血液・リウマチ膠原病科 - 金沢医科大学

血液・リウマチ膠原病科
科長のメッセージ
金沢医科大学は学生教育だけではなく、医師の育成にも力を入れており、大切に育ててもらえます。リウマチ膠原病は原因が分か
らず専門医も少なく、多くの患者が困っています。しかし、新たな治療法の出現で、不治の病ではなくなっており、ホットな領域
であるといえます。患者さんに親身になって難病に立ち向うドクターが求められており、厳しいがやりがいのある分野だと思います。
科長
梅原 久範
教授
(うめはら ひさのり)
専門分野
臨床免疫学、血液内科学
得意な分野
シェーグレン症候群の診断と治療
リウマチ膠原病の最新治療
職歴
大阪歯科大学内科学講座助手( 1992 )、大阪歯科大学内科学
講 座 講 師( 1997 )、 大 阪 歯 科 大 学 内 科 学 講 座 大 学 院 助 教 授
( 1998 )、京都大学医学研究科内科学講座臨床免疫学助教授
( 2001 )、金沢医科大学血液免疫制御学講座教授( 2004 )
主な所属学会
日本免疫学会、日本炎症・再生医学会、日本内科学会北陸地方会、
中部リウマチ学会、日本リウマチ学会
専門医資格等
日本リウマチ学会(認定医・指導医・評議員)、日本内科学会(評
議員)
、中部リウマチ学会理事、シェーグレン学会理事
研究課題
細胞膜スフィンゴミエリン/リピッドラフト制御による自己免疫
疾患の制御および新たな免疫抑制剤の開発
IgG4関連疾患の確立
研究の概要
リウマチ膠原病の病因の解明
新規疾患概念、IgG4関連疾患の確立に向けて厚生労働省研究班
の班長を務めている。
概要
血液疾患と自己免疫疾患・膠原病を担当。血液疾患としては白血病、悪性リンパ腫、骨髄腫などの血液
悪性疾患が多くを占めている。これらの疾患の診断・治療法の進歩は著しく、寛解率や治癒率が高まり、
難治例においても病気と共存を図る治療が可能となっている。当科では従来の化学療法に加え、造血幹細
胞移植、分子標的療法等を駆使して成績を向上させている。今後はさらに遺伝子治療、細胞療法、再生医
療等新しい治療法にも関わる予定である。一方、自己免疫疾患・膠原病としては全身性エリテマトーデス、
関節リウマチ、シェーグレン症候群、血管炎症候群などが中心となり、これらの疾患は多臓器の病変を伴
うため患者をトータルに診る必要性がある。また、
「膠原病友の会」も積極的にサポートしている。
特徴・特色
リンパ増殖性疾患研究会、北陸臨床免疫研究会を主催し北陸三県の医師と活発な討論を行っている。国
際シェーグレン協力連盟( SICCA )の日本代表である。院内では、リンパ腫コントロールチーム( LCT )
を創設し運営している。北陸3県の「膠原病患者支援ネットワーク」の事務局である。金沢からの研究の
発信をモットーに、全国から最先端の研究者を招き、
「血液免疫ネットワークin金沢」を開催している。
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指導担当医
福島 俊洋 (ふくしま としひろ)
正木 康史 (まさき やすふみ)
田中 真生 (たなか まさお)
准教授
准教授
准教授
専門分野
血液学、臨床薬理学
学会活動
日本内科学会(認定内科医、内科指導医)
、日本
血液学会(代議員、血液専門医、血液指導医)
、
日本臨床薬理学会(評議員、専門医、指導医)
、
臨床腫瘍学会、日本化学療法学会(抗菌化学療
法認定医)
、日本臨床免疫学会、日本リウマチ
学会、日本癌学会、日本癌治療学会
得意な分野
白血病、多発性骨髄腫、貧血、感染症
専門分野
血液学、リウマチ膠原病
学会活動
、
日本内科学会(認定内科医、総合内科専門医)
日本輸血細胞治療学会(認定医)
、日本血液学会
(専門医、代議員)
、臨床腫瘍学会、日本リウマ
チ学会、造血細胞移植学会、中部リウマチ学会、
日本シェーグレン症候群学会理事
得意な分野
血液疾患、特に悪性リンパ腫、シェーグレン
症候群、IgG4関連疾患
専門分野
免疫学、リウマチ膠原病
学会活動
、日
日本内科学会(認定内科医、内科指導医)
