第2回 豊田市環境審議会 会議録

第2回 豊田市環境審議会
【日 時】
【場 所】
【出席者】
奥
加
渡
千
篠
高
浅
松
大
澤
鈴
西
天
的
山
【次
第】
会議録
平成 20 年 10 月 17 日(金)10:00∼11:30
豊田市役所 南庁舎 第 51 会議室
野
藤
邊
頭
田
田
野
浦
原
田
木
川
野
場
田
信
久
丈
宏(中京大学総合政策学部長 教授) ※会長
和(名古屋大学大学院法学研究科 名誉教授)
眞(中京大学体育学部健康科学科 教授)
聡 (日本福祉大学国際福祉開発学部 教授)
陽 作(豊田工業高等専門学校環境都市工学科 講師)
弘 子(都市調査室 代表)
智恵美(市民公募)
貴 子(市民公募)
満 枝(市民公募)
恵美子(豊田市消費者グループ連絡会 会長)
勝 己(豊田市自然愛護協会 前会長) ※副会長
嘉一郎(豊田市区長会 理事)
勝 美(協同組合豊田市商店街連盟 副理事長)
健 人(豊田市商工会議所第1工業部会 部会長)
登紀彦(豊田市商工会議所第2工業部会 部会長)
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開 会
会長あいさつ
各検討部会における審議状況の報告
議 題
(1)豊田市環境基本計画(素案)について
(2)その他
(ア)環境モデル都市について
(イ)ラムサール条約登録に向けた矢並湿地の調査について
(ウ)「環境の保全を推進する協定」について
(エ)産業廃棄物基本計画について
5 その他
6 閉 会
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開会
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会長あいさつ
9月の平成 20 年度第1回審議会開催以降、3つの部会で大変鋭意ご検討
いただき、本日、お手元にあるとおり答申案がまとまってきた。
本日、それをご確認いただき、次回の答申へとつなげたい。
3 各検討部会における審議状況の報告
各部会委員:資料に基づき、説明
A委員:続いて、議題1の豊田市環境基本計画(素案)について、事務局から
説明をお願いしたい。
4 議題
(1)豊田市環境基本計画(素案)について
事務局:資料に基づき、説明
A委員:これまで長い時間をかけて審議をしてきたが、素案について審議いた
だくとともに、実施に向けてアドバイスがあればお願いしたい。
B委員:計画の推進体制が一番大事だと思う。市民の中には、やる気はあるが
それをどこでどう使ったら良いかがなかなか分らない人たちもいる。
そういう人たちをいかに巻き込んでいくかが重要。様々な場に参加し
てもらい、何か自分でできることを見つけてもらうと同時に、それを
チェックしていく機能がしっかりあれば良いと思う。
C委員:めざすべき社会像が明確になっており、分かりやすいと思う。身近な
環境に目を向け、自分の住んでいる所を大切にするのだということが
大事である。やはり日々の暮らしの中で環境問題を考えていけるよう
な、仕組みがあると良いと思う。
D委員:消費者グループでも考えていた、身近な生活における廃棄物の発生抑
制や、資源を循環させるといった考え方が取り入れられていると感じ
ている。リユースという考え方は大事であり、消費者グループとして
古着のリユースに取り組んでいるが、家を取り壊したりする際の建設
廃材やたくさんの使える家具が粗大ゴミとして捨てられている現状を
どうにかできないかと思っても、その辺りのことはグループの取組と
して弱いと思っていた。そういったところに今回、このような可能性
を示唆していただき、うれしく思っている。
A委員:リデュース、リサイクルは比較的関心も高く、注目も浴びやすいが、
リユースは一番難しい。今のお話をいただき、心強く思う。
E委員:環境づくりはまちづくりであると思う。街の人が田舎に来ると、きれ
いな緑があって良いと言われるが、その雑木林が田舎にとっては弊害
になってしまっている。昔は竹を売ることで資金を得ることができた
が、今ではその竹を処理する費用さえ苦慮してしまっている。そのた
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め、来年度から行われる地域支援システムの中にこの環境問題も組み
入れ、人や物の交流も含めてまちづくりという大きな観点から、地域
の運動として問題解決に当たっていければと思う。
F委員:環境問題は、市民も事業所も、基本的には分かっているが、行動に移
せないということが一番の問題だと思う。最後に記載されている推進
体制が、しっかりと機能を果たせるかが一番重要になってくる。また、
文章中に「資源化をする」とよく出てきているが、
「資源化したものを
どうやって使っていくか」まで仕組みを作っていかないと、逆効果に
なる場合もある。資源化をして自分たちは環境問題を一生懸命やって
いると思ってしまうのではなく、地域の中で循環の仕組みまでを築い
ていけるような推進体制を構築しながら、チェック機能を果たしてい
ければと思う。
G委員:立派な基本計画ができ、行動に対する理論的バックボーンのまとめは
できたと考えて良いと思う。今後は、アクト・ローカリーの段階にな
るため、活動の核やキーマンを多数生み出していくための活動を展開
し、さらにそれを広げていくことが大切になると思う。そのために何
をやるか、より具体的な行動を考え、実行していかないといけない。
