革新を生む経営 さくら総合研究所 企業革新室 室長 竹内 祐二氏 ● 21世紀は企業淘汰の時代 日本の景気は回復基調にあるというのが多く のエコノミストの見方であり、マクロ経済の方 向感としては正しいだろう。ただ、景気が回復 したからといって、すべての企業の業績が上向 く保証はない。むしろ景気を牽引する企業群と、 景気の足を引っ張る企業群とが鮮明に色分けさ れ、両者の格差はますます広がると予想される。 20世紀は強者と弱者の併存が可能な時代だっ たが、21世紀は企業淘汰の時代となるだろう。 現在負け組とみなされている企業は死にもの狂 いで信頼回復に努めなければならないし、幸い にして勝ち組と目されている企業も競争力強化 の努力を怠ればその座を追われかねない。 21世紀に生き残っていける企業は、過去の成 功体験にとらわれずに常に進化を続け、顧客か ら「なくてはならない」と評価される企業である。 ●カオスの縁で革新が生まれる そもそも、企業革新はどういう組織で生まれ るのであろうか。組織学やサプライチェーン・マ ネジメントなどで注目されている複雑系の理論 を参考にしながら考えてみよう。 生物などの複雑適応系は、秩序と無秩序、安 定と混沌の境界を意味する「カオスの縁」(The end of chaos)に向かって進化し、カオスの縁付 近で環境に適応する。すなわち、あまりに秩序 だった系(システム)では凍結して複雑な動きが できないし、カオスティックすぎる系では制御 が効かない。その点、カオスの縁に存在する系 は複雑な動きを示し、環境に最も速やかに適合 したモデルを構築できると言われている*。 主 な 記 事 ◆特集1.激変する金融環境−日本ユニ シスの対応 *日本ユニシスと日立製作所−金融情報シ (2・3面) ステム分野で包括的業務提携 *日本ユニシス−地方銀行基幹系システム カオスの縁に向かって進化してきた生物の環 境適応能力が高いのと同様に、自律性、柔軟性、 創造性を併せ持った「しなやかな組織」が企業革 新を生み出しやすい組織といえるだろう。 ● 経営トップの役割 動物社会におけるリーダーの役割は、群れを 外敵から守ることと餌の確保である。逆にいえ ば、十分な餌を確保できるように、率先して群 れを導く能力がなければリーダーは務まらない。 企業革新におけるトップの役割も動物社会と基 本的には同じで、会社の新たな収益源がどこに あるかをすばやく見極めて、組織をその方向に 動かすことにある。 企業を大きく変えるにはトップダウン型の意 思決定と強いリーダーシップが求められる。積 み上げ型の合議スタイルでは、スケールの大き な革新は望めない。 ● 革新を生む仕掛け トップ1人が熱意を持っても、それだけでは企 業を動かすことは難しい。企業を変えるには、 それ相応の仕掛けも用意しなければならない。 具体的には、企業を構成する4つの構造の組み 直しが必要になってくる。順番に説明しよう。 1つ目が「利益・キャッシュフローを生み出すメ カニズム」(収益構造)である。 2つ目が「競争戦略に基づく経営資源配分のメ カニズム」(事業構造)である。 3つ目が「戦略の方向に組織を動かすメカニズ ム」(管理構造)である。 4つ目が「共通の価値観を醸成し、行動を変え るメカニズム」(意識構造)である。 の共同化・アウトソーシング事業を本 (4面) 格展開 *SUS研究会・金融特別セミナー報告 (5・6面) ◆特集2.システム開発技術の動向 (7∼9面) ◆ユーザ事例 収益、事業、管理、意識の4つの構造は有機的 に関係し、相互に影響を与えているので、整合 性を確保した仕掛けづくりが重要になる。 ● ITを活用した企業革新 4つの構造のどこから着手すれば改革がうまく いくという手順や定石はない。それぞれの企業 の歴史や社風、置かれた環境によって最も効果 的なところから着手すればよいだろう。 近年はIT技術を切り口にした企業革新が盛ん である。IT技術を活用した革新活動は、社員に も分かりやすく、しかも比較的短期間に成果が 得られるという点で有効である。 一例を挙げると、証券業界では松井証券がIT 技術をうまく使っている。同社は、歩合社員が 足で注文を取る営業スタイルに見切りをつけて インターネット取引に切り替えた。同社のすご いところは、支店を全廃して背水の陣でネット 取引に臨んだことである。 その結果、従来の営業スタイルに固執する社 員は退社を余儀なくされ、残った社員は新しい 仕事で自らの存在価値を発揮することを求めら れた。 松井証券は、IT技術を使って新しいビジネス・ モデルを構築すると同時に社員の意識改革を促 しており、企業革新の好事例といえよう。ただ、 その背景には、Eビジネス社会の到来を見越し た競争戦略の存在と、リスクに果敢に挑戦する 企業姿勢があったことを見落とすわにはいかない。 [注] *参考文献 『別冊日経サイエンス vol.120』 “複雑系がひら く世界”1997 UN *日本生活協同組合連合会 キャロット事業部 ―「Web/EDIシステム」の運用を開始 (16面) ◆IT最前線 *新連載:ASP/CSPサービス 「asaban.com」(1) (10・11面) *ネットワーク技術の動向(10) (12面) *ユニシスATS海外セミナーの魅力 (13面) *新連載:ネットワーク・ソリューション(1) (14面) (15面) ◆News From Unisys ①激変する金融環境−日本ユニシスの対応 特集 ②システム開発技術の動向 ユニシス・ニュースのバックナンバーは、日本ユニシスのホームページに全文が掲載されています。 http://www.unisys.co.jp/users/unisys_news/index.html 特集1.激変する金融環境−日本ユニシスの対応 日本ユニシスと日立製作所 金融情報システム分野で包括的業務提携 第一弾として4分野で商品・サービスを相互供給 日本ユニシスと日立製作所は、このたび金融情報 が必要とする付加価値の高いソリューションを迅 システム分野における業務提携で合意した。両社は 速・経済的に提供していくためには、1企業の努力だ 今回の合意に基づき、金融機関向けソリューション けでなく、企業の枠を越えて、互いの情報資源・経 を提供するための製品やサービスの相互供給、アウ 営資源を相互に補完して協業していくことが求めら トソーシング事業での協力など広範な分野における れる。すべてのソリューションを1社のみで提供す 日本ユニシスは、長年にわたりお客様の業務課題 協業を推進する。 これにより、 システム構築メニュー る時代は終わり、お客様が求める最適な製品・サー に対応したソリューションを提供・サポートし、多 の拡大やお客様満足度の向上、さらには金融情報シ ビスをいかに迅速に提供し、お客様満足度を高める くのお客様から高い評価を得てきた。 そしてソリュー ステム市場でのビジネス拡大を目指す。 かが重要となった。 ション・クリエータを標榜し「Financial Square21」コ られると日本ユニシスは確信している。 協業の深化でさらなるお客様満足度の向上を図る ンセプトのもとに金融ソリューション群を位置付 環境激変に企業の枠を越えた協業でスピード対応 商品の相互補完から技術ノウハウの相互供給まで け、お客様のニーズに迅速に対応してきた。しかし、 情報技術、金融技術の急進展やマーケットの激変に 金融機関を取り巻く環境は、金融システム改革や 日本ユニシスと日立製作所は、20年間に及ぶ協調 金融再編の急速な進展に象徴されるように、その厳 関係にある。当初の周辺装置(磁気ディスク装置)の 401k、STP(Straight Through Processing=証券市場に しさの度合いと変化の速度が増している。こうした OEMから、ATM端末、営業店システム、ミドル・ソ おける即時決済の仕組み)などのシステム化対応が 劇的な環境変化と厳しい競争に勝ち抜くためには、 フトウェアへと相互の協調関係を拡大し、99年から 金融機関にとって喫緊の課題となってきた。これら 情報技術(IT)をドライビング・フォースとした変革 は電子商取引関連(EC)ソリューション分野でも協力 のソリューションは、1ベンダが独力で解決するよ が必要とされる。こうした変革をスピーディに実行 関係を強化している。 りも、協調・協業関係の一層の進化によって、すな するには、それぞれの経営課題に対応した情報シス テムが不可欠である。 こうした商品の相互補完の関係をさらに前進さ 伴い、金融分野においては、例えば、国際会計基準、 わち、 せ、金融分野においてサービスや技術的ノウハウま *補完し合うソリューションの相互活用 従来の常識を覆す速度で加速している市場の変化 で相互に協調することが、今回の業務提携の狙いで *新しいソリューション分野の共同開発 に、タイムリーに対応し、お客様が求めるソリュー ある。これによって互いのお客様に、両社が持つ商 を進めることが、お客様ニーズに即応した最適なソ ション・ニーズに迅速・経済的に応えることが、ITベ 品、サービスまで含めてトータルなメニューを提示 リューションを、迅速かつ低コストで提供する最も ンダに課せられた重要な使命となってきた。お客様 することができ、お客様からより一層の満足度を得 有効な手段であり、それこそが「お客様の満足度向 競争優位確立を支援するプロフェッショナル・インテグレータを目指す 日本ユニシス 金融部門 行った。 同時に発表した世界初のインテルプロセッサ を最大32個搭載可能な「ES7000シリーズ」と Windows2000製品群との組み合わせは、ミッ ●大転換期を迎える金融業界 択肢として浮上してきた。 ション・クリテイカルな大規模基幹システムを グローバルな規模で金融機関の統合・再編が進 金融の現場で急激に進行する、このような情 行している。各金融機関は金融環境の激変に総 報のデジタル化、サービスのIT化によって、顧 る。 力を挙げての対応を迫られている。金融再編を 客サービスは、ハイスピード化、ハイテク化、 ◆ソリューション21シリーズの提供 促す要因の1つが情報技術の急進展である。情報 コスト意識の追求が一層徹底されつつある。 技術をテコにいかにして経営システムを再構築 するかが喫緊の課題である。 こうした金融環境にあって、日本ユニシスの 金融部門は、「プロフェッショナル・インテグレー タ」を標榜し、顧客の競争優位の確立を支援して いる。その基本方針を紹介する。 日本版ビッグバンが急速に進行し、金融環境 の変化は加速化している。リテール・マーケット では、インターネット、iモードなどのモバイル 端末、電話の活用が顧客チャネルの多様化、オ こうした時代の金融業界の情報戦略のキーワー Windowsベースで実現する画期的システムであ お客様の個別の業務課題の解決に直結する各 種のソリューションの提供によって、お客様の ドは、 迅速なシステム対応を支援する。既存ソリュー *「早く・安価に・決済する」ことを可能にするイ ションのWeb連携の強化と、既存のレガシー・シ ンターネット・チャネルの利用 *CRM(カスタマ・リレーションシップ・マネジメ ント)の実践 *個人が持つ情報を全員が共有して“組織の知” として活かす「情報のナレッジ化」 *営業店後方事務の合理化などローコスト・オペ レーションの推進 ステムとインターネット/イントラネット・シス テムをスムーズに連携させるEAI(Enterprise Application Integration)分野にも注力する。 ◆サービス・インテグレーション 得意とするマルチベンダ・サービス技術を活か して、お客様のニーズに最も適合したシステム を構築する。特に、インターネット分野では、 ンライン化を促進している。顧客との緊密な関 などをいかに他に先駆けて実現するかである。 米ユニシスの実績ある技術を日本市場にも展開 係性を維持し、顧客指向ビジネスの要となる ●日本ユニシスの対応方針 する。 CRMの導入や営業活動の活性化・効率化を支援 こうした金融環境の変化の中で、オンネット・ するSFAの導入は金融機関の業務推進のあり方 ソリューション体系のもとに、迅速なソリュー を大きく変革しつつある。 ◆Eビジネス支援 お客様のEビジネスを柔軟かつタイムリーに ションの提供、高水準のサービス技術の提供、 支援する日本ユニシスのASP/CSPサービス また、流通業など他業種との提携は新たなサー 強力なパートナーシップの提供を通じて、お客 asaban.comは、認証、課金、決済、顧客管理な ビスとチャネルを創出している。インターネッ 様の競争優位の確立を支援することが日本ユニ どのサービス基盤を提供し、お客様のEビジネ トによるオンライン・トレーディング、オンライ シスの金融部門の役割である。そのための主な スの早期実現を図るものである。 ン・バンキング、オンライン・ファイナンス、ポー 施策は以下のとおりである ◆強力なパートナーシップの確立 タル・サービスなど相次ぐEビジネス・モデルの ◆Windowsベースの大規模オープン・エンタープ 出現は、新しい経営展開の可能性を開くもので ある。 今回の日立製作所との業務提携を第一弾とし ライズ・サーバ・ビジネスの推進 て、各分野で戦略的なパートナーシップを確立 本年3月、日本ユニシスは、マイクロソフト し、お客様の経営のスピードアップとコストダ 共同ソーシング、アウトソーシング、ネット (株)との間で「Windows2000」をベースとした新世 ウン、競争力強化、新規ビジネスの迅速な立ち ソーシングは、競争を勝ち抜くための有力な選 代データセンター・システム分野で包括提携を 上げなどを支援する。 2 2000年5月1日第469号 ユニシス・ニュース 2000年5月1日第469号 するとともに、CRMS21データモデルを 図1 金融マーケットに対する考え方 基盤に、日立CRMサブシステムやオー ●ソリューション・ソフトウェアを核とした顧客サービスの実施 ●導入から保守サポートまでベンダが責任を持っての実施 ●制度改正等の変化に即応した新ソリューションの提供 プン・ミドル製品を組み合わせることで、 システム全体の運用性、可用性の向上を I Tの進展 ソリューションの迅速な開発 充実したサービス提供を目指して 日本ユニシス 代表取締役 常務 図る。 ②アウトソーシング・サービス分野 梶川 昭一 ファシリティならびにシステム・オペ ◆ 補完し合うソリューションの相互活用 レーション・サービスの相互活用を含め、 市場は従来の概念を超 ◆ 新しい分野の共同開発 アウトソーシング事業における協業を推 える速度で展開している。 進する。 お客様のご要望にタイム 日立 低コスト 迅速性 ユニシス 高機能 顧客満足度の向上 市場の拡大 リーに応えて、求める付 加価値の高いソリュー 際勘定系のアウトソーシング・サービス」 ションを迅速かつ経済的 (日本ユニシス)など共同センター型サー に提供できない情報企業 (図1) その他、協業可能なソリューション分野でのアウ ③ 事務集中処理/営業店システム分野 達や共同開発、共同提案も視野に入れて、この業務 資源を相互に補完して、お客様に最適なソ 両社相互の製品の最適な組み合わせにより、営業 提携を発展させていく考えである。 店後方事務から集中センターまでの一連のシステム 4分野で協業を推進 つつあります。 こうしたスピードの時代では、互いの情報 トソーシング・サービスも実施する。 両社は今後、先端の情報技術分野において共同調 梶川 昭一常務 は信頼が得られず、選択されない時代になり ビスの相互活用を行う。 上」につながると考え、今回の業務提携に至ったも のである。 例えば、「FINEMAXネットワークバン キング共同センタサービス」(日立)や「国 リューションを迅速に提供していくことが一 層求められます。 今回の業務提携により、日立製作所および を統一した共通連携基盤のもとに提供する。 例えば、事務集中処理システムにおいて、「為 日本ユニシスの両社は、開発投資に対する資 両社の協業は具体的には、それぞれが得意とする 替/印鑑照合システム」(日立)や「手形系システム/ 源の確保と、一層の経営資源の有効活用を実 ソリューション商品の相互供給、アウトソーシング プルーフ業務システム」(日本ユニシス)など両社が 現し、従来の数倍の速度になりつつあるお客 事業におけるセンター共用、事務集中処理システム 得意とするシステムを活かし、トータル・システム 様の進化に対応して、先端IT技術をタイムリー での開発協力、ソリューションの基盤となるミドル として提供する。将来的には、基盤ミドルウェアの に開発し提供できます。 