本リウマチ学会(評議員、専門医、指導医)
、
日本臨床免疫学会、日本免疫学会、中部リウ
マチ学会、アメリカリウマチ学会
得意な分野
免疫膠原病一般
藤田 義正 (ふじた よしまさ)
澤木 俊興 (さわき としおき)
坂井 知之 (さかい ともゆき)
講師
助教
助教
専門分野
免疫学、リウマチ膠原病
学会活動
、
日本内科学会(認定内科医、総合内科専門医)
日本リウマチ学会(専門医、指導医)、日本免
疫学会、日本臨床免疫学会
得意な分野
免疫膠原病一般
専門分野
血液学、リウマチ膠原病
学会活動
日本内科学会(認定内科医)、日本血液学会、
日本リウマチ学会(専門医)
、日本シェーグレ
ン症候群学会、中部リウマチ学会
得意な分野
血液、免疫疾患一般
専門分野
血液学、リウマチ膠原病
学会活動
、日本血液学会
日本内科学会(認定内科医)
(専門医)
、日本臨床免疫学会、日本免疫学会、
日本リウマチ学会
得意な分野
血液、免疫疾患一般
プログラムの目的
金沢医科大学病院血液・リウマチ膠原病科後期臨床研修プ
ログラムは、初期研修を終え、内科医としての基本的知識お
よび技術を習得した医師を対象として、さらに内科専門医、
血液専門医、リウマチ専門医の養成を目的としたものである。
血液疾患はその治療過程において全身化学療法や造血幹細
胞移植など強力な治療が行われる事が多く、原疾患のみなら
ず治療の副作用として全身的に様々な合併症を併発する。ま
た、リウマチ膠原病では、全身性の各種症状を呈する。従っ
て、血液疾患/リウマチ膠原病を診療するためには、専門分
骨髄移植のための骨髄採取術
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野の知識のみならず、全身を診れる内科医としての力量が要
第3年次
求される。
血液疾患およびリウマチ性疾患の病態を理解し、専門医の
血液学およびリウマチ学はそれぞれ独立した学問と認識さ
指導の下に高度な診断・治療ができる。ステロイドパルス療
れており、内科学のなかでも高度の専門性を要求される分野
法、生物学的製剤の使い方、血液浄化療法(血漿交換療法、
である。プログラム終了時点においてより内科専門医のみな
白血球除去療法)および造血幹細胞移植療法の習得。血液腫
らず、血液専門医およびリウマチ専門医取得が可能となるよ
瘍以外の臨床腫瘍学への入門。
う策定されており、この両方の専門分野を習得できる事が、
最大の特長である。研究面においても、血液学あるいはリウ
プログラム修了後のコース
マチ学のいずれも選択することが可能であり、また両方の分
野の境界領域について研究を進めることもできる。
大学にて研究、教育、診療を行う、海外留学する、一般病
院勤務医となる、開業するなど個々のライフプランにより決
期間割(後期臨床研修開始後)
第1年次
金沢医科大学病院血液・リウマチ膠原病科にて、内科学一
定できる。
取得できる認定医、専門医(必要な期間)
資格と、その取得にかかわる概要
般および臨床血液学およびリウマチ学の研修を行う。
金沢医科大学は、日本血液学会および日本リウマチ学会と
第2年次
もに認定研修施設となっており、両学会の専門医を取得する
金沢医科大学病院血液・リウマチ膠原病科にて、内科学一
ことが可能である。
般および臨床血液学およびリウマチ学の研修を行う。
血液専門医
第3年次
日本内科学会認定医であり、認定研修施設にて臨床血液学
金沢医科大学病院血液・リウマチ膠原病科にて、内科学一
の研修を3年以上行うこと、申請時に継続して3年以上日本
般および臨床血液学およびリウマチ学の研修を行う。
血液学会の会員であること、臨床血液学に関連した学会発表
または論文(筆頭者)が2つ以上あること、入院患者10例
研修内容と到達目標
の診療実績記録を提出すること、研修記録の提出のいずれも
満たすことが専門医試験の受験資格となる。
第1年次
①血液科およびリウマチ科指導医による基礎知識の講義。
リウマチ専門医
血液および免疫臓器、主要症候、検査、X線診断学、治療
申請時において引き続き5年以上日本リウマチ学会の会員
総論、輸血療法、移植治療、血液浄化療法。
