耳鼻咽喉科 - 金沢医科大学

耳鼻咽喉科
科長のメッセージ
ポリシーは患者さんの病気を治すのではなく、患者さんを治すこと。そのような気持ちをもった
医師を目指して欲しいです。また、五感に関連する分野を専門にしている者として、皆さんには
感性を大切にして欲しいと思っています。
耳鼻咽喉科・頭頸部甲状腺センター長
科長
三輪 高喜
教授
(みわ たかき)
◦専門分野
専門分野:耳鼻咽喉科、頭頸部外科学
◦得意な分野
嗅覚を専門にしており、全国的にもめずらしい嗅覚・味覚外来を
開いている。また国民の40%とも言われるアレルギー性鼻炎の
予防と、薬、手術、免疫療法を組み合わせた治療を行っている。
◦職歴
高岡市民病院医長(1989)、金沢大学医学部助手(1990)、金沢
大学医学部講師(1993)、金沢大学医学部助教授(1997)、金沢
医科大学感覚機能病態学(耳鼻咽喉・頭頸科)部門教授(2009)
◦主な所属学会
日本耳鼻咽喉科学会(代議員)、日本鼻科学会(理事、代議員)、日本
気管食道科学会(評議員)、日本アレルギー学会(代議員)、日本味と
匂学会、日本耳科学会、日本聴覚医学会、日本口腔咽頭科学会、日本
喉頭科学会、日本頭頸部癌学会、日本頭頸部外科学会
◦専門医資格等
日本耳鼻咽喉科学会専門医、日本耳鼻咽喉科学会補聴器相談医、日本ア
レルギー学会指導医、日本気管食道科学会専門医、日本がん治療認定医
◦研究課題
嗅覚障害診断に関する研究(MEG、オルファクトシンチグラムを用いた他覚
的評価法の開発、誰でもどこでもできる簡便な嗅覚識別検査法の開発と応用)
花粉症対策のための、花粉飛散予測ならびに飛散状況観測
◦研究の概要
嗅覚障害、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎など鼻副鼻腔の疾患に対して新たな
診断法と治療法の開発を目指す。
概要
耳鼻咽喉科の扱う領域は頸部から上に集中しており、狭い範囲に様々な異なる機能を持つ臓器が集まっている。聴覚、嗅覚、味覚、平衡覚、
知覚、温度覚などの感覚機能、呼吸、嚥下、発声などの運動機能を扱うとともに、顔という人として欠かせない領域も扱う。疾患としては、
感染性疾患、アレルギー疾患、外傷性疾患、腫瘍性疾患、先天性疾患ならびに加齢に伴う病態が代表的であり、しばしば様々な機能障害、
運動障害、形態異常をきたし、生命を脅かしたり、生活の質(QOL)を低下させたりする。当科では病気を治癒させるだけではなく、患
者自身の満足度を高めるための医療を展開している。頭頸部甲状腺外科とともに耳鼻咽喉・頭頸部センターを形成し、常に同一フロアー
で協同して診療を行っている。
研修の目標は、あらゆる耳鼻咽喉科疾患に対して幅広い知識を持つとともに、適切な対応をするための技術を身につけることであるが、
それと同時に患者のみならずすべての医療スタッフとも良好な人間関係を築ける、人間力のある医師の育成にも重きを置いている。
特徴・特色
幅広いサブスペシャリティーに対して、それぞれのスペシャリストが専門外来を持ち対応している。特に嗅覚、味覚外来は全国的に
も希少であり、国内各地から患者が集まっている。診断の確実性と治療の安全性を高めるため、内視鏡技術やナビゲーションシステム
を先駆的に幅広く導入するとともに、遠隔指導システムを用いた医療技術教育にも力を注いでいる。外来スペースは医師、看護師、言
語聴覚士、検査技師が相互にかかわりやすい環境になっており、幼少児の難聴、言語発達遅滞、嚥下障害にも多方面からのアプローチ
が容易になされるようになっている。
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指導担当医
鈴鹿 有子 (すずか ゆうこ)
志賀 英明 (しが ひであき)
山田 奏子 (やまだ かなこ)
