市議会平成25年第3回定例会市政報告(PDF形式 177キロバイト) - 柏市

市議会平成25年第3回定例会市政報告
平成25年9月
柏
市
平成25年第3回定例会の開会にあたり,市政運営の主要な事項
について,その概要を申し上げ,議員各位のご理解とご協力を賜り
たいと存じます。
はじめに,今年の夏は全国的に大変な猛暑や豪雨になるなど,異
常気象とも言われる厳しい天候が続いております。
まず,ニュースでも度々取り上げられている熱中症の対応につい
てでありますが,市内の熱中症による救急搬送件数は,7月から8
月までに204件と,昨年同時期の約1.7倍に及びました。
このような中,市におきましては,熱中症による健康被害を未然
に防止するため,本格的に暑くなる前の6月に,庁内関係部署から
なる検討会議を開催し,情報共有を通じた対策の強化を図ってまい
りました。
市民の皆様には,広報かしわやホームページ等を通じて注意喚起
を行い,特に熱中症への注意が必要な高齢者の方々やお子様に対し
て,周囲の方々が協力して注意深く見守っていただけるようお願い
するとともに,熱中症が疑わしい場合の応急措置等について周知し
ております。
次に,利根川水系渇水の対応についてでございます。
5月の少雨や早い梅雨明け等の影響により,利根川上流ダム群の
貯水率が低下したため,7月24日から10%の取水制限が実施さ
れ ま し た 。 こ の こ と に 伴 い , 市 で は ,「 柏 市 水 道 事 業 渇 水 対 策 本
部」を設置し,市民の皆様に節水を呼びかけるなどの対応を行って
まいりました。
今後まとまった降雨が無く,取水制限がさらに強化されれば,水
量が足りず,高台等一部地域で水圧が弱まるなどの影響がでること
が懸念されるため,さらなる節水の呼びかけを行うとともに,応急
給水体制などの準備をしているところです。
残暑も厳しい状況が予想されておりますが,これら熱中症の未然
防止や節水のご協力について,ホームページやツイッター,メール
配信等を通じて,市民の皆様に引き続き呼びかけてまいります。
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続きまして,「We
Love
Kashiwaキャンペーン」
の取組状況についてご報告申し上げます。
まず,7月27・28日に開催した柏まつりには,両日で約70
万人の方が訪れ,各種イベントを楽しんでいただきました。市内1
2校の小学生によるNEW柏おどりでは,子どもたちが暑さを吹き
飛ばすような踊りを披露し,柏の街が元気であることをアピールし
てくれました。
次に,8月3日に開催した「柏・我孫子花火大会in手賀沼」で
は,手賀沼・利根・柏の葉・下総航空基地の4会場合わせて約44
万人のご来場をいただき,3年ぶりに柏の空に打ち上げられた2万
4,500発の花火が大きな感動をもたらしました。
この花火大会は,企業からの協賛金のほか,市民の皆様から目標
の1,000万円を上回る総額1,113万425円の募金により
開催することができました。この場をお借りして,皆様の心温まる
ご協力に厚くお礼申し上げます。
そして,8月25日に開催しました「かしわ街ごとキッザニア」
では,市内企業の協力の下,170を超える職場において,約1,
500人の子どもたちが職業体験をしました。キッザニア監修の全
国最大級のイベントとして,たくさんの子どもたちが社会の仕組み
を学び,また,この柏の街の新たな魅力を発見する機会になったこ
とと思います。
「We
Love
Kashiwaキャンペーン」では,この冬
にも街を彩るイルミネーションやクラシックコンサートを予定して
おります。これからも,多くの皆様と一緒にキャンペーンを通じて
元気な柏をアピールしてまいります。
続きまして,行財政運営についてご報告申し上げます。
平成24年度の決算見込みについては,一般会計においては,歳
入,歳出ともに大きく増加しましたが,これは放射線対策や基金の
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再編などによるものであり,市税収入は4年連続して前年度決算額