であること、認定教育施設において通算5年以上のリウマチ
②血液科およびリウマチ科主要疾患の理解とその診断、治療
学の研修を行ったこと、日本リウマチ学会専門医資格維持施
手技。
行細則による単位30単位以上を取得していることが専門医
貧血、白血病、悪性リンパ腫、骨髄増殖性疾患、蛋白異常症、
資格認定試験の受験資格となる。
出血血栓性疾患、感染症膠原病(関節リウマチ、SLEなど)
、
膠原病類縁疾患(シェーグレン症候群、ベーチェット病など)
。
第2年次
血液疾患およびリウマチ性疾患の病態を理解し、専門医の
指導の下に一般的な診断・治療ができる。末梢血血液像およ
び骨髄像の読み方、自己抗体の測定法、意義の習得。抗腫瘍
剤、ステロイド剤、免疫抑制剤の使い方、輸血療法の習得。
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取得可能な認定医・専門医および指導医
日本内科学会認定医
3年以上
日本内科学会総合内科専門医
6年以上
日本血液学会専門医
6年以上
日本リウマチ学会専門医
5年以上
・新規c-myc関連B細胞株における各種癌遺伝子の発現解析
大学院進学と研究内容、概要、学位取得後
の道すじ
・ヒト口唇小唾液腺由来の組織幹細胞の同定作成
学位取得後は当科において引き続き研究の発展を目指す、
当科では初期臨床研修終了直後に大学院に入学することが
あるいは臨床能力の向上をはかる、市中病院にて臨床を発展
可能である。研究テーマは指導医の専門分野から選択するこ
させる、研究のため国内あるいは海外留学に赴くなどの選択
とになるが、現在のテーマとしては以下があげられる。
肢がある。
・炎症過程および血管傷害におけるフラクタルカイン(接着
他科研修、他教室での研究、留学の可能性
性ケモカイン)の機能解析
・リピッドラフト(細胞膜脂質ドメイン)を介したT細胞活
性化メカニズムの解析a
大学院生は必要に応じて学内の他の教室での研究遂行が可
・Fas誘導アポトーシスにおける細胞膜スフィンゴミエリン
の機能解析
能である。最近では、ゲノム医科学、生態情報薬理学などと
の共同研究の実績がある。海外留学は博士号取得後が望まし
・ナチュラルキラー( NK )細胞の抗腫瘍殺傷メカニズムの
解析
いが、取得前でも可能である。留学先は研究テーマに応じて
選 択 が 可 能 で あ り、 最 近 で は 米 国NIH、Albert Einstein
・全身性エリテマトーデス( SLE )における免疫異常とリ
College、UCLA、Scripps研究所などの実績がある。
ピッドラフト発現との関連
・リンパ増殖性疾患におけるEBVの関与
・リンパ増殖性疾患と癌遺伝子
・造血器腫瘍細胞における細胞骨格阻害剤のアポトーシスに
活躍する先輩達
及ぼす影響、造血器腫瘍細胞の超微形態
・シェーグレン症候群の唾液腺組織障害の分子機構の解析
佐藤 智美(さとう ともみ)
・シェーグレン症候群国際研究ネットワーク( SICCA )
血液免疫内科学 大学院生
代表所属学会
日本血液学会、日本リウマチ学会
得意な分野
血液疾患、膠原病
コメント
血免内科では多彩な疾患を扱って
おり、急性期からターミナルまで
幅広く学ぶことができます。当科
全体で若手を育てる気風が確立し
ており充実した初期研修には最適
の環境と思います。
・造血器悪性腫瘍の化学療法
・抗腫瘍剤、特にanthracycline系抗腫瘍剤の作用機序の研
究
・抗腫瘍剤に対する耐性獲得機序の研究
・IgG4関 連 疾 患(IgG4-MOLPS)/Mikulicz病 の 新 疾 患 単
位の確立(多施設共同研究)
・リンパ増殖疾患におけるB/Tクロナリティ解析
週間スケジュール
午 前
午 後
月
症例検討会
火
病棟研修
水
病棟研修
外来研修
木
症例検討会・抄読会・医局会
総回診・レクチャー
金
研修医カンファレンス
土
病棟研修
研修医カンファレンス
(月1回:血液腫瘍カンファレンス)
研究カンファレンス
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