケートによれば,日本史はまあまあ好きであるが,近代以降はあまり興味
がもてないという生徒が多かった。受験では世界史 B を選択すると考えられるためか,日
本史に対する意欲は受身であるように思われる。説明中心の授業形態の場合は集中力が欠
けるところがある。中学校時代の歴史学習が日本史中心であることから,断片的に歴史事
象や,人名などを知識として持っているが,日本史は覚えるといった意識が強く「どうや
って覚えればよいか」
「ごちゃごちゃして覚えられない」といった悩みを持っている生徒が
多くいる。
○指導観
歴史を過去の自分に関係ないことではなく,歴史を学び,考えることを通して,今の社
会を考えさせたい。早急に答えを求め,知識を覚えこむのではなく,しっかり自らが課題
意識を持って考えることができる授業にしたい。そのために,資料や写真などを多く取り
入れ,視覚的,具体的に考えさせる授業を展開するようにする。またペアワークによる作
業を行うことにより,互いに物事を論理的に考え,表現する力を向上させるよう取り組み
たい。
6
単元の目標
第一次世界大戦前後から第二次世界大戦終結までの国際情勢を理解し,国際社会の中の,
日本の対外政策の推移や,大戦が日本の経済や社会に及ぼした影響について考察する。
- 28 -
7
単元の評価規準
関心・意欲・態度
思考・判断
技能・表現
知識・理解
第一次世界大戦から
第一次世界大戦から第
第一次世界大戦から
第一次世界大戦から
第二次世界大戦の間
二次世界大戦の間の内
第二次世界大戦の間
第二次世界大戦の間
の内外情勢の変化に
外情勢の変化から,諸
の内外情勢の変化関
の内外情勢の変化に
対する関心と課題意
国家間の対立や協調関
する文献・新聞・写
ついての基本的な事
識を高め,意欲的に追
係と日本の立場,国内
真・映像・統計・グラ
柄を,諸国家間の対立
及している。
の経済・社会の動向,
フなどの諸資料から, や 協 調 関 係 と 日 本 の
アジア近隣諸国との関
有用な情報を選択し
立場,アジア近隣諸国
係と関連付けて多面
て活用することなど
との関係と関連付け
的・多角的に考察する
を通して,歴史的事象
て理解し,その知識を
とともに,国際社会の
を追求する方法を身
身に付けている。
変化を踏まえ公正に判
に付けるとともに,追
断している。
及し考察した過程や
結果を適切に表現し
ている。
8
指導と評価の計画(全7時間)
次
1
学習内容
評価
関
大正政変
思
技
○
知
◎
評価規準
評価方法
政党政治を求める民衆の意識
ワークシート
の変化について課題を持ち,基
本的な知識を身に付けている。
◎
2(本時) 第 一 次 世 界 大 戦 と 日
○
本
第一次大戦における日本の外
ワークシート
交のあり方を当時の社会情勢
発表
から多面的に判断している。
3
シベリア出兵と米騒
◎
○
動
第一次大戦における日本の外
ワークシート
交のあり方を国際社会の変化
をふまえて判断している。
4
ワシントン会議
◎
○
第一次大戦後の日本の外交の
ワークシート
あり方を国際社会の変化をふ
まえて判断している。
5
社会運動の発展
○
◎
政党政治を求める民衆の意識
ワークシート
の変化について課題を持ち,基
本的な知識を身に付けている。
6
政党政治の展開
○
◎
○
政党政治の推移に関する資料
ワークシート
活用し考察した過程を適切に
表現している。
7
市民文化
○
◎
大衆文化の形成に関する資料
を活用し考察した過程を適切
に表現している。
- 29 -
レポート
9
本時の展開
(1)本時の目標
第一次世界大戦前後の国際情勢を理解し,第一次世界大戦を「天佑」ととらえた日本の対外
政策や,経済の変化を考察する。
(2)観点別評価規準
思考・判断:第一次世界大戦における日本の外交のあり方を,当時の経済状況などの社会情
勢から多面的に考察し,判断している。
技能・表現:考察した過程や結果を適切に表現している。
(3)準備物
教科書・図説・ワークシート
(4)学習の展開
学習活動
指導上の留意点
導
○ 日本の貿易額の変化の
・生徒を二人ペアにし
入
グラフを読み取る
10
・ 輸出・輸入額はどれか
分
・ なぜそう判断したのか
て,話し合わせる。
・ なぜ 1914 年には 11 億 ・日露戦争によって大き
の債務があるのか
な債務を負ったことを
・ このグラフの時期には 思 い 出 さ せ , こ の 時 期
どのようなことがあっ
(A)に債務国から,債
たのか
権国になった変化に気
付かせる。
展
○本時の目標の確認
開
・ 第一次世界大戦と日本
の関わりについて学習
30
することを提示する
分
○第一次世界大戦
・ DVD を見て,第一次
Q1:第一次世界大戦はな
世界大戦をイメージ
ぜ起こったのか。
させる。
・当時の国際情勢
・第一次世界大戦自体に
ドイツを中心とする三国
は深く言及せず,戦争
同盟と三国協商の対立
の原因・形態の変化,
ヨーロッパを主戦場
としたことを簡単に
押さえる。
- 30 -
評価規準
評価方法
Q2:第一次世界大戦はど
のような戦いであったの
か?
・大量殺戮兵器の登場
(飛行機・毒ガス・戦
車・・・)
・ 戦争の形態の変化(総
力戦)
○ 大戦中の日本の動向
Q1:
「第一次世界大戦は大
正時代の天佑(天の恵み)。
これに乗じて日本の利権
を確立すべき」という元老
井上馨のことばは何を意
味しているのだろうか。
・日本の参戦(中国山東省 ・大戦前の中国の状況を ・ヨーロッパの戦争
の占領)
思い出させ,第一次大戦 が 日 本 に 経 済 的 に
・ 二十一カ条の要求
を日本が中国に進出す も大きな影響を与
・ 西原借款
る好機と捉えていたこ えたこと資料から
・ 石井・ランシング協定
とを理解させる。
ワークシート
を読み取らせる。
(思考・判断)
Q2:大戦景気
日 本 の 経 済 が 大 戦 の 時 期 ・ヨーロッパが主戦場に
に,どのように変化してい なったため,戦場となら
るか?
なかった日本やアメリ
・日本の輸出超過
カの経済発展したこと
・重化学工業の発展
を理解させる。
・経済構造(農業中心から
工業中心)への変化
ま
○井上馨の「天佑」の意味 ・もとのペアで,本時の ・日本が第一次世界
ワークシート
と
を考えさせ,第一次世界大 内容をまとめさせ,発表 大戦に,積極的に参
発表
め
戦は日本にどのような影
10
響 を 与 え た の か ま と め さ ・日本の大陸進出の一方 的 に も 経 済 的 に も
分
せる。
させる。
で,その結果として,中
加することで,対外
発展する契機をつ
国やアジアで対立を深 かんでいったこと
めていく面にも気付か を考察し表現でき
ているか。(技能・
せる。
表現)
- 31 -
平成23年度
授
指導助言者名(
研究主題
広島皆実高等学校研究協議会記録
業
者
指導第二課指導主事
(
上杉幸子
土佐
吉男
教科名(
地歴・公民
)
司会者(
石井
正規
)
)記録者名(
牧原
英伸
)
)
生徒の思考力を高める授業の創造
・ 早急に答えを求め,知識を覚え込むのではなく,しっかり自らが課題意識を持っ
研究授業にお
ける指導上の
工夫
て考える授業にしていきたい。
・
グラフの変化から,債務国から債権国へ転じた背景を読み取る。
・ ペアワークを取り入れ,互いに物事を論理的に考え,表現する力を向上させるよ
う取り組みたい。
・
グラフの大きな変化の原因を考える。今までの学習した知識を大いに使って原因
や背景を考えていた。
・ 生徒への発問の仕方(何を聞きたいのか質問の内容をわかりやすく問う・何を質
問して何を聞きたいのかをわかりやすく問う)
・(授業者)生徒の答えを導くために,最初の発問から少しずつヒントを与えつつ発
討議の内容
問が変わっていた。この意図が,生徒に果たして伝わっていたか。生徒が真意を焦
(「研究主題」
をふまえて)
点化していないのではないか。
・ (助言者)東大苅谷先生「知的複眼視的思考」より。問いをずらしたり,建て替
えたりする方法が有効ではないか。→その中で,いろんな事や奥深いことを理解,
考えさせられるのでは。
指導・助言
の内容
・
毎回のねらいにせまる発問をしていくことが大切である。
・
思考力とは要約力である。論理的,順序立て,因果関係を考えられる授業。
・
内容を精選し,何を伝えたいかを整理した上で,発問の仕方を考える。
・ 資料を多いに活用し,何を教えるかを用意してのぞまれていた。何をどのように
精選して,順序よく考えるかを考えていくことが必要である。
・
授業のねらいを明確にし,それにせまる発問をいかにしていくかが大切。
今後の課題
(次回研究授
業に向けて・
次年度に向け
て)
- 32 -
数学科学習指導案
研究テーマ:探究的な授業の創造−知識を獲得するための探究的活動−
授業者
1
日時・場所
2
学年・組
3
教
4
単
5
単元について
元
11月9日(水)5限
武島正太郎
本館4階1−5H 教室
1年5H(普通科)40 名
材
教科書「数学A」第一学習社,教科傍用問題集「ハイパープロップ」啓林館
名
数学A「独立な試行の確率」(いろいろな確率の計算)
(1) 教材観
数学 A では,集合とその要素の個数,順列・組合せ及びその総数の求め方を事前に学習
しており,それらの考え方を活用して不確定な事象の起こる程度を数を用いて表現する。
身近な事象や具体的な事象を基にして,事象を数学的に考察する能力を養い,数学的な見
方・考え方のよさや日常の具体的な事象を数学的に考察することのよさを感じさせるのに
適した教材である。
(2) 生徒観
授業へは真剣に取り組もうとする生徒が多いが,全体への発問に対して返答してくれる
生徒は特定の生徒であることが多いため,普段の授業はおとなしいことが多い。ただし,
わからないところは周りで教えあうよう指示した場合,問題設定にもよるが生徒同士で教
えあう活動を積極的にし,授業の雰囲気が盛り上がることが多いクラスでもある。グルー
プでの話し合い活動を指示した場合も積極的に取り組もうとする姿勢が見られる。発表活
動は自分の言葉で頑張って発表しようとする生徒もある程度いるが,表現力の面で国語力
が不足していると感じることが多い。
学力に関してはクラス内で大きく差があり,提出物(毎日の宿題や週末課題)の提出状
況や小テストの出来を見ると家庭学習が定着していない生徒が多い反面,家庭学習が定着
している生徒は模試の結果からみても学力をしっかり伸ばしており,クラス全体の平均点
を大きく引き上げている。数学のクラス平均に関しては,7 月進研模試平均点偏差値 52.4
(学校平均点偏差値 52.0),8 月全統模試平均点偏差値 50.2(学校平均点偏差値 49.6)で
ある。また,2 学期中間試験の集合・場合の数の分野 50 点分ではクラス平均 30.3 点(学
校平均 28.6 点)であり,場合の数の分野の到達度は概ね満足できるといえる。
(3) 指導観
このクラスでは今まで積極的に言語活動を取り入れることを意識し授業展開してきたが,
数学 A の学習内容は更に言語活動を取り入れやすいため,この確率の単元においても生徒
の言語活動を大切にする。問題の意味の把握も大切にし,具体例を書き出すなどの方法か
ら 1 問 1 問の問題をじっくり考えさせ,計算技能の伝授に偏重しないよう指導していく。
また,数学的活動を積極的に取り入れ,日常の具体的な事象を数学的に考察することの良
さを実感させたい。
クラス内での学力差へは,生徒同士の教えあい活動を積極的に行わせることで対応して
いる。
6
単元の目標
具体的な事象の考察などを通して,確率について理解し,不確定な事象を数量的にとら
えることの有用性を認識するとともに,事象を数学的に考察し処理できるようにする。
- 33 -
7
単元の評価規準
関心・意欲・態度
数学的な見方や考え方
数学的な技能
知識・理解
確率における基本
数学的活動を通し
数学的活動を通して,
確率において,事象
て,確率における考え
確率における数学的な
を数学的に考察し,表
的な概念,原理・法則,
方や体系に関心をも
見方や考え方を身に付
現し処理する仕方や
用語・記号などを理解
つとともに,数学的な
け,事象を数学的にとら
推論の方法を身に付
し,基礎的な知識を身
見方や考え方のよさ
え,論理的に考えるとと
け,よりよく問題を解
に付けている。
を認識し,それらを事
もに思考の過程を振り
決する。
象の考察に活用しよ
返り多面的・発展的に考
うとする。
える。
8
指導と評価の計画(全9時間)
時
次
学習内容
1
独立な試行の確率
評
数
関
考
2
⃝
⃝
技
知
(本時は1時間
価
評価規準
評価方法
・問題に関心を持ち,すでに学習した
机間指導
確率の求め方の基本知識を活用し, や 発 表 に
目)
確率を求めようとする。(関)
・事象を数学的にとらえ,既に学習し
2
反復試行の確率
3
⃝
よる行動
観察,ワー
た基本知識を活用し,論理的に考え
クシート,
ることができる。(考)
ノート
⃝ ・独立な試行の考えを元に,反復試行
の確率を求めることができる。
(技)
・反復試行の確率の求め方を理解す
る。(知)
3
複雑な事象の確率
1
⃝ ・独立でない試行についての確率の求
め方が理解する。
4
期待値
3
⃝
⃝
・期待値に関心を持ち,具体的な事象
の考察に活用しようとする。(関)
・事象を数学的にとらえ,既に学習し
た基本知識を活用し,論理的に考え
ることができる。(考)
9
本時の展開
(1)
本時の目標
独立な試行について,探究的活動によりその求め方を理解する。
(2)
本時の評価規準
・問題に関心を持ち,既に学習した確率の基本知識を活用し,確率を考えようとする。
※1(関心・意欲・態度)
・事象を数学的にとらえ,既に学習した基本知識を活用し,論理的に考えることがでる。
※2(数学的な見方や考え方)
(3)
準備物
教科書,ペットボトルの蓋 21 個,1 円玉 21 個,実験記録用ワークシート
- 34 -
(4)
本時の指導過程
学習内
○指導過程・●学習活動
指導上の留意点
評価規準《方法》
容
導入
(3 分)
展開1
(24 分)
⃝ 次の問について考えさせる。
・全事象の数と事象の場合の