を下回る厳しい財政状況下に置かれました。
このような中,人件費の削減を始め,柏市行財政経営方針に沿っ
た歳出抑制の取り組みや積極的な財源確保に努め,財政構造の弾力
性を示す経常収支比率の改善を図りました。また,市債の新規発行
額を元金償還額以内とするプライマリーバランスの黒字化を維持し,
市債残高の縮減を図りました。
一方,現在の我が国の景気については,各種政策の効果などを背
景に回復の動きがみられるものの,本市の税収は,未だ本格的な回
復には至っておらず,今後は社会保障関係費の増加に加え,公共施
設の老朽化対策などにより,ますます厳しい財政運営が迫られるこ
とが見込まれます。
このため,引き続き,重要性や緊急性に基づく事業の優先順位の
選択を行うとともに,債務残高の着実な縮減を図りながら,持続可
能な財政運営をしていくことが望ましいと考えております。
次 に ,「 柏 市 版 事 業 仕 分 け 」 に つ い て は , 8 月 2 2 日 , 2 3 日 の
2日間,「啓発・社会教育・いきがい」をテーマとして,「放課後
子ども教室推進事業」を始め,8事業を対象に実施しました。
評価者にご協力をいただき無事に実施することができましたが,
傍聴人は昨年に比べ増加したものの,依然として少なかったことな
ど,改善しなければいけない点もありましたので,今後の課題とし
て検討してまいります。
今回の仕分け結果については,市民の皆様にも広く情報提供し,
ご意見をお聴きしながら市の対応方針を決定し,事業の見直しや来
年度の予算編成に活用してまいります。
続きまして,子ども・子育て支援に関する取組についてご報告申
し上げます。
まず,7月に策定しました「緊急対策
柏市待機児童解消アク
ションプラン」関連です。この冬から受付を行う来年4月の認可保
育園の新規申請の際に,よりきめ細やかな相談と対応が行えるよう,
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保育アシストデスクとアシストコールを設置すべく,関係経費の補
正予算を本定例会に上程しております。
また,このアクションプランの実施に向けて,9月1日付けで人
事異動を行い,こども部保育課に,2名の増員をいたしました。
次 に ,「 子 ど も ・ 子 育 て 会 議 」 の 第 一 回 目 を , 7 月 2 6 日 に 開 催
しました。
当会議は,公募委員3名を含む15名の委員で構成され,うち5
名は乳幼児を持つ保護者となっております。
今年度は7回の開催を予定しており,子ども・子育て支援事業計
画の策定に向け,市の現状を踏まえたニーズ調査の内容や調査結果
を踏まえた教育・保育施設の利用定員の見込みなどについて,ご審
議いただくこととしております。
続きまして,安全・安心に暮らせるまちづくりの取組についてご
報告申し上げます。
まず,柏駅周辺帰宅困難者対応訓練の実施についてです。市では,
一昨年の東日本大震災を教訓とし,昨年5月に柏駅周辺の交通機関
や 大 規 模 集 客 施 設 等 と 「柏 駅 周 辺 帰 宅 困 難 者 ネ ッ ト ワ ー ク 」を 立 ち 上
げ , 帰 宅 困 難 者 の 安 全 確 保 や 情 報 連 絡 に 関 す る 「対 応 マ ニ ュ ア ル 」を
本年6月に策定したところです。
1 0 月 2 1 日 に 柏 駅 周 辺 に お い て 実 施 す る 「帰 宅 困 難 者 対 応 訓 練 」
では,帰宅困難者となっていただく方を一般公募して,実際の一時
滞在施設に誘導するなど,実践的な対応訓練を行いながらこのマ
ニュアルの検証を行うとともに,市職員はもとより,ネットワーク
メンバーの災害発生時における対応力の向上を目的として実施いた
します。
次に,消防団の女性団員の任用についてです。本定例会において
柏市消防団条例の一部を改正する条例案を上程しており,新たに女
性14人を任命し,定数617人を631人に改めます。女性消防
団員の活動により消防団の活性化が期待されるとともに,女性の持