◦専門分野
難聴、めまい、音声障害
◦学会活動
騒音性難聴担当医、日本耳鼻咽喉科学会専門
医、補聴器認定医
◦得意な分野
聴性誘発脳磁
◦専門分野
鼻科学、耳科学
◦学会活動
日本耳鼻咽喉科学会専門医
◦得意な分野
嗅覚障害、鼻副鼻腔炎、中耳炎
◦専門分野
鼻科学、耳科学
◦学会活動
日本耳鼻咽喉科学会専門医
◦得意な分野
鼻副鼻腔内視鏡手術
教授
准教授
助教(学内講師)
教育関連施設
病院名
浅
ノ
川
総
所在地
合
病
規模
指導者
院
金沢市
500床
宮澤 徹
能
登
総
合
病
院
七尾市
434床
坂本 守
加
賀
市
民
病
院
加賀市
230床
高山 章
穴
水
総
合
病
院
穴水町
177床
丸山 晃弘
南
砺
市
民
病
院
南砺市
180床
公
立
羽
咋
病
院
羽咋市
190床
プログラムの目的
期間割(後期臨床研修開始後)
耳鼻咽喉科は、耳、鼻、口腔、咽頭、喉頭、気管・気管支・
4年間の中で、「耳鼻科総合診療医」とともに外来におけ
食道、顎・顔面、およびそれらの中枢神経の領域の疾患を扱
るすべての診療項目をマスターする。
う。基本的に感染症、アレルギー疾患を中心としたプライマ
リーケアーが主体で、さらに専門頒域として感覚機能異常、
第1年次
腫瘍、外傷などの治療にあたる。
耳鼻咽喉・頭頸科領域の外来患者診療ができる基木的な知
私共は、2段階方式の診療体制をとっている。一般外来を
識と技術の習得。具体的に、主訴、現病歴に応じて適切な問
中心とした「耳鼻科総合診療医」と入院、手術までを担当す
診ができ、コミュニケーション能カを身につけ、問診の結果
る「耳鼻科専門診療医」の二つに分けられるが、自分に適し
から疾患群の想定ができる。鑑別に要する検査法の体系化が
た研修目標を立て、効率的な研修を行う。将来、開業医にな
できる。患者に適切な説明ができ、インフォームド・コンセ
るのか、勤務医になるのかで、各コースを選ぶことができる。
ントを得ることができる。検査を指示し、必要に応じて自ら
実施し、結果を判定評価することができる。
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第3年次・4年次
外来患者の総合的な診断、治療指針が示せ、適切な治療が
気管・食道科
専門医
口腔・咽頭科
専門医
鼻科専門医
ち、外来処置、小手術ならびに、局所管理を適切に実施できる。
耳鼻咽喉科の診療・研修体制
耳科専門医
耳鼻咽喉・頭頸科領域疾患についての外来診療能力を持
頭頸部外科
専門医
第2年次
耳鼻科総合診療医
(後期研修医、4年間)
指導医のもとに行える。
「耳鼻科専門診療医」への引継ぎとその判断ができる。
関連施設においても基本的な診療が行える知識と経験を身
初期研修医
につける。
研修内容と到達目標
出血、異物症、めまい、突発性難聴、外傷、意識障害、ショッ
ク、呼吸困難の診療ができる。
第1年次
外来主治医としての基本能力の習得。
プログラム修了後のコース
基本的疾患の診断、治療、プライマリーケアーの習得。
診療機器の取り扱い、薬剤の適正な使用および取り扱いが
自分が将来「耳鼻科総合診療医」をめざすか、
「耳鼻科専
できる。
門診療医」をめざすかを選択する。前者は、将来開業を目的
保険診療、DPC、点数などの知識の習得。
とする医師のための、後者は勤務医で、専門的・先進的医療
医療事故および事故後の対処、院内感染の対策などができ
を望む医師のコースである。
る。
5年目に専門医受験資格が得られる。
外来で可能な救急処置ができ、診療に伴う偶発症に対処で
国内(国立ガンセンター他)、海外留学(バージニア州立大
きる。
学他)。
具体的に出血、異物症、めまい、突発性難聴、外傷、意識
後期研修中でも大学院コースヘ進み学位取得ができる。
