VOL.. 17 NO. 9 CHEMOTHERAPY 1773 - 日本化学療法学会

VOL..17 NO. 9
CHEMOTHERAPY
1773
外 科 領 域 に お け るAminodeoxykanamycinの
治療 効 果
川 岸 弘 賢
永 松 正 宇
畑 埜 武 彦
松 永 征 一
山 村
西 村 完 生
土 井 康 生
越 宗正 晃
佐 藤 正 太
安 藤
山 田武 夫
武 田
山本 政 勝
晃
中 野 繁 則
平 野 洋 一
学 ・中 島 正 裕
惇
関西医大外科
(指導:山 本政勝教授)
は
じ
化学 療 法 は,過 去20年
め
ず つ で,投 与 期 間 は 症 例 に応 じて2∼21日
に
間 に及 ん だ。
効 果 の判 定 基 準 は 主 症 状 の 消 失 を もつ て有 効 と 判 定
余 りの 間 に 非 常 に 発 達 を と
し,症 状 不 変 の際 は 無 効 と判 定 した。
げ,現 在 ま で サル フ ァ剤 を 始 あ と して ペ ニシ リ ン,そ の
II.治
他種 々の 抗 生物 質 が 相 次 い で 登 場 し,各 種 感 染 症 に 対 し
その偉 力 を発 揮 して きた。 しか しな が ら,最 近 で は化 学
療法 の一 般 豹 な普 及 と抗 生 物 質 使 用 の濫 用 とに よつ て耐
1)創
療効果と症例
感染予防に対する効果
表1に 示 す と お り,す べ て 手 術 開 始 後3時 間 目か ら1
性菌 の 出現,菌 交 代 現 象 な ど とい つ た 多 くの 難 問題 が 出
H400mgず
て きてお り,化 学 療 法 もそ れ な りに 大 き く変貌 しつ つ あ
1例 で あ り,他 の抗 生 物 質 の効 果 と大 差 は な か つ た 。 さ
る。
つ を5日 間 投 与 した結 果,有 効3例,無
効
て 手 術創 の治 癒 過 程 の短 縮 をは か る適 格 な 策 が み られ な
さて最 近,新
抗 生 物 質 と し てNK1006物
amino-2'-deoxy-kanamycin(ア
質:2ノ ー
ミ ノデオ キ シ カナ マ イ シ
ン)が 登 場 し,各 種 の感 染 症 に 対 し有 効 率 の 高 い こ とが
報告 され るに 至 つ た。
、
ア ミノ デ オキ シ カナ マ イ シ ン(AKM)は
グ ラ ム陽 性,
陰性 を含 む広 範 囲 の 病 原 菌 に対 して強 い抗 菌 力 を示 し,
さ らに抗 菌 力の 点 で も従来 の持 続 的 サ ル フ ァ剤 や 抗 生 物
い 現段 階 で は,手 術 創 に対 す る感 染 予 防 的 見 地 か らの 化
学 療 法 の 重 要 性 は い うま で もない 。
す な わ ち,早 期 の創 傷 組 織 の病 態 生 理 過 程 を 障 害 す る
こ との な い よ う適切 な抗 生 物 質 の適 正 使 用 は 創 感 染 防 止
作 用 と相 まつ て,創 の 拡張 力 の増 加 を きた し創 の 第1期
癒 合 化 を図 る上 に 重 要 な 因 子 で あ る といわ れ て い る。
BURKEな
どDに よれ ぽ,こ の よ うな 目的 のた め に は 少
質 よ りもす ぐれ て お り,か つ耐 性菌 に 対 して も有 効 と い
な くと も術 開 始 直 後 か ら3時 間 以 内 に投 与 を開 始 す る こ
わ れ てい る。 わ れ わ れ の 教 室 に お い て も外科 領 域 に おけ
とが 望 ま し く,ま た 石 井 ら2)によれ ば,術
る各種 感 染症 に 対 し本 剤 を 使 用 した 結 果,多
の見 地 か らは 最 小 限5日 間 の 化学 療 法が 必 要 で あ る とい
