Ⅵ-2 胃癌患者の看護

Ⅵ-2 胃癌患者の看護
患者氏名
(
才)
計画立案日:
計画立案者:
評価予定日
主治医:
受持看護師:
評価実施日
看護目標
1.身体的・精神的苦痛を最小限にとどめる
<問題点>
<対策>
♯1.消化管出血による全身状態の悪 O-1.バイタルサイン、意識レベル
化(腫瘍からの出血)
2.胃部症状;疼痛、嘔気、嘔吐、膨満感
目標:異常の早期発見ができ、適切な
3.吐血、下血の有無
処置を受けることができる
4.全身状態
5.検査データー
T-1.吐血、下血の場合
1)安静の保持
2)嘔吐後冷水で含嗽させ、嘔気を誘発させない
3)適切な処置の介助
4)腹圧をかけない(体位交換時)
5)輸液、輸血の管理
6)不潔になりやすいので、清潔を保ち不快感を与えない
等(吐血・下血の看護に準じる)
E-1.安静の必要性を説明し、処置により状態が改善することを
説明
2.吐血、下血、その他異常時は、報告するように説明
♯2.腹部症状や栄養の吸収障害によ O-1.食事摂取量、水分出納、浮腫や脱水症状の有無
2.食事摂取に関連した嚥下困難、胃痛、不快感、悪心、嘔吐
り栄養状態が悪化する恐れがあ
の有無と程度
る
3.倦怠感・息切れなどによる日常生活の障害の有無
(癌による胃蠕動運動の低下と
4.口腔粘膜の状態
通過障害、心窩部痛、悪心、腹
5.体重の変化
部膨満による食欲不振、ストレ
6.検査データ-:貧血、栄養状態
スによる食欲不振)
T-1.検査などで脱水にならないように注意する
目標:栄養状態の低下をきたさない
2.患者の嗜好を考慮し、家族の協力を得て、消化のよい嗜好
品を持参してもらう
3.胃の負担を軽減するため一回量を少なく、食事回数を増やし
て、よく噛んで食べるように説明する
4.通過障害による絶食の場合高カロリー輸液管理を行う
5.消化剤、鎮痛剤を適宜与薬し、痛みや胃部不快を軽減する
6.倦怠感・息切れなどのある場合は日常生活で転倒しないよ
う注意する
7.不安やストレスに起因した食欲不振に対しては、その誘因
を取り除く
E-1.栄養指導で高蛋白、高カロリー、鉄分を含んだ食品摂取
の必要性について説明する。又、消化の良いもの、嗜好品な
どをよく噛んで摂取してもらうよう説明する
2.高カロリー輸液の必要性、施行中の注意事項の説明をする
#3.疾患による痛み(腹部痛等)が
あり苦痛である
O-1.痛みの部位、性質、食事との関係、持続時間
T-1.衣服をゆるめ腹部の緊張を和らげる
2.安楽な体位の工夫
目標:疼痛出現時報告することができ、
1)上半身を挙上し、下肢を屈曲
身体的苦痛を最小限にとどめる
2)側臥位にし、下肢を屈曲
ことができる
3.医師の指示による鎮痛剤の与薬を行う
E-1.痛みが自制不可の場合、申し出るよう説明する
2.刺激のあるもの、発泡性のものは摂取しないように説明す
る
♯4.疾患や検査に対する不安がある O-1.入院への適応状況
病気の兆候(食欲不振、心窩部痛、
2.疾病、検査に対する患者の情報量とその理解度
嘔気等)
3.表情、言動の表出状況と不安の程度の関係
検査や治療に対する情報不足
4.食欲、食事摂取状況
入院という慣れない環境
5.睡眠状況
社会的役割が果たせない
6.サポートシステムの状況
予期的不安
7.対処行動と対処状況
T-1.検査の必要性、方法をわかりやすく説明して協力を得る
目標;検査の目的を理解し、自分の思
2.検査の結果について、医師から十分説明をうけることがで
いや不安が言葉で表現できる
きるように配慮する
3.不安の表出ができるよう患者、家族の訴えをよく聴き受容
的態度で接する
4.静かに休息のとれる環境をつくる
E-1.医師の説明で理解できない点があれば、情報提供し、納得
できるように説明する
3.不安、心配なことがあれば表出して良いことを説明する
♯5.家族の不安
疾患そのものへの不安
患者の予後や経済面への不安
サポートシステムの不足
家族間の人間関係
目標:家族ケア、家族サポートを通し
て患者を支えることができる
O-1.家族の表情、言動
2.患者と家族との人間関係
3.家族と患者の疾患の理解、認識の差
4.家族間のサポートシステム
5.家族の状況判断能力
6.家族が捕らえている患者の性格
7.経済的問題の存在
T-1.コミュニケーションをとり不安、心配事を表出しやすいよ
う受容的態度で接する
2.家族の考えと、医療者の考えに違いがないか、患者の考え
を尊重してかかわる方法について相談し検討
E-1.患者の今後についてイメージできる情報を提供する
2.家族に患者サポートの必要性を説明する
※手術療法・化学療法・ターミナル期の看護参照
参考文献
成人看護学4消化器疾患患者の看護 編集:大久保忠成 1999.1.6発行