ウェアやシステム構築サービスの相互供給など4つ 統合化も視野に入れながら、シームレスな事務集中 今回の提携は、新しいビジネス創造のコン の分野で展開される。 処理システムの実現を目指す。 (図2) セプト“オンネット・ソリューション”を具現 またSEサービス、コンサルティングを含むサー 化するとともに、長年培ってきた金融ノウハ ①ソリューション商品分野 ウをより確固たるものとし、お客様に対して、 ビスを相互に補完する。 金融ソリューション商品の相互補完・相互供給を さらに、営業店システムにおいても現在の製品供 行うもので、当面は次のソリューションについて協 今までにも増して充実したサービスを提供で きるものと確信いたします。 業するが、その範囲を順次拡大するとともに、共同 給関係をさらに強化していく。 開発も視野に入れて協業関係を強化していく。 ④ミドルウェア製品/システム・エンジニアリング・ サービス分野 た、金融業態(マーケット・セグメンテーション) FINEMAXネットワークバンキング共同センタサー 金融機関向けソリューションの基盤となるオープ ごとの最適システムの提供 ビス(インターネットを利用した個人利用者向けの ン・ミドルウェア製品の相互供給を推進するととも ③業態およびお客様のニーズに合致した、最適金融 バンキング・サービス)を基盤としたインターネッ に、上記分野を中心に付加価値の高いソリューショ ソリューション・ビジネス、サービス・ビジネスの ト・バンキング分野におけるソリューションの相互 ンを提供するため、システム・エンジニアリング・サー 補完を行う。例えば、関連システム・サービス、コ ビスの分野でも積極的に協力していく。 *インターネット・バンキング分野 ンサルティングの相互供給、勘定系接続ゲートウェ 今回、日立製作所と包括的な提携を実現すること 協業の成果をさらなる顧客価値創出へ導く イの相互供給である。 *CRM(カスタマ・リレーションシップ・マネジメン ト)分野 ソリューション・クリエータ日本ユニシスの金融 「CRMS(Customer Relationship Management System) Square21は図3のように一層拡充された。この提携 ①最新IT技術を駆使した大規模エンタープライズ・ の成果を、日本ユニシスは、お客様のニーズをより システムの構築 完する。具体的には、CRMS21を日立製作所で販売 迅速、高品質に実現するための施策に展開し、さら ②各種金融ソリューション・ソフトウェアを核とし Financial Square21 スタンド スキャナー ソリューション・モデル 〈集中センター〉 OpenTP1他 注: 日立製作所担当 日本ユニシス担当 汎 振 用 諸 届 等 税 公 金 テクノロジ・フレームワーク ・イネーブラ ・ベースライン 印鑑 BOX (仕分箱) :協業 :一部協業 銀行勘定系ソリューション マーケティング系ソリューション アプリケーション メ ッ セ ー ジ H u b 資金証券系ソリューション サービス 経営支援系ソリューション 事務集中処理系ソリューション プラットフォーム イメージ・ワークフロー基盤 スキャナー MICR R/S OCR 金融ソリューション パッケージ 勘定系 口 ) 対集中センター通信ソフトウェア 為 替 当 日 ( メールカー 為 替 先 日 付 ) OCR C S プ ル ー フ ・ 通伝プリンタ ハード ハード 手 形 交 換 ( イメージ ATM 手 形 期 日 管 理 UN (Financial Square21コンセプトと今回の協業分野) 〈勘定系センター〉 勘定系端末ソフトウェア PH3000FAMILY FBA Navigator 手 形 イ メ ー ジ なる満足度の向上を目指すものである。 図3 日本ユニシスの金融ソリューション体系 図2 事務集中・営業店分野の相互協力について イ メ ー ジ H u b 日本ユニシスの金融ソリューション体系 Financial 部門はプロフェッショナル・インテグレータを掲げ、 21」を基盤としたCRM分野ソリューションを相互補 PC で、商品・サービスのさらなる調達能力の拡大と組 み合わせ選択肢の充実を実現した。 日本ユニシスの、顧客マーケティング・システム 〈営業店〉 推進 の3つを基本方針としてきた。 営業店端末系ソリューション ネットワーク 国際業務系ソリューション 案件DB 照会Web TEAMmethod 共有クライアント群 *税公金は別途検討 支援体制 ・実証・実験センター ・開発センター ・サポート・センター OnNet Solution 信託系ソリューション 対外系ソリューション 金融ソリューション サービス 3 特集1.激変する金融環境−日本ユニシスの対応 日本ユニシス 地方銀行基幹系システムの 共同化・アウトソーシング事業を本格展開 「共同化・アウトソーシング化」に関心高まる ソリューション・インフラとしては、統合 次期バンキング・システム・イメージ図 顧客情報システム「CRMS21」をはじめ、有価 金融機関のバンキング・システムは、今、顧客指 向に向けて大きな変貌を遂げつつある。次期システ 電話網 営業店 システム コール センター コンビニATM ムは、中央に統合顧客情報のためのデータ・ウェア インター ネット インターネット 新デリバリー バンキング チャネル群 証券システム「Siatol 21」、国際系システム 「IBS」などを用意している。中でも今後、各 金融機関が最も注力していく分野がCRM(カ ハウスを据えて顧客指向を鮮明にし、基幹系に始ま スタマー・リレーションシップ・マネジメン データ・ウェアハウス (統合顧客情報) る従来システムに加えて、インターネットを活用し Hub&Spoke ト)システムである。日本ユニシスの た新たなデリバリー・チャネルに対応することで、 そのシステム・イメージは大きな変貌を遂げようと している。 (図) 一方基幹系システムでは、激変する金融環境の中 CRMS21は、顧客情報統合データベースを核 投信自己 査定シス テムなど 国際系 システム 有価証券 システム 基幹系 システム 統合マーケ ティング システム にして、顧客とコンタクトした履歴や情報 収益管理 システム を含めて、マーケティング・サイクル(顧客/ マーケット分析―セールス企画―セールス で、地方銀行においても、システムの共同化・アウ 支援―顧客反応分析)と連動する先進的な機 ① 勘定系に代表される基幹系システム、 その他システ 能を持ったソリューションである。CRMS21によっ 共同化やアウトソーシングによってコストを圧縮 ムの設備・運用アウトソーシング・サービスの提供 て、顧客情報の分析をもとに顧客ごとに最適な商品 し、企業体力の強化を図るとともに、顧客基盤の拡 勘定系システム基盤「TRITONインフラ」で共通化 やサービスを最適なチャネルを通じて提供し、長期 大に直結する分野に注力することが急務になってい されている基幹系システムの統一推進・支援サービ 的な取引関係を維持・強化し、顧客囲い込み戦略を るからである。 スを提供していく。(2001年度第3四半期予定) 支援する強力なシステムを実現する。 トソーシング化が共通の課題となっている。それは、 *Hub & Spoke構造の統合ネットワークを実現 地方銀行においては、1次オン・2次オン・3次オン この一環として、前述のとおり本年4月から、地 への発展過程で基幹系システムのコスト削減に不断 方銀行を対象に基幹系システムの共同化に関する具 の努力が続けられてきた。しかし、今や事務処理負 体的なテーマに沿った検討を推進する「システム共 統合顧客情報系、既存ソリューション(証券・国際 荷の削減、合理化努力も、もはや限界に達しつつあ 同化研究会」が発足した。 系)、新商品システム(投信、401k)、営業店、新デ る。そうした状況を突破する有力な解決策として、 ② 個別ソリューション・システムの共同化・フルア リバリー・チャネルなどの多様なシステム間連携を 次期バンキング・システムの構築には、勘定系、 「共同化・アウトソーシング」に関心が高まりつつあ ウトソーシング・サービスの提供 実現するために統合ネットワークの構築が不可欠で る。 設備、運用全般だけでなく、アプリケーションの ある。 このような状況の中、日本ユニシスでは地方銀行 企画・開発まで含めたすべての領域にわたってアウ こうした要件に対しては、日本ユニシスでは柔軟 の基幹系システムにおける共同化・アウトソーシン トソーシング・サービスを提供する計画で、まず有 なシステム間連携を実現するHub & Spoke構造(新し グ化の具体的実現方策として「システム共同化研究 価証券システムや国際系システムなどのソリュー い金融サービスのためのネットワーク・モデル)を採 会」を発足させ、共同化のあり方、その範囲などに ション・システムを対象に順次拡大していく。(2000 用するとともに、ネットワークハブ構築ツール 始まる共同開発のスキーム作りにお客様とともに取 年4月より順次開始) 「EnConne(エンコネ)」を用意し、既存システムの有 り組んでいる。 ③ 新規開発案件の共同化 効活用と新規デリバリー・チャネルとの柔軟な対応 インフラ統一後、統合マーケティング・システムを 「アウトソーシング・センター」を核に 次期バンキング・システム戦略を提示 はじめ、 新規投資分野を対象とした共同化・アウトソー シング・サービスを提供する。(2001年第3四半期) ④ 基幹系システムのフルアウトソーシング・サービ を可能にしている。 *業務提携を活かし充実した商品・サービスの提供 日立製作所との金融情報システム分野での包括業 務提携(本紙2・3面)をはじめ、各社とのアライアン スの提供 スで、インターネット・バンキングやアウトソーシ 将来の次期バンキング・システムに向け、システ ング・サービス提供基盤を強化している。今後もさま プセンターを立ち上げている。この実績を踏まえて、 ム/業務要件を確定、構築し、基幹系システムのフ ざまな分野での戦略的提携を行うことで、お客様の 今回、次のようなステップで業務処理の共同化・ア ルアウトソーシング・サービスを提供する。(2005年 経営戦略に対応するシステム構築力を強化する。 UN ウトソーシング事業を展開する。 度より提供開始予定) 日本ユニシスでは、98年にシステム共同化・アウ トソーシング事業の一環として地銀共同バックアッ まず、アウトソーシング事業の核として、ハード ウェア、基本ソフトウェア、各種ソリューションを 設置・導入し、システムのコンサルテーション、企 実績あるシステム基盤、ソリューション群が 多大なメリット享受の途を拓く 画、開発、運用、保守をサポートする要員を配した 「アウトソーシング・センター」を設立する。センター 日本ユニシスの共同化・アウトソーシング・サービ は、関東地区と九州地区に本年夏を目途に設立する スの優位性は、勘定系システム基盤「TRITON」に加 予定で、両センター間で災害時の相互バックアップ え、ネットワーク構築ツール、強力なソリューショ を行う。このアウトソーシング・センターを核にして、 ン・インフラを擁している点にある。 *システムのコンサルテーション、企画、開発、運 *勘定系システム基盤「TRITON」 用、保守までをサポートする豊富なメニュー提 供とトータル・サービスの実現 *勘定系システム基盤「TRITON(トライトン)インフ ラ」の共通化とソフトウェア流通の実現 日本ユニシスが提供する基幹系システムは、勘定 系システム基盤「TRITON」ですでに共通化されてい る。このため、共同化・アウトソーシング化の実現 に際してのユーザ負荷が他社システムに比較して少 *今後の新規IT投資分野である統合マーケティン ないというメリットがある。この優位性を活かすこ グ・システム、インターネット・バンキング共同セ とで基幹系システムの共同化・アウトソーシング化 ンターの実現 によるユーザが享受できるコスト削減効果は最大 *有価証券、国際系システムなどソリューション・ システムの共同化・アウトソーシング化 などを、次のようなステップで推進する。 4 2000年5月1日第469号 30%にのぼるものと試算している。 *統合顧客情報システムなど、強力なソリューショ ン群を装備 アウトソーシング・メニュー コンピュータセンター・アウトソーシング 本州地区および九州地区にアウトソーシング・センターを設立する。 ハードウェア・ソフトウェアのアウトソーシング 弊社アウトソーシング・センターにおいて、現在ご使用中の システムと同等の処理能力を持つハードウェアおよびソフト ウェアを提供する。 運用(要員)のアウトソーシング 本番系および開発系の運用作業を銀行の運用手順に従い、アウト ソーシングする。 弊社アウトソーシング・センターご利用の場合は、運用要員はアウト ソーシング・センターでオペレーションを実施する。 銀行センター内設置機器の運用アウトソーシングも可能。 開発(要員)のアウトソーシング ①現行業務APの保守作業および新規案件の開発作業をすべてアウト ソーシングする場合と ②新規開発案件の開発作業のみを受託開発させていただき、現行業 務APの保守作業は、引き続き銀行にて行う場合の2点がある。 業務処理(アプリケーション)のアウトソーシング 勘定系システム基盤「TRITON」を中心に、統合顧客情報シ ステム「CRMS21」、証券系システム「Siatol 21」、国際系 システム「IBS」などのソリューションを提供する。 ユニシス・ニュース 2000年5月1日第469号 新しい金融検査の影響と対策を探る SUS研究会・金融特別セミナー報告 検査結果は行政処分につながる SUS研究会/金融特別セミナー開催 全国33金庫から65名の役員が参集 検査方式がトップダウン型検査となり、検査結果 と行政処分が密接に係わり合うようになる。その点 SUS研究会では、3月17日、日本ユニシス本社に について、検査マニュアルでは、「金融検査は、金 おいて、平成11年度 SUS研究会総会の開催に合わせ 融機関の業務の健全性と適切性の確保に向けて、機 て、信用金庫業界の役員の方々を対象とした「金融 能を十分に発揮するように実施されなければならな い」と記し、「検査部局は、検査において経営の問題 特別セミナー」を開催した。 金融特別セミナー 点を金融機関に対して的確に指摘するとともに、そ 次ぐ業務提携、リテール分野の競争激化など一段と 検査マニュアルの基本的なコンセプト」と題し、別 れが適時適切な問題点の是正につながるよう、監督 厳しさを増している。また、経営の健全性確保のた 項のように講演された。また、日本ユニシス 金融 上の措置をとる監督部局と緊密な連携を維持する必 めに、新しい金融検査マニュアルに基づく検査が実 システム第二本部長(現金融営業第一本部長) 吉田 要がある」と書いてある。 施されるようになった。 實が「21世紀へ向けての信用金庫に対する日本ユニ 金融機関を取り巻く環境は、金融再編の荒波、相 そこで、今回の特別講演では、KPMGフィナン シャル・サービス・コンサルティング(株) 代表取締役 木村 剛氏が「新しい金融検査の影響と対策−金融 シスの取り組み姿勢」(要旨次ページ)を紹介した。 は行政処分につながるということである。 本セミナーには、全国の33信用金庫から65名の役 員・幹部が参集、熱心に聴講された。 新しい金融検査の影響と対策 −金融検査マニュアルの基本的なコンセプト KPMGフィナンシャル・サービス・コンサルティング 代表取締役 木村 剛氏 2000年3月期からは信用金庫にも新しい金融検査 これが実効性の原則である。すなわち、検査結果 銀行監督とは何か 金融機関は、なぜ公的な監督が必要かというと、 不特定多数から際限なく預金を集めることが認めら れ、万が一破綻した場合の社会的影響が大きいから である。そこで、健全性と遵法体制が厳しく監視さ 「病んでいる銀行は腐っていると認めるしかない。 れる。どう監督するかというと、①免許制、②規則 マニュアルに基づいた検査が実施される。これまで レントゲンで癌を発見すれば通告するしかない。後 規制、③制裁手段の3点である。 通りの考え方では通用しなくなる。金融監督庁の金 の処分は監督部に任せればよい」と決断した。そし 免許制とは、悪い人や能力のない人には免許を与 融検査に対するポリシーや方針など基本的なコンセ て日本長期信用銀行に対する「債務超過認定」を断行 えない。銀行業は特権であり、生まれながれにして プトを理解した上で、対応することが肝要となる。 した。 与えられる権利ではないということである。 検査マニュアルには、細かいチェックリストが記し この瞬間から検査部の大攻勢が始まり、検査部主 てあるが、それを部下に読ませる前に、それらが意 導の監督行政が定着してきた。