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つソフトできめ細やかな対応をもって安全・安心を大いにアピール
してまいります。
続きまして,土地区画整理事業に関してですが,柏北部東地区に
つきましては,施行地区の縮小を主な変更内容とした事業認可変更
手続きが,事業者であるURによって進められております。
市としましては,区画整理施行地区外となる大室東地区,約42
ヘクタールのまちづくりについて,地元権利者との検討会を実施し
ているところですが,URに対してもこのまちづくりに関する全面
的協力を求め,あらゆる可能性を探ってきたところです。
その結果,URとしても非常に厳しい状況であると聞いておりま
すが,大室東地区の先行取得地,約4.7ヘクタールを一括無償譲
渡する方向で合意に至りました。今後は,譲渡等に関する確認書の
締結とあわせ,当該用地を地域における公共施設やインフラ整備等
への財源として活用してまいります。
続きまして,柏駅前の再開発事業等まちづくり関連の取組につい
てご報告申し上げます。
まず,「柏駅東口D街区第一地区第一種市街地再開発事業」につ
きましては,去る5月29日に都市再開発法に基づく権利変換計画
の認可を行いました。
再開発組合では,7月10日より仮囲い等の準備工が始まり,現
在,12月中旬の新築工事着手に向けて,順次既存建物の除却・整
地工事を進めています。市としましては,今後も,安全管理の徹底
等についても指導・助言をしてまいります。
次に,「柏駅西口北地区まちづくり事業」につきましては,平成
22年度に策定した地区再生計画に基づき,去る6月2日にAB街
区及びC街区の市街地再開発準備組合が設立されました。
本地区は,柏駅周辺中心市街地の一翼を担う拠点地区として形成
すべく,都市活力の再生と防災安全性の向上を図る必要があること
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からも,今後とも各準備組合に対し,助言,指導をしながら,地権
者の合意形成に向けた支援を行ってまいります。
次に,国の平成24年度補正予算において創設された商店街活性
化事業等に対する国庫補助金の活用状況についてです。
この補助金については,商店街の活性化を目的とするイベント開
催などソフト事業に対する補助と,防犯カメラの設置など商店街の
安心安全に寄与する施設整備などハード事業に対する補助があり,
第一次募集では,ソフト・ハード事業合わせて9商店会が申請し,
いずれも採択されています。
現在,第二次募集が行われており,ソフト事業として3商店会,
ハード事業として4商店会が応募している状況にあります。引き続
き,市としましても,商店会が行う申請等の手続きが円滑に行われ
るよう積極的に支援してまいります。
続きまして,放射線対策の取組についてご報告申し上げます。
まず,大堀川水際部における除染等に係る千葉県への緊急要望に
ついてです。雨水の流末にあたる河川では,大堀川の水ぎわ部の一
部など,局所的に放射性物質が蓄積しているケースが確認されてお
ります。このため,こうした箇所における除染等の実効性ある措置
を早急に実施するよう求めた要望書を,7月5日に河川管理者であ
る千葉県へ提出しました。
次に,放射性物質を含む焼却灰対策については,南部クリーンセ
ンターにおいて,7月から,焼却灰の放射性物質の濃度を低減させ
るため,枝草を除いて焼却し,溶融を行わないなどの取組を進めた
ところ,民間最終処分場への焼却灰の搬出が可能となりましたので,
9月9日から工場の運転を再開いたします。
これは,枝草の分別排出に関する市民の皆様や,民間最終処分場
の所在自治体のご協力なくしては実現しなかったことです。この場
をお借りして,お礼を申し上げます。
しかし,発生する全ての焼却灰の最終処分が可能になったとはい
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え,当面の間は,枝草の分別や焼却の工夫を続けなければならず,
市民の皆様には,今後も枝草の分別排出にご協力くださいますよう
