第三者意見 (1.32MB) - 伊藤忠商事

第三者意見
会社概要
社 名 : 伊藤忠商事株式会社
創 業 : 1858年
設 立 : 1949年12月1日
本 店 所 在 地 : 東京本社 〒107-8077 東京都港区北青山2丁目5番1号
上智大学経済学部教授 大阪本社 〒541-8577 大阪市中央区久太郎町4丁目1番3号
上妻 義直 氏
取 締 役 社 長 : 小林 栄三
資 本 金 : 2,022億円
国 内 営 業 所 数 : 17店 伊藤忠商事のCSRマネジメントは、行動方針が明確で、
ゲージメントが実施されています。
また、バリューチェーンづ
何の迷いもなく淡々と進められているような印象を受けます。
くりでは、各ディビジョンカンパニーのサプライチェーンに対
アフリカ 8店 中近東 19店 CIS 9店 中国 18店
基本的な考え方は冒頭のトップコミットメントに集約され
して、人権・労働・環境に関する実態調査が行われており、
アジア 34店 オセアニア 6店)
ています。最近では、
「コミットメント(誓約)」
という表現を避
その数は全対象会社の80%以上に及んでいるのです。
さ
けて、
「トップメッセージ」のような曖昧なタイトルを使う会社
らに、
「人材育成」では、人材多様化推進計画の遂行、世
が増えているのですが、
あえて「コミットメント」
と明示して小
界人材・開発センターの設置、体系的な人材育成・研修制
林社長が語る同社のCSRマネジメントは、次のように要約
度の運用によって、CSRの担い手づくりが行われています。
できるでしょう。
具体的な課題の抽出や行動計画の策定が、業務の直
まず、経営理念である「三方よし」、
「チャレンジ精神」、
接的な実行組織である各ディビジョンカンパニーに委譲さ
海 外 営 業 所 数 : 136店
(北アメリカ 8店 ラテンアメリカ 15店 ヨーロッパ 19店
従 業 員 数 : 連結 ※48,657人 単体 4,107人 (2008年3月31日現在)
※連結従業員数は、就業人員数(臨時従業員数を含まない)
です。
組織図
財務情報
(億円)
株主総会
150,000
■ 連結
■ 単体
監査役会
取締役会
監査役
100,000
売上高
監査役室
社長
95,170
95,760
61,370
104,739
59,812
57,592
124,125
115,791
59,351
56,253
50,000
役員会
HMC
CIO
CCO
CFO
0
経営企画担当役員
1,451
946
1,000
778
500
544
2004
0
2005
2006
2007
2008
(年3月期)
▲319
■ 連結
■ 単体
▲1,007
れていることも、特徴のひとつでしょう。
この割り切りの良さ
あること、そして「三方よし」からはステークホルダー重視
が一貫性のあるCSRマネジメントに一層のドライブ感を与え
の経営姿勢が生み出されていること、社会環境の変化に
ています。
対応して本業でCSRを推進するために、新たな高付加価
ところが、
こうした一貫性や割り切りは、逆に大きな問題
値のバリューチェーンづくりが不可欠になっており、そこに
も生んでいます。それは、全社的なCSR方針と各ディビジョ
「チャレンジ精神」が発揮されていること、更に、商社業務
ンカンパニーとの関係です。各カンパニーの取組が、全社
の成否は最終的に人材に帰着するので、
とりわけ「人材育
的なCSR方針とどのようにリンクして、各カンパニーがそれ
成」に力を入れていること、
です。
ぞれの取組の優先性をどう判断したのかが、十分な説明
この考え方は、CSRマネジメントの核となる行動方針、行
データが提供されていないために、
よく分からないのです。
動計画、情報開示を一貫して支えており、識別されたCSR
本社、各カンパニー、地域活動の相互関連性も同様です。
課題とその対応策にストレートに反映されています。例え
明快で一貫性のある主張が、複雑なCSR問題の理解に
ば、
ステークホルダー重視ではステークホルダーダイアログ
不可欠な説明の欠如と裏腹ならば、CSRレポートの訴求力
という直接的手段が選択され、毎年恒例となった有識者
は弱まってしまいます。KPI(主要な業績評価指標)等の定
と経営陣のダイアログ以外に、ディビジョンカンパニーごと
量的情報の不足やWEB情報との連動性が配慮されてい
の第三者意見交換会、CSRレポートの社員アンケート、全
ない点も課題です。今後は、更なる透明性の確保に向けて、
社員総会、労働組合との経営協議会等、
きめ細かいエン
一層の工夫が望まれます。
2008年3月期売上高・収益構成比(連結)
監査部
C
F
O
室
プロジェクト室
室
※ディビジョンカンパニーの詳細はP18参照
783
330
-1,000
I
T
O
C
H
U
D
N
A
2008
(年3月期)
2,186
金融・不動産・
保険・物流
カンパニー
1.5%
その他 1.6%
繊維カンパニー
5.6%
機械カンパニー
11.5%
食料カンパニー
宇宙・情報・
24.5%
マルチメディア
カンパニー 5.9%
生活資材・化学品
カンパニー 18.6%
金属・エネルギー
カンパニー
30.8%
オーストラリア
4.4%
その他
17.7%
米国
21.5%
日本
56.4%
売上高
124,125億円
カンパニー別
ディビジョンカンパニー ※
2007
1,771
1,500
秘書部
企画部
調査情報部
業務部
事業部
広報部
財務部
経理部
営業管理統括部
・コンプライアンス統 括 部
リスクマネジメント部
人事部
法務部
総務部
先端技術戦略室
開発戦略室
ライフケア事 業 推 進 部
海外市場部
I
R
2006
2,000
当期純損益
経営管理担当役員
営業分掌役員
海外分掌役員
関西担当役員
I
T
2005
(億円)
-500
C
S
R
2004
「人材育成」
という3つのキーワードが行動方針の基礎で
HMC : Headquarters Management Committee
C F O : Chief Financial Officer
CCO : Chief Compliance Officer
C I O : Chief Information Officer
収益
28,612 億円
地域別
(注)● 伊藤忠商事の連結財務諸表は、
米国会計基準に基づいて作成しています。
● 連結売上高は日本の会計慣行に従い表示しており、当社及び当社の連結
子会社が契約当事者として行った取引額及び代理人として関与した取引額
の合計です。
● 収益構成比(連結)地域別は収益の発生源となる資産の所在地に基づき
分類しています。
● 億円未満四捨五入。
CSR Report 2008 編集タスクフォースメンバー
繊維カンパニー
機械カンパニー
宇宙・情報・マルチメディアカンパニー
金属・エネルギーカンパニー
生活資材・化学品カンパニー
食料カンパニー
〃
金融・不動産・保険・物流カンパニー
業務部
事業部
広報部
糸賀
今西
三谷
安田
三嶋
吉本
工藤
栗田
齊藤
鈴木
山中
應文
洋晶
恭介
貴志
章夫
充弘
拓
昭宏
晃
康史郎
直樹
IR室
海外市場部
リスクマネジメント部
人事部
CSR・コンプライアンス統括部
〃
〃
〃
〃
〃
保里
山本
東條
篠原
太田
西山
佐藤
高井
桜本
中山
周良
志乃
陽士
弘樹
頼子
照美
緋紗
通彰
朱美
比呂子
(2008年4月1日現在)
1 ITOCHU Corporation CSR Report 2008
ITOCHU Corporation CSR Report 2008
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