日本の行政史上、初 で、規制制定も厳しいものになっている。万が一、 味することをトップが理解しないと十分な対策は立 めて検査部が監督部よりも強い環境が作られ、検査 守られていない場合は厳しい罰則もあり得るという てられない。新金融検査マニュアルの基本的な考え 結果が金融機関の監督を左右する時代になった。 のが基本的な考え方である。銀行監督はこの3点 方について紹介する。 免許取得後も勝手なことはさせないということ セットで成り立っている。 検査手法の洗練 変貌する政治力学 検査は完全無欠であるべきか 検査の方式も変わった。これまでは現場の検査官 一番重要なことは、検査部のステータスが変わっ とだけ情報交換を行えばよかった。同業他金庫との 自己責任原則に基づき金融機関が内部管理体制を た点である。これまで大蔵行政の中で検査部の地位 比較も行われず、情報量では圧倒的に金融機関の方 整える場合、検査官の立場はどうなるか。これまで はそれほど高くなかったが、金融監督庁が発足した が有利な立場にあった。しかし一昨年夏から都銀の 大蔵省はオールマイティであり、「検査は完全無欠 98年6月22日から同年12月22日の半年間でその力関 一斉検査を始めた時、同じゼネコンに融資している でなければならない」という建前をとっていた。し 係は大きく変わった。 同業他行との貸出稟議書の比較が行われた。一番格 かし、いかに検査体制に万全を期しても不祥事は発 付けが厳しく精緻な銀行の稟議書を持って、一番甘 生する。用意周到に仮装や隠蔽を行えば簡単には分 その力関係は大蔵省8、監督部2、検査部0という状 い銀行に行く。たちどころに嘘を見破るというわけ からない。完全無欠な検査など行えるわけがない。 況だった。その状況下で、97年11月に山一証券の自 である。 そこで、今回の検査マニュアルでは、「金融検査に 金融監督庁の発足時は、大蔵省の力が非常に強く、 主廃業、北海道拓殖銀行の倒産が生じ、「検査部は また、分析チームができた。現場の検査官は、検 おいては、すべてを検査することは可能でもなけれ 何をやっていたのか」、「検査官は知らなかったの 査行の資料を収集し、本局の分析チームに送る。そ ば、必要もないのである」と明記している。誇り高 か」と非難され、検査部は危機意識を持った。北海 こで細かくチェックしてから検査官にフィードバッ き大蔵官僚が「我々は完璧万能ではない」と言い切っ 道拓殖銀行倒産は国会議員の中でも問題視され、秘 クし、検査に入るのである。 たのであり、180度の方向転換である。 密会議の場に検査結果の提出が求められた。それま 新金融商品(デリバティブ)についてもチェックす そして、このことが自己責任原則に基づく金融機 で大蔵省は守秘の原則により絶対に検査結果を公表 る。プリンストン債のような不適切なものを購入す 関による内部管理体制の構築につながっていく。こ しなかったが、この場には提出した。 ると、「理事長は、新しい商品であることを理解し、 れまでの検査は犯罪捜査的だった。我々は万能なの その理由は、検査部が厳格に仕事をしていること リスク管理をした上で購入し、その後もモニタリン で、すべてお見通しであるという立場であったが、 を実証しなくてはいけない環境に追い込まれたから グをしていたか」が追及される。さらに裏取り検査 これからは大きく違ってくる。一般法人と比べコン だ。検査の結果、確かに問題点を指摘していたが、 も行う。例えば、不適切な商品があれば、それを販 プライアンス精神を持っている銀行・信用金庫は自 「その検査結果を用いて行政処分をしなかった監督 売した証券会社に検査に入り、顧客リストを入手し、 ら「自分は健全である」、「自分は法律を遵守してい 部に責任がある」と主張しはじめた。それは、なま 裏を取ってから検査を行うことが常套手段となって る」という検証責任を負うことになる。 じ監督部の意向を聞き、検査に手心を加えてしまう きた。 ある地銀が、分厚いチェックリストの順番に基づ と、後で自分たちに責任が降りかかってくる。だか また、これまでのインタビューは検査官1に対し いて説明を始めたところ、「それを聞いているので ら、検査部は正義と使命の下に、行政処分には係わ て6∼7人で対応できたが、これからは1対1の対応に ない。どのように内部管理したかその方法を教えな らず、レントゲン技師に徹すると決断した。つまり、 なる。 さい」と言われたという。 (次ページへつづく) 5 そのやり方が当局の基本的な考え方である。検査 からである。 自己責任=自己証明 マニュアルは検査官が検査義務を果たすためのガイ その1つの典型例は、経団連が91年に作った「企業 ■自己責任原則 ドラインなのだ。 行動憲章」で、コンプライアンスに関して、次の3点 特権である預金取扱業務を商うに値する金融 機関であることを自己証明すること 経営者の資質が問われる時代に が記してある。①良いことをしよう、②悪いことを してはいけない、③悪い人と付き合ってはいけない。 すべて述べられているとおりだと思うが、その効果 金融機関自ら自分たちに合う内部管理体制を構築 はどうだったか。この憲章が出てから不祥事が減少 内部管理体制のプロセスを説明 プロセスが機能していることを証明 し、それがうまく機能しているか否かの説明が求め しただろうか。減るどころか増えるばかりである。 その理由はマニュアルを作っただけで、コンプライ られる。説明を聞くということは、「金融機関を信 検査官 じる」ことが検査の前提となる。「信じる」とは、 check アンスを実現させるプロセスがなかったからだ。 何々信用金庫という法人を信じることではない。理 では、コンプライアンスを実現するプロセスとは 事長や理事、つまり経営陣に対する信用である。経 値する金融機関であることを自己証明しなければな 何かというと、経営者が組織を統制するための枠組 営陣が嘘をついたことが明らかになった瞬間、厳し らない。 (図) みである。それは経営者が自分の思いどおりに会社 その自己証明の方法は、①内部管理体制のプロセ を動かす仕組みであり、その仕組みがインターナ いペナルティが与えられる仕組みになっている。し たがって、経営者の資質が重要となってくる。 スを説明して、②そのプロセスが機能していること 日本では、内部規則さえ制定すれば、自主的に社 を証明することでしかあり得ない。 一番の責任は経営陣にあり ル・コントロールなのだ。 検査マニュアルには、「検査は、これらの管理・監 員がそれを守るので、コンプライアンスは自然に達 査が適切に行われることを前提に、管理・監査体制 成されるという思い込みで内部管理が成り立ってい 検査マニュアルの「自己責任の徹底と市場規律の のプロセス・チェックを中心とした事後監視型プロ る場合が多い。しかし、コンプライアンスを職員に 強化」という概念では、①金融機関の経営陣、②会 セス・チェックに重点を置くべきである」と明記して 強制するようなメカニズムを作る必要がある。それ 計監査人、③金融当局の3人が登場する。 いる。 を示すことが検査官に対する証明となる。いかにし 金融機関の経営陣に対しては「監査役を含めた内 プロセス・チェックの説明として、「不祥事が生じ 部管理体制を充実させることにより、自らの責任に ていないかどうかといった結果のみに着目するので おいて業務の健全性と適切性を確保するよう努めな なく、むしろそのような問題が生じないような内部 ければならない」と書いてある。つまり、内部管理 管理・外部監査体制が確保されているか否かという 体制の確立で、最も責任があるのは経営陣だといっ プロセス・チェックに重点を置く」と明言している。 ている。 会計監査人については、経営陣が整備した内部管 正な外部監査を実施しなければならない」とある。 当局による検査は、「こうした自己責任原則と市場 となる。 現物検査からプロセス検査に これまでの検査は、現物検査、実地検査、資産査 コンプライアンスとは 定が中心だったが、これからはプロセス検査に変わっ 理体制を前提に「独立した視点に立って、業務の健 全性と適切性を確保されているか否かについて、厳 て不祥事の発生を防ぐプロセスを構築するかが重要 ていく。 コンプライアンスに関する書物を読むと「社会規 したがって、「どのように体制不備を改善し、い 範や法律を守ること」と書いてある。しかし、実際 かに問題発生を防ぐ内部管理をしているか」、「どう に金融機関では、「コンプライアンス統括部」を作り、 いうプロセスで管理しているか」を理解する。その 規律による監視だけでは金融システムの安定性確保 「コンプライアンス担当者」を任命し、「コンプライ プロセスに納得したら、それが本当に機能している などが十分に図れないと判断される場合に、これら アンス・マニュアル」を作成しているにすぎない。 かどうかを現物検査で検証してみる。このようにプ を補強するためのものと位置づけられる」のである。 まずは、①金融機関の経営陣、そして②会計監査 人、それでも足りない場合に、③当局による公的関 与があるという立場を鮮明にしている。 これだけではプロセス・チェックには耐えられな い。コンプライアンスを徹底するメカニズムがない ロセス検査中心に変わる。これは絶対に見落として ならない重要ポイントである。 21世紀へ向けての信用金庫業界に対する日本ユニシスの取り組み姿勢 日本ユニシス株式会社 金融営業第一本部長 新検査方式に関する基本事項 顧客との接点は、営業店、ATM、コールセンター、 吉田 實 めに共同化・アウトソーシングを推進する。本年10 98年3月31日付の通達、「新しい金融検査に関する インターネット・バンキングなどとマルチチャネル 月に最新設備のバックアップ・センタを設立し、シ 基本事項について」を読み返してみると、金融機関 化している。これらチャネルに求められる要件は ステムのコンサルテーション/企画/開発/運用/ の自己責任原則を前提とし、「金融機関等自らによ 「地域に密着した顧客対応強化」であり、「容易なシ 保守までをサポートするとともに、基幹系システム る、業務遂行上の管理体制の整備状況、その機能発 ステム連携」である。その対応を容易にするため、 基盤の提供、共同開発の積極推進、ソリューショ 揮の状況等について実態把握する」と書いてある。 日本ユニシスではデータ・ウェアハウス(統合顧客情 ン・システム共同化アウトソーシングを推進する。 報)を核に、営業店システムをはじめコンビニATM、 (3)統合顧客情報システム(マーケティング・システム) これを読み替えると、①金融機関は自ら業務遂行 上の管理体制を整備しているはずである、②整備し インターネット・バンキングなど新デリバリ・チャネ の構築 た内部管理体制は機能しているはずである、③経営 ル群と国際系、有価証券、基幹系、統合マーケティ 「CRMS21」を核に統合顧客情報システムの構築を 陣はそれが機能しているかどうか自らチェックして ング、収益管理などのシステムをシームレスにつな 支援する。すなわち、①マーケティングとセールス いるはずであるとなる。この3点が揃って自己責任 げ、どこからでもアクセス可能なシステムの実現を の連携、②マルチ・デリバリチャネル間の連携、③ 原則による内部管理体制の整備となる。体制や規則 考えている。 全店ベースでの顧客コンタクト機能、④顧客情報の を作ることは第1ハードルにすぎない。「その規則が どう使われ、守られているか」が重要となる。 日本ユニシスの信用金庫業界の情報化戦略に対す る対応は、次の4点である。 (1)次期基幹系システム構築に向けての支援 自己責任とは自己証明である これからの金融検査の基本原則は、 金融新時代でも信金のコアビジネス(預金・融資・ 統合と一元管理を実現させる。 これにより、顧客/マーケット分析、顧客反応分 析を行い、顧客満足度の向上とコスト削減を両立し、 収益を増加させる統合顧客情報システムの構築を支 決済)は変わらない。そこで、新勘定系システム 援する。 「SBI21」を提供する。このSBI21では、従来の勘定系 (4)最新金融ノウハウ/ITを取り入れた各種ソリュー ①適切な内部管理ができているかどうかについての システムにはない考え方、例えば、①顧客契約形態 ションの提供 説明責任はあくまでも金融機関自身にあり、②当局 に応じた優遇措置、②顧客取引振りに応じた優遇措 オープンなプラットフォームをベースに、低コス はこれを検証する立場にあると考えるべきである。 置、③顧客利便性を考慮した商品組み合わせなどを トで、導入・運用が容易な最適なソリューション・シ 可能とする仕組みの組み込みを考えている。 ステムを提供する。例えば、PC版ALMシステム、 (2)システムの共同化・アウトソーシングの推進 収益管理システム、原価計算システム、信用リスク 金融機関が「説明」し、当局は「検証」する。この双 方向によるコミュニケーションが重要となる。つま り、金融機関は、特権である預金取扱業務を商うに 6 2000年5月1日第469号 お客様のコスト削減と新規分野への投資拡大のた 管理システム、融資支援システムなどである。 UN ユニシス・ニュース 2000年5月1日第469号 特集2.システム開発技術の動向 「LUCINA」で実現するEビジネス時代のシステム開発 日本ユニシス株式会社 Eビジネス技術部 コンポーネント技術室 グループ・マネジャー 羽田 昭裕 日本ユニシスは、今般Eビジネス戦略を支えるシ どインターネット・Web技術は、この方向性を加速 このような背景から、第一に再利用されるのは ステム開発方法「LUCINA(ルキナ)」を発表した。 した。このような、開発競争の中で市場の評価によ アーキテクチャであると考えている。コンポーネン LUCINAは柔軟性と安定性を併せ持ち、ミッション・ り標準が決まるというモデルでは、計画性や生産性 トの再利用は、サービス指向のアーキテクチャを前 クリティカルなシステム開発を可能にし、先進のIT の向上によるスピード・アップでは太刀打ちできず、 提にした上で実現されていくと捉え、推進している。 と組織、個人のバランスをとり、新たなビジネス・ 必要なときに必要なものを提供できる俊敏さが求め モデルの誕生を支援する。 られるようになった。 本紙では、LUCINAを核に、ビジネス・アプリケー ション開発技術を今号から連載形式で解説する。 このようなアプローチは、プロダクト・ライン・ア プローチと呼ばれる、SEI(Software Engineering Institute)の方向性と同様である*2。特に、日本ユニ ビジネス・ロジックに集中する シスは、オープン分野の製品について調達者の立場 に立っているため、アプリケーション開発者と同じ あらためてEビジネスを考える Eビジネスに先行して、コンピュータ業界はデファ クト・スタンダード型のビジネス・モデルに対応して 立場で、互いに協力するアーキテクチャを構築でき る、という強みを持っている。 Eビジネスという言葉は、Web技術とアウトソー きたが、Eビジネスに対応する開発力があるとは言 シング可能な分野のアプリケーション(CRM、ERP、 えない状況にある。これには、2つの要因が挙げら SCM、PDMなど)の組み合わせによるビジネスとい れる。まず、コンピュータ業界でこの流れに対応し うコンピュータ・メーカーの提唱から始まり、多様 たのは、ハードウェアおよびシステム・ソフト システム・ソフトウェア開発で行われてきたプロ な意味で使われながら市民権を得ている。 ウェア部門であり、アプリケーション・ソフトウェ セスを、アプリケーション開発にも持ち込むタイプ ア部門ではないこと。そして、日本のコンピュータ の開発プロセスが提案されている。Rational社の 代わるものと捉える。ビッグ・ビジネスは、鉄道や 業界は、日本市場を主なマーケットにしているため、 RUP(Rational Unified Process)はその代表である。 自動車の生産からスタートした規模の経済の追求と 国産メーカーを中心に垂直統合型のビジネス・モデ LUCINAもRUP型のプロセスであるが、これらは、 内部取引を特徴とする経営システムである*1。 ルを維持してきたことである。 Boehmが提唱した、管理可能なスパイラル・プロセ この連載では、Eビジネスをビッグ・ビジネスに 俊敏さを持った開発プロセス その構造はインタラクション・コストが大きなコ この連載では、この状況を変えるには、ビジネ スを発展させたものである。RUPの標語は、ユース ストとなることに対応している。