くの有 効 症
例 を経 験 し得 た の で,以 下 に略 述 す る。
1.治
後創感染予防
わ れ てい る。
わ れ わ れ が 手 術 創 に 対 し,こ うい う見 地 か ら本 剤 のみ
験 対 象 お よ び方 法
を 単 独 使 用 した 経験 か らす る と,本 剤 の400mgi1日5
治 験対 象 と した 症 例は 当院 外 科 に 受 診 中 の 症 例 で ・2
日間 投 与 で他 剤 に 劣 らぬ 創 感 染 防 止 の 効 果 が 得 られ た。
2)外
例 を除 き全 例 入 院 患 者 で あ る。
これ らの患 者 に対 す る治 験 効 果 は つ ぎの 各 項 別 に 行 な
つた 。す なわ ち
科 的 感 染 症 に 対 す る効 果
表2に 示 す と お り,腹 膜 炎4例,腸
糸膿 瘍3例,肛
門 周 囲膿 瘍1例,肺
痩2例,術
後縫合
炎(乳 癌 再 発)1
(1)創 感 染 予 防 に 対 す る効 果
例,そ の 他2例 に対 す る本 剤 投 与 の効 果 は 著 効2例,有
②
効7例,無
外 科 的 感 染 症 に 対 す る効 二
果
(3)術 後 の尿 路 系 感 染 症 に 対 す る効 果
効3例,不
詳1例 で あ り,有 効 率は75%で
あ る。
の各 群 に 分 け て,お のお のの 症 例 を 検 討 し,つ い で,肝
そ の 中 で特 に 著効 を 示 した 例 に つ い て述 べ る と,
腎機 能 に 及 ぼす 影 響 郭 よび 副 作 用 な どに つ い て も検 討 し
症例10脇
た。
昭 和43年7月12日
患者 の年 令は8才 か ら63才
男12例,女11例
まで の23例
で,性 別 は
で あ る。 投 与 量 は200∼400mg/1日
6才
♀
穿孔性腹膜炎
突 然 心 窩 部 痛 お よび 回盲 部 痛 を 来
した の で,某 医 を 受 診 し,急 性 虫 垂 炎 の 診 断 の も とに 開
腹 術 を 受 け た 。 そ の 際 の 開 腹 時所 見 は 虫 垂 先 端 の 穿 孔 に
NOV.19691
CHEMOTHERAPY
!774
衷1創
氏
剣
年令
病
性
2,000mg
4eOmg/1曰
2,000mg
400mg/1日
2,000mg
科 的 感 染 症 に 対 す る効 果
1
26才
♀
穿 孔 性 腹 膜 炎(虫 垂 穿 孔)
400m.g/1臼
8,400mg(21日)
2
8才
♂
穿 孔 性 腹 膜炎(虫垂穿孔)
200mg/1臼
1,000mg(5日)
3
2]才
♂
急性 胃穿 孔性汎発性腹膜炎
200mg/1H
1,800mg(9日)
4
22才
♀
骨
400mg/lH
6,400mg(!6日)
5
32才
♂
腸
痩,回
盲
部 膿 瘍
400mg/1臼
4,400mg(ll日)
6
22才
δ
腸
痩,回
畜
部 膿
瘍
7
22才
♀
虫 垂 切除 後 遺残 膿 瘍
IO
11
36才
26才
6
δ
膜
炎
膿
瘍
著効
無し
有効
無し
有効
無 し
著効
E,`oあ
無 し
有効
400mg/1臼
5,800mg(15日)
E.celi
200万 ノ
1日
無効
400mg/1日
800mg(2日)
E.coli
無し
不祥
E.coli
無し
有効
無し
有効
腹 壁 刺 創,術 後縫 合 糸 膿瘍
200mg/1日
1,800mg(9日)
E.coli
StaP、h710ceccusepid.
ε∫ψ 妙lecoe`解5ψ
COlistin
3妙
娚o`ee`麗 ∫ 観 猶
備
E.`o露
瘍
膿
囲
炎
鰯
StaPhPt9㈱``灘
ψ 鼠
無し
無効
3'ψ 塀0606螂
ψ`4.
