Windows Server 2012 Hyper-V 導入ガイド 2014-03 Windows Server 2012 Windows Server 2012 R2 お願い ここに記載されている情報とそれに対応する製品をご使用になる前に、「本書をご利用になる前に」 の事 項を必ずご確認ください。 2014 年 3 月 発行: 日本アイ・ビー・エム株式会社 担当: System x Technical Sales © Copyright International Business Machines Corporation 1999. All rights reserve. 2 本書をご利用になる前に この出版物はお客様、ビジネスパートナー様、IBM 関係者が、IBM System x を活用することを目的として作成されました。こ の情報はプログラミングインタフェースの仕様書ではありません。製品報告書の類いの情報については、 System x 公式 URL をご参照ください(http://www.ibm.com/systems/jp/x/index.shtml)。 この文書中の IBM 製品、プログラム、サービスに関する記述は、IBM が営業を行うすべての国・地域において適用できること を意図するものではありません。 本書において IBM 以外の Web サイトに言及している場合がありますが、便宜のため記載したものであり、決してそれらの Web サイトにある資料は、この IBM 製品の資料の一部ではありません。 この文書に含まれる情報は IBM の正式な検査機関には未提出で、現状のまま提出するものです。これらの情報は、資料作 成時における最新情報を、ご参考のために提供することを目的として記載されており、IBM は、情報の正確性、完全性または 有用性について何ら保証するものではありません。この情報の利用や技術の実行は、お客様の責任で行ってください。文書 中の各事項は、それぞれ特定の環境でのその正確さについて再チェックを行っていますが、他の環境で同様の結果が得られ るという保証はありません。これらの技術を個々の環境に適用する場合は、各々のリスクにおいてこれを行ってください。 本書に記述されている主題事項に関して IBM が特許権(特許出願を含む)を所有していることがあります。本書による情報の 提供は、これらの特許権について実施権を許諾することを意味するものではありません。実施権についてのお問い合わせは、 書面にて下記宛先にお送りください。 〒103-8510 東京都中央区日本橋箱崎町十九番二十一号 IBM World Trade Asia Corporation Licensing 3 INDEX Windows Server 2012 Hyper-V 導入ガイド ....................................................... 1 要約 ········································································································································································································ 5 1. はじめに .............................................................................................. 6 1.1 Hyper-V について ···································································································································································· 6 1.2 導入手順概要 ············································································································································································ 7 2. Hyper-V 導入前の準備 .......................................................................... 8 2.1 ハードウェア仕様と uEFI 設定の確認 ································································································································ 8 2.2 Windows Server 2012 の導入 ·············································································································································10 3. Hyper-V の導入.................................................................................. 11 3.1 ネットワークの設定·································································································································································11 3.2 役割の追加 ···············································································································································································13 4. Hyper-V 管理環境の構築 ..................................................................... 19 4.1 Hyper-V リモート管理ツールの入手 ································································································································19 4.2 Hyper-V マネージャーの導入と設定 ·······························································································································20 5. 仮想環境の作成 ................................................................................. 25 5.1 仮想マシンの作成 ··································································································································································27 5.2 ゲスト OS の導入····································································································································································33 5.3 統合サービスの適用 ·····························································································································································40 4 要約 Windows Server 2012 Hyper-V (以降 Hyper-V) は、Windows Server 2012 の一部として提供される仮想化機能です。 