インタラクショ ス・アプリケーションの分野でのオープン・アーキテ ケース主導、アーキテクチャ中心、繰り返し開発で ン・コストとは、モノ・サービス・情報などを企業や クチャが必要だと考える。 オープン・アーキテクチャ ある。繰り返し開発は、α版、β版のリリースを繰 顧客が交換する際のコストである。ビッグ・ビジネ は、Apple社がまず示した。同社の標準仕様により、 り返し、製品リリースへ進めていくシステム・ソフ スでは、製造から販売までを含む、垂直統合型の企 専門化した企業による豊富なソフトウェアが生まれ トウェア開発のプロセスと同様であり、ユースケー 業が主流となる。日本では、系列企業を含めて、 た。ビジネス・アプリケーションのミドルウェアに ス中心は、品質管理や要求管理で行われてきた検 ビッグ・ビジネスを形成してきた。 関しては、Sunの提唱するJ2EE(Java2 Platform, 証・妥当性確認に相当する。 Eビジネスでは、各企業がそれぞれの得意分野で Enterprise Edition)が、各種ソフトウェアの開発を進 アーキテクチャ中心の繰り返し開発は、アーキテ 活動し、それ以外の分野は他の企業と提携するネッ め、実行効率を向上させるビジネス・モデルを提供 クチャ次第で、管理不可能な状態に陥る可能性があ トワーク型のビジネスとなる。サービスや情報、商 している。 る。LUCINAは、システム構造、アプリケーション 制御構造を前もって提示し、その上でアプリケーシ 品がデジタル化され、その共有・交換がネットワー ビジネス・アプリケーション開発のオープン・アー ク技術を用いて効率化されるなど、デジタル技術の キテクチャ上の提携は、垂直型ではなく、水平型の ョン開発を進めるプロセスと設計技術を提供する。 活用で、インタラクション・コストが下がったため 提携である。水平型の提携では、異なる機能を提供 そして、さまざまな方法で、システム構造に含まれ の変化といわれる。また、リスクを回避するために し合う垂直型に対し、競合同士が協力して全体の効 る要素技術の複雑さを隠蔽している。これにより、 はコストをつぎ込むという発想からリスクを積極的 率化を進める。ここでのオープン・アーキテクチャ アプリケーションに集中して、マイルストーンを設 に取りつつ、リスクを管理するという発想への転換 は、ソフトウェア・アーキテクチャとそれに対応す 定し、リスクを管理できる。このようにしてイニシャ も背景にある。ビッグ・ビジネスでは、自社で製造 る開発プロセスである。ソフトウェア・アーキテク ル・コストも、ライフサイクル・コストも低くし、E して、販売するという単一のモデルであったが、 チャにより、本当の意味でビジネス・ロジックに集 ビジネスに対応した早さと俊敏さを持った、アプリ ネットワーク化したビジネスでは、何を誰に提供す 中して、ビジネス・アプリケーションを開発できる。 ケーション開発ができる、と考えている。 るのか、誰と提携するのか、などにバリエーション この目標を実現するために、日本ユニシスは、コン が生じる。これをビジネス・モデルと呼んでいる。 ポーネント指向開発技法「LUCINA」を発表した。 このようにIT技術が、ビジネスの不可欠な要素と なっているのがEビジネスである。Eビジネスでは、 サービス指向のソフトウェア・アーキテクチャ UN [参考文献] *1 米倉 誠一郎「経営革命の構造」岩波書店 1999 *2 SEI, A Framework for Software Product Line Practice, 1999 ビジネスの観点からIT技術を捉えることとなるた め、システム開発の目的が変化している。Eビジネ システム・アーキテクチャから実行 スは、ベンチャー企業による市場開拓から、大企業 環境、開発環境を除いたものをソフ による本格的な取り組みへと移行している。 トウェア・アーキテクチャと呼ぶ。ソ フトウェア・アーキテクチャは、企業 コンピュータ業界とEビジネス サービス指向のアーキテクチャ 統合化されたシステム エンタープライズ・システム HTTP/XML エンタープライズ・システム 間、企業内、アプリケーション間、 アプリケーション内で、効率や保守 Eビジネスは急速に立ち上がっているが、コン ピュータ業界はオープン化以降の10年間で、同様の 性などの要求から異なる特性を持つ。 既存資産を有効活用 アプリケーション内ではシステム制 過程を踏んできている。メインフレーム時代の垂直 御、アプリケーション制御、アプリ 統合型に代わり、オープン時代では水平展開型のビ ケーションの各層がある。 新しい価値を創造 アプリケーション (新システム) アプリケーション (既存システム) (図) ジネスとなった。また、OMGのコンソーシアム規 LUCINAは、アプリケーション制御 格やデファクト・スタンダードが主流となり、OSI 構造のタイプにより、いくつかのプ などの公的規格やデジュリ・スタンダードは、その ロファイルを設け、実行環境、開発 追認という色彩が強くなった。TCP/IP、HTTPな 環境の製品を定めている。 WWW アプリケーション (サブシステム) アプリケーション (サブシステム) 7 特集2.システム開発技術の動向 システム開発の新しい流れ EビジネスとI T 日本ユニシス株式会社 Eビジネス技術部 2000年問題も乗り越え、ITとビジネスが融合した、 単に、「Web」で、といったものではないよう 図2 新技術とツールの選択 新しいビジネス−Eビジネスが本格的に始まろうと ですが。 している。そこで、今回はEビジネスに対し、シス テム開発が立ち向かわざるを得ない課題について、 どういった手順で? 各種開発ツール VisualAge Microsoftfor Java Visual J++6.0 VisualCafe Version4 JBuilder3 C++Builder4 VisualAge C++ Microsoft Visual C++6.0 日ごろお客様に接している日本ユニシスのSR(営業 担当)、SE(システム・エンジニア)、数々のプロジェ クトを支援しているシステム・アーキテクトに、そ れぞれの視点から論じてもらった。 アーキテクト 拡張性、信頼性、融合性といっ 何を使って? た要素を同時に満たすには、やはり、これま での手法では生産性の面からも限界を感じま どのように開発すればよいの? す。新技術への即応性といった点で、開発工 程を標準化し、新技術に関する技術を支援す る必要があります。 アプリケーション 動き出したEビジネス を確立していく方向です。 司会 Eビジネスにおいて、新技術は避けて 新しい技術基盤 司会 まず、Eビジネスについて。インターネット は通れない要素だということですね。 などIT技術をビジネスに結びつけるいわゆるEビジ ネスという言葉を最近よく耳にしますが。 SR (図2) そうして、信頼性を保証できる技術、技法 新技術を普及させるための具体策を今後 Eビジネスでは製品からサービスに比重が移り、 米国では、すでに当たり前のこととして浸透 伺っていきたいと思います。 規模のメリットも効かない。ビジネス・モデルも確 期待の高まる再利用 しているようですが、日本はまだスタート段階で、 定したものではなく、作り上げなければいけない。 逆にいえば今がビジネス・チャンスとしては最高の ですから、それに対応するシステム作りも大きく変 時期です。 えざるを得ない。バック・オフィスやフロント・オフィ 司会 新しいビジネスをいかに早くサービス・イン SE 確かに重要なテーマで、システム開発にも大 スの効率化ではなく、自社のサービスを他社・顧客 できるか、というお話がありましたが、開発スピー きく影響しています。Eビジネスと一口に言っても に提供するため、セキュリティの要件は変わり、既 ドを上げるための解決策についてどうお考えです EC あり、SCM あり、KM あり、CRM あり、 存の業務フローを参考にできない場合もあります。 か? まず、ソフトウェアの再利用について。 はたまたその基盤ともなりうるASP*5事業なども含 しかし、 “もの”作りの基本は、それほど変わって SE *1 *2 *3 *4 最近は、すべてを最初から開発するというこ (図1) はいない。サービスをタイムリーに提供するために とが少なくなってきています。いろいろな製品を組 企業ごとに展開を考える必要があり、また、複数 は、開発プロセスと検証されたアーキテクチャおよ み合わせたり、パッケージをカスタマイズすること の要素を組み合わせて事業化する場合もあり、現場 びその利用技術を提示する必要があると考えていま が多いですね。 は困惑しています。 す。 SR まれます。 司会 お客様のニーズとそれに応える現場の状況と システム開発における新技術とは は少し隔たりがあるようですね。 SR お客様からは、すでにあるCOBOLやCのプロ グラムも有効活用したいと言われています。 ニーズといえば、政府関連のWebサイトが アーキテクト ソフトウェアを部品のように扱うこ とが大切ですね。 ハッキングされるといった事件もあり、ビジネスと 司会 「システム開発のやり方が変わる」ということ SE して成立させるためのセキュリティが注目されてい ですが、まず最近のシステム開発における新技術に ンなどはそうでしょう。確かにこの部分は再利用を ます。それと新しいサービスをいち早く立ち上げる 対するイメージはどのようなものでしょうか。 始めています。しかし、利息計算などは、部品とい というサービスの提供時期、この2つがポイントで SR う感じはしないですね。実際は、ライブラリとして はないでしょうか。 XML*8、ASP、EAI*9といったところでしょうか。 再利用していますが。 SE SE 司会 どのように再利用していますか? それは重々承知しています。セキュリティは キーワードとしては、JavaやEJB*6、CORBA*7、 UML やオブジェクト指向、コンポーネント *10 部品化というと、VBなどで作った画面のボタ レベルを決めて実装すればいいのですが、セキュリ 指向なども「新技術」と捉えられるかもしれない。 SE ティ・ポリシーを決めるのにてこずっています。そ アーキテクト 確かに、何年も前からあっても普及 ズムを真似たりしています。 れから、期間短縮では、「これまで必要とされた半 しなければ言葉が先行した「新技術」のままです。 アーキテクト うまく利用できていますか? 分の期間で」といった要求があり、品質を維持しな SE SE がらどう対処するか、頭を悩ませています。 を変えることには抵抗があります。多大な労力を ほとんど書き直している場合もありますし。 SR 払ってまで新技術に対応しなければならないものか アーキテクト 再利用するには、再利用するための 環境製品がたくさん出ているのではないですか。 と。また、せっかく新技術を習得しながら、それが 仕組みが必要です。そのための技術としてコンポー 司会 ツールの話は、後ほど伺います。 普及しなかった場合、苦労が無駄になってしまう。 ネントが注目されています。しかし、コンポーネン アーキテクト Eビジネスが経営の革命であるよう そのようなことはとてもできません。 トを作ったからといって、それが再利用につながる に、それに対応したシステム開発も、やり方を根本 アーキテクト これからの、特にEビジネスを対象 わけではありません。ドメイン、フレームワーク、 から見直す必要があります。 としたシステムには、拡張性、信頼性といった要素 アーキテクチャ、いろいろな場合がありますが、何 が強くなります。また、企業間連携を考えた場合、 らかの共通基盤の上で、コンポーネントは再利用さ その融合性も重要な要素になるでしょう。生産性の れます。例えば、ボタンは、Windowsの画面という 面からは再利用といった要素も無視できません。新 フレームワークの上で再利用されています。 そのために生産性を上げるツールなり、開発 図1 Eビジネスと要素技術 ASP KM CRM バック オフィス SCM フロント オフィス Eビジネス サプライヤ コンシューマ ポータルサービス SCM:Supply Chain Management KM:Knowledge Management CRM:Customer Relationship Management EC:Electronic Commerce ASP:Application Service Provider 8 2000年5月1日第469号 実際のところ、これまでやってきたスタイル 技術は、用いざるを得ない状況になっていると考え EC ソースコードをコピーしたり、そのアルゴリ ケース・バイ・ケースですね。コピーしても、 特に、 サーバ上でのアプリケーション的なコンポー ています。 ネントの場合は、どこで使うのか、どのように使う SE のかを想定し、最初から再利用を意識して作ること しかし、信頼性という点を重視するならば、 従来からの手法が最も適当でしょう。新技術はこの が大切です。 点で信用できません。Eビジネスといっても、基本 司会 再利用するには、単純に部品化すればいいと はWebベースなのだから、画面をWebに適応させれ いうものでもないのですね。 ば、従来の手法でやっていけると考えています。 アーキテクト そうです。再利用を意識したソフト SR 最近のお客様からの要求のなかには、「Java」で、 ウェア設計/開発技法とそのアーキテクチャが重要 といったものがよくあります。Eビジネスは、ただ です。 ユニシス・ニュース 2000年5月1日第469号 Eビジネス時代のシステム開発を支えるツールとは くて予定どおり開発をすることができない。とても 図4 開発プロセス きちんとした開発手法とは思えません。 開発管理プロセス 司会 開発のスピードを上げるためのもう1つの解 決策といわれるツールについてどう思いますか? SE 要件定義 業務要求 開発のスピードを上げるには、やはりコーディ ングの生産性を上げるしかないように思いますね。 練り上げ1 分析・設計フェーズ コードの自動生成ツールが最も重要だと思います。 きちんと定義されていないからでは。まず、サイク 論理設計 ルごとにリスクを減らしたい項目、実現したいユー 物理設計 スケースなど、技術的課題のプライオリティを設定 しマイルストーンにします。分析・設計・実装・テス 構築 アーキテクト プログラミングだけが、開発作業で トし、サイクルの最後でその成果物の評価と次のサ 練り上げ2 導入 はありませんね。人と相談したり、進捗をレビュー イクル計画立案を行い適切なフィードバックを行い したり、見積もりをしたり。 SE ます。この管理された繰り返しによって、変化する ええ、一言に開発ツールといっても、いろい ろなものがあります。コードの自動生成ツールもも 設計・実装 設計・実装 製造フェーズ 設計・実装 システム テスト 設計・実装 データベース設計ツール、構成管理ツール、テスト 要求に対処でき、重大リスク、重要なユースケース から片づけていくことが可能になります。 コンポーネント仕様 ちろんですが、その他にもモデリング・ツール、 ツール、それに要求管理ツールなどもあります。 司会 ユースケースは、システムの機能をシナリオ 化したモデルのことですね。なるほど、変化する要 求へ対処し、重要なユースケースから早期に実現す 結合 テスト SR ツールの選択は大変と言っていましたね。 SE アーキテクト それは各繰り返しサイクルの目標が るには、スパイラル手法は必須といえそうです。 ツールの評価というのは時間もコストもかか 効率的な開発管理とは ります。次々と新しいツールが出てきますし、バー 動員しているのですが、詳細なところはお客様に決 ジョン・アップも頻繁にありますから。 定してもらわないと進みません。どうしても納期が 司会 すると開発のスピードを上げるためのツール ある以上、見切りで開発着手するため曖昧さが残っ 司会 「開発の管理が大事」ということですが、シス に関して、その評価作業が逆に開発期間短縮の足か てしまいます。またウォータ・フォール開発では、 テム開発管理の現状について教えてください。 せになったりするのですね。 要求を固定した後にもご指摘どおり状況の変化など SE の理由から要求を追加したりすることがあるので ないことが多いですし、システムの品質だけでなく、 な点なのでしょう。 す。 開発速度も重要視されています。ですから管理者が アーキテクト 例えば、モデリング・ツールとデー SR タベース設計ツールですが、ツールのモデル表記が 少要求が変化しても対応できる情報技術があるので 営していくのは本当に難しいことだと思います。 