「ペットボトルの蓋 1 個とコイン 1 枚を同時
数を考えて確率を求める
に投げたとき,両方とも表の確率を求め
ことができないことに気
よ。」
づかせ,実験して調べる。
● 2 人のペアを作り各ペアが 50 回ずつ投げ, ・20 ペア作るので,合計 1000
記録を取る。
回の試行として扱う。
● 実験結果を集約していき,相対度数を計算
・50 回,100 回,150 回…
し ,相 対 度 数 が ある 値 に 近 づ いていくこと
と合計していく。相対度数
を確認する。
を手分けして計算させる。
⃝ 近づいていく値の意味を考察させる。
● その値が確率の積になっていることに気
づく。
①※1《机間指導
や発表による行動
観察》
・ペットボトルの蓋の確率は
事前の授業で実験して求
めておく。
⃝ ペットボトルの蓋が表の確率とコインが
表の確 率 の 積 が 両方 と も 表 の 確率と等しい
理由を考えるために,「独立な試行」につい
・教科書は閉じさせる。
て確認しておく。
・いくつか発表させる。
● ペアで独立な試行,独立でない試行の具体
例を考える。
展開2
⃝ 次の問について考えさせる。
・さいころとコインなど数学
②※2《机間指導
(20 分) 「ペ ット ボ ト ルの 蓋が 表 の 確率とコインが表
的に確率が計算,説明でき
や発表による行動
の 確率 の 積 が 両 方と も 表 の 確率と等しいこ
る試行を元に説明を考え
観察》
と を別 の 独 立 な 試行 の 事 象 を例にとって説
させる。
明しよう。」
・教科書は閉じさせる。
● グループで相談して意見をまとめる。
・数グループを当てて,説明
させる。
⃝ 独立な試行の確率の求め方をまとめる。
● 教科書問 15,16 を解く。
・教科書を開く指示。
・問の解答は生徒に説明させ
る。
まとめ
⃝ 本時のまとめ,宿題の指示。
(3 分)
【評価の観点】①関心・意欲・態度
②数学的な見方や考え方
- 35 -
③数学的な技能
④知識・理解
確率ワークシート
U 実験を記録しよう。
⃝:両方とも表
×:⃝の余事象
50 回中合計
回
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
10
20
30
40
50
U 全員の記録を合計して,相対度数を調べてみよう。
50
100
150
200
250
300
350
400
450
500
550
600
650
700
750
800
850
900
950
1000
750 800
850 900
950 1000
⃝の回
数
相対度
数
⃝の回
数
相対度
数
U 折れ線グラフにしてみよう。
相対度数
0. 30
0. 25
0. 20
0. 15
0. 10
0. 05
0. 00
50
100 150 200 250 300
350 400
450
- 36 -
500 550
600 650
700
参考資料
表
11 月 1 日の授業でペットボトルの蓋を投げて蓋が表となる確率の
実験を行った。
クラスを 13 班に分け,500 回投げる実験の代わりに 5 個を 100
回投げて記録を取り,相対度数を計算させた。500 回分の各班の相
対度数は以下のようになった。(小数第 3 位四捨五入)
0.24,0.25,0.25,0.25,0.22,0.25,0.27,0.22,
0.26,0.29,0.24,0.23,0.22
確率は 0.23∼0.26 と推測される。
- 37 -
平成23年度
広島皆実高等学校研究協議会記録
指導・助言者名(指導第二課
探究的な授業の創造−知識を獲得するための探究的活動−
研究主題
研究授業におけ
る指導上の工夫
教科名( 数学科 )
授業者( 武島正太郎 )司会者(前田 淳一)
部屋 聡 指導主事)記録者名( 若宮 靖史 )
z
z
z
討議の内容
(「研究主題」を
ふまえて)
z
z
ペットボトルのふたと硬貨を同時に投げる試行について,実験を取り入れることに
より,生徒自身が数学を創造していく活動を通して,より確かな知識を獲得してい
くこと。
実験を取り入れたということについて
¾ 実験のやり方で,同時になげていなかった。やり方を徹底しておけばよかった。
¾ 生徒は楽しんで実験を行っていた。論理的に考えるきっかけになると思う。
¾ 理論を検証するために実験を行うという考え方もあった。ペットボトルのふた
が表になった時だけコインを投げているグループもあった。
¾ 実験を行う目的が明確に伝わっていなかった。
¾ 生徒が指導者の思いをくんで活動をしていた。
生徒の理解について
¾ このようなやり方(実験を取り入れるということ)の方が積を求めればよいと
いう考え方につながるのではないかと思った。
¾ 独立である試行と独立ではない試行の具体例をもっとあげさせてもよかった。
¾ 違いをもっと考えさせてもよかったのではないか。
¾ 評価基準は満たしていた。
授業の構成について
¾ 6グループに分かれたところから授業のペースが落ちた。
¾ 作業の指示が伝わっていなかった。
¾ 時間を区切って作業や話し合いをさせることも必要である。
その他の意見として
¾ グループで話し合いをさせるとき,話し合いの内容をまとめる用紙を配布して
おけば各グループの話し合いの内容があとからでも把握できる。また,各グル
ープの話し合いの中身を板書させる手段もある。
z
指導・助言
の内容
今後の課題
(次回研究授業
に向けて・次年
度に向けて)
今まで活動を取り入れる授業がほとんど行われていなかった。これからノウハウを
蓄積し今後の授業改善に生かして欲しい。
z 作業を行う際には指示の徹底が不可欠である。
z 前回の実験結果をそのまま利用するのではなく,今回の実験の統計の取り方を工夫
してもよかったのではないか。
z 「同様に確からしくない」という授業者の発言を生徒はどう捉えていたか。
z 実験から一般化をしていく流れの中で,実験の結果が次に結びついていなかった。
z 実験に対しては興味を持っていたが,数学的に考察することに対して興味を持たせ
ることができていたか。さらなる工夫が必要である。
以上,部屋指導主事
z 活動を取り入れて日常的な事柄に関連付けていく授業の創造にむけて,より具体的
なノウハウを構築して欲しい。
以上,池野先生
数学的活動は内的活動と外的活動に二分される。高校数学では,これまで主に内的活動
に重点を置いた授業がなされていた。今回の授業は外的活動を取り入れたものであり,
指導・助言の中にもあるように,そのノウハウはたくさんは蓄えられてこなかった。今
後,このような外的な活動を取り入れた授業を多く実施し,ノウハウを蓄えるとともに,
生徒の活動を数学的理解の深化に結びつけられるような授業構成や展開を検討していく
必要がある。さらに,活動している生徒をどのように評価するのかということも検討し
た。
- 38 -
高等学校
理科
「理科総合A」
学習指導案
授業者
1
日
時
10月21日(金)
2
対
象
第1学年
3
単
名
第1章「物質と人間生活」
4
教材
元
教科書
問題集
3時限目(10:50∼11:40)
普通科
「高等学校
丹下寿浩
(男子14名,女子26名)
4H
改訂
「ネオパルノート
第1節「物質の構成」
理科総合A」
理科総合A」
(第一学習社)
(第一学習社)
5 単元について
(1)教材観
本単元では,身の回りの物質は原子・分子・イオンから成り立ち,それらの結合の
変化によって物質の性質が変わることを学んでいく。その初期段階として,混合物の分
離について学ぶ。今日私たちは,非常に多くの物質に触れ合ったり,利用したり,ある
いは摂取したりすることで日々の生活を送っている。しかし,科学技術の進歩は目覚ま
しく,常に新しい物質・商品が開発されている状況である。このような時代においては,
生活していく上で関わりのある物質が何からできているのか,またその物質を構成する
物質・成分の性質や安全性などに問題はないか,などに目を向けることは,利用する人
間の生活や安全を守るだけでなく,ひいてはその人間の周辺の環境や社会の一部にも影
響を与えることができるのではないかと考える。そのような観点から,混合物の分離を
学ぶことが大切であると考える。
(2)生徒観
男子14名,女子26名の普通科クラスである。授業中の様子は概ね良好で,こち
らからの指示に答えようとする姿勢は随時見受けられる。生徒が活動する場面を設定し
ても,周囲の生徒と協力しながら,問題を解決しようとする生徒が多い。
(3)指導観
本単元は,化学分野の学習において,物質の成分や構成粒子についてなど,基本的
且つ重要な内容を取り扱う。講義や問題演習などを用いて,単元の内容を確実に定着さ
せていく。また,その際に生徒間の意見交流やグループ討議,グループ活動などの場面
設定を取り入れて,論理的思考力の育成や言語活動の充実を図っていく。
6 単元の目標
自然界の物質について化学の基本的概念を踏まえ,物質の性質を観察・実験及び講義を
通して理解を深めていく。
- 39 -
7
単元の評価規準
関心・意欲・態度
思考・判断
技能・表現
知識・理解
身の回りの物 質が何か ら
物質の構 成単 位が粒子で
物質の分離法を理解し,
物質の種類について純物
できているの かについ て
あること に気 付き,原子
蒸留やろ過などの物質の
質・混合物,単体・化合
興味を持ち, 探究しよ う
や分子の 存在 によって,
分離に関する原理を,言
物という観点から理解し
とする態度を持つ。
様々な現 象が 科学的に説
語を用いて表現できる。
ている。
物質を表す量 として用 い
明できる こと を考えるこ
濃度の概念を表現するこ
物質の構成粒子として、
る単位に関心 を持とう と
とができる。
とができ,様々な溶液の
原子・分子・イオンがあ
する。
原子それ ぞれ の相対的な
濃度を求めることができ
ることを知り,その構造
質量から ,原 子量を考え
る。
を理解している。
る必要が ある ことを考え
原子量・分子量・式量・
ることができる。
物質量について理解して
いる。
溶液中の溶質における量
的関係を理解している。
8
次
指導と評価の計画
学習内容(授業時数)
評
関
1
物質の成分
思
○
技
知
◎
○
価
評価規準
・
身の回りの物質が何からできているのかにつ
評価方法
行動観察
(3時間)
いて興味を持ち,探究しようとする態度を持つ。
発表
本時(2/3)
・
小テスト
物質の分離法を理解し,物質の分離に関する
原理を,言語を用いて表現できる。
・
物質の種類について,純物質・混合物,単体・
化合物という観点から理解している。
2
物質を構成する基本
○
◎
・
物質の構成単位が粒子であることに気付き,
行動観察
粒子
原子や分子の存在によって,様々な現象が科学的
発表
(7時間)
に説明できることを考えることができる。
小テスト
・
物質の構成粒子として,原子・分子・イオン
があることを知り,その構造を理解している。
3
物質の量
○
◎
○
(5時間)
・
物質を表す量として用いる単位に関心を持と
行動観察
うとする。
発表
・
小テスト
原子それぞれの相対的な質量から,原子量を
考える必要があることを考えることができる。
・
原子量・分子量・式量・物質量について理解
している。
4
溶解と濃度
(5時間)
○
◎
・
濃度の概念を表現することができ,様々な溶
行動観察
液の濃度を求めることができる。
発表
・
小テスト
溶液中の溶質における量的関係を理解してい
る。
- 40 -
9
本時の展開
(1)本時の目標
・
身の回りの物質を,物質の分離法を元に考察する。
・
自分の考えを,言語を用いて表現する。
(2)本時の評価規準
・
物質の分離法を理解し,物質の分離に関する原理を,言語を用いて表現できる。
(3)学習の展開
過程
(○:指導過程,●:学習活動) 指導上の留意事項
導入
○前時の復習(混合物の分離方 ・教科書を用いて,
(2分)
法)
評価規準
評価方法
適宜確認させる。
●分離方法を確認する。
展開1
○試料を提示し,その試料を分
( 1 5
離して,内容物を取り出す方法
分)
を検討させる。(10分程度)
●4人グループを作り,分離方 ・複数の分離方法を
法やその方法を用いる根拠など 検討させる。
・適宜,助言を加え
を検討する。
●各グループに配布されたホワ ながら,机間指導を
イトボードに,グループの意見 行う。
を集約する。
行動観察
展開2
○各班の分離方法の概略を口頭 ・説明するグループ ・物質の分離法
( 2 0
説明させる。
の内容について,他 を理解し,物質
ホワイト
分)
●各班で検討した分離方法やそ の グ ル ー プ か ら の の 分 離 に 関 す
ボードの
れを用いる根拠などを,ホワイ 質問を促す。
る原理を,言語
内容
トボードを用いながら説明す
を用いて表現
口頭説明
る。
できる。
(ポスターセッション方式:説明
するグループと説明を聞くグル
ープに適宜分けて行動させる)
展開3
○見聞きしてきた質疑応答の内 ・他のグループとの
( 2 0
容を,グループ内で共有させる。 違いに着目させる。
分)
●自分のグループと他のグルー
プとの違い,利点や不利な点を
検討し,ワークシートにまとめ
る。
- 41 -
まとめ
○本時のまとめ
・物質の性質がわか
(3分)
○次回の予告
らなければ,分離す
る方法を検討する
ことが困難である
ことを生徒から引
き出したい。
- 42 -
平成23年度
授業者(
指導・助言者名(指導第二課
広島皆実高等学校研究協議会記録
丹下
寿浩
松島指導主事
)
)
教科名(理科(理総A)
)
司会者(
)
記録者名(
森江
有地
秀行
正男
)
思考力を伸ばす授業の創造
研究主題
−生徒どうしが関わる場面を取り入れた授業展開を通して−
・ 展開Ⅰで分離する試料として,コーラなどの日常的で成分の記載され
たものを提示した。
研究授業にお
・ 展開2では,ポスターセッションの形で,グループで話し合った方法
ける指導上の
についての情報交換の場を設定した。その際,自作のホワイトボード
工夫
をグループごとに渡した。
・ 展開3はワークシートにまとめるだけの予定であったが,余裕があっ