障害、ショック、呼吸困難、嚥下困難の診療ができる。
第2年次
取得できる認定医、専門医(必要な期間)
資格と、その取得にかかわる概要
自ら実施できると設定されている外来手術について、患者
の術前・術後の管理が適切に行える。それ以上のレベルの手
日本耳鼻咽喉科学会認定専門医 4年以上
術については指導医の監督のもとに実施できる。
認定および登録:
非手術患者については専門的治療に対して主体性を持って
・初期臨床研修終了後4年以上の専門領域研修(内、3年以上
施行し、その効果につき正しく評価できる。
は耳鼻咽喉科専門医研修施設における研修)を終了した者。
検査については必要に応じて適宜選択し、検査の項目に
従って実施し、診断ならびに治療計画立案に役立てることが
日本気管食道科学会認定専門医 5年以上
できる。
・学会入会後、専門医試験の受験。
救急医療を要する疾患の初期診断が独立して、あるいは他
頭頸部癌専門医としてのサブスペシャリティーも将来取得
科医と連携してできる。
嚥下、言語、音声のリハビリテーションに参加する。
可能。
日本アレルギー学会専門医 6年以上
頭頸部がん専門医 6年以上
第3年次・4年次
専門領域の疾患の診断、治療指針が示せ、指導医のもとに
基本的な手術が行える。また「専門診療医」への確実な引継
ぎができる。
取得可能な認定医・専門医および指導医
日本耳鼻咽喉科学会認定専門医
4年以上
日本気管食道科学会認定専門医
5年以上
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日本アレルギー学会認定専門医
6年以上
頭頸部がん専門医
6年以上
活躍する先輩達
木下 裕子(きのしたゆうこ)
耳鼻咽喉科 助教
大学院進学と研究内容、概要、学位取得後
の道すじ
◦代表所属学会
日本耳鼻咽喉科学会
◦得意な分野
耳鼻科一般
◦コメント
赤ちゃんからお年寄りまで幅広い
人を対象に、診断から治療までに
携われ、内科的・外科的要素を合
わせ持つやりがいたっぷりな科で
す★
後期研修中でも大学院進学は可能。
研究テーマは、臨床研究を主体とする。また海外留学にて
学位取得も可能。基礎研究も可能。
学位取得後は、講師への昇進可能。
能田 拓也(のだたくや)
他科研修、他教室での研究、留学の可能性
耳鼻咽喉科 医員
◦代表所属学会
日本耳鼻咽喉科学会
◦得意な分野
耳鼻科一般
◦コメント
耳、鼻、喉とバリエーション豊か
な症例を診ることができ、外科的
要素も内科的要素もある可能性が
無限大の診療科です。
国内(国立ガンセンター、四国ガンセンター、宮城ガンセ
ンター等)、海外留学(バージニア州立大学(米国)
、ドレス
デン医科大学(ドイツ)他)での研修可能。
麻酔科、救急科、小児科などのローテーション。
他施設に無い特徴
山田 健太郎(やまだけんたろう)
嗅覚・味覚外来における、先進的な診断・治療システム。
耳鼻咽喉科 医員
最新鋭のハイブリッド式ナビゲーションシステムを用いた鼻
◦代表所属学会
日本耳鼻咽喉科学会
◦得意な分野
耳鼻科一般
◦コメント
QOLに直結する領域なので非常
にやりがいを感じています。また
若手も多く、とても楽しい診療科
です。
内視鏡手術。
週間スケジュール
午 前
午 後
月
外来研修
外来研修、手術研修、回診
火
外来研修
外来研修
水
外来研修
外来研修、検査、手術研修
木
外来研修
外来研修
金
外来研修
外来研修、音声言語リハビリ、手術研修
土
外来研修
症例検討会ほか
研究、内視鏡トレーニング
研究、(レクチャー)
3年間で、基本的に外来における全ての診療行為ができることを目標としている。また同時に基本的な手術手技も習得する。
最低週一回の院外診療を行う。
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