またそういった時に何か貢献できればと思う。
H委員:10 年前に今のIT社会が想像できなかったように、今後 10 年後に環
境社会に向けてより進展できればという期待を込めて、この審議会へ
参画させていただいた。中身については、大変素晴らしいものだと思
う。先ほどお話にもあったように、今後、仮に実行体制ができても、
それぞれが機能しなければ施策は実行できない。責任体制の明確化や、
周辺の関連組織・人材等が役割をしっかり果たしていけることが重要
ではないか。
豊田市は一戸建てへの太陽光発電の設置数はかなり高く、さらに今
年は昨年の倍の新設がなされるなど、市民の意識はかなり高いように
思う。そういう意味では、豊田市は素地は十分出来ているので、少し
背中を押してやることが極めて重要だと思う。
また、中心市街地活性化の方も、国の認可を受けて動き出している
ので、そういった大きなプロジェクトとも整合性をとりながら進めて
いければと思う。
I委員:やはり重点プロジェクト1「地球温暖化防止のための土台づくり」が
注目すべきことだと考えており、今は空白になっているが、ここにど
んなメニューが入ってくるか、最後まで注目していきたい。また、部
会でも触れたが、交通分野のTDM施策の推進という部分に、EST
が入ってきていいのではないかと考えている。
先ほど豊田市は素地ができているというお話があったが、市民とし
てもうれしい所に住んでいると思う。豊田市ならこんなことができる、
こんなふうに期待されている、さすが豊田市と言われるように実施さ
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れていくことを望んでいる。
J委員:豊田市が合併をし、地域の特色を生かしていくためには、運用の方向
性について割と独自にできるようにしてあげる必要があると思う。一
律にものを考えるということは辞めていただき、地域特性をきちっと
出せるような仕組みを、豊田市オリジナルで考えてはどうか。
一番大事なことは、合併した地域との地域交流だと思う。単に交流
するだけではなく、都市部の人が山間部の人たちを思いやり、山間部
の人が都市部の人たちを思いやる。この思いやりの交流がもう少し積
極的にされると良いのではないかと思う。
環境基本計画の素案をいただいたときに、つくる側としては綿密に
つくることが目標だったが、何かちょっと多すぎるな、読むのに大変
だなと思うようになった。これは読む側は苦痛かもしれないので、こ
れを上手に要約し、10 頁くらいの分かりやすいものを一緒に作ってい
ただければ良いと思う。
K委員:非常にバランスがとれた基本計画になっていると思う。先ほどからお
話に出ているように、まさに環境問題はまちづくりと絡めていかない
といけないと思う。ドイツでは毎年「環境首都」を選んでいるが、そ
れはまさに、その都市の廃棄物だけ、リサイクルだけ、都市計画だけ
を見ているわけでもなく、全体を機能的に組み合わせ、都市のコンセ
プトがしっかりできているところが毎年選ばれている。基本計画とい
うのは、まさに豊田市をどういう都市にしていくかという下敷きにな
るもの。そういう意味では、かなり広範囲に渡って細かく書いてある
ということは良いことである。あとはこれを、いかに豊田市全体の大
きなまちづくりへと整合性を図っていくか、運用・活用していくかが
これからの問題だと思う。
L委員:最後の推進体制の中で、
「市民の会」という組織を作るとあるが、ほと
んどの場所では、それをどう 10 年間、運営していくかということで苦
労している。そこで、一つの提案だが、推進体制の前の部分で「行動
指針」をまとめていただいているが、ここで無理して行動指針を書か
なくても、これをむしろ「市民の会」の最初の仕事にしたら良いので
はないかと思う。行動指針はどのレベルで書くかがかなり悩ましく、
書きだしたらきりがない。むしろ「市民の会」において、市民とした
ら何ができるか、事業者として何ができるかということを考え、2年
ぐらいかけて、自分たちのアクションプランを作るという形にしては
どうかと思う。
M委員:基本計画そのものは非常にまとまり、良いものができているが、推進
していく時の体制をしっかり考えていただきたい。成果がでるまでに、
非常に長い時間をかけていくことなので、若い市民の方たちや子ども
たちを含めて推進していくようなシステムが必要と思う。推進体制の
中で、けん引する機関として「産官学」と書いてあるが、
「学」という
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のは大事だと思う。もっと現場の教育機関が参画してくると同時に、
先ほどお話に出たとおり、子どもたちにも分かるような基本の見せ方
というものがあると思う。
N委員:大変良い計画ができたと思うが、これからは推進体制や進行管理が問
題となる。改めて客観的にこの基本計画の素案を見てみると、基本計
画と称するものと市民や企業の「こうしたい、こうありたい」という
思いや行政に対する望みとの間には、まだまだかなりギャップがある
ということを念頭に置いた方が良いと思う。パブリックコメントでも、
市民からの意見の方がより具体的で、身近なところで起きている問題
について「こうしたい、こうあってほしい」という意見が多かった。
これから、これを具体的な取組の土台としていくことが重要であっ
て、あらゆる分野、企業や市民等の具体的な行動の基準になるよう生
かしていくことが重要となる。そのためにも、よりコンパクトに、誰