たので自分のアイデアを自己評価する発表の場を急遽作った。
○授業展開について
今回の授業において最後に「物質の性質が分からないと分離できない」
という生徒の声が上がった。このことから今回の目標が達成されたのでは
ないか。
物質の性質がわかっていることが必要だということを引き出したいと
いうねらいが達成できかかっていた。ここで発問をタイムリーに出せば良
かった。生徒は根拠を持って考えていることが分かった。この単元は発展
させていくことが可能な単元である。
今までこんな授業展開の授業はやったことがなかった。気になったこと
は展開3で最後の班になると雑談になっていたことである。
最初の指示を丁寧にすれば良かった。発表などではホワイトボードの使
い方も工夫できるはず。
討議の内容
(「研究主題」
をふまえて)
○教材について
試料を分離が難しいものにしたのはなぜか。
答えが複数出るものにしたかった。
試料を赤だし,コーラ,キャラメルにしたのはなぜか。
日常生活に近いものから選んだ。
赤だし
具は分けられる。塩分は分離方法を生徒が知っている。
キャラメル
アーモンドは分けられる。砂糖は分離方法を知ってい
コーラ
気体が溶け込んでいる。砂糖は分離方法を知っている。
る。
授業者は分離する答え(正解)を持っていたか。
持っていない。
授業の最後に正解を知りたいと思っている生徒が多いのではないか。わ
からない生徒にとっては正解がわからないと居心地が悪い。とにかくま
とめないと授業になりにくい。試料をシンプルなものにした方が良かっ
たのではないか。
理科の授業では結論が出るものの方がよい。学習活動の途中で何を情報
- 43 -
として出すかが大切。教師側が作ったものでシンプルなものでも興味を
持たせることはできる。結論がないと生徒は達成感が得られない。
授業で必ず結論が得られないといけないか。
理総Aであればその方がいい。
教科内での指導案検討では,複雑な方がいいという結論になった。今回
の授業内容は,いずれどこかの単元で関わってくることを生徒に知らせれ
ばよいのではないか。
・ 授業研究では,思考力が伸びたかどうか検証していく必要がある。チ
ャレンジ校ではそのための取り組みを早めに行い,かつペーパーに残
指導・助言
の内容
していく必要がある。
・ 理科の授業では結論が出るものの方がよい。学習活動の途中で何を情
報として出すかが大切。教師側が作ったシンプルなものでも興味を持
たせることはできる。結論がないと達成感が得られない。
今回の授業では生徒をポスターセッションで関わらせる展開を工夫し
今後の課題
(次回研究授
業に向けて・
次年度に向け
て)
た。その指導案の検討で,多様な答えが引き出せる教材を使用することに
なった。
しかし,理科の授業では,シンプルで結論が得られやすい教材がよいと
いう指導・助言があった。
そういった教材を使用しながらねらいを達成しつつ,生徒に興味を持た
せ達成感も味わえるような授業展開を工夫していくことが,今後の課題で
ある。
- 44 -
保健体育科学習指導案
授業者
1
日
時
平成23年11月9日(水)
2
場
所
第2体育館柔道場
3
学科・学年
体育科
4
単
スポーツⅢ(柔道)
5
単元について
元
第3学年1H
5時限
松下秀明
13:25∼14:15
女子(19名)
(1) 単元観
柔道は,素手で相手と直接組み合って相手の動きに応じて投げる,抑えるなどの対人的技
能を用いて攻防するところに,楽しさや喜びを味わうことの出来る運動である。特性を踏ま
え,基本動作を用いて投げ技,固め技,技の連絡変化,防御などの対人的技能を高めた攻防
ができるようにする。
(2) 生徒観
体育科3年生19名のクラスである。自分たちが専門にしている競技はもちろん,体を動
かすことが好きな生徒たちで,明るく元気でまとまりのあるクラスである。柔道部員5名を
中心にグループを組んで,更に協力する姿勢と互いを認め尊重しあう姿勢を高めていきたい。
(3) 指導観
柔道の技術向上には必ず,相手が必要であり直接組み合って競技が成立する。相手は自分
が思ったように応じてくれないことも多く,それぞれの技の初歩的な技術の向上においては,
特に相手の協力が必要で相手を尊重する態度も力を入れ指導する。また,柔道では体格差も
競技には大きな影響が見られるため,自己の能力を最大限に発揮し専門的な技を習得し相手
に応じた攻防が展開できるようにすることをねらいとして指導する。
6
単元の目標
(1) 相手の動きに応じて,相手を攻撃したり相手の技を防御したりすることができるように
する。(技能)
(2) 相手を尊重し礼法などの伝統的な行動の仕方を大切にする。禁止事項などのルールを遵
守し,技術の上達に向けて互いに高めあおうとすること。また,相手の技能の程度や施
設の状況に応じて運動量を調整したり,危険を予見して回避行動をとったりするなどに
よって,健康・安全を確保し事故防止を図ることができるようにする。(態度)
(3) 歴史や文化,技術およびその高め方,合理的な練習方法や練習計画の立て方,体力の高
め方,課題解決の方法,初歩的な指導法などを理解することができるようにする。また,
自己の課題を通して「スポーツⅢ」の振興発展にかかわることができるよう,課題の設
定や情報の分析及び適切な選択,活動の評価,目標の修正や練習計画ができるようにす
る。(知識,思考・判断)
7
単元の評価規準
関心・意欲・態度
思考・判断
全力で競技しようと 自己の能力に応じた
する姿勢,技を習得す 目 標 や 課 題 の 解 決 を
る た め に 互 い に 協 力 明確にしている。
することを通して,柔
道の楽しさや喜びを
味わおうとしている。
- 45 -
技
能
相手に動きに応じ、基
本動作を用いて,投げ
技や固め技などの攻
防ができる。
知識・理解
種目の特性や技術の
構築,課題解決のため
の練習方法や学習の
進め方を学んでいる。
8
指導と評価の計画(全20時間)
時
評
学習内容
間
関
技
知
具体の評価規準(評価方法)
・礼儀正しい態度で関心をもって学習に臨み
○
オリエンテーション
1
思
価
柔道の特性
柔道を学ぼうとしている
礼法
関心・意欲・態度(行動観察)
◎
組み方・姿勢
・柔道の歴史や特性について理解できる
知識(応答)
2
∼
8
・技を習得する喜びを味わい柔道を楽しもう
○
柔道に必要な動作
・基本動作
としている
(進退動作・八方崩し・体さ
関心・意欲・態度(行動観察)
◎
ばきなど)
・自分の能力,体格に応じた技の習得ができ
る
・受身動作(後受身・横受身・
技能(技能観察)
前周り受身・前受身)
・投げ技(支え釣り込み足・
背負い投げ・大腰・体落し・
大外刈・内股など)
投げ技の簡易試合
・約束を守り安全に簡易試合をしようとして
○
いる
関心・意欲・態度(行動観察)
9
◎
・足技を使った試合ができる
技能(技能観察)
柔道に必要な基本動作
・技を習得する喜びを味わい柔道を楽しもう
○
とする
・固め技(袈裟固・横四方固・
関心・意欲・態度(行動観察)
上四方固・肩固など)
10
◎
・絞め技(送り襟締め)
る
・関節技(腕がらみ・腕ひし
∼
⑭
・自分の能力,体格に応じた技の習得ができ
技能(技能観察)
ぎ逆十字固)
・相手の状況に応じて技を変化させることが
◎
本時
できる
18
思考・判断(応答)
1
9
∼
2
0
9
寝技簡易試合(リーグ戦)
・簡易試合を円滑に運営するために工夫をし
○
ている
思考・判断(行動観察)
◎
・学習した技を試合の中で試すことができ
る
技能(技能観察)
本時の展開(14/20時間)
(1) 本時の目標
防御姿勢に応じて様々な方法で攻撃することができるようになる。
(2) 観点別評価規準
・相手の防御の姿勢に応じて攻撃の仕方を工夫している。(思考・判断)
・多様な方法で亀の相手を仰向けにする技術ができる。(技能)
(3) 準備物
タイマー1 台
柔道紐(赤・緑・黄)
- 46 -
(4) 学習の展開
過程
学習活動
導入︵15分︶
1
集合,整列,挨拶をする。
2
体操,補強運動,柔軟体操
指導上の留意点
評価規準
(評価方法)
(ラジオ体操第2∼腕立て,足
上げ腹筋,背筋,スクワット,
ブリッジ,体さばき)
3
本時の目標を知る。
本時の学習内容を説明しながら何を学ばせたいの
か,技能のポイントを明確にして説明する。
4
抑え方
既に習った抑え技の確認を行う。
(袈裟固め・横四方固め・上四
※相手の状態に応じて抑え方を変える。
方固め・肩固め)
・抑え込み(約束練習)
自分で技を選んで抑え込みに発展させる。
15秒間抑え込みゲーム
(グループで2回り)
5
抑え技(自由練習)
抑え技の仕方を説明する。
●思考・判断
1分間(3回)
・背中合わせの状態から
(行動観察)
3人1組で行う
(右手を肩の高さまで上げて始めさせる)
展開︵30分︶
(1人は審判及びアドバイス)
6
抑え技の防御姿勢(亀)
抑え技における防御(亀)の仕方を説明する。
3人1組で自由にひっくり返
・亀の姿勢の防御力のポイントを確認する。
す練習
四つん這いになり,あごを引き,脇を締めて,
手,肘,膝,足でバランスをとる。
・返し方(攻め方)
防御(亀)の返し方の説明をする。
頭の方向に移動して∼
・右腕で帯を抑えて引きながら圧力をかける
・左腕で脇をすくって自分の右腕に固定する
・左に移動し,相手を押し上げ,横四方固めに持
っていく
※相手が脇を絞って我慢した場合の対応方法
・逆方向に回転し抑え込む
7
抑え技(自由練習)
背中合わせの状態から行うことを説明する。
1分間(3回)
(右手を肩の高さまで上げて始める)
3人1組で行う
(1人は審判及びアドバイス)
まとめ
︵5分︶
8
整理運動をする。
9
本時のまとめを聞く。
・基本的な技能のポイントの理解度を確認するた
めにリーダーに状況を聞き,次時の学習に繋げ
る。
- 47 -
●技能
(技能観察)
平成23年度
広島皆実高等学校研究協議会記録
教科名(
保健体育科
)
授業者(
指導・助言者名(広島県教育委員会スポーツ振興課:平田
司会者(
研究主題
藤井
潔
)記録者名(
松下秀明
)
篤 指導主事)
岩原
里奈
)
「生徒の思考力を向上させる体育授業の創造」
●柔道経験者(柔道部員)を「観察者」とし、指導助言を任せる。
●技能の習得を目指すために練習の中に多くの「ゲーム性」を持たせる。
●3 人 1 組のグループを基本に攻防の役割を交代で行いながら練習を進める。
●練習の合間に適切な「間」で集合をかけ、技のポイント・練習の留意点等の説
明や、発問を行った。
●柔道・剣道(格技)が必修のカリキュラムでありながら、普段指導する場面が少な
い本校教員の現状を考えると今回の研究授業は非常に有意義であった。
●授業クラス(3 年生女子体育科)の生徒が非常に活き活きと授業に参加していた。
生徒の成長を感じると共に、体育科ということを差し引いても女子がこれ程積
極 的 に 柔 道の 授 業 に 参加 す る と いう こ と は 授業 展 開 や 方法 が 良 い のだ と 考 え
た。(普通科の生徒でもそうなるのか)
<体育科と普通科の生徒の指導方法について>
●柔道はきちんと準備していても怪我が起こる種目である。
●運動能力の高い生徒(体育科の生徒)は筋力があり防御する力もあるが、
「 破壊力」
もある。投げ技を好むが難しいところである。
討議の内容
●柔道の楽しさのひとつである「投げる事」を授業内容科していきたいが安全面
(「研究主題」
を考えるとどうしても紹介程度に終わってしまう。(全国の指導者共通のテーマ)
をふまえて)
●柔道の授業を考えると「反復練習」と「我慢」に陥りやすいが、寝技中心とは
いえ攻防の中から思考を深めていくことができる事が分かった。
●カリキュラムとして必修化されているにも関わらず柔道人口が減少してる現状
で、柔道嫌いをつくらない授業が求められる。ただ単に技能の習得のみに終わ
らず、
「?」
(問いかけ=質問)の多い授業にしていくことで将来に渡り競技に親
しむ生徒が増えるのではないか。
●体育科の生徒ということで「将来、指導者になる者もいると思うから」という
問いかけから指導法についての学習も促すことができていた。
●礼に始まり、礼に終わるという礼儀作法を徹底することで授業がメリハリのき
いたものになっていた。
●体育科ということで特に将来スポーツ振興(「する・みる・ささえる」)の担い
手に対する指導という観点がみられた授業だった。
●攻防をセットで指導することでより生徒の思考を深めるような展開であった。
●安全面等も含め、
「教えきる」内容と生徒に考えさせる内容がある。考える機会、
指導・助言
教えあう機会を盛り込んだ授業にしていくべきだ。
の内容
●「評価」の観点から、言語身体表現がこれまでだと「技能」一辺倒の捉えられ
かたであったが「思考・判断」の中身として評価できるものもある。
●思考を深める(思考力を高める)為、
「考えなさい」というよりもそう言う場面(考
えないといけない場面)をつくる事(工夫)が必要である。
研究授業にお
ける指導上の
工夫
活 き 活 きと生 徒 が 参加で き る 授業の 創 造 という 観 点 をより 深 め ていく 必 要 が あ
る。
今後の課題
(次回研究授
業に向けて・
次年度に向け
て)
- 48 -
「情報A」学習指導案
授業者
1
日
時
平成23年11月9日(水)5限
2
対
象
第1学年6H
3
場
所
情報教室(本館4F)
4
単元名
5
単元について
中島緑
40名(男子 13 名・女子 27 名)
「マルチメディアの活用」−表現の工夫−
(1)教材観
「情報 A」における情報の総合的な処理とコンピュータの活用の学習では,現行学習指導
要領には,
「 収集した多様な形態の情報を目的に応じて総合的に処理する方法を習得させる。」
そのために「多様な形態の情報を総合的に活用することが必要な課題を設定し文書処理,表
計算,図形,画像処理,データベースなどのソフトウェアを目的に応じて使い分けたり組み
合わせたりして活用する学習を中心に扱うようにする。」とある。
また新教育課程の改定においても,情報の表現と伝達として,「情報をわかりやすく表現
し効率的に伝達するために,情報機器や素材を適切に選択し利用する方法を習得させる。」と