スタンダードであることが重要ですね。開発に携わ はないでしょうか? 雑誌などで取り上げられてい SR る設計者間でそのモデルの理解を共有できなければ るドメイン分析技法という新たな技術や、オブジェ プロジェクトが多いですね。これを、市販の管理用 いけませんので…。そういう意味で、分析設計モデ クト指向やコンポーネント指向技術を駆使すれば、 ツールで工数見積もりや開発作業を効率化して、管 ル表記のデファクト・スタンダードはUMLですし、 なんとかなるのではないでしょうか? 業務SEの腕 理者の負担を軽くできないものでしょうか? データベース設計はER(Entity-Relationship)モデリン の見せ所だと思いますよ。 SE グです。 アーキテクト 「要求」に関して、今までの話を整理 が得られるか疑問です。 してみると重要な点は2つあります。 司会 開発方法自体を見直して、スパイラルで開発 それでは、ツールの選定で留意すべきことはどん また、どのツールにでもいえることですが、まず 要求がある程度変化するのは当たり前で、多 今は開発ごとに新技術を採用しなければなら 今までどおりの管理方法でうまくプロジェクトを運 そのツールをどのように使えば生産性向上につなが 1つは要求の表現と管理の問題です。お客様の要 るのかという利用技術の方法論を確立することが重 求をどのように表現するかですが、お客様と合意を SE 確かに今は見積もり時点から期間的に厳しい 管理用ツールがあったとしても期待する効果 した場合の管理はどうなると思いますか? 確かにスパイラルで開発すれば1サイクルが短 (図3) とるためには分りやすい表現方法が必要となりま 期間で進められそうなので、新技術を採用する場合 司会 なるほど、ツールを選定することも重要です す。最終的な成果物であるアプリケーションがお客 など、リスクを回避しながら開発を進めていくこと が、利用技術を確立することがスピーディな開発を 様の要求を満たしていることが重要なのです。 ができそうな気がします。でも、スパイラルの1サ 要ですね。 するためにさらに重要となってくるのですね。 要求の表現方法と管理の重要性 司会 ところで、よく耳にする話ですが、お客様の もう1つは変化する要求の影響範囲を局所化する イクルは小さいとしても分析・設計・実装・テストと ことです。要求というものは変化するものですから、 いう作業からなっているわけですから、これをたく システムが影響を受けるのは当然です。ちょっと考 さん繰り返すのはかえって余計な時間がかかるので え方を変えてみて、変化に対応しやすいシステム構 はないかとか、各サイクルの開発をどのように組み 造にしておけばいいでしょう。 合わせていけば全体が矛盾なく構成されるようにな 要求をうまくとりまとめることができなくてシステ るかという疑問点がたくさんあります。現時点では、 変化する要求に対応するには ムの納期が遅延したり、完成したとしても顧客の要 本当に現状の問題点を回避できる方法なのかどうか 求を満たしていないシステムになったりするケース は判断できません。 が多いようです。また企業は、厳しい環境の中でIT 司会 では、具体的にはどうやってユーザの変化す アーキテクト きちんとしたアーキテクチャから出 に対する要求を刻々と変化させたいと思っていま る要求に対処するのでしょうか? 発するのがポイントだと思います。それと開発のプ す。システム化というのは、お客様の要求を満たす SR 要求が変更され、開発期間が伸びるというの ロセスと管理のプロセスを分けて考えることです。 ことが目的ですから「要求」というテーマで議論した はよく聞く話です。プロトタイプを作れば要求の確 司会 どうやら、開発管理を考える前に開発方法を いと思います。 認ができるのでは? 見直すということが必要になりそうですね。 SE アーキテクト おっしゃるとおりプロトタイプ作成 ◇ も正確には業務要求をまとめられないことが一因に の1つの目的は要求を明確にすることです。しかし、 司会 本日はどうもありがとうございました。今回 あります。SE側としてはできるだけ業務知識を総 これだけではユーザの要求変更に対処できません。 出たいろいろな課題については、来月からの連載で 顧客のビジネスが複雑になっていて、お客様 図3 ツール利用技術とアーキテクチャ プロセス 技術 アプリケーション サーバ 分散オブジェクト ORB/OTM … など 統一したシステム構造(実行、運用環境) LUCINA 要求変更に対応できる開発手法としてスパイ 吟味していきます。ぜひ、読んでいただき、皆様の ラル開発があります。この手法では、分析、 検討の参考にしてください。 設計、構築、テストを短期間で行います。こ [注] *1 EC:Electronic Commerce *2 SCM:Supply Chain Management *3 KM:Knowledge Management *4 CRM:Customer Relationship Management *5 ASP:Application Service Provider *6 EJB:Enterprise Java Beans *7 CORBA:Common ORB Architecture *8 XML:eXtensible Markup Language *9 EAI:Enterprise Application Integration *10 UML:Unified Modeling Language れを1サイクルとし、サイクルを繰り返すこ とにより、システムを徐々に成長させていく アプローチです。この手法だとシステム変更 に伴う手戻りも少なくなり、柔軟な開発が可 ツール 能になります。 SE (図4) 私ならスパイラルで開発はしたくない。 このやり方だと開発計画を立てることが難し UN 9 IT最前線 新連載:ASP/CSPサービス「asaban.com」(1) 「.com」ビジネスから「co.jp」ビジネスに 日本ユニシス株式会社 asaban.com事業部 ビジネス開発室長 多田 哲 日本企業がアメリカ企業に最先端分野でかなわないわけ、それはチャンスが見 えればリスクをとってもチャレンジする精神、そしてそれを支える経済的仕組み であると考えています。こうした気質や仕組みは、アメリカ人が持って生まれた ものではなく、意識的に定義され世代間を引き継がれていること、それを支える 図1 スタンフォード大学の財源 18% 学生に大切なことは自ら考えて行動 40% 企業委託研究費 特許、レンタル、 投資収入 授業料収入 寄付 その他 17% 1998年2月から2000年3月までの2年間、スタンフォード大学に客員研究員とし 20% て滞在し考えたこと、大学という、いわばスタートアップ企業のインサイダー的 視点から見たシリコンバレー、そして日本で展開できると考える「.com」戦略につ いて述べたいと思います。 する“自発性” 、人のやらないことが 5% 経済的仕組みやスタートアップ企業を受け入れる社会的土壌も綿密に計算され設 計されているとも考えています。 CATVにて行う など ③学生達もまた産業界との関わりが奨 励される スタンフォード大学滞在の目的 学でもやっているのである。 できる“創造力” 、やっていることが “競合”的であること、そしてクラス や組織への“貢献”である。これらは 小中学生の時にたたき込まれている。 日本では“みんなの協力” 、 “バランス 感覚” 、 “成績”そして“問題を起こさ ない”ことであることを思えば問題の 根はかなり深い。 数1,640名、学部生6,600名、大学院生 大学院では企業経験者も多く夏休み 大学在学中から会社を興すことはき 7,600名と、学生1人あたりの予算は11万5 は企業での研究実証、実習も一般的で わめて普通に行われている。ドクター 従来からの海外留学生制度や海外駐 千ドルとなる。ポイントは企業からの ある。産業界でのニーズに対応した研 在員とは、まったく違った観点から、 研究委託と寄付金で全体の45%、年合 究は学校内でも高く評価される。 次の事項を滞在の目的とした。 計7億4千万ドルという点である。 (図1) ④教授、準教授、研究者は日本のよう そこにはスタートアップ企業が容易に http://www.stanford.edu/home/ に教授を頂点にしたピラミッド構造 立ち上げられる社会的土壌と投資家保 stanford/facts/ のゼミや研究室の一部ではなく、各 護の仕組みがある。 比較が公平かどうか分からないが同 人が独自のテーマを持ち、目標を持 *インターネット・コマース・ビジネス の日本市場での新規立ち上げ *新しいビジネス・モデルの共同研究 と開発 *米国インターネット・ビジネス企業 との提携 学位取得やシリコンバレー情報レ じ私立の早稲田大学は収入680億円に 対し企業委託研究は20億円程度。 http://www.waseda.ac.jp/koho/ databook/ っている *優秀な学生を集めてくることは、教 まであと1年の時点で中退、という “もったいない”ことも稀ではない。 一般人が比較的容易に公開前株式を 入手できる一方、資金集めの第一、第 二、第三ラウンド、IPO(株式公開)と 授自身の研究の成功につながる それぞれのフェーズでSEC(証券取引 *指導教官は研究者や学生が選べる 委員会)が決めたルールを弁護士と法 ポーティングは滞在主旨ではなく、大 こうした企業の大学研究に対する積 学内での学部を越えたヒューマン・ 学内の工学系研究機関に席を置き、専 極姿勢には、次のような大学のいくつ ネットワーキングが重要なので、盛ん ら新規ビジネス開拓を行うことが本滞 かの仕組みが対応している。 に学部外セミナーやアクティビティ紹 大学でもすべてのアクティビティを 在の大きな目的だった。 ①Tenure(大学内教授会で認められた 介を行っている。要は民間企業におけ “金に換算するといくら”と割り切れ 終身的地位)の教授、準教授は次の る“マーケティング活動”を大学内で るところが潔い。しかし一方でこのよ ことを認められている 盛んにやっているのである。 うな産業界寄りの研究へのシフトに対 スタンフォード大学と シリコンバレー企業 “シリコンバレー成功の秘密”につ いてはいくつかの本が出版され、新聞 などにもすでに多くの事例が紹介され 律が守り、VC、一般投資家を保護し ている。 *週に1日、年間50日の大学外ビジネス 学生達がスタンフォードで学ぶ理由 *Tenure期間中2年間の有給ビジネス・ は「将来自分でビジネスを立ち上げる 二極化とバランスが今後の課題である。 ためである」といえるほど大学院生の シリコンバレー経済の減速要素 チャレンジ *7∼9月は自由時間(年俸は9カ月分) ほぼ全員が大企業には就職しないと する批判も出てきており基礎研究との ているが、スタンフォード大学ビジネ 企業のコンサルティング、講演、学 いっている。2000年3月時点の工学部 1つはリクルーティング、人件費高 ス・スクールはシリコンバレー成功の 生のリクルーティングなどに上記時間 CS(Computer Science学科)修士の企業 騰である。もっとも不足しているのが 条件として、①企業間、人間間のコラ をあてること、企業活動に関わること からの初任給オファーは、経験やスキ マーケティングVP、そしてプログラ ボレーション、②起業家精神、③新規 は強く奨励されており、そこから研究 ルにもよるが、契約一時金、ストッ マである。これらがスタートアップ企 技術による革新への挑戦、④リスクを 予算が勝ち取れれば、評価も高い。こ ク・オプションを別にして6∼12万ド 業のIPOを律速しているケースが多く 覚悟のVC(ベンチャー・キャピタリスト) うした制度により、研究内容とは別に、 ル、博士で8∼18万ドルであり、教授 なっている。このため、システム開発 による投資、⑤研究開発に対する手厚 優秀な研究者をリクルートし、多くの を越えている。完全にバブル状態であ はインド、ベトナムで、という企業が い投資、⑥人材の6つを挙げている。 資金を調達できる先生が、結果として る。学生達はそれを蹴ってスタート 増えており、VCのチェック・ポイント http://www-gsb.stanford.edu/ces/ 「優秀な先生」と評価されることになる。 アップ企業を興している。企業が大学 ともなっている。 すでに多くの雑誌などで紹介されて (一方では、Tenureはスタンフォード にすり寄ってきているのはリクルート いる、スタートアップ・カンパニーが で数少ない“生ぬるい制度”の生き残 のため、という見方もできる。 容易に立ち上げられる仕組みや、徹底 りという声もあるが)。 した企業提携戦略、企業ホッピング (転職)によるノウハウ蓄積と移転、ア メーバ組織、法律と契約で保護され規 定されている権利と義務などのシリコ ンバレー企業の特質については省略す る。ここでは、この“成功の秘密”に 深く関係しているスタンフォード大学 オフィス家賃、住宅価格高騰もネッ クとなっている。高い家賃がまかなえ 大学での研究テーマは中長期的には ないのでストック・オプションで払う ②企業が大学内の活動に参加していく スポンサーや該当する産業、マーケッ スタートアップ企業もある。失敗する 方法にはいくつもの道が用意されて トが選ぶことになる。なぜなら、毎年 確率が50%を越える世界で、そうした 研究内容のレビューを行い、スポンサー 申し出を受ける家主がいる、というの 企業の評価をくぐらないと次年度予算 も“やるなあ”という気がする。 いる *年間5∼11万ドルを支払い、Visiting Fellowを送り込む *3万ドルから数百万ドルを支払い、 企業研究の一部を委託する が取れないからである。 国際化の必要性とアメリカが一番だ 初年度“seed project”として始めて という慢心がリスクだ、と認識する人 も企業ニーズと合わなければ1年で終 が少なくない。国際化とは最先端のア 自身を、これら成功の条件をさらにス *数千ドル支払い、大学が主催する わりとなる。研究のため学生を使うの メリカでの成功事例を輸出すること ムーズに進められる仕組み、という観 フォーラムなどのメンバーになり情報 はすべて有償である。先生も同様で、 だ、と思っている米国ビジネス人が多 を得る 単価は協力するパーセンテージと本人 い一方で、欧州、アジアに適合できて の身分、ランクにより決められている。 初めて国際化である、という見識が生 つまり、すべては“予算”に換算され まれてきているのも事実。シリコンバ る。一般企業では当たり前のことを大 レーは懐が深い。 点から紹介する。 まずは大学の予算を見てみる。授業 料は年2万3千∼2万7千ドルと相当高い が、総収入16億4千万ドル、専任教員 10 2000年5月1日第469号 *ハードウェアやソフトウェアを寄付 し、研究レポートを受け取る *企業従業員教育の一部を大学の ユニシス・ニュース 2000年5月1日第469号 株式市場の動向も注意が必要であ る。新規ビジネス創造、新技術導入に 図3 建設分野でのサービス中期ビジョン (図2) でのリーダー企業を紹介する。 ①ATTRACT よる生産性向上、制御されたインフレ Eマーケットにユーザを引きつける などで過熱経済が軟着陸できれば、と 魅力がまずは必要。そのためにはター 報道されている。しかし、スタンフォー ゲットとなるユーザを該当サイトに誘 ド大学院生が説明する5∼10枚のパ 導する仕組みを提供する。[例: ワーポイント・スライドと30ページ程 LinkExchange、BeFree、DoubleClick] 度のホワイトペーパだけで、ベータ版 ②INFORM や製品、実績もなしに200万ドル∼ コンテンツが常に必要/十分、最新 1,500万ドルの投資が得られる、とい の状態に維持、管理されている必要が う現状は右肩上がりバブル株式の上の ある。また、ユーザが必要な情報をい 楼閣だと見えてしょうがない。 かに検索、共有、保証、保管していく シリコンバレーの スタートアップ企業の戦略 かもポイント。