お願いします。
なお,保管を続けている指定廃棄物につきましては,引き続き,
安全な管理を徹底するとともに,国の責任において速やかに最終処
分場が確保され,確実に指定廃棄物を引き受けていただけるよう,
取り組んでまいります。
次に,昨年11月から運用しているホールボディカウンターによ
る内部被ばく測定費用の一部助成については,開始から8月末まで
に313人のお申込みをいただいており,また,これまでの測定結
果では,全員が放射性セシウムについて検出せず,あるいは預託実
効線量の試算では0.1ミリシーベルト未満となっております。
なお,この助成制度につきましては,対象期間を本年10月末日
の測定分までとしてご案内してまいりましたが,今後も他の放射線
対策事業と一体的に実施していく必要性があると考え,平成26年
3月末日の測定分まで助成対象期間を延長することにしました。
今後も,リスクコミュニケーションの充実や健康相談体制の継続
と併せて,国や福島県の状況等を踏まえながら,放射線に対する市
民の理解と不安軽減に向けて取り組んでまいります。
続きまして,近隣センター及びスポーツ施設の料金改定について
ご報告申し上げます。
本定例会において,柏市近隣センター条例や柏市運動場条例等,
施設利用料金に係る関連条例の一部を改正する条例を上程しており
ますが,これは,今年1月に策定した受益者負担の適正化基準に基
づき,また,厳しい財政状況を踏まえ,施設管理運営に係る財政基
盤の強化の観点などから改定を行うものです。
続きまして,昨年5月に発生したホルムアルデヒド検出による
断水事故の損害賠償請求についてです。市は,北千葉広域水道企業
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団を始めとする県内の関係団体とともに,8月30日に,ホルムア
ルデヒドの流出元であるDOWAハイテック株式会社を相手取り,
千葉地方裁判所に提訴しました。
続きまして,本定例会へ上程している補正予算についてご説明申
し上げます。
一般会計では,地域の元気臨時交付金を財源に,道路新設拡幅工
事や沼南庁舎エレベーターの改修,平成26年度に予定する「きぼ
うの園」建て替えなどについて所要の額を計上しました。
また,先に申し上げた保育アシストデスク設置等の子ども・子育
て支援事業や,いじめ防止対策事業,福祉・医療関連の補助事業な
どについて所要の額を計上しております。
このほか,あけぼの山公園及び農業公園管理運営事業や市営住宅
施設管理事業などに指定管理者制度を導入することから,債務負担
行為を設定しようとするものです。
特別会計では,下水道事業特別会計で,下水道管の長寿命化工事
などについて所要の額を計上したほか,介護保険事業特別会計で過
年度保険給付費の精算に要する経費を計上しました。
さて,私の市長としての任期は11月で終了します。就任した4
年間,市には様々な出来事がありましたが,特に,平成23年3月
11日に発生した東日本大震災がもたらした多くの悲しみを忘れる
ことはありません。そして,原発事故に由来する放射性物質が,市
に大きな難題を突き付けました。
この難題に,市民の皆様は正面から向き合い,一丸となって除染
などに取り組んできました。このことは,市の底力を知る機会とな
り,市の一番の宝は市民の皆様であると改めて感じたところです。
任期中の約半分が除染等との戦いでしたが,今年度に入って,元
気な柏を復活させる施策を展開し,市の活力の増大を図っています。
引き続き,安心して希望の持てるまちを目指していく考えのもと,
来る11月の市長選挙に立候補する決意をしました。
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今日までの,議員各位並びに市民の皆様の温かいご指導,ご鞭撻
に対しまして,心から感謝申し上げますとともに,今後の市政運営
につきまして一層のご理解とご協力をお願い申し上げ,市政報告と
いたします。
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