あり,情報通信ネットワークや様々なメディアを活用して,新たな情報を創り出したり,分
かりやすく情報を表現したり,正しく伝達したりする活動を通じて合理的判断能力や創作的
思考力,問題点を発見し,解決することができる能力をはぐくむ指導をより一層重視し,思
考力・判断力・表現力等をはぐくむことが求められている。
そこで,生徒一人ひとりが,メディアの活用について学習した知識・技術をもとに,情報
を分かりやすく表現し,正確に伝える新聞制作を設定した。グループで協力して実習する中
で思考力・判断力を深めさせたい。また,この実習の経験をもとに「情報社会に積極的に参
加できる。」きっかけとしたい。
(2)生徒観
このクラスは,自分のパソコンを所有している生徒の割合が 15%と他のクラス(学年平均
7.6%)に比べて多いが,中学校までの学習でワープロの履修率 55.0%と(学年平均 60.5%)
低く,ほとんど習っていない・触ったことがない生徒も比較的多く情報に関する知識・技術
に差のあるクラスである。生徒の多くは,教師の指示にはきちんと応じることができ,個々
の実習では,規律を守り学習を進めることができる。
(3)指導観
新聞制作において,まず個人・グループ内の考えで作成し,完成した新聞をクラス全体で
相互評価し,その意見を参考に再度新聞の校正を行わせることで思考力を深めさせる。また,
情報収集・表現について,信憑性・著作権やプライバシーの保護等モラルについて自己評価
させる活動を取り入れる。これまでの学習内容や社会との関連を伝え,表現について学ぶこ
とは,コミュニケーション手段として重要でもあるということを実感させたい。
- 49 -
6
単元の目標
・収集した多様な形態の情報を,目的に応じて総合的に処理するために文書処理,表計算,
図形,画像処理などのソフトウェアを目的に応じて使い分けたり組み合わせたりして活用で
きる。
・評価を取り入れ,工夫して作品に取り組むことができる。
7
単元の評価規準
関心・意欲・態度
思考・判断
技能・表現
知識・理解
マルチメディアの
情報の表現方法によ
ソフトウェアのもつ
マルチメディアに関
活用に関心を持ち, っ て , 情 報 の 伝 達 の
機能を活用して,新
する用語や性質につ
聞制作ができる。
いて理解している。
意欲をもって学習
違いについて考え,
活動に取り組んで
効果的な利用につい
情報の発信に必要な
いる。
ての判断ができる。
基礎的・基本的なモ
ラルを身に付けてい
る。
8
単元の指導計画(全 4 時間)
次
○評価項目
◎重点をおく評価項目
評価基準
学習項目
関
思
技
知
・表現の工夫について関心を
持ち,新聞制作のテーマを
1
決定する。(1時間)
◎
○
評価規準
評価方法
表現の工夫について
行動観察
関心をもち,協力し
ワークシート
てテーマを設定でき
(関心・意欲・態度)
る。
・役割分担をし,制作実習
2
情報の収集・整理が
・一次提出する。(1時間)
できる。
◎
行動観察・提出物
(技能・表現)
原稿に工夫ができ提
出できる。
・提出された新聞を評価す
評価(自己・相互)
る。
ができる。
・評価をもとに改善にむけて
◎
評価から,新聞の改
○
善ができる。
グループで検討し校正す
行動観察
(思考・判断)
行動観察
(技能・表現)
る。(1時間)(本時)
3
・完成にむけて最終確認と提
評価(自己・相互)
出
ができる。
・評価(自己・相互)する。
◎
○
○
(1時間)
提出物
(技能・表現)
ワークシート
(思考・判断・
知識・理解)
9
本時の目標
他の作品を見て評価することで,表現の工夫により,印象や伝わり方が異なることがある
ことを理解し,新聞制作の改善に取り組むことができる。
- 50 -
10
学習の展開
時間
5分
生徒の学習活動
指導上の留意点
・前時の授業内容をもとに,
作品を見て相互評価する
本時の流れを確認する。
導
【関・意・態】
こと。表現の工夫につい ・自らの課題を確認
て確認させる。(T1)
入
評価規準(評価方法)
している。(T2 ワー
クシート持参状況等
観察)
10 分
・
「新聞」
(プロジェクタ利用) T1:各グループの新聞を
を見て,表現の工夫につい
プロジェクタにより提示 ・ワークシートに評
て考えを評価する。
し,生徒に評価するよう
価を記入し発言し
指示する。
ようとしている。
T2:机間巡視しながら,
(行動観察)
・評価をワークシートに記入
し,評価を発表する。
生徒の評価を促す。
展
開
【思・判・表】
30 分
5分
・評価を参考に,各グループ
T1:机間巡視しながら,
【技・表】
で話し合い校正に取り組
情報モラルに反していな
・文字・配色・レイ
む。
いか確認させる。
アウトの工夫に取
T2:机間巡視しながら,
り組んでいる。
改善の助言をする。
(行動観察)
T1:ワークシートを使い
【思・判・表】
・本時の学習を振り返る。
本時の実習内容を振り返 ・ワークシートにま
らせる。
ま
と
・次時の学習内容について
確認する。
る。
T1:次時は最終提出であ
め
ることを伝える。
T2:机間巡視しながら,
確認及び助言する。
11
資料及び教材
「情報A」教科書,ワークシート(1 枚)
- 51 -
とめることができ
(行動観察・ワークート)
平成23年度
広島皆実高等学校公開研究協議会記録
教科名(
授業者(
中島
指導・助言者名(広島県立教育センター 指導主事
研究主題
緑
宮地
) 司会者(
有地
浩)記録者( 豊田
情報
)
正男
)
順子 )
思考力を深めるための場面を取り入れた授業の創造
・新聞制作において,まず個人・グループ内の考えで作成し,完成した新聞
をクラス全体で相互評価し,その意見を参考に再度新聞の校正を行わせるこ
公開研究授業 とで思考力を深めさせる。
における指導 ・相互評価において,意見発表だけでなく評価用紙を活用することで,他の
上の工夫
グループの評価を活用し,校正のための思考を深める。
・情報収集・表現について,自己評価の活動を取り入れることで,信憑性・
著作権やプライバシーの保護等モラルについて思考を深める。
・グループワークを行い,それを相互評価することで,思考する場面があり,
思考力・判断力の向上につながっている。
・グループ内やグループ間で互いに意見を言い合う活動があり,非常に良か
った。
・発表による評価の後に,評価用紙による評価を加えるという,段階を追っ
討議の内容
た評価が効果的であった。
(「研究主題」 ・評価用紙のコメントを見て,自分達の新聞を校正することができていた。
をふまえて) 他者の意見を取り入れて自らの思考を修正する活動はとても大切である。
・制作した新聞を,校内で公開するなどの目標を設定することで,新聞の完
成度を高める必要性が生じ,より思考が深まるのではないか。
指導・助言
の内容
今後の課題
(次回研究授
業に向けて・
次年度に向け
て)
・授業の目的を達成できたかについて,授業者自身が自己評価することは必
須。
・目的に応じて情報を収集し総合的にまとめる活動であり,様々な要素が含
まれた単元であるからこそ,目標を明確にしなければならない。
・思考力だけでなく,言語活動を充実させる取り組みのある授業であった。
・評価用紙での他者の意見はよく見ており,それによって,
「自分達の新聞を
より良く校正したい。」という意欲を生じており,それが,思考につながって
いた。
・ワークシートにおいて,授業の目標や活動内容,評価の視点が明確であり,
授業の最後に改めて評価の視点を確認することで,思考の過程を確認して欲
しい。
・評価の視点については,この度のワークシートにあげられた以外のものも
あるのではないだろうか。
・思考力を高める目標については達成できたが,制作した新聞が校内に公開
できる内容になったかについてはまだまだ完成度は低い。学習内容が多い中
で,実習時間の確保とその内容の充実をどこまで深めることができるかが今
後の課題である。
- 52 -
外国語(英語)科学習指導案
授業者
石村まさみ
1
日時
平成23年11月14日(月)5限(13時25分∼14時15分)
2
学年・学級
第1学年40名(男子14名女子36名)
3
科目・単元名
英語Ⅰ
CROWN English SeriesⅠ New Edition (三省堂)
Lesson 5
4
Diving into Mystery
単元について
○ 単元観
本課は,沖縄県与那国島の「海底遺跡」と思われる構造物の調査,研究をもとにまとめ
た書籍を参考に書き起こしたものである。構造物について,明がクラスでその内容をプレ
ゼンテーションするという形式で進められている。そのため,part 1 はプレゼンテーショ
ンの導入,part 2 は構造物についての基本的説明,part 3・4は構造物の謎というように
論理展開が明確であるので,英語を読んで,情報を理解したり,概要や要点をとらえたり
する言語活動を行うのに適した単元である。また,世界の謎について調べそのことについ
て英語で書いて発表するという2つの技能を結びつけた言語活動につなげることができる
と考えている。
○ 生徒観
多くの生徒は,英語の学習に真面目に取り組んでいる。学力状況としては,進研7月平
均偏差値53である。
読むことに関しては,音読に熱心に取り組む。本文の内容を理解することに関しても,
前向きに取り組んでいる。しかし,概要や要点をとらえて読むことには課題がある。つま
り,一文一文の意味はある程度分かっても,おおよその内容や重要なポイントを読み取る
ことに困難を感じているといえる。
書くことに関しては,自分の考え等を3文程度の英語を書くことはできつつある。しか
し,読み手に分かりやすく伝えるために理由や情報を付け加えるなど構成上の工夫をする
ことには課題がある。
予習(本文・単語意味調べ・日本語訳)の取り組み状況は,約90%である。予習の指
示を受けてそれをやることは定着しつつあるといえる。しかし,自ら課題を見つけて自発
的に学習に取り組むところまでにはいっていない。
○ 指導観
本単元の指導にあたっては,概要や要点をとらえて読む力を育成するために,スキャニ
ングによる英問英答や,スキミングによる要点把握を取り入れる。英問については,指導
者が設定するものに加えて生徒自身が考えた英問を導入する。これは,予習をして授業に
臨むことを促進するためだけでなく,概要や要点をとらえて読むことを生徒に意識させる
目的からである。
加えて,要点が明確な文章を書く力を育成するために,世界の謎を調べ,調べた理由と
その内容について英語で書く活動を行う。その際,本文の中に出てきた,つながりを示す
語句を探させ,それらを用いて書かせる。
5
単元の目標
(1) 概要や要点をとらえて読む活動に積極的に取り組んでいる。
(関心・意欲・態度)
(2) まとまりのある文章の概要や要点をとらえることができる。(理解の能力)
(3) つながりを示す語句を用いて文章を書いている。(表現の能力)
(4) つながりを示す語句の働きについて理解している。(知識・関心)
- 53 -
6
A
単元の評価規準
関心・意欲・態度
B
表現の能力
C
理解の能力
D
知識・理解
概要や要点をとらえて読
①正しいリズムやイントネ
読んだ内容について概
つながりを示す語句とそ
む活動に積極的に取り組
ーションなどを用いて,音
要や要点を把握するこ
の働きについて知ってい
んでいる。
読することができる。
とができる。
る。
②つながりを示す語句を用
いて文章を書いている。
7
指導の評価の計画(全8時間)
次
1
2︵本時︶
3
4
5
学習内容(時数)
Part 1
オーラルイントロダクション
・
新出言語材料を確認する。
・
内容理解 (Qand A など)
・
音読
・
Part2 の新出言語材料を確認する。
理
知
評価規準
評価方法
○
○
A
C
ワークシート・観
Bの①
察
A
ワークシート・観
(1時間)
内容理解(Q and A など)
・
音読
・
内容理解のペアワーク
○
○
○
C
Bの①
○
A
C
○
A
C
察
(2時間)
・
新出言語材料を確認する。
・
内容理解
・
音読
・
内容理解のペアワーク
Part 4
表
○
・
Part 3
関
価
(1時間)
・
Part 2
評
○
○
Bの①
○
A
C
○
A
C
ワークシート・観
察
(1 時間)
・
新出言語材料を確認する。
・
内容理解
・
音読
・
内容理解のペアワーク
○
Bの①
○
○
A
C
○
A
C
ワークシート・観
察
Lesson 全体のまとめと表現活動への導
入
(1時間)
・
○
Part 1∼4 の内容について,適語補
察
充による要約文完成
○
Bの②
ワークシート
・ つながりを示す語句について
6
ワークシート・観
表現活動(2時間)
・
世界のなぞについて調べる
・
つながりを示す語句を用いて書く。
・
書いたものを発表する
○
○
Bの②
ワークシート・観
察
- 54 -
8
本時の展開
(1) 本時の目標
・概要や要点をとらえて読む活動に積極的に取り組んでいる。(関心・意欲・態度)
・まとまりのある文章の概要や要点をとらえることができる。(理解の能力)
(2) 本時の観点別評価規準
A
関心・意欲・態度
・概要や要点をとらえて読む活動に積極的に取り組んでいる。
C
理解の能力
・「構造物」の情報を整理して,理解することができる。
(3) 準備物
教科書,ワークシート
(4) 学習の展開
時
学習活動
間
導
前時の復習
入
導入
5
1.
分
評価規準
評価方法
本文のCDを聞く(写真
なし)
2.
指導上の留意事項
写真を提示する。
本文のCDを聞く(写真
あり)
展
内容理解
開
1.
ワークシートに答える。
記入後,答え合わせを行う。
2
(英問英答・それぞれの写真や図
英問英答は,答えの該当箇所
5
の重要な情報・キーワードを記入
を生徒の確認しながらすす
分
する)
める。
A
C
ワークシート
観察
2.黒板に貼った写真を見ながら,
重要な情報を答える。
生徒を8名指名し,それぞれ
ワークシートを見ながら説
明する。
1
音読
0
1.
コーラスリーディング
分
2.
速音読
3.