[例:Grainger、 企画 プロジ ェ 概要計 クト定義 フィー 画 スタデジビリティ ィ 設計 情報提供 コンサルティング コミュニティと トランザク ワークフロー マッチング ション プリプロジェクト計画 エンジニア リング 概要設 基本設計 (プリリ計 レ ミナリ ポート 詳細設 ) (入札書計 類 入札 など) 図面 情報 スマート許認可 と契約 入札 契約 入札 施工 計画と スケジ ュ 人員計 ーリング 画 装備/ ワーク機材計画 施工 フロー 引き渡 し ondisplay、Vignette、Poet、Versifi] 運用管 理 ③CONFIGURATE 運用 メンテ ナンス マーケ ティング 情報 プリプロジェクト計画 企 業 等 評 価 サ ー ビ ス SC統合 D B 公開 管 理 情報 サ ー ビ ス プロダクト 情報 オンライン職業紹介 機器オンライン プロジェクト管理 スケ ジュール 情報 プラントO&M ファシリティ 情報 インターネット・ビジネスでスター ユーザが求めるサービスや製品情報 トアップする企業によるプレゼンを聞 をいかに正確にタイミング良く提供で いていると、その戦略には次のような きるか、これが“セルフサービス”の に最適と思い挙げた。後は“日本化” トの計画から保守にいたるフェーズ、 共通する特徴がある。 眼目である。プロダクト情報の標準化、 と企業ごとの戦略“結晶化”であろう。 横軸は提供できると考えているサービ *FOCUS:何が強みか、 どのマーケッ エンジニアリング・サービスなどがキー。 [例:Cabletron、Calico、Selectica、 日本マーケットで必要なこと スの種類、右端には統合的に参照でき トをターゲットとするかをはっきり そして小さく見定めている。 Trilogy] *VISION:ユーザ獲得方法、売上拡 大、利益拡大見通し、再投資の目論 近年、主にアメリカでの新ビジネス ④MARKET MAKE や技術、手法、コンセプトが成功する 売り手と買い手を出会わせること、 るようになる情報を記した。そしてマ トリックスの中に現在考えているビジ ネス・シナリオを埋め込んだ。 と、その“言葉”が選別されて取り上 こうしたビジョンといくつかのビジ 見、そしてパートナー戦略など、紙 これがEビジネスでの心臓部。カタロ げられ“流行”してきたことを記憶し ネス・シナリオは前記のような課題を の上のものにしろ明確である。 グ、オークション、物々交換、バーター ている人は多いと思う。MIS、BPR、 インターネット技術や新サービスでク 取引などによる取引形態が求められ ワークフロー、ナレッジ・マネジメン リアしていこうとするものである。 MECHANISM:人海戦術でない自 る。[例:CommerceOne、Ariba、Moai、 トそしてEビジネス、ASP…。これら 導入により想定される効果は、 己増殖の仕組みや触媒を商売のスキー Tradeum、TradingDynamics] のツールやコンセプトは多くの大企業 ムに組み込んでいる。 ⑤PAY で導入されてきたが、結果として紹介 *SELF-REPRODUCING *社内・外に分散したDB/情報の統合 利用 *VALUE:ユーザ、パートナーにとっ 取引にまつわる金融、支払い、クレ されたサービスやツールを導入しては *資材など購買、配送コストの削減 て分かりやすい企業、製品/サービ ジット/デビット決済処理と関連サー 成功しない。もっというと失敗したこ *物件情報、技術DBの一元化 スの価値を明確に示している。 ビス。[例:eCredit、Paylinx] とも分からないことを繰り返している *社内プロセス、 企業間プロセス効率化 広く総合的なサービスを誇り、他社 ⑥SUPPORT と思えてならない。日本マーケットで *人員、資材など有限資源の有効活用 が取り上げた製品/サービスへの対応 取引が生まれれば、そのあとにはサ 必要なこととして、 “インターネット・ *タイムリーで効率的な資材調達 策を盛り込んで、さらに新技術への取 ポートが必要。関連情報、ヘルプデス ビジネスの要件”のような雑誌で特集 *オープンな環境での企業協力 り組みを必要以上にふくらませている ク、問題解決、追跡サービスなど。 されること以前の事柄として次のよう 大企業ビジネス症候群の日本ビジネス ⑦DELIVER なことを挙げたい。 ト管理に位置するBricsNet社 *社内情報システムの将来ビジョン策 ProjectCenterによる建設プロジェクト 人に、上記のような戦略の“結晶化” 取引後の配送サービス、サプライ チェーン統合、一括購買一括配送、メ は新鮮である。 ンテナンス情報サービス、自動発注サー 「.com」戦略に必要な要素 ビ ス な ど 。 [ 例 : C l e a r i x 、 米国で成功していることが日本でも 成功するとはまったく限らないが、米 ElectronEconomy、i2、Manugistics] ⑧ANALYSE 定と現状の統合、管理 *系列、登録業者、貸し借りなどを廃 した仕入れ、購買、調達 *技術情報、契約情報、知識情報の 一元管理、参照、再利用 国での成功事例を研究し、分析するこ 顧客情報の収集はEビジネスに欠か とは重要である。「.com」ビジネスとい せない要素。フィルター、データマイ えば今や“Dog Year”(1年が7年分に ニング、振る舞い分析、パーミッショ *プロジェクトごとの採算、リスク、 労働、機器/資材管理 *企業のサプライチェーンの棚卸しと 一番バッターは、上図のプロジェク 情報管理サービスである。 スタンフォード大学との 今後の共同戦略 課題はあるもののインターネット・ ビジネスの最先端技術や多くのスター トアップ企業が革新的なサービスや新 たなビジネス・モデルを提供している 相当)でビジネスを立ち上げIPOまで [例:Datasage、 ン・マーケティングなど。 アウトソース のはシリコンバレーであり、中心にス 1年半から2年で到達する、という代名 ePiphany、personify、Verbind] こういう見直しなしに、いくら“イ タンフォード大学がある。くやしい気 詞のように使われている。ここにも 日本でのインターネット・ビジネス ンターネット・コマース”を唱えても もするが事実。今後も次のような共同 “バブル”的なものを感じるが、 “結晶 を企画、検討する際のチェックリスト ワープロをPCに変える程度の効果し アクティビティを計画している。 か見えない。日本が本当に遅れている *インターネット・ビジネスのモデル 化”された要 図2 素を必ず含ん 実 だ と思う。 「.com」ビジネ スの代表格イ ンターネット・ ビジネスにお ける要素を 「Business 2.0」2月号の記 事から8つ挙 げ、当該分野 ③CONFIGURATE ②INFORM でいるのも事 ①ATTRACT カタログ情報 サーチエンジン プロダクト・モデル情報 情報共有サービス セルフサービスによる サービス/製品要件定義 (Build to Ordor) 業界情報提供サービス ポータル・サービス コミュニティ インターネット・ビジネス 成功のための8つの要素 ⑧ANALYSE 顧客行動分析サービス 広告サービス データマイニング パーソナル・マーケティング ⑦DELIVER のは技術ではなく、このように“しが 配送計画 資材所要量計画 パーツ/資材情報 SCM ④MARKET MAKE マッチングサービス オークション/ Rオークション ワークフロー 決済サービス ⑤PAY ヘルプデスク サポート・サービス ⑥SUPPORT 出展 Business2.0 2月号 についての共同研究 らんで”しまった現状の改革である。 *モデルの日本での実証実験 こうした現状を変革する努力を支援で *大学での他のスポンサー企業との共 きるのが「.com」戦略と考えたい。 「asaban.com」の事業戦略 同ビジネス *シリコンバレー・スタートアップ企 業とのタイアップ 日本ユニシスの「asaban.com」事業 素直に欧米の成功事例を消化し、日 は、単体製品やサービスを提供する単 本は特別な市場であるとは考えない一 発ASPではないことを特徴としたい。 方で、単なるビジネス・モデルの輸入は 手始めに図3に示す建設、建築分野で 不可能であり、 「.com」ビジネスの「co.jp」 の各種サービスを中期的ビジョンとと ビジネス化が必然であると考えたい。 UN もに提供する。縦軸は建設プロジェク 11 IT 最前線 ネットワーク技術の動向(10) インターネット常時接続の普及始まる ADSLとCATVなどが混戦状態 日本ユニシス株式会社 第一ソフトウェアサービスセンター ネットワークサービス室 インターネットの常時接続(定額接続を含む)を提供するサービスが一般ユーザの するため、NTTの料金や方針 CATVインターネットのネットワーク構成 手が届くところまで低価格化してきた。回線使用料とプロバイダ料金を含んで に左右されるということがな インターネット 月々数千円程度というところも現れた。 い。 プロバイダ さらに注目すべきは、その回線速度だ。ISDNの64Kbpsよりはるかに高速な数 データ通信の速度も最大数 Mbpsが一般化しそうだ。欧米では常時接続はすでに一般的なもの。こうした Mbpsと、ISDNやADSLより高 サービスが全国で利用されるようになって初めて、日本でもインターネットの本 ルータ 格的な利用が始まる。競合企業が次々と出現するADSLやCATVを使った常時接続 速に通信できる可能性も高い。 CATV局 ただし、これは複数の加入者 映像用 通信用 ヘッドエンド ヘッドエンド サービスは今年が勝負の年になりそうだ。 がシェアして利用する形態で あるため、加入者が爆発的に 本年はインターネット常時接続元年に 光ファイバ等 上りデータ:最大10Mbpsを共有 増加し、これに対する設備強 同軸ケーブル 下りデータ:最大40Mbpsを共有 化が遅れればスループットが 1999年から提供されている定額接続 2000年はインターネット常時接続元 低下してしまうだろう。 ユーザ宅 年になりそうだ。通信事業者各社は、 サービスは下表のとおりで、大きく分 今年度をめどに常時接続サービスを本 類すると、その媒体によってISDN、 ターネット接続を主業として 格展開し始める。1999年からすでにサー ADSL、衛星、ケーブル、光ファイバ いるわけではない。インター ビスを開始している通信事業者も、 の5種類になる。 もちろんCATV会社は、イン ていたCATVをインターネット接続用 ネット接続のサービスは、加入者に対 に提供しようというCATV会社のサー する“おまけ”的な商品としてスター スを時間による従量制ではなく、定額 ビスである。初期加入料金など、 トしたところも多い。そのため、現在 にしたサービスである。 CATV会社によってサービス内容は大 のままの価格で、どの程度の期間サー きく違ってくるが、インターネット接 ビスを提供し続けられるのか不安を感 続だけでも申し込めるところが増加し じる部分もある。ただし、ADSLサー てきている。料金も数千円程度という ビス提供の地域に含まれておらず、低 ところがほとんどであり、ADSLサー 価格で常時接続サービスを利用したい ビスと大きく変わらない。 と考えているユーザにとって非常に魅 2000年から2001年にかけて、競合サー ISDNはすでに普及しているサービ ビスに対抗して、サービス料金の低価 格化を行う模様だ。 注目集まるADSLサービス −NTTの方針によっては爆発的普及もある ISDNの常時接続サービスと真っ向 ケーブルモデム は比較にならないほど低価格だ。 から対立し、今後提供する企業が増え、 ただし問題がないわけではない。現 今年度中にサービスが本格化しそうな 時点でこのサービスが提供されている ADSLがNTTの回線を利用するのと のがADSLである。特定の団体の組合 のは、各社とも都内の一部の地域など 比較して、CATVは独自の回線を利用 員に限ってサービスを提供しているも 非常に限定されたエリア内だけであ のを除いて、基本的にはNTTの加入電 る。これは、そのほとんどがNTTの 話回線を利用する。通常の回線を使う ADSL接続サービスの回線をレンタル が、通話帯域だけでなく、データ通信 し、ユーザにサービスを提供している ユーザの所在地に関わらず均一な 用に帯域を拡大して利用する。装置と ためである。つまりNTTがサービスを サービスを受けられる常時接続サービ このサービスが普及していないというこ しては、ADSL専用のモデムをNTT局 広めないことには全国にサービスが広 スとして注目される通信衛星を使った ともあり、このボードはメーカーが限 舎とユーザ宅内の両方に設置する。 がらないということになる。 インターネット接続だが、問題点もあ 定される。専用のデバイス・ドライバ これまで、NTTによるADSLの提供 る。ユーザ側から見た場合、上りと下 が必要になるため、対応するOSも限 ISDNの常時接続や専用線サービスよ は遅れており、開通した回線も少数で りで違う回線を利用するため、そのそ られる。現時点ではWindowsNTや りはるかに安い。データ転送速度も、 あるが、4月に発表された「NTTグルー れぞれに料金がかかってくる。上りと 2000、Macintoshには対応していない。 500Kbpsから1.5Mbps程度と、ISDNの プの3カ年経営計画」の中で明確に いうのは、ユーザ側からインターネッ さらに、コンピュータに直接ダイヤル 64Kbpsに比較するとはるかに高速な ADSL接続サービスを本格化し、エリ トに要求を出すことであり、下りはイン アップ・ルータを接続するため、これ 環境を実現できる。ちなみに1.5Mbps ア拡大する方針が示された。これによ ターネットからのデータを受け取るこ が利用できないLAN環境のコンピュー 専用線接続のサービスを利用すると月 り、ADSLの普及に弾みがつくものと とである。 タでは使用できない。 額15万円程度になり、ADSLサービス 思われる。 中心価格帯は5,000∼7,000円程度で、 力的なサービスであることに変わりは ない。 まだまだ問題点も多い衛星通信サービス −対応パソコンも限定される 衛星接続では、下りは衛星からの電 専用のボードを組み込む必要がある。 その他、常時接続サービスとしては 現時点での現実的な解答となりえる CATVのインターネット接続 波をアンテナを使って直接受信する。 光ファイバ・ケーブルを使ったサービ そのため非常に高速なデータ受信が可 スがあり、実験が開始されている。 能になる。しかしその逆の送信側は、 NTT地域会社は本年秋から「高速光IP ADSLは地域が限定されており、将 通常の地上回線を使うことになる。 接続サービス」という名称で東京と大 るのがCATV各社のインターネット接 (図) ユーザが直接電波を発信するというこ 阪の一部地域で試験サービスを開始す に不透明な部分を残している。それに これは、インターネットの普及によ とができないためだ。したがって上り る。10Mbpsのアクセス回線が1万円/ 対する有力な対抗サービスとなってく り、それまで番組配給のために利用し は最大64Kbpsに限定されてしまう。 月で提供されるという。 来の加入者線の光ファイバ化との関係 続サービスである。 そしても いずれにせよ、今年度中には常時接 う1つの問 続サービスには多くの事業者が参入し サービス提供地域 東京23区、大阪市内 (いずれも5月から) 都内と大阪市、大分市、 それぞれの一部 題は、ハー てきそうだ。これに対抗するためNTT ド的な問題 のISDNなどの低価格化が進み、また、 である。通 CATV会社がインターネット接続サー 信衛星から ビスをどのような位置付けにするの 各CATVの提供地域 のデータを か、FTTHはどこまで進展するのか、 受信する そして衛星接続サービスはどうなるの に は 、コン か、非常に速いスピードで決まってい ピュータに くことになりそうである。 常時接続サービスの分類 回線種類 提供会社 回線速度 64Kbps 価 格 4,500円(5月から) ISDN NTT東日本、NTT西日本 ADSL NTT、東京めたりっく通信、 512K∼ イーアクセス、JT、DDI、KDDなど 1.6Mbps(下り) CATV CATV提供企業 64K∼最大10Mbps(上り) 最大40Mbps(下り) 4,000円∼1万円程度、中心価格帯5,000円 衛星通信 NTTサテライトコミュニケー ションズなど 64Kbps(上り)、 1Mbps(下り) 3,980円(接続サービス、この他にプロバイダ料、 全国 ダイヤルアップ料が必要) NTT東日本、NTT西日本 10Mbps 東京、大阪市内の 1万円程度(試験サ−ビス、本年秋より提供開始) 一部地域 光ファイバ 12 2000年5月1日第469号 5,000円∼1万円程度(個人用) UN ユニシス・ニュース 2000年5月1日第469号 IT最前線 ユニシスATS海外セミナーの魅力 アメリカ最先端のビジネス動向にふれる2週間 日本ユニシス株式会社 総合教育部 教育サービス推進室 担当課長 21世紀を生き残るために 田中 信也 にもなる。 