無し
有効
無し
有効
無し
無効
E.celi,B・-haemolytic
5∫ψ 妙lo`occus
Psettdemenasaeruginesa,
Candida,EnterebactCt
も とつ く巨 大 な 膿 瘍 が 認 め られ,い わ ゆ る穿 孔 性 腹 膜 炎
の 抗 生 物 質 を 使 用 した が,全
の 状 態 を 呈 して い た た め 右 側 腹 部 に ド レー ンを 設 置 し抗
依 然 と して21200で
生 物 質 の 投 与 を 受 け た が,術 後3日
か つ た た め 入 院 後9日
目か ら悪 感 戦 燦 と と
鼠
Gram(一)
400mg/1日
5,800mg(15日)
400mg/lH
7,600mg(19日)
♀
E.coli
400mg/l日
2,800mg(7日)
後 縫 合糸膿瘍
δ
菌
無し
400mg/1日
2,000m9(5日)
腸 閉 塞,術
離
判定
後 縫合糸膿瘍
胆 石 症,術
分
併用薬
200mg/I日
2,000mg(10日)
周
42才
壁
門
23才
腹
騰
13
52才
名
腹
肛
12
6
Ω ・
9
39才
病
1日 投 与 量
お よび 総 量
性
盤
あ り,局
く効 果 を認 め ず 白血 球 数 も
所 所 見 に も変 化 を認 め な
目 よ りAKM400mgil日
もに 高 熱 と腹 部 全 体 に わ た る持 続 性 激 痛 お よび 右 腰 部,
と デ カ ドPtン4mgと
の併 用 を21日
右 季 助 部 な どに も疹 痛 を 来 す よ うに な り悪 心 を も伴 う よ
ろ,白 血 球 数6650,体
温 も36.8℃
うに なつ た 。 術 後6日
圏に は 裏 急 後 重(尿
しぶ り)を 認
め た の で,本 院 外 科 へ 転 送 の上 入 院 した 。
入 院 当 日,白 血 球 数24200,赤
判定
効 効 効効
有 有 有 無
ア
二
ル
2;OOOmg
400mg/1日
年令
8
名
400mg!1日
併用薬
し し し し
無 無 無 無
一
ア
氏
炎 萄 癌
虫
へ
衰2外
投 与 総 量
1日 投 与 量
垂 ー
性
む レ
子
ノ
へ
径
胃 腹
63才
壁
穿
性
鼠
公り
4晶
急
OJ
小○
り右
61才
名
♀
Q7
1
玉2才
25才
感 染 予 防 に 対 す る効 果
の使 用
間行 な つた と こ
とな り,ド レー ンか
らの 排 膿 も硬 結 もま つ た く消 失 し,入 院 後1ヵ 月 目に退
院 した。 な お こ の期 間 の副 作 用 は ま つた く認 め な か つ
血 球 数330×104で39℃
た(図1>。
の高 熱 を認 め た の で,膿 の 感 受 性 検 査 を 行 な つ た と こ
症 例20志
ろ,分 離 菌 はE・coliでAKMを
昭 和43rp7月23日
除 く他 の す べ て の 抗 生
22才
骨盤腹膜炎
夜 か ら突然 下 腹 部 に 鈍 痛 を 来 した
剤 に対 し感 受 性 は み られ なか つ た 。 よつ て 虫 垂 切 除 後 遺
が,こ の 痛 み は ど こに も放 散 せ ず か つ悪 心 嘔吐 も無 かつ
残 膿 瘍 の診 断 の下 に 手 術 をす す め た が 同意 が 得 られ ず 止
た が,24日
む な く保 存 的 療 法 に ふみ 切 つ た。 そ こで 入 院 当 初 か ら8
39.2℃
日間CP500mg,TC250mg,SM19,CLIO万
日に 性 交 渉 の 経 験 が あ り,そ の 後 よ り帯 下(灰 黄 色)を 伴