ペア音読
10
Part 2 の内容整理
答えられたかどうか,お互い
分
1.ペアで本文の内容について英問
に確認する。
英答を行う。
- 55 -
A
C
観察
平成23年度
広島皆実高等学校研究協議会記録
教科名(
授業者(石村
指導・助言者名(
まさみ)
広島県教育委員会指導主事
研究主題
英語Ⅰ
)
智雄
)
司会者(浅井
村上貴子) 記録者名(
金森
智恵子
)
自発的学習者を育てる授業の在り方
研究授業にお
概要・要点を捉えさせる指導―教材から必要な情報を読み取らせる。
ける指導上の
自発的に学ぶ=予習段階で生徒に英問をあらかじめ考えさせておく。
工夫
・ 英語で基本的に授業が進められるように工夫をしてあった。
・ 指示に従って生徒が自発的にワークシートに取り組んでいた。
・ 表を完成させて,それを発表する活動につなげたのは良い工夫だった。
・ 時間配分の問題はあるが,リスニング活動(ディクテーション)を取
り入れたのは良かった。
討議の内容
・ ディクテーションは,家庭で教科書を読んできた生徒はリスニング問
(「研究主題」
題で高得点につながる。それにより,生徒のやる気を促す活動である。
をふまえて)
逆にできなかった生徒は家庭で教科書を何度も読みなどの学習の重要
性を気づかせることになる。
・ 自分で英問(Q&A)を作ってくる活動も,教師が作った Q&A と重な
る部分があれば,より深く内容を読んできたと確認することができる
という点で同様の効果が期待できる。
・ ワークシートを宿題にし,ペアでチェックするようにすれば,時間的
余裕が生まれる。
・ 別の写真を生徒に提示し,プレゼンテーション活動につなげる工夫も
指導・助言
の内容
できる。
・ 本時内にワークシートを完成できなかった生徒に対して家庭で完成さ
せるように指示をすればよかった。
・ 学ぶきっかけになること,自ら気づき,次にがんばろうという気にさ
今後の課題
せる工夫をどれだけ授業に取り入れるかが重要である。
(次回研究授
業に向けて・
次年度に向け
て)
- 56 -
「基礎看護」学習指導案
授業者
1
日
時
平成23年10月4日(火)7限(15:25∼16:15)
2
場
所
看護棟1階
513号室
3
学
年
衛生看護科
1年生(40名)
4
単
元
(1)看護の意義と役割
5
単元について
イ
武内
徳子
看護の意義
(1)単元観
看護は,豊かな人間愛と職業倫理並びに科学的な知識に基づいて,人々が健康を保持・
増進し,あるいは安らかな死を迎えることができるように援助する専門職である。そこで,
看護の目的を達成するための看護師としての機能や役割について理解させる必要がある。
その中でも,患者とその家族の理解については,病気に対する患者の身体的苦痛や心理的
反応を理解することが大切である。
(2)生徒観
生徒は,5年一貫看護教育制度の1年生であり看護師国家資格取得を目指し,入学時よ
り「基礎看護」「看護基礎医学」等の専門科目の学習をしている。1年次の「基礎看護」で
は,主に看護の意義と役割,日常生活と看護の単元を学習する。生徒は看護の専門科目の
学習に対して興味・関心が高く,授業にも集中して取り組んでいる。しかし,クラス全体
的に生徒からの主体的な発言が少なく,理解度の格差があるため,個別指導の必要な生徒
が全体の 2 割程度いる。生徒の中には,看護の学習を難しく考えすぎて,自分自身の生活
に置き換えながら学習ができておらず,机上の空論になっている傾向がある。
(3)指導観
これまで,単元「ア
看護の対象の理解」を通して,人間に共通する基本的欲求や成長・
発達について学習してきた。その上で,看護の対象となる患者とその家族の理解をしてい
くために,ドキュメンタリーの映像を通して,患者の身体的苦痛や心理的反応,それに伴
う家族の反応について,具体的にイメージ化させ,グループワークを行い,学習を深めさ
せたい。また,グループワークを取り入れることで,言語活動の充実につなげ,看護の役
割について思考を深めさせたい。
6
単元の目標
(1) 看護は,豊かな人間愛,職業倫理と科学的知識に基づき,健康を保持増進・回復ある
いは安らかな死を迎える援助を行う専門職であることを学習する。
(2) 看護の目的とそれを達成するための看護者の働きについて学習する。
(3) 看護の起源と専門職としての看護の歴史について学習する。
- 57 -
7
単元の評価基準
ア 関心・意欲・態度
イ 思考・判断
ウ 技能・表現
エ 知識・理解
看護の意義と変遷につい
社会の変化と看護の役割及
看護の意義に基づい
看護の意義と変遷に関
て関心をもち,看護の向上 び看護の在り方について思考 て,看護の在り方を考え
する基礎的・基本的な知
に意欲的に取り組むととも を深めることができる。
ることにより,自己の看
識を身に付け,専門職と
に,実践的な態度を身に付
護観を表現することがで
しての看護の役割を理解
けている。
きる。
している。
8
指導と評価の計画
評
次
学習内容(時間数)
1
看護の目的と機能
関
思
技
○
価
知
評価基準
○
・看護の意義について関心をもち,看護の実
授業観察
践的な態度を身に付けている。
定期試験
・看護の意義に関する基礎的・基本的な知識
ノート
(3時間)
評価方法
を身に付けている。
2
○
患者とその家族の
3
○
・患者とその家族の心理について考え,看護の
授業観察
理解
役割や看護の在り方について思考を深める。
ノート
(本時1/2時間)
・自己の看護観を表現することができる。
看護の変遷
○
○
(1時間)
・看護の変遷について関心をもち,看護の向
授業観察
上に意欲的に取り組む態度を身に付けてい
定期試験
る。
ノート
・看護の変遷に関する基礎的・基本的な知識
を身に付けている。
9
本時の展開
(1) 本時の学習目標
① 事例をもとに,患者とその家族の心理について考え,看護の役割や看護の在り方につ
いて思考を深める。
②自己の看護観を表現する。
(2)観点別評価規準
ア 関心・意欲・態度
イ 思考・判断
ウ 技能・表現
エ 知識・理解
患者とその家族の心理について考 自己の看護観を表現することがで
えることができる。
きる。
患者とその家族を理解した上で,看
護の役割や在り方を深める。
(3)準備物
・基礎看護
文部科学省
・看護概論
- 58 -
医学書院
・DVD「NHK プロフェッショナル」
(4)学習の展開
学習活動
指導上の留意点
導
前時までの振り返
・看護の対象の理解について学習したことを
入
りをする。
想起させる。
5
学習目標を確認す
・本時の目標を確認する。
分
る。
1
患者とその家
評価法
・教科書(P.14)を読ませる。
族を理解する必
・患者を理解することで,看護の必要性が見
要性について
いだせることに気付かせる。
展
評価規準
【努力を要する生徒への指導の手立て】
・前次までのノートを振り返らせ,対象
を理解することで,看護の必要性を見極
開
めることを理解させる。
2
40
事例を通して
考える。
・VTR から患者の欲求や心理と家族の思いを
注目して視聴させる。(15分)
・事例を見た後に,患者の心理や家族の心理
分
グループ内
についてグループで話し合わせる。
(自己作業 で意見を発
5分・グループ5分)
表できる。
・看護にはどんな役割があるか,看護の在り
(思)
方について話し合わせる。(5分)
(患者家族の心理及び看
・2つのグループに発表させる。
護の役割・在り方)
【十分満足できる生徒への指導のポイント】
・グループワークの発表で追加・補足説
明ができるように指導する。
3
終末期患者の
・終末期患者の心理について,キューブラ=
心理
ロスの提唱する心理的段階を理解させる。
ま
本日の学習内容を
・学習目標の到達度を確認する。
と
振り返る。
め
5
次時の学習内容を
分
知る。
・次時の学習内容を説明する。
- 59 -
授業観察
ノート
全体への発
授業観察
表で意見を
生徒発表
共有
できる。
( 表)
平成23年度
広島皆実高等学校研究協議会記録
教科名(
授業者(
指導・助言者名(指導第二課
武内
徳子
)
看護
司会者(
米光
)
裕子)
吉川由縁指導主事:後藤実宝子教頭) 記録者名(大石
恩)
研究主題
考える力(科学的思考力)・表現する力を伸ばす授業について
研究授業にお
言語活動の充実に視点をあて,生徒の双方向の発表から,互いの思いを考
ける指導上の
え発展させることを目的に展開する授業であった。生徒個々の過去の体験
工夫
だけでなく,1 つの事例(DVD)をもとに全員で考える形で展開した。
DVD 視聴前に考えてほしい視点を提示し生徒にとって,観る視点が理解
しやすかった。
考えをまとめる時間やグループワーク時間が決められており,流れがスム
ーズであった。
発表者だけでなく聞く側の姿勢を大切にしていた。またどうすれば相手に
討議の内容
分かりやすく伝えることができるか発表者も考えることができたと考え
(「研究主題」 る。
をふまえて) 終末期患者の心理を考えることは衛生看護科 1 年生にとって難しいのでは
ないか。
グループ発表を繰り返すうち,徐々に考えられていくようになった。
グループでの話し合いの時間が 5 分は,意見をまとめるのみであったかも
しれない。
DVD 視聴トラブルはあったが,焦ることなく臨機応変に対応できていた。
授業者の課題にあったように,今回の授業で得たい結果が得られない状況
もあったが次回の授業へつなげるだろう。
高校 1 年生の生徒にとって,心理を理解することは分からないかもしれな
いが,感じさせたい,感じた思いを大切にしたいという思いが授業者には
大きく,そこへ視点を立てた授業であった。「感じる」「思い」は「関心」
指導・助言
「意欲」へと繋がり,PDCA サイクルである,計画(plan),実行(do),
の内容
評価(check),改善(act)のプロセスを順に実施する過程がつくられる。
言語活動の充実は,コミュニケーション能力が重要となる。「言う」こと
はできても「聞き取る力」が育っていない場合もある。今回の授業は発言
する力・聞く力を引き出す授業であった。
ノートの活用法にも工夫がみられた。
今後の課題
ノート活用内容から生徒の理解度が理解できる。(指示を理解できている
(次回研究授
か)
業に向けて・
言語活動の充実を視点においた授業の展開を行う。
次年度に向け
て)
- 60 -
「精神看護学方法論Ⅰ」学習指導案
授業者
米光裕子
1
2
3
日時
平成24年1月26日(木) 4限(11:50∼12:40)
場所
専攻科1年生教室
学年・学級
専攻科1年生(女子33人)
4 単元
精神科で出会う人々
5 単元について
○ 単元観
本単元は,すでに履修している主な精神疾患についての知識を基に,精神疾患患者の看
護の基本を指
導することによって,これから始まる臨地実習「精神看護学」の基盤とな
る学習としたい。
そこで,これまでの学習を振り返りながら,生徒自らが主体的に学び,臨地実習におい
て,精神疾患
患者の看護の実践力へと発展させることをねらいとする。
○
生徒観
生徒は「臨地実習基礎看護学」は終了しているが,精神科の臨床実習は経験がない。そ
のため,2年生から始まる「臨地実習」精神看護学において精神疾患患者の看護,特に患
者との対応について不安を感じながらも, 意欲的に学習する姿勢がある。
○
指導観
本単元は,生徒が興味・関心をもって意欲的に学習に臨むことができるよう,科目「精
神看護学」
と科目臨地実習「精神看護学」の関連を図り,グループ討議や視聴覚教材を
活用して,看護の実践力が
身に付く指導をしたい。
6 単元の目標
(1)主な精神疾患患者の看護の基本について理解させる。
(2)事例を基に精神疾患患者の状態に応じた看護と看護師の役割について理解させる。
7
単元の指導計画
精神科で出会う人々
11時間
(1)認知症患者,精神遅滞患者,発達障害患者,心身症患者の看護 3時間
(2)統合失調症患者の看護
3時間
(3)気分障害患者の看護
2時間
(4)パーソナリティ障害患者の看護
3時間
8
単元の観点別評価規準
関心・意欲・態度
主な精神疾患患者
の看護について理解
し,患者への対応につ
いて関心を持ち,実践
できる態度を身に付
けている。
思考・判断
表現・技能
知識・理解
主な精神疾患患者の看
主な精神疾患患者の
主な精神疾患患者の
護について思考を深め,基 看護について,具体的に 看護について基礎的・
礎的・基本的な知識と技術 表現することができる。 基本的知識を身に付け
を活用して,患者への対応
ている。
について,適切に思考・判
断できる。
- 61 -
9
観
点
関
心
・
意
欲
・
態
度
単元の評価内容と方法
内容のまとまりごとの
単元の評価規準
評価規準
・主な精神疾患の病態生理 ・主な精神疾患の病態生
・症状・治療に関心を持ち,理,症状,治療について
その状態に応じた適切な看 意欲的に学習する。
護のありかたについて意欲 ・主な精神疾患の適切な
的に学習をすすめるための 看護のあり方について意
実践的な態度を身に付けて 欲的に学習する。
いる。
学習活動における具体的
評価方法
評価規準
・主な精神疾患患者の学 ①
習について意欲的に取り ③
組む。
・疾患の病態生理と看護
を関連付け理解しようと
している。
・身近な例,ニュース,
映画,ビデオ・DVD,
書籍,講演等から主な精
神疾患について関心を持
つ態度が見られる。
思 ・主な精神疾患や治療の特 ・主な精神疾患患者の看 ・看護の対象の状態に応 ①
考 徴及びその看護について思 護についてその対象に応 じた情報収集を行い,そ ②
・ 考を深めることができ,患 じた個別性のある看護の の全体像を把握し,看護
判 者の状態を判断し各疾患の 実際を思考できる。
上の問題点を挙げると共
断 看護について考察すること
に,具体的援助について
ができる。
思考することができる。
技 ・主な精神疾患と看護につ ・看護の原則に基づいた ・看護の対象の状態に応 ①
能 いて患者の状態を把握する 看護の実際についてレポ じた情報収集を行い,そ ②
・ ことができる。また,患者 ートやワークシート等に の全体像を把握し,看護
表 の状態に応じた個別性のあ まとめることができる。 上の問題点を挙げると共
現 る援助方法について理解し
に,具体的援助について
,表現できる。
実践できる。
・主な精神疾患の病態生
理・症状や特徴や援助方
法について発表やレポー
ト,ワークシート等に表
現できる。
知 ・主な精神疾患患者の看護 ・主な精神疾患の病態生 ・主な精神疾患の病態生 ①
識 について,基本的な知識を 理,症状,治療及び看護 理,症状,治療について ②