アメリカの企業と密接な関わりを持ち そのケース・スタディがATS海外セ ながら研究活動を進めている教授陣 や、先進企業の経営陣を講師に招いて、 ミナーのカリキュラムにも採り入れら 新聞の紙面を賑わすようになった。21 情報活用の戦略的視点、マネジメント れている。講義中も、教授から日本の 世紀を生き残るためにはドット・コム の役割などについて、理論・実践の両 現状に関するさまざまな問いかけや、 企業としてこの「勝ち組」に入ることが 面から研修を行っている。 グループ単位での演習、そして参加者 重要であると言われている。 事例中心の充実したカリキュラム からも積極的に質問が投げかけられ 「勝ち組」という言葉が最近の雑誌や しかしEビジネスへの参入障壁は低 る。そのようなアメリカン・スタイル セミナー風景 の講義の中で、最もエキサイティング く、ベンチャー企業の新規参入が相次 ATS海外セミナーは先進企業の事例 いでいる。Eビジネスでは店舗数や従 紹介、教授の視点からの事例分析、参 的に取り入れる先進企業の訪問など、 な経験がケース・スタディである。実 業員数など、既存の資産規模やスケー 加者が行うケース・スタディを中心と 一般的な視察セミナーとは一線を画す 際の企業の幹部を前に発表するとなれ ルは意味を持たない。新規参入のベン し、「見」、「聴き」、そして講師陣との カリキュラムを提供している。参加者 ば、グループに分かれての準備は真剣 チャー企業がわずか半年で、業界大手 討論を通し、ビジネス環境の理解とIT には同時通訳を通して聴くセミナーの そのもので、例年深夜まで議論が続く の企業をその価値で追い抜いてしまっ をどうビジネス変革に活用するかを参 受講内容を分担して報告書にまとめて グループがある。このような経験を通 た事例すらある。この世界では、これ 加者自らが考える参加型のセミナーで いただいている。 して、参加者は指示されたことだけを まで日本の高度成長を支えてきた大量 ある。 アメリカン・スタイルの講義形式 行うのではなく、自ら考え、行動する ことを学ぶ。 生産、大量消費のビジネス・モデルは セミナーはアメリカでの研修をより 通用しない。これまでのビジネス・モ 実りのあるものとするため、国内で2 アメリカの大学では教授との質疑・ デルを安易にインターネット上に持ち 泊3日の事前研修から始まる。事前研 討論により講義が進められる。また、 込んだり、成功した企業のビジネス・ 修ではカーネギー・メロン大学での受 ケース・スタディが頻繁に利用され、 モデルをベスト・プラクティスとして 講に際して、研修のポイントを学び、 そのモデルとして実在の企業が登場す だけではない。アメリカ研修の期間中 その効率化を図ってみても、「勝ち組」 ケース・スタディの準備を行う。この ることが多い。学生たちは、教授から には、休日やセミナー時間以外にアメ に入ることは期待できない。 アメリカの文化、生活も体験 ATS海外セミナーの魅力はセミナー 合宿研修は参加者交流としての貴重な 与えられる課題に対して議論し、分 リカの文化、生活に触れるさまざまな アメリカではベンチャー企業の独壇 場でもある。アメリカ研修ではカーネ 析・提言およびプロセスを「その企業の 機会がプログラムされている。その中 場であったEビジネスの市場に、大手 ギー・メロン大学のピッツバーグ・キャ 幹部の前で」発表する。学生たちに でも最大のイベントは家庭訪問であろ 企業も重い腰を上げ、真剣に取り組む ンパスで5日間、ニューヨーク教室で とって、これは就職先企業へのプレゼ う。カーネギー・メロン大学が位置す ようになった。インターネットを基盤 1日間のセミナーと、ITを戦略に積極 ンテーションとしては絶好のチャンス るペンシルバニア州ピッツバーグに とした事業構造の変革は、企業の規模 は、外国からの訪問者を自宅に招待し 「第27回ATS海外セミナー」カリキュラム の大小にかかわらず21世紀を生き残る 必要条件といえる。 ATS海外セミナーが提供するもの ―ビジネス・モデル創出の原点にふれる では21世紀を生き残るためのビジネ 研修 国内研修 (第1回) 期間 ながら、そのようなビジネス・モデル 国内研修 (第2回) を導き出す公式は存在しない。 8月21日(月) ∼ 8月22日(火) ・アメリカ研修のためのポイント 日本ユニシス 東京教育センター カーネギー・メロン大学 (ピッツバーグおよび ニューヨーク) 9月8日(金) ∼ 9月23日(土) カーネギー・メロン大学セミナー ・情報技術と戦略 ・ビジネス推進力としてのIT ・事例分析 ・ワン・ツー・ワン・マーケティング事例 ・データ・マイニング活用事例 ・ナレッジ・マネジメントとその事例 ・ケース・スタディ ・IT活用とビジネス構造変革 ・戦略的アウトソーシング事例 ・ITへの戦略的投資とその評価の考え方 企業訪問(予定) ・Dun & Bradstreet社 ・Unisys社 家庭訪問 ・セミナーの総括 ・報告書作成 日本ユニシス 東京教育センター しかし、「アメリカの企業がどのよ 環境を分析しているか」、「何をビジネ 「顧客の利益をどのようにして作り出 アメリカ研修 しているか」を学び、事例としてそれ らのビジネス・モデルを検証すること により、新たなビジネス・モデルを生 み出すための貴重なヒントを得ること はできるはずである。日本ユニシスで はIT活用に果敢にチャレンジしてきた 事後研修 場所 日本ユニシス 伊豆エグゼクテブ センター (伊東市) 7月17日(月) ∼ 7月19日(水) (宿泊研修) うな考え方に基づいて自社の置かれた スの推進役として捉えているのか」、 研修内容 ・カーネギー・メロン大学での受講に 際して ・研修のポイント、ケース・スタディ 準備 ・アメリカ生活の過ごし方 ・渡航手続および参加者交流 ス・モデルは、どのようにしたら開発 することができるのであろうか。残念 てくれるボランティア団体がある。も 10月16日(月) ちろん通訳は同行しない。言葉の壁に 悩む暇もなく、身振り、手振りでのコ ミュニケーションでも訪問先家庭の温 かい人柄に触れ、アメリカの自己責任 とボランティア精神を肌で感じること ができる。他の研修旅行では考えられ ないユニークな経験であると参加者か らは好評である。この他にもアメリカ の大自然に触れるバス・ツアーや大リー グ観戦など参加者自らが企画するさま ざまなイベントが予定される。 第27回ATS海外セミナーのお勧め 2000年度の第27回ATS海外セミナー は「ビジネス構造変革のためのIT活用」 をテーマに、2000年9月8日(金)から9月 (ペンシルバニア州) 23日(土)まで16日間の日程でアメリカ 研修を実施する。サブテーマを「ビジ (ピッツバーグ) アメリカ企業とそれを支える社会、組 ネス変革を促すE-Commerceから学ぶ」 とし、E-Commerceの動向とビジネス 構造への影響、E-Commerce時代のマ 織、人を総合的に研究すべくATS 実施要領 ネジメントの役割などについて、理論、 (Advanced Technology Series)海外セミ ●定 員 :30名(最少催行人員15名) 実践の両面から学んでいただく。貴社 ナーを26年間にわたり実施している。 ●参 加 料 :110万円 のEビジネスを支えるキーマンの育成 この海外セミナーではコンピュー タ・サイエンスやソフトウェア工学の 分野で有名なカーネギー・メロン大学 のビジネス・スクールと日本ユニシス が共同でカリキュラムの企画を行い、 ●申し込み締切日:2000年6月30日(金) (定員になり次第締切予定) ●問い合わせ先 :日本ユニシス 総合教育部 ATS海外セミナー事務局(担当:土屋、樋口) TEL (03)5546-4247/4226 FAX (03)5546-7860 Eメール [email protected] に、ぜひご参加いただきたい。 (表) なお、セミナーの内容、申し込み方 法などの詳細については、下記のURL を参照ください。 http://www.unisys.co.jp/seminar/ATS.html UN 13 IT最前線 新連載:ネットワーク・ソリューション(1) Eビジネス基盤としてのユニシス・インターネット・サービス 「U-netSURF」 日本ユニシス情報システム株式会社 IS事業部インターネットシステム 部長 「U-netSURF」の誕生 U-netSURF概要図 1995年11月、「U-netSURF」のサービ 国網「U-net」を管理運営するネットワー スを開始した。まだ研究者向けのネッ クの専門会社であり、さらにアウトソー トワーク色が強かったインターネット シングの専門会社でもある日本ユニシ に、ビジネスの関心が高まりつつあり、 ス情報システムである。 新聞にも連日インターネット関連の記 事が掲載されていた頃である。 神田拠点 (東京・千代田区) ISP事業者 相互接続拠点 NSPIXP2 JPIX(予定) 大手町拠点 (東京・千代田区) 当初の目的は、ユニシス・ユーザへ インターネット関連サービスの提供を 接続環境の提供であったが、4年半の 求める声が強くあがり始めたため、本 事業運営実績を重ねるにつれ、 その利用 事業を立ち上げた。当時のISP事業者 者の範囲はユニシス・ユーザやグループ は約50社で、現在約4,000社もあること 企業社員の枠を大きく越えて、新しい を考えると早い対応といえよう。 関係が生まれ、まさに「Eビジネスの 基盤」としての広がりを見せている。 ユーザの声がメニューの素 「U-netSURF」のサービスは、「ユー 障害者の方にはゆっくり使える(障害 ザの声」を反映してメニュー化される 者割引:DreamSURF)コース、ヘビー ものが多い。 ユーザ向けには1IDで使う長時間コー 赤坂拠点(東京・港区) U-netSURF網運営・監視 U-netSURFサーバ運営・監視 国 内 公 衆 網 豊洲事業所(東京・江東区) 全国134ヵ所 U-netSURFサービス・センター ダイアルアップ アクセスポイント全国8ヵ所 ISP企画・開発 専用線 アクセスポイント 東京・名古屋・大阪 お手軽パック拠点 全国一律電話網拠点 海外ローミング接続 (千葉・柏市) 84ヵ国約4,100ヵ所 KDD (2000年3月現在) GRIC 東京IDC (東京・中央区) サーバプール サ ー バ プ ー ル 大阪IDC ユ (大阪・福島区) ー サーバプール ザ 企 業 ・ およびユーザ企業やグループ社員への 例えば、個人向けの接続サービスで インターネット のインターネット関連サービス提供、 ユーザの間で接続サービス、その他 事業を担当するのは、ユニシスの全 松野 真次 海外各国電話網 スも設定。さらに各社との提携により、 発信できる。独自ドメインにこだわら サービス、さらにファイアウォールの は、「私は単身赴任だが、うちでは家 海外ローミングや情報提供などでサー ずISPのドメインで簡易的に情報発信 構築、保守、運営をセットしたサービ 族も使うので複数のIDが欲しい・・・」と ビスを一段と充実させている。 するWebサーバ代行サービス「マイ スである。自社で構築、運営すること の要望から一般個人会員5ID無料で使 法人向けサービスでも、ダイアル サーバ・サービス」もある。 なく手軽にインターネット常時接続環 えるファミリ向けコースをスタート。 アップIP接続サービスから徐々に拡大 ◆「専用線IP接続サービス」 境が実現できる。 ◆「サーバプール・サービス」 また、「大学生の息子が単独で使い できるように隙間なくラインナップさ お客様社内にあるサーバ群などの たい、と言っているが安いコース れている。また、簡単にインターネッ ネットワークと専用線を経由してインター を…」(学生割引:StudentSURF)、「娘 ト環境に飛び込めるユニークな組み合 ネット常時接続環境を提供するもの。 サーバをインターネット接続環境の が1人で自由にメールなど楽しめる わせサービスは、アウトソーシングの ◆「専用線お手軽パックサービス」 整ったユニシスのアウトソーシング・ コースを…」(女性割引:Ladies 専門会社ならではのものである。 SURF)、「定年で退職したので始めた 設備環境では、法人個人で昼・夜間 い…」(高齢者割引:SilverSURF)などの バランスよく利用されており、快適な 声を反映し1IDで使うユニークな割引 接続環境を維持できる要因になってい コースをメニュー化した。 る。 専用線IP接続サービスとマイドメイ ンメール、マイドメインWebの2つの お客様のインターネット関連各種 センタで預かり、運用管理を行うサー ビスで、24時間365日運用が可能。 セキュリティ・サービスが不可欠 インターネットは、情報収集のため 充実した法人向けサービス・ラインナップ の手段としてだけではなく、事業に密 法人向けには、インターネット環境 接にかかわる通信手段として定着しつ ルティング・サービス *セキュア・ネットワーク環境構築 サービス ネット郵便サービス」なども利用でき つある。Eビジネスの基盤としてのイ *セキュリティ診断サービス へのエントリである「ダイアルアップ る。 ンターネット環境を提供するには、セ *セキュリティ監視サービス IP接続サービス」から、Web、メール、 ◆「マイドメインメール・サービス」 キュリティ管理を行い、情報を保護す *セキュリティ情報提供サービス ることがプロバイダの責任である。 *フィルタリング・サービス DNSサーバなどをお客様が自営して、 ダイアルアップ接続と組み合わせ、 インターネット環境へ常時接続する 独自ドメイン名でEメールのやりとり 「U-netSURF」はネットワーク・セキュ に大分類され、さまざまな局面で遭遇 「専用線IP接続サービス」や、そのサー を行う。メール、DNSは「U-netSURF」 リティ・サービス「Security+」をオプ するセキュリティに関するリスクを取 バ群をインターネット接続環境にある のサーバを利用できる。この機能とダ ションとして付加できる。これは、 り除くサービスである。 ユニシスのアウトソーシング・センタ イアルアップをパックにしたサービス *ネットワーク・セキュリティ・コンサ で預かって運用する「サーバプール・ が次の2つである。 サービス」など、次のようなサービス ①お便りパックサービス を提供しており、幅広く選択できる。 端末型ダイアルアップIP接続で、最 進化するインターネット時代の鍵は「人:技術力=高品質」 インターネット環境下で展開される さ、サポート力」で上位にランクされ 高15POPユーザIDが利用できる。 変革は、これまでの商慣習や生活様式 ている。今後も高速化、高品質、セキュ ②エコノミLAN型ダイアルアップIP接 を津波のように飲み込んで、新たな リティ、それに無線・モバイル・常時接 続サービス Eビジネス世界を創出する。「U- 続など取り組むべき課題は枚挙にいと ログ回線でダイアルアップ接続し、イ お客様社内LANとISDNダイアルアッ netSURF」は、この津波にも負けず まがない。IDC、ASP、CSPなども重 ンターネット環境を作る基本的な接続 プで I P 接 続 す る サ ー ビ ス 。 最 高 サーフできる技術基盤を、永年のネッ 要なキーワードである。お客様の要望 方法。ユーザは海外からのローミング 100POPユーザIDまで利用できる。 トワーク構築と運営、アウトソーシング・ に応じて、新サービスを創出し続け、 接続サービスのほか、有益情報をWeb ◆「マイドメインWebサービス」 ベンダとしての実績の上に築いてきた。 高品質なサービスを提供し貢献するこ ◆「法人向け端末型ダイアルアップIP 接続サービス」 ユーザ所有のPCをISDNまたはアナ で検索できる情報提供サービス「SURF ダイアルアップ接続と組み合わせ、 『日経コミュニケーション』誌の法 とが、「U-netSURF」の使命であり、大 インフォプラザ」、メール配信を受け Webサーバを自社保有し運営すること 人ユーザ向け調査や『Yahoo Internet 変革への強力な礎となり、Eビジネス る「情報配信サービス」、大容量の情報 なく、「U-netSURF」のサーバを利用し Guide』誌の個人向け調査によると、 の基盤となることを確信する。 