にもわかりやすい形で重要なポイントをまとめた概要を作っていくこ
とや、市民・企業を巻き込んだ共働のネットワークづくりなどが非常
に重要になってくるのではないかと思う。環境意識の非常に高い市民
はたくさんいるが、それがなかなか横につながっていかない。そこで、
たとえば、子どもたちへの学習活動を通じ、子どもたちへ、さらには
子どもたちを通じて大人の世界も広げていくというようなことも、一
つの方法ではないかと思う。横につなげ、さらに輪を広げていくこと
が、いわばトレーナーズ・トレーニングのようなプログラムを作って
いくことも重要ではないだろうか。推進体制、都市づくり、市民の輪
の組織づくりに当たっても、こういう考え方を取り入れていただけれ
ばと思う。
O委員:市民の自然に対する認識が非常に低い。
「市民の誓い」の第1条でも「自
然を大切にしましょう」とあり、
「自然を守り育てる条例」の中でも「開
発事業等に伴う自然環境への配慮」と書いてあるのだから、市民や企
業への自然愛護をもっと大きく出せればと思う。
長い間、矢並湿地などの保全に努めてきたが、市内には約 90 カ所程
度の湿地があるものの、1ヘクタール以下の小さなものが多い。矢並
湿地には非常に貴重なシラタマホシクサやミカワシオガマなどが生息
しているが、昔は市内のいたるところで見られていた。矢並湿地だけ
ではなく、自然環境をいかに守るかということが非常に大事だと思う。
また、ラムサール条約登録の動きがあるが、2年後のラムサール条約
の会合までに登録をめざしていくことも入れることも大事だと思う。
いろいろな数値目標が掲げられているが、自然環境はなかなか表せ
られない。だから、ある程度抽象的でもいいとは思うが、愛知県でも
レッドデータブックを作成しているので、そういうものをいかに保全
するかをもう少し入れても良いのではないか。また、愛知県には「自
然環境条例」があるが、豊田市にはないので、作っていただきたい。
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地球温暖化の部分で「6%削減」が目標と書いてあるが、基準年よ
り 10.2%増加しているのに削減量が6%で良いのだろうか。16.2%減
らさないといけないはずなのだが、これをどう説明するつもりなのか。
市民には分かりづらい。
A委員:それでは、事務局より、自然環境への配慮と矢並湿地のラムサール条
約登録についてと、それから二酸化炭素排出量についてお話願いたい。
事務局:ラムサール条約についてだが、以前から矢並湿地の重要性について自
然愛護協会から指摘を受けており、自然保護活動の象徴としても非常
に良いことなので、ラムサール条約に登録をする準備を早く進めては
どうかというご意見もいただいていたところである。今年の9月議会
での一般質問からも出され、環境部長より、ラムサール条約の登録に
向けて、自然環境や社会環境など登録に必要な要件を調査していく旨
を答弁させていただいた。そこで、来年度には予算を計上し、登録に
向けて具体的に準備を進めていくつもりである。また、ご指摘の重点
プロジェクト2だが、この5年間で調査研究をしっかりやり、その調
査研究結果をもとに保全への取組をしていくという二段構えの構成と
なっている。前段は調査研究事業が多いが、その結果を踏まえた「生
物多様性を保全するための仕組みの検討」では、市域における保全の
在り方などを含め具体的な計画を作成していく予定である。
続いて2点目の CO2削減の数字についてだが、国では 1990 年の京
都議定書の基準年に対して6%下げるという言い方をしている。確か
に、ご指摘のとおり現状と比べて下げる数字は 10 数%になっているが、
1990 年を基準に6%下げるというように先般の行動計画も記述させて
いただいている。
A委員:市民に対するPRの仕方については何かお考えはあるか。
事務局:基本的には本編の概要版をつくってPRしていくが、分かりやすく簡
単であること、また「私たちはいったい何をすればいいのか」がわか
るような工夫をしたいと思っている。ぜひ、またご指導いただきたい。
A委員:皆さんのご意見にあったように、我々も長い期間関わったこの計画が、
大変バランスの良いものができたと感じている。豊田市は環境モデル都
市の候補にも選ばれており、今度はこちらも応援いただきたいと思うが、
そのための大きなバックボーンとしても計画も人も連結してやってい
くことが非常に大事という話も委員からいただいた。
推進体制については、中間的な役割を果たす、取組と取組をつなぐよ
うな役割を果たす組織が必要というご意見をいただいた。また、この環
境審議会も計画を作ってそれで終わりではなく、これからも大変大きな
役割があるので、引き続きよろしくお願いしたい。
また、重点プロジェクト1については、環境モデル都市に向けてのデ
ータ等の収集を行っている段階ということで、市で準備ができ次第委員
にご連絡があるかと思うが、またご意見を頂戴したい。
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最後の答申は、会長、副会長にご一任いただければと思うが、よろし
いだろうか。
続いて、議題2をお願いしたい。
(2)その他
事務局:議題2について、説明
5 その他
事務局:資料に基づき、説明
以上
平成20年度第2回豊田市環境審議会
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終了