・ 身につけ,看護の意義や役 について基本的な知識を 理解している。
③
理 割に付いて理解している。 身につけている。
・主な精神疾患の看護に ④
解
また,看護の意義や役 ついて,基本的な知識を
割を理解している。
理解している。
*評価方法
①観察
②ワークシート
③課題レポート
④試験
10 観点別評価規準
学習活動における具体的 「十分満足できると判断される」 「努力を要すると判断される」状
評価規準
状況(A)と判断させる具体例
況(C)と判断される生徒への指
導の手立て
関 ・主な精神疾患の病態生 ・主な精神疾患の特徴を理解し, ・統合失調症,鬱病,人格障害は
心 理・症状・治療に関心を
看護の役割と関連付け理解しよ 臨地実習においても,看護する機
・ 持ち,その状態に応じた うとしている。
会の多い疾患であることを理解さ
意 適切な看護の在り方につ ・身近な例,ニュース,映画,ビ せ,学習の大切さを指導する。
欲 いて意欲的に学習を進め デオテープ,書籍,講演等から 主 ・身近な例,ニュース,映画,ビ
・ るための実践的な態度を な精神疾患について関心をもつ態 デオ・DVD,書籍,講演等を紹
態 身に付けている。
度が見られる。
介し,学びを振り返らせる。
度
- 62 -
思
考
・
判
断
技
能
・
表
現
知
識
・
理
解
・主な精神疾患の特徴や
治療及びその看護につい
て思考を深めることがで
き,患者の状態を判断し
各疾患の援助について考
察することができる。
・精神疾患と看護につい
て患者の状態を把握する
ことができる。また,患
者の状態に応じた援助方
法について理解し,表現
できる。
・精神疾患の看護につい
て,基礎的・基本的な知
識を身に付け,看護の意
義や役割について理解し
ている。
・主な精神疾患患者の看護につい
て参考文献を適切に用いながら根
拠に基づいた具体的対策について
話し合い,考えることができる。
・学習した内容と患者の情報との ・ワークシートの内容について教
関連を理解し,必要な援助につい 科書を振り返らせ,ワークシート
てワークシートに記入できる。
を完成させる。
・精神疾患患者の要点を説明でき
る。
・精神疾患の看護について学んだ ・課題レポートの内容を確実に理
ことを自己や家族の生活改善に生 解させ,理解が不十分であれば訂
かすと共に,身近な例,ニュース,正し再提出させる。
映画,ビデオテープ,書籍,講演 ・精神疾患及び看護を理解させ,
等から主な精神疾患患者の看護に 精神疾患が日常生活とどのように
ついて知識をもつことができる。 かかわりがあるのかを考えまとめ
させる。
11 指導と評価の計画(全11時間)
次
学習内容
(時数)
関 考 表 知
1 認知症患者,
○ ○
◎
精神遅滞患者,
発達障害患者,
心身症患者の看
護
(3時間)
2
3
・統合失調症
患者の看護
(3時間)
○
・気分(感情) ○
障害患者の看護
(2時間)
・課題レポートは,確実に提出さ
せる。
・身近なニュースや事例などを示
し,必要な看護について考えさせ
る。
○
◎
◎
○
価
評 価 規 準
・認知症患者,精神遅滞患者,発達障害
患,
心身症患者の看護について関心をもって
いる。
・認知患者,精神遅滞患者,発達障害患
者,
心身症患者の看護について思考を深める
こ
とができる。
・認知症患者,精神遅滞患者,発達障害
患者
,心身症患者の看護について知識を深め
るこ
とができる。
・統合失調症患者の事例を基に看護につ
いて関心をもっている。
・統合失調症患者の事例を基に看護につ
いて思考を深めている。
・統合失調症患者の看護について事例を
通して理解している。
・統合失調症患者の看護について事例を
通して,発言,レポート,ワークシート
等に的確に表現できる。
・気分障害患者の事例を基に看護につい
て関心をもっている。
・気分障害患者の事例を基に看護につい
て思考を深めている。
- 63 -
評
評価方法
授業観察
ワークシート
考査
授業観察
考査
ワークシート
レポート課題
授業観察
考査
ワークシート
4
・パーソナリテ ○
ィ障害患者の看
護
(3時間)
○
◎
本時
2/3時間
評価方法
授業観察
ワークシート
・気分障害患者の看護について事例を通 レポート課題
して,発言,レポート,ワークシート等
に的確に表現できる。
・パーソナリティ障害患者の事例を基に 授業観察
看護について関心をもっている。
考査
ワークシート
・パーソナリティ障害患者の事例を基に
看護について思考を深めている。
レポート課題
・パーソナリティ障害患者の看護につい
て事例を通して,発言,レポート,ワー
クシート等に的確に表現できる。
レポート課題 試験
12
本時の展開
(1)本時の目標
境界性パーソナリティ障害患者の事例について,具体的な援助方法を考え,ロール
プレイを用いて表現できる。
(2)観点別評価規準
関心・意欲・態度
思考・判断
技能・表現
知識・理解
境界性パーソナリ
境界性パーソナリティ
境界性パーソナリテ
ティ障害患者の看護
障害患者の看護について ィ
について理解し,患者 思考を深め,基礎的・基本 障害患者の看護につい
への対応について関
的な知識と技術を活用し て,具体的に表現するこ
心を持ち,実践できる て,患者への対応について とが出来る。
態度を身につけてい
,適切に思考できる。
る。
(3)準備物
系統看護学講座 精神看護学「1」「2」医学書院資料
学生のための精神看護学 医学書院
資料(境界性パーソナリティ障害患者の事例)
ワークシート,自己評価表
(4)学習の展開
展
開
導
入
5
分
学習活動
・授業前に身だしな
みを整え,明るく気
持ちの良い挨拶を
する。
・授業道具を準備し
ている。
・前時の学習内容を
思い起こす。
・本時の目標及び内
容を知る。
指導上の留意点
・授業前に服装を整えるよ
うに指導し,明るく気持ち
の良い挨拶ができるよう
指導する。
・前時の学習内容を思い起
こさせる。
・本時の目標及び内容を知
らせる。
・パーソナリティ障害につ
いて基礎的な知識を思い
起こさせながら,事例患者
の具体的援助について表
現できるよう指導する。
- 64 -
評価規準
評価方法
・気持ちの良い挨拶ができる 授業観察
。
・身だしなみを整えることが
できる。
・授業道具を準備できる。
・前時の学習内容を思い起こ
すことができる。(関心・意
欲・態度)
展
開
・境界性パーソナリ ・事例患者のワークシート ・意欲的な態度で看護の要点 授業観察
ティ障害患者の看 に記載しているか観察し, をワークシートに記載し,疑 ワークシート
護についてのワ− できていない生徒には記 問点については質問する。
40 クシートにグルー 載するよう指導する。
(関心・意欲・態度)
分 プで話しあって記
載している。
・前時に,事例患者への具
・事例患者の具体的 体的な援助方法を,4人ず
援助方法について, つのグループに分かれて
模造紙に記載して 話し合い模造紙に記載し
いる。
ているものを使用し,ロー
・4人ずつのグルー ルプレイをするよう説明
プでロールプレイ する。
・グループで話し合った具体 ロールプレイの
で発表する。
・クラス全員が緊張感を持 的援助方法を,ロールプレイ 内容及び発表態
って意欲的に思考し,話し で発表することができる。 度
合った結果をロールプレ
また,発表内容が看護の要 授業観察
イして,発表することがで 点が踏まえた内容になって
きるように,看護の要点を いるか思考することができ,
振り返りながら助言及び 不足している内容について
指導する。
も考えることができる。
・巡回して,ワークシート
(技能・表現)
に記載していない生徒に
は,つまずきを把握し,補
足説明を加えて,記載でき
・グループで考えた るようにする。また,全員 ・グループで考えた具体的な 発表
具体的な援助方法 が記載し終えたことを確 対応を模範解答を基に修正, 授業観察
を模範解答を基に 認する。
加筆してワークシートに記
修正,加筆してワー
載できる。
クシートに記載す ・事例の患者への具体的援
(思考・判断)
る。
助について模範解答を示
す。
*努力を要する生徒には,
境界型パーソナリティ障害
についての基礎的な知識を
思い起こさせると共に,具
体的援助について思考し表
現出来るように促す。
*十分理解されている生徒
には,他の事例を紹介し,
具体的援助について思考・
表現できるように促す
ま
と
め
5
分
・本時の目標を確認
する。
・自己評価表に記入
する。
・自己評価表により,生徒 ・本時の学習を振り返りなが 自己評価表
の理解力を確認する。目標 ら,自己評価表を記入してい 授業観察
まで到達していない場合 る。 (思考・判断)
は,事後指導をする。
- 65 -
平成23年度
広島皆実高等学校研究協議会記録
教科名(
授業者(
指導・助言者(
研究主題
指導第二課
吉川
米光
裕子
)司会者(
由縁指導主事
堀
)記録者(坂
看護
)
和代
天
)
)
考える力・表現する力を伸ばす授業の創造
・事例を通して生徒に考えさせ,ロールプレイを用いて表現させる。
・関係法規や基礎的知識を確認しつつ授業を展開する。根拠を理解させる。
・ 教材作りに生徒を参加させ,生徒の関心・意欲を高める。
・
○考える力・表現する力の伸長について
・既習学習と関連させながら,繰り返し学習させる。
・表現する力を伸ばすためには,指示を聞く力も重要である。
・適切な事例を用い考えさせる。
・時間配分を適切に設定し,全グループに全体の前で発表する機会を与え表現
力を養う。
・他人と自分の意見を比較させることで思考力を高める。
・教材を工夫する。考えや答えを模造紙にまとめ記載する際は,文字の大きさ,
文字色,紙の大きさについても考えさせる。
・ワークシート記載時,色分けをする(自己と他者の意見)ことで思考・表現力
討議の内容
を深める。
(「研究主題」をふま
・PDCA サイクルに基づく授業を展開していく。
えて)
○その他
・答えにつまずく生徒に対して適切な助言・フォローし生徒の考えを引き出す。
適宜模範解答を示す。
・教科書に返り,生徒とキーワードを確認することが重要である。
・患者の心理についても理解を深めさせ,倫理面に配慮する重要性も伝える。
・実際の場面(病院の実態や実習での事例)を紹介し,対応についてのイメー
ジ化を促し,援助方法を具体的に考えさせる。
・ 本時の目標は,最後まで見えるようにしておくことで生徒の意識を高める
とともに達成感の獲得へ繋げる。
・
吉川指導主事より
○号令時の挨拶がよかった。定着を図る。
○授業中,手悪さをしている生徒が数名いた。看護師は勤務中,顔や髪を触る
ことはできない。その癖はやめさせる。
○授業を受ける態度について
指導・助言
・生徒が興味を持ち授業を受けていた。
の内容
・発表時の生徒の声がやや小さい。聞いている人に聞こえる程度の大きさか考
えながら発表できるようになれば良い。プレゼンテーション能力を高める。
○指導案について
・本時の目標と評価規準を一致させる。
・学習活動欄は簡潔に記載する。
今後も継続して,考える力・表現力を伸ばす授業内容の充実と,使用する教
今後の課題
( 次 回 研 究 授 業 に 向 材の工夫を図る。
けて・次年度に向け
て)
研究授業における指
導上の工夫
- 66 -
『授業改善』のねらいと方法
−広島皆実高校の教育力向上に向けて−
広島大学大学院教育学研究科 教授 池野 範男
1 『授業改善』の目的(ねらい)
・ 研究授業,研究協議を通して本校生徒の実態を踏まえた「授業改善」について探究する。
2 『授業改善』の方法
2-① 授業研究の射程とその段階
教育における変化と変革(モデル図)
段階3
学習評価の研究
段階2
授業と評価の結合
段階1
授業研究
生徒が参加した
授業の創造
教師による授業改善
教師の教育活動を
改善することを目指す
生徒が参加した授業による
授業結果の向上を図る
4:教育変革
より深い思考を
する授業
生徒が考える活動に
参加することによって
更なる向上を図る
学
力
向
上
思 考 力
表 現 力
D:生徒が
変わる
A:学校が
変わる
1:意識変
3:評価変
参加能力
B:教師が
変わる
C:授業が
変わる
活動する力
2:指導案変革
2-② 授業研究の形態
○ 教員の共同授業研究−協働した授業研究
*生徒たちの各教科の到達点,問題点とその克服の話し合い
*協働した指導案作成
*協働した指導工夫の創造
*理解レベルを意識し,教師が協働して生徒の理解レベルの到達点の向上に取り組む
○ 一人一人の教師による授業研究
3 学校における教育研究の方略−「授業改善」から「授業研究」,そして「学力向上」へ−
3-① 教育の改革とその視点
(1)教育の形態の変更
・教 師 中 心
・生 徒 中 心
・講 義 型
・活
動 型
(2)教育の内容の深まり,深化
・教 科 書 の 内 容
・より深い思考,生徒の思考の深まり
(3)個々の生徒の達成水準への見取り
・学校,各教科の平均点=到達点
・学年,クラスの到達点,個々の生徒の到達点
(4)広島皆実高校の教育実践,学力達成状況の確認
○ 個々の生徒の ○ 学習達成に関して ○ 到達しているかを ○ 説明できるようになる。
*何 を・・・教育内容
*どのように・・・方法・過程
*ど こ ま で・・・水準(レベル)
3-② 研究の課題
(1)生徒たちのより深い思考や学びへ指導できること
○ 更なる上の達成を保障する
・学力形成が遅い生徒たちには
・基本学力の保証をするとともに,次の水準へ
・中位の生徒たちには
・更に思考力を付ける
(2)理解や能力の水準(レベル)を想定し,達成させること
○学習指導要領やそれにもとづいた教科書における理解レベルの想定
理解レベル
理解レベルⅥ A:生徒がその教科において理解するもの(教科内容)には,いろいろな階層がある。(多階層性)
理解レベルⅤ B:学習指導要領,それに準拠した教科書は,特定の理解レベルに設定されている。
理解レベルⅣ C:各教科では,学習指導要領の理解レベルを確認することが必要である。
理解レベルⅢ D:広島皆実高校で使用している教科書の理解レベルを確認することが必要である。
理解レベルⅡ E:各教科における授業の理解レベルを意識し,その理解レベルに生徒たちを到達させる手立てを考える。
理解レベルⅠ
授業づくり(評価づくり)
3-③ 理解レベル到達の手立てと工夫
教材
発問
活動
レベルⅢ
教育内容
*知るレベルとわかるレベルの間を広くし,
生徒たちが上がれるようにする。
わかるレベル
レベルⅡ
レベルⅠ
考えるレベル
問題点
理解レベル
Ⅱ
理解レベル
Ⅰ
?
?