と大 量
か ら再 び 同様 の 下 腹 部 痛 が増 強 す る とと もに
に 及 ぶ 発 熱 を も来 す▼
よ うに な つ た。 な お7月10
CHEMOTHERAPY
義ノ底冠剛17NO.9
表3術
氏
年令
名
酷11
押が,川 棚
`
リコll
踊
鴇,艦=4"欄
触
\ 鱒
驚
醤,}3・54,自.翻
控 灘=砲15擢 η 増30調
撒.物
男i難'
庚ξ幽岬哺 勧 藍1
q●500酬
マc250隙
1日 投 与 量
お よび総 量
併用薬
判定
E.celi
無 し
有効
Candida
無し
著効
E.celi
無し
著効
E.coli
無し
著効
E。celi
無 し
著効
E.coli
無 し
著効
分
400mg/1日
2,0001ng(5日)
400皿9/1日
2,000mg(5日)
400τng/1日
2,800mg(7日)
400rng/1日
2,000mg(5日>
400mg/1日
2,000mg(5日)
400mg/l日
2,000mg(5日)
科 的 感 染 症 に 対 す る効果
6才
♀ 穿 孔 性 腹膜 炎(虫 垂 穿 孔)
、・・牒臨
症 炎 癌 炎 癌 炎 癌炎 症 炎 炎炎
図1外
症例
♀
勝
84才
6
歴 膜胱
6
胱
36才
胱
5
化
♀
硬胱
57才
胱鑑
4
膀
♂
脈,
42才
動膀 腸膀
3
状後
字
汁後
♀
後
30才
後
2
性後
♀
名
塞
54才
閉 術 直 術 胃 術 乳膀 S術 胆術
1
後 の 尿 路 系 感 染 症 に 舛 す る効 果
病
性
1775
図2術
離
菌
後尿 路 感 染 症 に 対 す る効 果
0才
♀ 直 腸 癌術 後 膀胱 炎
症例
薯聖コ
オ
尋零
∼卿=u'ご'・ 言3鱒
ヨη 測 ∼係3,描91,網4:召
、S、竃1龍
曼=L】0"
引
脅離欝
ム
`㎡稲
`oo-{婁
鞠
誤く蝋
門 一uwVVVWゾv
銘●
鉱o
八 、^..
3乱〇一
fl画 昧 講
占幽峰款
凹b
茸}輪職
貰 嵐櫓救
oo↑
CP雪
ム巡 一1》
舅TT
智
量槻臆
四}潤
簑`コ∬
fl盆尊
㍑
占醜蘇
凹 臓
】
唖o昏9彊
6
19
】8
3&5
7
◎o緩
滴'‡o.嶺
50%72%
鋤
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79
】8】
105
郵
】4鉱{
ε
9
も
910
尋→o←}←
{一,
{一,
{一コ
{一,
{一)←)←}望
←⊃
←,惑
→
し か し9月20日
ま で他 医 に 入 院 し 軽 快 退 院 し
よ り再 び 腹 部 全 体 に わ た る疹 痛 を
投 与 後16Hを
ビ
り,抗 生 剤 感 受 性 はMCI-PC(珊,TC(m)で
面
らの 分 離 菌 は,StaPh1lecoccusepidermidisGram(一)で
塞
の 発 熱 を 認 め た の で,
投 与 を 開 始 した。 外 陰 部 分 泌 物 か
閉 ま シ の
入 院 時 白 血 球 数12400で38.5℃
内
来 し発 熱 を も 認 め る よ う に な つ た の で 本 院 へ 入 院 し た 。
AKM400mgllHの
与 後 に お け る第8神 経 に お よぼ す 影 響
←Σ`一,
投 与 前
投 与 後
0/23
0i23
0/23
0/23
0/23
0/23
0/23
0/23
0/23
0/23
0123
0123
鳴 聴 感 い レ 他
よ り8月5日
表4AKM投
】
一1
←,8{一)
耳 難 耳 め 顔 そ
い7月24日
た。
1蓼1
ll
含
樹oコ1200
謝xlo.
