(株)藤井基礎設計事務所の CPD 制度 技術部 藤井俊逸

(株)藤井基礎設計事務所の CPD 制度
技術部 藤井俊逸
1
はじめに
技術者の継続教育の重要性が叫ばれている。技術士や一級施工管理技士などの資格取得後の技術
研鑽を行い、技術レベルの低下を防ぐ目的で行われていることが多い。Continuing Professional
Development を略して CPD 制度と呼ぶことが多い。
当社では、社内 CPD 制度を設け、社員の技術研鑽を図っている。ここでは、当社の社内 CPD 制度の
仕組みについて紹介する。
2
現在各機関で進められている CPD 制度の問題点
現在各機関で進められている CPD 制度の問題点を、以下に整理する。
①
②
資格維持のため、厳密な CPD ポイント制度となっており、次の問題がある。
a)
厳密さを求めるため、理解するのが困難
b)
入力が煩雑で記録が大変である。
講習会への参加が主体となっており、通常業務が忙しい人は、ポイントが上昇しない仕組みとなっ
ている。
③
3
これらの結果、本来の技術研鑽とは違う方向へ進んでいる。
藤井基礎設計事務所の CPD 制度
①
特徴
a)
意見書、提案書の作成をポイントに入れた
b)
社内勉強会参加をポイントに入れた
社内勉強会はあるテーマを決めて、業務外時間で有志が集まり、勉強会を行うものである。
最終的には、業務の開拓につなげようというものである。
c)
②
4
業務改善・プレゼンの工夫などをポイントに入れた。
具体例
a)
表1が、CPD ポイント点数、及び重み係数である。
b)
表2は、それに基づいて、ポイントを集計した例である。
おわりに
藤井基礎設計事務所の CPD 制度は、自己研鑽の記録と捉えている。自分で勉強になったことについ
ては、自分で得点を決めて、どんどんポイントを加算すればよい。1 年を通じて、自分がどんなふうに自
己研鑽をしたのかを振り返ることになり、また、新たな目標設定の資料となる。
各機関でおこなわれている CPD 制度はもちろん大事であるが、当社の自己研鑽の記録としての CPD
制度は、割と役に立つものになると感じている。
講習会・研修会等
講習会・研修会等
講師
夏季研修会
夏季研修会
社内勉強会・委員会
社内勉強会・委員会
業務改善
プレゼンの工夫
意見書提案
提案発表
表彰等の賞賛
自己研鑽
自己研鑽
項目
社内CPD
参加
発表 (1論文あたり)
参加
リーダー
1テーマあたり
業務等でプレゼン工夫した場合
1提案
提案をプレゼンした場合
1回につき
技術書の読書(1冊につき)
ボランティア活動参加
参加
発表(フォーラム・土木学会など)
内容
1
10
1
3
-
重み
課長は評価時にこの得点を確認する。
年間目標は50時間とする。
P
P
P
P
-
実時間
備考
表1 社内 CPD のポイントの付け方
1*P
5
10*P
5
5 共同執筆者は2点
1*P
3*P
3 大規模な改善は技師長判断(最大10点)
3
2
5
5
1
2
時間
内容がわかるものを後ろに添付し、ファイルに綴じる。
この表に従い、社内CPD記録に記録する。
NO
12
11
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
6
6
8
8
5
9
9
9
9
9
9
9
7
7
7
7
7
7
7
7
7
7
7
7
終了年月日
開始年月日
21
14
18
12
14
7
6
7
6
5
22
2
28
21
18
17
時
形態番号
講習会講師
委員会
学会参加
学会発表
学会参加
学会発表
委員会
提案
社内勉強会
提案
提案
提案
CPD名称
建設技術
センター
ネクスコ
土木学会
土木学会
全地連
全地連
三菱化学
藤井俊逸
宇都宮
藤井俊逸
藤井俊逸
藤井俊逸
主催者等
社内CPD記録 (H19.1~H19.12) 役職 氏名
土質試験の実際と適用
山陰道ネクスコ委員会へ
委員として参加
土木学会年次講演会
インターネット監視による
土工工事安全管理
技術フォーラム
技術フォーラム
インターネット安全管理発表
テンサー土のう理論工法検討委員会
花仙トンネルのび太計測提案プレゼン
土壌汚染研究会
山陰道宍道追加調査提案プレゼン
松江市宅地防災提案
片句深田トンネルのび太提案
CPDの内容
1.0
3.0
6.0
ー
5.0
ー
3.0
ー
1.0
ー
ー
ー
実時間
(1)
/ 頁)
10.0
1.0
1.0
ー
1.0
ー
3.0
ー
1.0
ー
ー
ー
10.0
3.0
6.0
5.0
5.0
5.0
9.0
5.0
1.0
5.0
5.0
5.0
重み係数 CPD時間
(2)
(1)×(2)
(
表2 社内 CPD の集計例
217.0
207.0
204.0
198.0
193.0
188.0
183.0
174.0
169.0
168.0
163.0
158.0
CPD時間
累計