理解レベル
Ⅲ
知るレベル
*理解レベルⅡからⅢへ生徒たちはどうして到達できないのだろうか。
*指導方法の選択,指導内容の選定,指導目標の設定に問題はないか。
? *別の指導方法,指導内容,指導目標に変更すると到達できるだろうか。
*指導方法,内容,目標の下方修正でなく,上方修正はできないのだろうか。
- 67 -
第 348 回教職員等中央研修(第1回中堅教員研修)報告書
報告者
1
教諭
大川敬洋
はじめに
今年度,5 月 10 日(火)から 6 月 3 日(金)まで,茨城県つくば市にある教員研修センターにお
いて開催された第 348 回教職員等中央研修に参加した。今年度は平成 23 年 3 月の東日本大震災
の直後ということもあり,被害の大きかった地域以外の全国から 140 名あまりが集まった。研
修は,朝 8 時 30 から 17 時まで講義,演習などがみっちりと組まれており,また,レポート作
成,演習問題の解答作成などで 17 時以降も各自で取り組む課題があった。
この研修は,「スクールコンプライアンス」,「リスクマネジメント」,「学校組織マネジメ
ント」,「教育指導上の課題」の 4 領域に渡る学校運営や教育課題等に関する高度・専門的な
知識・技術の獲得をし,学校経営力を高め,「新しい時代に求められるリーダーの育成」を目
的としている。これらの内容について,全国から集まった教員と交流しながらの研修であった。
2
研修内容の概要について
講義・演習は,先に挙げた 4 領域について行われた。「スクールコンプライアンス」は,教
育法規についての基礎的な知識を学び,判例等の事例をもとに学校経営に関わる実際的な問題
について講義を受けたり,演習で協議を行った。「リスクマネジメント」は,講義やロールプ
レイを通して,学校における平常時に危機管理の重要性を体験的に学んだ。特に,「模擬記者
会見」では,実際の記者会見さながらに,現役の記者が記者席に座り質問をするという設定で
行われた。「学校組織マネジメント」は,教育行政に関する基礎的な知識を学び,演習により
学校組織マネジメント手法を学んだ。また,民間企業のリーダー論を参考に学校経営力につい
て考えた。「教育指導上の課題」は,リーダーとして喫緊の課題について知識を深めた。以上
のような内容を,全国的に著名な方々が担当された。
領域
スクール
コンプラ
イアンス
講
座
名
教育法規Ⅰ 教育紛争と三つのモンスター
教育法規Ⅱ
学校運営演習(第1日目)∼(第3 日目)
講
師
日本女子大学 教授 坂田 仰 氏
弁護士 清水 幹裕 氏
文部科学省 初等中等教育局 初等中等教育企画課
教育制度改革室 義務教育改革課長 佐々木 玄太 氏
リスクマ
ネジメン
ト
学校組織
マネジメ
ント
教育指導
上の課題
新しい時代の教育
リスクマネジメント「学校の危機対応と心のケア」
リスクマネジメント
リスクマネジメント「模擬記者会見」
地方教育行財政制度「地方教育行財政制度と学校財務」
学校組織マネジメントⅠ(学校評価)
「学校改善のための学校評価」
組織マネジメントⅡ(D グループ)
「学校組織マネジメント研修」
コミュニケーション力 コミュニケーション力
∼エデュテイメントとケーススタディ∼
リーダーとなるために
国際理解教育
生徒指導 生徒指導上の課題にいかに対応するか
∼ケースに学ぶ生徒指導∼
生徒指導「望ましい学級集団づくり」
学習指導と評価
道徳教育 高等学校における道徳教育
人権教育
- 68 -
文部科学省大臣官房審議官 尾崎 春樹 氏
神戸カウンセリング教育研究所 代表 上地 保昭 氏
(株)NKSJリスクマネジメント
(株)NKSJリスクマネジメント
京都教育大学大学院 教授 竺沙 知章 氏
筑波大学大学院 教授 浜田 博文 氏
学校法人産業能率大学 杉本 淳 氏
Indigo Blue 代表取締役社長 柴田 励司 氏,
音楽座ミュージカル/Rカンパニー
合同会社THS経営組織研究所代表 小杉 俊哉 氏
岡本アソシエイツ代表取締役 岡本 行夫 氏
群馬県立女子大学 講師 飯野 眞幸 氏
早稲田大学教育・総合科学学術院 教授 河村 茂雄 氏
国立教育政策研究所基礎研究部統括研究官 二井 正浩 氏
関西学院大学 教授 横山 利弘 氏
筑波大学名誉 教授 福田 弘 氏
教育指導
上の課題
特別支援教育
キャリア教育
FR教育臨床研究所 所長 花輪 敏男 氏
国立教育政策研究所生徒指導研究センター
統括研究官 藤田 晃之 氏
その他
カリキュラムマネージメント
特色あるカリキュラム編成
①情報教育「教育の情報化の理解とその実践」
②ボランティア教育「ボランティア教育の効果的な進め方」
③健康教育「健康教育の展開:ライフスタイル育成と関連させて」
④環境教育「参加型学習と環境教育∼徳島県立高等学校の事例から」
特別講座
研修講師となるための知識・技術
岐阜大学 教授 大杉 昭英 氏
尚美学園大学大学院 教授 小泉 力一 氏
学習院大学 教授 長沼 豊 氏
兵庫教育大学大学院 教授 西岡 伸紀 氏
都留文科大学 教授 高田 研 氏
アスリートネットワーク理事長 柳本 晶一 氏
教員研修センター 主任指導主事 加治 行雄 氏
主任指導主事 西村 雅司 氏
3
講義・演習で得られた知見で,今後の教育活動に役立つ内容について
今回の研修で特に印象に残り,今後の教育活動に役立つ内容について紹介したい。
(1)リスクマネジメント
(株)NKSJリスクマネジメント
組織はその目標を達成するために活動を行っている。しかし,その目的・目標の達成を阻害
するものがある。その阻害要因に対応する活動がリスクマネジメントである。危機管理の目的
は,「安全・安心」「組織の信頼」「組織の活動」を守ることである。学校組織においても教育
の目的を達成するために活動を行っており,リスク事象の発生は起こり得る。そして,その対
応次第では重大な被害結果につながってしまう場合もある。
リスクマネジメントでは,平時のリスク管理と有事の危機管理が必要である。平時のリスク
管理とは,日常における「リスク因子」の認識をし,それに対処していくことである。つまり,
「危機」が起こらないように「予防」し,
「危機」が発生したときに的確に対応する体制をつく
っておくことである。有事の危機管理とは,ダメージコントロールつまり被害の最小化させる
ためにどのように行動していくかということである。それには,
「危機」そのものへの迅速に対
応する,「情報開示・発信」を的確・迅速に行うことが大切になってくる。
学校におけるリスクには,①発生がわかりやすいリスクと分かりにくいリスク,②コントロ
ール(学校での予防活動)ができるリスクとコントロールできないリスクとに分類できる。①
においては,リスクの発生がわかりにくいと初動対応に問題が発生しやすい。
有事において「初動」で失敗すると,重大な被害結果につながる。重大な被害結果とは,学
校での教育活動の停滞,停止など様々なことが予想される。初動の失敗事由としては,次の点
が挙げられる。
・予兆に気づく「組織感度」がない・弱い。
・危機を認識できず,誰も反応・対応しない。
・(予兆)情報が共有化されていない(横・上に情報が行かない)。
・何が起きているのか,大局的な判断が大幅に遅れる。
・危機対応組織の立ち上げ,機能発揮が遅れる。
・経験・知識・対策計画がないと,何をしていいか分からない(混乱状態)。
・信頼失墜リスクへの認識を欠いた対応になる(情報開示と説明責任が不十分,マスコミ
対応の失敗)。
また,初動の失敗理由としては,次のことが挙げられる。
○経験の逆機能
・これまでの災難を乗り越えてきた経験則から,リスク事象を過小評価してしまう。
○集団思考
・不確実性を除去するために,他者行動を手がかりにすることが集団全体に循環し,
- 69 -
結果,誰も正しい事態を認識できない状態になる。[集団無知]
・集団全体が過剰なほど楽観的になり,警戒心を喪失。
・集団自らの決定の正当化に夢中になり,問題検討をなおざりにする。主流意見へ
の異論者を劣ったものと見る。
そこで,初動で求められるのは危機管理意識である。このときに必要な点を次に挙げる。
・緊急事態の第一判断は現場教職員の仕事
・見えない危機を「危機と認識できる感性」
・一刻も早い「情報の共有化」
・最悪の事態を想定して思考する
・先を読み,先手を打つ
学校組織のリスクマネジメント体制における主な課題として,リスク過多,新たなリスクの
把握が不十分,教職員間でのリスク認識の共有化・共通理解不足,継続的な見直しがなされて
いない等がある。日頃から,平時におけるリスク管理,有事におけるリスク管理を検討してお
く必要がある。特に有事における対応については,管理職はもちろん一般教職員にも迅速な状
況の把握と組織的な対応が求められる。
研修で体験したメディアトレーニングの講義・演習では,非常時の危機管理の重要性や,危
機に対する初動によっては社会的にも影響が大きいことを理解できた。ポジションペーパー
(ある問題が起きた場合に,事実関係を客観的に示す文書)の作成の演習を行う過程では,日
常(平時)における危機管理について気づきながら,危機回避には組織的な対応が重要である
ことを確認できた。これは校内危機管理体制を見直しにつながると考えられる。学校が組織と
して目標を達成していくためにも,リスクマネジメントの重要性はますます高まっている。
(2)ボランティア教育
学習院大学教授
長沼
豊氏
日本では「困った人が助け合うのが当たり前」と無意識でやっていることを「ボランティア」
とは呼ばないが,英語圏ではそれが「ボランティア」になっている。また,
「ボランティア」は
自発的な行為であるのに対し,
「ボランティア活動」は組織的なものである。ボランティアの原
則はニーズに応えることであり,社会的課題のあるところにはボランティアの余地がある。
学習指導要領にはボランティアについての記載がなされている。本来ボランティア活動は自
発性が基本で見返りを求めない。しかし,学校で教育活動として行うボランティア学習は,意
図的に「学び」という見返りが得られるよう構成する。「自発性」ということは問わず,「自発
的である」ということも学んでいく。このようにして行うボランティア教育は,活動後に役に
立ったかどうかの検証が必要である。検証によって自分の内側に目が向いていき,新たな自分
に気づくことができる。ボランティア教育によって,「人」,「価値」,そして「自分」と出会う
ことができる。そして,社会の中で自分が役に立つと気づける社会的有用感を獲得できる。つ
まり,自分の在り方生き方や,進路を考えるのに有効である。このように,ボランティア教育
は学校と地域の連携だけでなく,協働による学びを体験していくことができる。長沼氏の「大
変なボランティアではあるが,楽しみながらできるものもある。生徒の興味関心がある分野で
のボランティアもある。」という言葉に,ボランティア活動に対して構えていた自分にとって,
とても力が抜け,
「これなら自分でもできそうだ。」と感じさせられた。自校の教育活動の中に,
ボランティア活動をさりげなく取り入れて,青少年の課題といわれている自己有用感を高める
ことにつなげていくことが必要である。
(3)道徳教育
関西学院大学教授
横山利弘氏
- 70 -
道徳教育は社会のルールや行動規範を教えることが中心ではなく,生徒の心の部分について
の教育であるので,生徒がもともと持っている能力を引き出し,育てることが中心になってく
る。今回の研修では,道徳教育は心を育てる生徒指導という捉え方をしていけばよいというこ
とを学んだ。実際「豊かな心」とか「心を育てる」といってもあまりにも抽
象的である。横山氏は,心と言葉や行動の関係を「言葉や行動は心の表現で
行動
ことば
ある」と図解化して解説された。心は,行動や言葉を通してわかるものであ
バリア
る。しかし,最近の生徒は心を素直に行動や言葉に表さない。心と行動や言
こころ
葉との間のバリアがものすごく大きくなっている。生徒指導は,行動や言動
から心に迫っていこうとすることであるが,道徳教育は心の変化から行動や
言動を変化させていこうというものである。つまり,道徳教育は生徒の心に
図
心と行動や
言葉の関係
目線を当てる教育である,と表現された。心というものを明確にするには,心を「知(知的な
働き)
・情(情のはたらき)
・意(意志のはたらき)」の要素に分けて考えると捉えやすい。道徳
的実践力の要素である道徳的心情は「情」,道徳的判断力は「知」,道徳的実践意欲と態度は
「意」と捉えることができ,「知・情・意」はそれぞれを育てることができる。教育実践の場
では,具体化した内容を通して指導すればよい。道徳教育に精力的に取り組むことは,結果と
して生徒指導や教科指導にある諸問題を解決につながるものである。道徳教育に取り組むこと
で教育活動全体によい効果を与えることができる。
(4)特別支援教育
FR教育臨床研究所
花輪敏男氏
特別支援教育は高等学校では生徒指導・教育相談と直結していると捉えられ,いいスタート
を切っている。しかし,その理念について十分には理解されていない。特別支援教育とは1人
1人の特別な教育的ニーズに応えるものである。実際に,発達障害を持った生徒は高校にも多
数存在している。その生徒の特徴について知識を持っていると,発達障害の生徒に対して適切
な対応をとることができる。しかし,適切な対応がとれていない場合,二次障害として不登校
やいじめ,非行,中途退学,学力不振といったことが起こってくる。生徒指導や教育相談,学
習面・行動面で気になる生徒については1つの視点として発達障害を考えることも必要である。
特別支援教育の視点を持ち込むと,生徒理解が進む場合もある。また,発達障害の生徒がいる
ことを前提に考えて学校教育を見ていくと,その生徒にだけの特別の配慮が,全ての生徒に対
してプラスになることも十分にある。特別支援学校が特別支援コーディネーターとして位置づ
けられており,地域で特別支援教育が促進される体制がつくられている。発達障害の生徒への
対応は,どの学校でも考えておかなければならない。そのための特別支援教育が実動できる体
制づくりが急務である。
4
最後に
今回の研修から半年あまり過ぎたこの時期に振り返ってみても,その時のことが鮮明に思い
出される。それだけ内容が充実したものであり,これからの教育のあり方や方向性について知
る機会であった事が大きいと思われる。教育を取り巻く状況は日々大きく変化している。その
中で,私自身学び続けていかなければいけないことを改めて感じている。また,このような全
国から教員が集まる研修であったので,他県の教員と情報交換を行う場も多く,ネットワーク
を広げることもできた。その中で,他県の様々な状況を知ることができる機会でもあった。
このように大変有意義な今回の研修で得た知識,体験を今後に役立てて少しでも広げていく
ことができればと考えている。
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10 年経験者研修を終えて
教諭
1
石村まさみ
10年経験者研修の成果
(1) 教科指導面
教科指導力の向上を目的に,授業改善を行った。その授業改善のテーマとして「言語活動を授