靱「ら
あ
あ つ た。
経 て 白 血 球 数6500,熱
も37℃
と 下 り理
学 的 に 腹 部 に も 異 常 を 認 め な く な り退 院 し た が,そ
の後
にSM,TCな
どの 抗 生物 質 を使 用 してい た が ほ とん ど
効 果 が 認 め られ な か つ た症 例 で あ る が,こ
れ に 対 し
今 日 に至 る ま で こ うい う疹 痛 発 作 は な い 。 な お 副 作 用 は
AKM使
ま つ た く認 め な か つ た 。
感 染 症 に 対 す る効 力 は 大 きい もの と考 え られ る。
以 上 の2症
例 は,劇
例1はE.colieこ
て す べ て(一)で
表2に
的 に 著 効 を 示 した も の で あ り,症
対 して 抗 生 剤 感 受 性 がAKMを
のぞい
あ る に も か か わ ら ず 著 効 を 示 した 。 ま た
示 す と お り,分
離 菌E.celiに
対 して 約70%以
上
用 後 は 全 例 に お い て 著効 を 示 し,本 剤 の尿 路 系
す な わ ち,使 用 全 例 に お い て尿 沈 査所 見上 の改 善 だけ
で な く白血 球 数 の正 常 復 帰 も認 め られ た 。 した が つ て有
効 率 は100%で
あつ た 。 著 効 例 と して 症 例2を 図2に 示
した 。
、
の有 効 率を 示 した。
3)術
III.副
後 尿 路感 染 症仁 対 す る効 果
表3に 示 す とお り,術 後 尿 路 感 染 症 に よつ てAKMを
使 用 した もの は6例 で あ り,400mg/1日
用 した。 これ らの症 例 はい ず れ もAKM使
を5∼7日
間使
用前にすで
AKM投
用
与 時 に おけ る副 作 用 と して,第8神
ぼ す 影響 や肝,腎
討 した 。
作
経 にお よ
に対 す る影 響 な どを 全 症 例 に つ い て 検
1776
CHEMOTHERAPY
図3AKM投
与後にお
図4AKM投
け るGOTの
影 響GPTの
与後 におけ る
影響
NOV. 1909
図5AKM投
与 後におけ
るALK-Pの
影響
図7AKM投
与 後 にお け
るB・U・N・の 影響
羅 潅Lρ
37
Gor
65】
64i
\
髪i
35
刃
3ノ
理
3/
29
2ク
Z5
幻
2'
ノ
ヂ
ノ7
/5
/3
〃
ヲ
2!
ノ9
〃
ノ5
/3
〃
3e
l
l!
L
GPτ
βα〃
"
\
25
\
\、
15
〃
5
凸
使級
{吏用前
捜 1ク
璃螢
使編
藁
一
扁
茨藩「
SE4eこ 示 す と お り,第8神
認 め られ ず,ま た 図3∼6に
AL-P,M.G.な
図6AKM投
経 に対 す る影 響 は ま つ た く
示 す とお り,GOT,GPT,
一
ヲ
7
5
3
!
'㍉ 噛
ゴ
3
1
,'
使綴
使沼前
与 後 に お け るM.G.の
影響
〃.6レ
ノ5
どの面 か ら肝 機 能 に 及 ぼ す 影 響 を検 討
β
〃
して み た が な ん らの 変 動 も認 め られ な か つ た。 ま た,
9
腎3)に 対 して も図7に 示 す とお り,BUNの
面において
ク
5
3
は 特 定 の 変 動 は 示 さな か つ た 。
ノ
W.考
按 な ら び に結 論
壁
聲
僕 購蛇
最 近 登 場 した ア ミ ノデ オ キ シ カナ マ イ シ ンに つ い て の
表5各
基礎 的 な らび に 臨 床 的 報 告 と し て は 梅 沢4),市 川5),三
橋6).大 久保7),塩 田8).白 羽9),真 下1e)ら の報 告 が み ら
れ る。
使 嗣後
種 薬 剤 感受 性 試 験 成 績(E・celi)
剤 師 巨
薬
十
数
1例
PC-G
O
0
0
2
2
MCトPC
l
0
0
1
2
と くに 病 原 菌 瓦`罐 に は強 い 抗 菌 力 を示 す とい わ れ る。
AB-PC
4
0
0
3
7
近 年 抗生 物 質 の普 及 と と もに 耐 性 菌 の問 題 が 重 視 され て
SM
0
1
0
10
11
い る と き,本 剤 の よ うな 強 力 な 抗 生 物 質 の 効 力 は 大 い に
TC
き
2
3
3
1i
CP
1
0
3
7
ll
EM
0
0
0
2
2
KM
0
6
3
2
11
CL
1
3
1
6
11
CER
0
1
0
2
3
GNT
0
0
0
1
1
本 剤 は グ ラ ム陽 性,陰 性 菌 に 強 力 な 抗 菌 活 性 を 示 し,
期 待 され うる もの と考 え られ る。
と くに 手 術創 の感 染 予 防,感 染 症 例 と術 後 の尿 路 感 染
症 な ど とい つ た 外 科 領域 に おけ る われ われ の使 用 経 験 か
らす れ ば,SM,CP,TCな
どに 耐 性 を 有 す る菌 に も感 受
性 を示 し,こ の 点 で も特 異 的 な 抗 生 物 質 で あ る と考 え ら
れ た。 また 教 室 例 中,と
りあ げ る よ うな 副 作用 を呈 した
例 は み られ なか つ た。 この 点 と くに 低 分 子 デ キ ス トラ ン
AKM
⊥