を安全、高速に送受信できる「インター てURLに独自ドメイン名をつけて情報 U-netSURFは、「快適さ、つながり易 14 2000年5月1日第469号 http://www.netsurf.ad.jp/ UN ユニシス・ニュース 2000年5月1日第469号 ユニシス・ニュースに関する ご意見・ご感想をお寄せください。 また、送付先の変更などのご連絡 お問い合わせにもご利用ください。 Eメール [email protected] 「Unisys e-@ction Forum 2000」 日本ユニシス 6月15日(木) 新高輪プリンスホテルで開催 Eメール自動処理ツール「Kana」販売開始 日本ユニシスは、企業へ電子メール で寄せられる各種問い合わせに、迅速か 日本ユニシスは、 “Windows Data 日本ユニシスは本年3月、世界初の プライズ つ的確に対応するためのEメール自動 Centerが創り出す新たなビジネス・モ インテル・プロセッサを最大32個搭載 Windows 処理ツール「Kana」の販売を開始した。 デ ル ” を テ ー マ に 、 「Unisys e- 可能なエンタープライズ・サーバ 戦略を最先 また、「Kana」の導入にあたり最適 @ction Forum 2000」を、来る6月 「ES7000シリーズ」の販売開始に併せ 端事例とと な振り分けルールや運用方法の決定を 15日(木)、新高輪プリンスホテル国際 て、マイクロソフト(株)とMicrosoft もに詳細に 支援するインテグレーション・サービス 館・パミール(東京・品川)で開催する。 Windows 2000をベースとした新世 紹介するも や、導入後の保守および運用診断サー 「Unisys e-@ction Forum 2000」 代データセンター・システム分野で包括 の。参加申 ビスも行う。 は、これからのインターネット時代に 提携を結んだ。両社は、「ES7000シ し込み、詳 「Kana」の販売価格は、5席構成で約 おいて、企業を成功に導くための大規 リーズ」とマイクロソフトが発売する 細のお問い 1,400万円から。直接販売のほか広く 模システム構築のポイントをさまざま 「Windows 2000 Datacenter 合わせは、 代理店販売も計画している。 な角度で紹介するもの。米ユニシス社、 Server」との強力な組み合わせで、大 同フォーラ マイクロソフト社首脳による講演、国 規模データセンター・システム分野にお ム事務局へ。 内外のIT先進企業を中心とした事例紹 いて、共同セールス、共同技術検証、 TEL:(03)5281-1540 介などの多彩なプログラムを予定して 共同サポート活動を展開する。今回の 問い合わせ時間:月∼金 いる。 フォーラムは、 日本ユニシスのエンター 10:00∼12:00、13:00∼17:00 Unisys e-@ction Enterprise Server ES7000 http://www.unisys.co.jp/CRM/ Webアプリケーションをプログラミン グレスで実現する「REVI Lite」販売開始 日本ユニシスは、データと連携した グラフ、ビジュアル図形を表示するこ とによるダイナミックでかつ表現力豊 平成12年度ユニシス研究会春季全国大会 かなWebアプリケーションを、専門的 な知識を必要とすることなく、かつ短 6月6日(火)・7日(水) 明治記念館で開催 時間で作成できるソフトウェア・ツール ユニシス研究会は、「平成12年度ユ 館(東京・信濃町)で開催する。会員以外 参加申し込み、問い合わせは、ユニ ニシス研究会春季全国大会」を、来る の参加も自由で、参加費は21,000円 シス研究会事務局へ 6月6日(火)・7日(水)の両日、明治記念 (1企業あたり。複数名の参加可)。 TEL:(03)5546-7366 「REVI Lite」は、次の2つのモジュー http://www.yuni-ken.gr.jp/ 平成12年度ユニシス研究会春季全国大会プログラム 6月6日(火) 区 分 総会 記念講演 優秀論文 発表 時 刻 14:00 ∼ 16:30 16:45 ∼ 17:45 17:50∼ ・標準GUI部品:ボタンやテキスト・フ ィールドなどの一般的なGUI部品 ・汎用図形ライブラリ:基本図形部品 [1]『金型構造部ソリッドデー [2]「メインフレーム型大規 [3]「情報技術向上のために [4]「ダイハツ全販売会社へ タ』有 効 活 用 の た め の 模システム運用管理の最 −パソコン教育の現場か のシステム導入を終えて 『新プロセス』構築−多 適化と分散運用管理の統 らの報告」 −小規模販売会社への導 くのユーザーに対応でき 合」 入展開」 る『金型メーカー』とし 中部電力(株) 栗林 修氏 ての」 (株)ニコン 渡辺 富士夫氏 ダイハツ工業(株) 武富 重芳氏 10:00 ∼ 11:15 ∼ 12:15 [1]「日本ユニシスのASP戦 [2]「Windows Data Center 略と動向−asaban.com のリーダーを目指して」 を中心として」 日本ユニシス(株) 堀田 和雄 13:15 ∼ 14:15 14:30 ∼ 16:00 丸宇木材市売(株) 佐々木 貴志氏 [1]2200&IXシリーズ分科 [2]LINC/MAPPER分科会 会専門部会第1グループ <LINC専門部会> 「データウェアハウスの 「LINC-DAⅢとLINC for WindowsNT の研究−LINCⅡシステムからの移行と 構築と経営支援を目指し LINC−DAⅢ」での開発効率の検証」 た活用」 ミヨタ(株) 別府 俊克氏 ほか (2)クライアント・パソコン上でREVI (株)トキメック情報システムズ 倉元 義紀氏 [1]「私の野球人生」 プロ野球解説者 吉村 「REVI Lite」の販売価格は、開発環 [3]「企業を進化させる戦略 的アウトソーシング」 境が4万9,800円(1ユーザ)、ランタ イム環境が5,000円(1クライアント)。 日本ユニシス(株) 田崎 稔 直接販売のほか広く代理店販売も計画 [3]生産システム分科会専 [4] 教育分科会専門部会 「ナレッジ・マネジメント 門部会 構築における運用上の課 「APS(Advanced 題と解決の方向」 Planning Scheduling)適 用の研究」 松下電工インフォメーションシ ステムズ(株) 刀根 佳久氏 http://www.unisys.co.jp/REVI/ 新刊紹介 −データベースの作成と操作』 著者:日本ユニシス eNTEC 編 発行所:技術評論社 価格:2,480円 本書は、初めてSQL Server 7.0を 使用して開発される方に対し、インス 中部電力(株) 湊 秀之氏 (株)トキメック情報システムズ 白石 博文氏 トールとデータベースの構築から、 Visual BasicおよびAccess 2000 [2]「音楽と遊ぼう」 禎章氏 している。 『SQL Server 7.0基礎テキスト 日本フィッツ(株) 河久保 修氏 [3]Java適用研究専門部会 [4]会員事例 「Java適用ガイドライン 「メインフレーム資産を の研究」 生かしたオープンシステ ムの構築−レガシーラッ ピングによる業務システ ムの再構築」 <MAPPER専門部会> 「WebシステムにおけるEメー 昭和飛行機工業(株) 生井 清人氏 ル活用方法の研究」 東京電力(株) 野村 武司氏 特別講演 日本ユニシス(株) 武井 芳隆 [1]2200&IXシリーズ分科 [2]A&NXシリーズ分科会 会専門部会第8グループ 専門部会第2グループ 「システム構築における 「最新のEDI技術動向∼基 J a v a の適用について− 幹連携、インターネット Javaの特徴を生かしたシ EDIで広がる分野−XMLを ステム構築とは」 使用したEDIの可能性」 ダイハツ工業(株) 江口 健一氏 (株)椿本チエイン 舟瀬 亘泰氏 分科会 会員事例 発表 ・GUI部品とデータのリンク機能 「ランタイム環境」 11:00 分科会 発表 とグラフ・スプレッドシート アプリケーションを実行するための フォーラム(会員相互の情報交換の場) 6月7日(水) 日本ユニシス 技術講演 (1)アプリケーション作成ツール ・GUIドローツール 総会 記念講演:「グローバリゼーションと情報革命」 三和総合研究所 理事長 中谷 巌氏 (株)シーティーアイ 堤 篤史氏 ルから構成されている。 「REVIデザイナ」 内 容 (株)オギハラ 増田 明氏 「REVI Lite」の販売を開始した。 コンサートプランナー 頼近 美津子氏 アプリケーション構築方法までの一連 の流れを解説している。 15 *キャロット事業部∼U-net間 流通ソリューション UISの提供するI/Eネットでは、接 続時CHAP(PPP:ポイント・ツー・ポイ ント・プロトコルの認証用プロトコル) によるユーザ認証を行い、安全なデー タ経路を提供している。また、データ 「Web/EDIシステム」の運用を開始 交換には全銀TCP/IPを使用し、デー タの正当性を保証している。 取引先との商品情報交換をWebで実現 *U-net∼取引先 通販用チラシ“キャロット” 通信コストを60%以上削減 日本生活協同組合連合会 キャロット事業部 日本生活協同組合連合会 キャロット事業部は、取引先との企画商品情報 交換のために、これまでのFAX通信に換えてインターネットを介した 「Web/EDI(電子データ交換)システム」を構築、本年2月からのテスト運用を 経て、5月から本格稼働を開始する。 を享受できる点を挙げている。 による認証を行い、またデータのやり Web/EDIシステムは、キャロット とりではWebサーバ∼ブラウザ間で 事業部のパソコン群∼I/Eネット∼ユ SSLを使用しデータの暗号化を図って ニシス・アウトソーシング・センタ(EDI いる。 サーバ/Webサーバ)∼インターネッ *不正侵入 ト∼200数十社の取引先パソコン(ブラ Webサーバはセキュリティ管理の行 ウザ)とを接続したネットワーク構成 き届いたセンター内に設置され、セキュ (図) リティホールに対する迅速な対応がで キャロット事業部からの取引先向け ト60%以上の削減が期待できるとしている。 ■日本生活協同組合連合会 http://www.co-op.or.jp/jccu/ ◆生活協同組合(生協)の全国連合会で、 全国各地にある地域生協、職域生協、 学校生協、大学生協、医療生協など生 活に密着したさまざまなフィールドで 活動している生協が会員となってい る。キャロット事業部は、会員生協の 協同購入システムの中に連合会直営の 差込みチラシを入れ、班別セットなど セスした際に、ユーザID/パスワード になっている。 新システムにより、情報伝達の迅速化、確実性を図るとともに、通信コス ホームページ(EDIのページ)にアク の運用技術により、安定したサービス の物流サービスを含む事業を展開して いる。 ◆本部=東京都渋谷区渋谷3-29-8 ◆代表者=竹本 成A会長理事 ◆会員数=650生協(組合員約2,000万人) ◆事業高=2,800億円 ◆役職員数=900人 きる運用管理が行われている。また、 データをユニシス・アウトソーシング・ ネットワークへはDMZ(非武装地帯)に センタに転送し、必要なアプリケーシ 設置され、ファイアウォールでアプリ ョン処理を行った後、取引先に配信し、 ケーションを制限することにより不正 また取引先からのデータをキャロット 侵入を防止している。 事業部に配信管理する。 *ログ分析 ユニシス・アウトソーシング・センタ ユニシス・アウトソーシング・センタで は、①キャロット事業部から取引先へ 日々ログ分析を行い、より安全で快適 の連絡事項を掲示する掲示板機能、② なネットワーク環境を提供している。 取引先単位に振り分ける機能、③取引 通信コストを劇的に削減、 業務効率も向上 先からのデータを集約する機能、④ ステム」に切り替えることとした。 データをフォーマット表示する機能、 「U-netオープンEDIサービス」の 導入で、低コストでEDIを実現 ⑤データのダウンロード/アップロー 導入効果として、Webによるデータ ド機能、⑥データを編集後リプライす 交換に置き換えることで、紙資源の消 る機能、さらに⑦これらのデータに関 費を抑えるだけでなく、業務の生産性 ロイド版:写真)。現在この事業の利 Web/EDIシステムは、日本ユニシ する集配信管理機能などを提供する。 が飛躍的に向上し、取引先を含めた業 用会員生協は約60会員(生協)、組合員 ス情報システム(UIS)が提供する「U-net こうした機能により、取引先はPC 約216万人、年間購買額は約260億円に オープンEDIサービス」を導入して構 が1台あれば、特定のプライベート・ 特に通信コストの削減効果は、従来 のぼっている。 築された。 家庭用品中心の通信販売を展開 キャロット事業部の展開する差込み チラシの愛称は“キャロット”(タブ 務効率が改善されるとしている。 ネットワークへの接続が不要で、社会 に比べて60%超の削減をもたらすもの チラシは24頁/16頁/8頁建ての3 このサービスは、インターネットに 的インフラであるインターネットへ接 と試算している。 種・13パターンがあり、毎週発行され 代表されるオープン・ネットワーク技 続するだけでシステム利用が可能とな ている。取扱商品は家庭用品が中心で、 術に対応した企業間・組織間のデータ る。 1回当たりの商品数は、350アイテム 交換サービスで、広く普及しているイ (24頁)/250アイテム(16頁)/130アイ ンターネットを活用することにより、 ブラウザのみで完結し、特定のアプリ テム(8頁)である。 低コストで安全なEDIを実現できる。 ケーション構築の必要がない。 商品企画は約6カ月先までの企画を 今回のシステムでは、高速・大量の 立案する。企画決定後、取引先への発 データ交換に対応するため、IPプロト 注数量、商品情報(スペックなど)、サ コルを利用したセキュアなネットワー ンプル商品、ポジフィルム、入庫2週 ク網(UISのI/Eネット)およびWeb/ 間前の在庫点検などの依頼/回答、さ EDIサービスを らに商品差し替えや価格変更など、複 採用している。 数回の情報のやりとりが発生する。こ パートナーに うしたやりとりが毎週の企画商品ごと UISを選定した に、200数十社の取引先との間で行わ 理由として同事 れる。 業部は、最新技 従来は、これらの情報のやりとりを 術を取り入れた FAXで行っていたため(月間約1万枚)、 セキュアなプラ 通信コストがかさむという問題を抱え イベートなネッ ていた。 トワーク・サー そこで、通信コストの削減を第一の ビスと、長年培 目的に、取引先とのデータ交換を紙媒 ってきた高品質 体に換えてWebで行う「Web/EDIシ なEDIサービス このほか、 *情報伝達の迅速性、確実性の向上 また、クライアント・ソフトがWeb *データ・ハンドリングの容易性 *データ・ダウンロードによる取引先 での情報再利用促進 *SCM(サプライチェーン・マネジメント)、 万全なセキュリティ対策 勘定系システムも含めた将来の情報 セキュリティについては、次のよう な配慮を講じている。 ネットワークに向けた基盤構築 などの効果を期待している。 UN Web/EDIシステム概要図 ユニシス・アウトソーシング・センタ 日本生活協同組合連合会 キャロット事業部 EDIサーバ 企画内定案内と 原稿ポジ送付のお願い 企画予定情報 「商品会議」用商品 送付のお願い 色校正照合点検用商品 送付のお願い 企画内容変更情報 完成報告作成資料 全銀 TCP/IP DC納入2週間前在庫 確認報告書 Webサーバ 運用管理機能 ・自動運用・パスワード管理 ・データ管理 ・顧客管理・集配信管理 I/E ネット サービス 集 配 信 機 能 振分 機能 掲示板機能 フォー マット ダウンロード機能 機能 ファイル削除機能 取引先 ブ ラ ウ ザ インターネット U-netSURF リプライ機能 集約機能 アップロード機能 アップロード履歴照会 ⋮ アバウト数−在庫確認書 発行 日本ユニシス株式会社 広報部 広報室 〒135-8560 東京都江東区豊洲1-1-1 (03)5546-4111 発行人 山下 宗久 編集人 武井 浩 制作 ピー・アールセブン 発行日 2000年5月1日 ISSN 0915-051X 16 2000年5月1日 第469号 *社外からの寄稿や発言内容は、必ずしも弊社の見解を表明しているわけではありません。*本紙記載の社名、製品名、およびシステム名は各社の登録商標または商標です。 *掲載記事の無断転載を禁じます。
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