業に取り入れること」及び「自らが学習に向かう自律的な学習を促進すること」を設定した。テ
ーマ設定の理由としては外国語という教科においては,これまでも実際の授業において様々な
言語活動が行われてきたが ,新学習指導要領において「言語活動の充実」が盛り込まれており,
この研修を通して,「読む・聞く・話す・書く」という 4つの技能を意識して授業をどのよう
に進めていくべきかを研究したいと思ったからだ。また,自律的な学習を促進する指導を行うこ
とで,生徒の能力をさらに高められると考えたからである。
様々な指導助言をいただきながら,授業改善を進めることができたと感じている。そこでの成
果としては,それぞれの活動がどのような目的で行われているのかを明確にして授業に臨むこ
とができるようになったことである。また,複数の技能を統合した活動を行うことによって,
英語学習に対して自発的に取り組む生徒が少しずつではあるが増えてきた。
校内における授業実践だけでなく,他校における授業交流からもこの研修の成果を得るこ
とができた。学校の状況は違っても,それぞれの教員が生徒の実態を明確に把握した上で,
そのために必要な指導を的確に行っていた。生徒個々の状況に応じて何をするべきかという
ミクロな視点だけでなく,学校経営目標や地域など外部環境のニーズなどマクロな視点を持
って授業実践を行っていることを知ることができた。
(2) 教科指導面以外
校内外の研修を通して,自分のこれまでの教育実践を顧みることができた。全ての教育活
動が恣意的に行われるものではなく,様々なもの基づいて行われている。例えば,教育法規や
学習指導要領など基づくものは変化をしていく。その変化を捉え対応していく能力が必要であ
る。経験を積んだからこそ,その根拠となるものに基づいて自分の実践を行う必要性を実感し
た。
また,最新の教育の動向を知ることができ,そこから他校の教員とテーマを設定し,実践的
な演習を数多く行った。その際には,他校での実践を聞くことができ,具体的な指導の工夫を
共有することができた。同じ経験年数の教員がこれまで学級経営や生徒指導,キャリア教育な
どこれまで自らが行ってきた実践を共有できたことは大変意義があった。
2
今後の課題
この10年経験者研修を終えた後は,ミドルリーダーとして今後のキャリアをどう積んで
いくのかを考えなければならない。学校や生徒の実態を把握し,その実態に応じた明確な目
標を共有し,その達成に必要な指導を組織の中で中核的な役割で遂行していく能力が求めら
れているということだろう。しかし,そのような力は,さらに専門性を高め,自らの課題と
なる分野に関して,継続的に研修を行ってこそ身につけられるものだと考える。
私は,教科指導力だけでな,生徒の実態に応じたキャリア教育について研修を続けていきたい
と思っている。 資質を高めるために,新しいことに挑戦し,自ら学び続ける教員でありたい。
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10 年経験者研修を終えて
教諭
福本敬子
10 年経験者研修の目的は,在職期間が 10 年に達した者に対して,個々の能力,適正等に応じ
て研修を実施し,教諭としての資質の向上を図る,とされる。その内容は教科指導をはじめとす
る学習指導や,各分掌の主任による校務運営に関わる分野については校内研修として実施され,
校外研修としては,同校種,異校種の教員が協議,発表を通して授業改善,教育活動全般に通じ
た研修を行った。
現在,教育を取り巻く社会環境は刻々と変化しており,我々が現職に着任した 10 年前と比べ
ても、状況は同じではない。しかし,学校現場で日々の職務を遂行することだけに神経を向けて
いると,そういった変化に鈍感になってしまうことは否めない。今回の研修はそういった現状を
再認識し,自己の課題を発見するための良い機会となった。
中でも,大きく刺激を受けたのは,お互いの授業を観察,協議,改善を行った授業交流や,公
開研究会への参加であった。
授業交流では,生徒の状況や,地域の違いはあるものの,それぞれの教員が課題と目標を明確
にし,より良い教授を行おうと前向きに取り組む姿に励まされた。時に行き詰まり,途方にくれ
ることがあっても,協議や討論を重ねていると,自然と道が開けてくることに大変驚かされた。
また,自分だけが悩んでいるのではないと知り,気が楽になることもあった。
公開研究会への参加を通しては,それぞれの学校が特色を生かし,学校全体として一つの目標
を目指した取り組みをしておられることがはっきりと感じられた。今まで教科内だけで様々な課
題を処理していた部分があるが,学校単位で共通認識を持ち,教科を越えた学習活動を展開しな
くてはならない。
研修活動全体を通じて強調されたのは,10 年経験者は今後,学校組織のミドルリーダーとして,
様々な教育活動に関わらなくてはいけないということだ。そのためには,今まで培ってきた経験
を基礎として,更なる研究と修養を重ね,職務を遂行しなくてはならない。また,集団や組織の
一員として,自らの置かれた役割を認識し,特性を生かしつつ専門性を高める努力も必要だろう。
しかしながら,一朝一夕に習得できる専門性はない。引き続き管理職や主幹,主任をはじめとし
た先生方にご助言を頂きながら、研鑽を積みたい。
一つに,私は英語教員であり,言葉を扱う立場にある。言葉について言えば,英語でも,日本
語でも,文法や表現に違いがあるものの,同じく情報の伝達方法であり,自己表現の方法でもあ
る。現在,コミュニケーションが苦手で,良好な人間関係を築けない児童生徒が少なからず存在
するのを感じる。
教育現場に限らず,全ての人間的な活動における基礎はコミュニケーションである。そのこと
を,授業を通して,教育活動全般を通して,児童生徒に伝えることができるように日々心を砕き
たい。
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10年経験者研修を終えて
教諭
武内
徳子
①10年経験者研修の成果
10年経験者研修の成果について,学習指導,学習指導以外という点から振り返りたい。
【学習指導力】
学習評価,学習指導の在り方,授業改善などの講義,また,同校種の授業交流や異校種の
授業参観により自己の授業力について,改めて客観的に振り返ることができた。その中で,
大きく学べたことは,生徒の力を信じて支援し続けること,生徒の良い部分を引き出してい
くことにより,生徒の自己肯定感を高め,生徒自身が主体的な授業参加をしていくことがで
きると感じた。
今年度は,看護科内で「考える力・表現する力を伸ばす授業の創造」をテーマに教材を開発
し,研究授業を行った。生徒の言語活動を充実するための意図的な指導方法について,これま
での発表形態から,生徒が発表した内容を聞き取っている別の生徒にまとめをさせる方法を実
践した。そのことにより,生徒の考える力・表現する力を伸ばす授業につながったと考える。
言語活動を充実するためには,表現する方法を身に付けることが必要であり,つまりそのため
には,まず他者の話を聴く力を身に付けさせることが重要であると学んだ。
【学習指導以外】
教職の基本,道徳教育,キャリア教育,総合的な学習の時間,特別活動,学級経営,生徒
指導,教育相談など多岐にわたり講義演習を受講した。その中で即実践できた内容として,学
級経営,集団づくりについて,構成的グループ・エンカウンターを活用したことである。小・
中学校では,集団の中での個の評価について,Q-U の活用をしていることを知った。高校生で
も場合によって,活用することが生徒一人ひとりに適切な対応を図る生徒指導につながると考
える。今回,学級経営の一環として,新しいメンバーで臨床実習に入るという前に,構成的グ
ループ・エンカウンターを実践した。そのことから,生徒一人一人がグループメンバーとの協
調性を意識することで,お互いに思いやり助け合いの気持ちで一丸となって臨床実習を乗り越
えることができた。その後のクラスの雰囲気も大変よく,一人ひとりが大切にされていて安心
感のあるホームルームになってきていると実感した。
②今後の課題
10年経験者研修を通して,学校教育全般にかかわることについて,これまで10年間経験し
てきた実践と理論的な部分を再度確認することができた。その中で,自信を持って今後もできる
部分と力量不足の部分とを明確にすることができた。今後は,自分の伸ばしたい部分について,
継続的に学習を積んでいき,不足している部分にも関心を持ちながらバランスのとれた教員とし
て今後も成長していきたい。そして,学校現場において,中核的な役割を果たすことができるよ
う,さらに力量をつけていけるよう日々努力していきたい。
また,看護の専門教育をしていくため,職業教育,キャリア教育の実践者として専門性を磨く
ために,自主的な自己研修への参加を継続的にすすめていくべきである。そして看護の中でも,
さらに専門を持ち続けていけるよう教育相談の分野を極めていきたい。
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所属: 広島県立 広島皆実高等学校
氏名: 中谷 光貴
1 1年間を振り返って
(1)教科指導について
この 1 年間で特に,教科書をただ教えるのではなく,生徒の実態をしっかりと把握し見通しを持っ
て計画的に指導しなければいけないということを感じた。自分が分かっているだけでは焦点が絞れ
ず生徒には伝わらない授業になってしまう。また,どのように先の内容に話を繋げ,さらに広げて
いき,目標達成に近づけるのかということを常に意識していなかったので,後々反省することが多
かった。
(2)学級経営について
HR や SHR に参加しながら一番強く感じたことは,学級の環境整備と学級規律についてである。授
業参観で多くの教室を回ったが,教室が清潔に保たれ,整理整頓がなされている学級は自然と雰囲
気が良く生徒も落ち着きがあるように感じた。また,挨拶や話を聞く態度,休憩と授業の切り替え
など当然のことができるようになるために,ときには厳しい声かけもしながら規律を徹底すること
も大切であると感じた。
(3)校務分掌
校務分掌の仕事については,あまり役割を果たすことができなかった。臨時時間割や定期考査の監
督割など先輩教員に助言を頂きながら少しずつ取り組んできたが,自ら率先して動けるようになら
なければいけないと思う。
2 現在の課題
教科指導については,今まで以上に勉強しなければいけない。この一年で教科指導の大切さにつ
いて多くの先生から話を聞かせてもらい,教材研究や授業準備,指導方法の工夫についてもっと時
間を割き,試行錯誤しながら取り組まなければならないと感じた。教科書に書いてあることを丁寧
にゆっくり説明すれば良いというわけではなかった。生徒がどこに疑問を持ち,どこでつまずくの
かということを定期考査や小テスト,提出物等を活用しながら予測し授業を組み立てることが必要
である。また,授業観察で見た他の先生方の授業をそのまま真似ても決してうまくいかず,自分な
りに解釈し構想し直さなければいけないなど,安易な取り組みでは生徒に響かないことも感じた。
教科指導力が生徒の信頼を得ることにつながり,学級経営等にも影響するということも聞いたので
今後も継続して教科指導力の向上に励みたい。
3 来年度の目標について
まず教科指導力をつける。計画的な指導の中で生徒の実態を把握し,焦点を絞った授業ができる
よう先輩教員等に積極的に助言を頂く。私が担当する生徒には数学的な表現を正確に読み取り,解
釈することや,逆に自分の考えを数学的な表現を用いて伝えることができないという実態があるの
で,生徒同士の教え合いや発言する機会多くを設けるなど担当する生徒に適した指導ができるよう
幅広い知識と実践力を身に付け,生徒が主体的に参加・活動できる授業づくりを目指す。
次に学級経営に関して,生徒同士の仲間意識を育みつつ規律を重んじるような学級づくりを行い
たい。そのために,生徒と積極的にコミュニケーションをとり,教科指導やLHR等を通して生徒
と信頼関係を築きたい。学級が生徒一人一人にとって進路や夢の実現のための空間であり,また,
居心地の良い空間となるよう努めたい。
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所属:広島県立広島皆実高等学校
氏名:大賀 智代
1 1 年間を振り返って
(1)教科指導
教科指導では,反省することばかりの 1 年間であった。しかし,研修や他の先生方からの御指導
から自己の課題を見つけ多くの学びを得た 1 年でもあったと感じる。
授業では,日々の授業を展開することで精一杯になっており,生徒にどのような力をつけさせた
いのか,長期的な目標を持って臨むことができなかった。1 回の授業であれもこれも教えたいと,
メリハリのない授業になってしまっていたと感じる。生徒の理解を促すためには,長期的な見通し
を持って 1 回の授業で何に重きを置くのかポイントを絞って展開していく大切さを学んだ。また,
生徒一人一人の理解度やクラスの特徴に合わせて授業を展開していく必要性も学んだ。
臨床実習の指導では,患者と関わる中で生徒それぞれの長所を伸ばし,看護師になる上での課題
を見つけさせ,改善できるよう指導していく大切さを学んだ。
(2)学級経営
1年生の副担任として学級経営に携わせて頂き,生徒一人一人に目を向け,日々変化する生徒の
実態,クラスの実態を把握し対応していくことが大切であると実感した。また,他の教員との連携
や保護者との情報交換等を密に行っていくことも,担任として学級を経営していくうえで重要であ
るということも学んだ。
(3)校務分掌
総務部に所属させて頂き,学校行事を通して 1 年間の学校の流れを把握することができた。円滑
に学校行事を運営させていくためには,事前の細かい準備,調整,教員全員の協力が必要であるこ
とを学んだ。1 年間の学校の流れを知ることができたので,来年度は事前に色々なことを見据えて
行動していくよう心がけていきたい。
2 現在の課題
現在の課題としては,教科指導力の向上である。現在は授業を展開させていくことで精一杯にな
っており,生徒の個々の理解度に配慮した授業が行えていないと考える。教科指導力を向上させる
ためには,教材研究をしっかりと行うと同時に,積極的に研修等を受けていくことで私自身の専門
性を向上させ,様々な角度から生徒一人一人の理解度に応じた指導を行えるようになりたい。そし
て,生徒に思考力・判断力・表現力を付けさせるよう,発問等工夫した授業展開を考えていく必要
がある。
3 来年度の目標について
来年度は,生徒一人一人に対応できる指導力を身に付けることが目標である。そのためには,生
徒と積極的にコミュニケーションをとり,生徒の実態を把握するように心がける必要がある。また,
これまでの実践や学んだことを振り返り整理した上で,1年の流れを意識して長期的な見通しを持
ちながら,指導計画を立て実践していきたい。そして,初心を忘れず,学ぶ姿勢を持ち続けていき
たい。
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