」412116
AKM有
ら との併 用11>を さけ た た め と も考 え た い 。
以 上,外 科 領 域 に お け るAKMの
有 効 性 に つい て の
No.2(1969.2)
3)木
使 用 経験 を のべ た。
下 康 民:Kanamycin筋
注 に よ り重 篤 な 急 性 腎
不 全 を 呈 し た と 思 わ れ る5例
文
4)∼10)梅
井 良 治,他:手
術 後 創 感 染 。 外 科 治 療Vol.20,
。 日本 腎 臓学 会 誌
10(1),72(1969.1)
献
1) BURKE,J.F.,: The effective period of preventive
antibiotic action in experimental incisional and
dermal lesions. Surg. 50, 161, 1961
2)石
効 率87.5%
沢 浜 夫,市
白 羽 弥 右 衛 門,真
川 篤 二,三
下啓 明
橋
第1ち
進,塩
田憲 三・
回 日本 化学 療法
学 会 東 臼本 支 部 総 会 シ ン ポ ジ ウ ム 「2'一ア ミ ノー2'一
デ オ キ シ カ ナ マ イ シ ンの 基 礎 と臨床 」
11)宮
川 侑 三:(1)低
分 子dextran点
滴 静注 に よる急性
VOL. 17 NO. 9
CHEMOTHERAPY
1777
腎 不 全 の 発 症 。 医 学 の あ@み(516),309∼310
木 下 康 民他:(2)薬 剤 に よ る腎 傷 害。 最近 医 学23
(1968.5)
巻,第7号
THERAPEUTIC
EFFECT
OF AMINODEOXYKANAMYCIN
SURGICAL
IN
FIELD
HIROKATA
KAWAGISHI,
SEIUNAGAMATSU,
SHIGENORI
NAKANO,YOICHIHIRANO,
TAKEHIKO
HATANO,SEIICHIMATSUNAGA,
MANABUYAMAMURA,
MASAHIRO
NAKAJIMA,
KANSEINISHIMURA,
KOSEIDOI, MASAKIKOSHIMUNE,
MASATAKE
SATO,AKIRAANDO,TAKEOYAMADA,
JUN TAKEDA& MASAKATSU
YAMAMOTO
Department of Surgery, Kansai University Medical School
(Director: Prof. MASAKATSU
YAMAMOTO)
Aminodeoxykanamycin (abbreviated hereinafter as AKM) is a new antibiotic which exhibits a strong
antibacterial activity against both Gram-positive and -negative organisms. The present authors have
applied AKM to various infections in surgical field, and the results were obtained as follows.
(1) Aiming at the prophylaxis of post-operative infection, 400 mg/day of AKM were administered
for 5 days after the operation. The success was attained in 3 cases out of 4 cases.
(2) As for the treatment of infection, 200-400 mg/day of AKM were administered intramuscularly
for 2-21 days to 13 patients consisting of 4 cases of peritonitis, 2 cases of enteric fistula, 3 cases of postoperative abscess due to thread, 1 case of perianal abscess and 3 cases of others. The results obtained
were remarkably effective 2, effective 7, ineffective 3 and undecided I.
(3) The AKM administration demonstrated a remarkable effect in 6 cases of post-operative urinary
infection, all of which have been proved to be ineffective to other drugs.
(4) The values of GOT, GPT, AL-P, M.G. and BUN were measured in all cases, and yet there
observed no abnormality which would be caused by AKM administration.