Hyper-V を使うことによって、1 つの物理的ハードウェア(1 台のサーバー)上に複数の仮想化された環境を作成し、 Windows / Linux などの複数の OS を同時に稼働させることができます。複数の異なる OS を 1 つのコンピュータ上で実 行できるため、サーバーの統合を実現することが可能です。 技術革新の激しい IA サーバーには、CPU パワーを限界まで使い切るアプリケーションはほとんどありません。Hyper-V で複数の OS を同時に稼働させることにより、サーバーリソースの有効活用が可能になり、サーバー増設などの導入管 理作業やバックアップ等の運用も大幅に軽減することができます。 また、従来の OS やアプリケーションのテスト・開発環境では、OS 環境ごとにサーバーを必要とし、さらにテスト環境のバ ージョン管理が困難でしたが、Hyper-V を使用することで、複数のテスト環境を 1 台のサーバーで構成し、さまざまなバ ージョンのイメージを容易に管理・切り替えて、テスト効率や開発効率を高めることができます。 当ガイドでは例として、Hyper-V の導入環境として主に IBM BladeCenter HS22 (7870)を使用して手順を記載しておりま すが、基本的には一部(uEFI 設定など)を除いて、異なる機種にてご利用いただく場合も同様の手順となります。その場 合は機種名を適宜読み替えて当ガイドをご利用ください。 以下の内容が記載されております。 ■Hyper-V の概要 ■Hyper-V の導入手順 ■Hyper-V 管理環境の構築手順 ■仮想環境の構築手順 活用局面: □ 提案時 ■ 構築時 情報: □ Marketing ■ Technical シリーズ: ■ 単発 □ 定期発行 対象サーバモデル: ■ 全機種 □ 特定機種 □ 運用時 5 1. はじめに 1.1 Hyper-V について Hyper-V についての概要は、Microsoft 社の Web サイトよりご確認いただくことができます。 【Microsoft】Windows Server 2012 サーバー仮想化 http://www.microsoft.com/ja-jp/server-cloud/windows-server/server-virtualization.aspx ・Hyper-V における仮想化の仕組み 仮想化機能には大別して、OS 上で動作するタイプのものと、ハードウェアと OS の間で動作するタイプのもの(ハイパー バイザー)があります。 前者ではハードウェアに導入された OS(ホスト OS)上に、ひとつのアプリケーションとして仮想化機能が存在し、その上 で仮想化された環境とゲスト OS が動作します。 後者ではハイパーバイザー上に、管理用の環境(Parent Partition、一般的にホスト OS などとも呼ばれます) と 仮想化さ れた環境(Child Partition、一般的にゲスト OS などとも呼ばれます)が、並列に存在して動作します。 Hyper-V は、ハイパーバイザー ベースの仮想化機能です。 ・Windows Server 2012 の Hyper-V について Windows Server 2012 に含まれる Hyper-V は、ホスト・仮想マシン・クラスターの拡張性の大幅な向上、VHDX 仮想ハー ドディスク形式に代表される記憶域機能の強化、Live Migration 機能の強化、Hyper-V レプリカといった災害対策向けの 機能の追加など、従来の Hyper-V のテクノロジーを踏襲しながら多くの機能追加とスケーラビリティの向上を実現してい ます。様々な規模の組織において、コストの削減と運用効率の向上に貢献する、より柔軟性と信頼性の高いプラットフォ ームとなっています。 詳細については Microsoft 社の公開情報をご確認ください。 ・Window Server 2012 R2 の Hyper-V について Windows Server 2012 R2 の Hyper-V では、uEFI ベースの第 2 世代仮想マシンのサポートや Linux サポートの強化、 LiveMigration の強化といった特徴があります。詳細については Microsoft 社の公開情報をご確認ください。 ・Hyper-V 動作要件 Hyper-V はハードウェアの仕様として、以下の要件を満たしている必要があります。 * x64 プロセッサアーキテクチャ * CPU の仮想化支援機能(Intel VT、AMD-V) * データ実行防止機能(DEP:Data Execution Prevention) ・動作可能なゲスト OS Hyper-V では、基本的に Windows Server2008 R2 や Windows Server 2003 SP2 などの Windows OS や、SUSE Linux Enterprise Server 11 SP2 などがゲスト OS として動作可能です。 ※詳細については、Microsoft 社の Web サイトをご確認ください。 6 1.2 導入手順概要 当ガイドでは例として、IBM BladeCenter HS22 (7870) に Windows Server 2012 をフルインストールして、Hyper-V による仮想 環境を構築しています。Windows Server 2008、Windows Server 2008 R2 の Hyper-V による仮想環境の構築に関しては以下 のガイドをご参照ください。 Windows Server 2008 Hyper-V 導入ガイド http://www.ibm.com/jp/domino04/pc/support/Sylphd07.nsf/jtechinfo/SYJ0-01E5A5C 最初に Hyper-V を導入するサーバーを用意し Hyper-V を導入・設定し、続いて Hyper-V 機能を用いて仮想環境を構築しま す。 構築された Hyper-V における仮想環境の管理について、当ガイドでは”Hyper-V を導入したサーバー”自身で管理する場合、 または”Hyper-V を導入したサーバー”とは別に”管理用のコンピュータ”を用意して管理する場合、の 2 通りを想定しています。 仮想環境を構築後、ゲスト OS として Windows Server 2008 R2 SP1 を導入します。 当ガイドで案内する Hyper-V 導入、仮想環境構築の作業手順の流れは以下のとおりです。 7 2. Hyper-V 導入前の準備 Hyper-V を導入する前に、System x サーバーにおいて 導入環境を整えておく必要があります。 2.1 ハードウェア仕様と uEFI 設定の確認 ・ハードウェア仕様の確認 Hyper-V の動作要件として、ハードウェアは以下の仕様を満たしている必要があります。 x64 プロセッサアーキテクチャ CPU の仮想化支援機能(Intel VT、AMD-V) データ実行防止機能(DEP:Data Execution Prevention) 上記 3 つの要件は、いずれも CPU の仕様に依存しています。 ご利用の System x 製品に搭載されている CPU については、各製品のシステム・ガイドにて確認することが出来ます。各製品 に搭載されている CPU の仕様の詳細については、CPU の開発元(Intel 社など)にご確認ください。 CPU が上記仕様を満たしている場合、仮想化支援機能とデータ実行防止機能について、それぞれ有効となっていることを確 認する必要があります。 無効になっている場合は各機種の uEFI の設定画面にて 有効に設定します。 設定内容の確認と設定変更の手順について、以下に例を記載いたします。 ・uEFI 設定の確認 仮想化支援機能とデータ実行防止機能について、uEFI の設定画面「Configuration/Setup Utility」から有効/無効に設定する ことが出来ます。当ガイドでは uEFI を搭載した機種の例として、IBM BladeCenter HS22(7870)での確認手順を記載しています。 ※それ以外の uEFI 機種でも同様の手順となります。 以下の手順で、それぞれの機能が有効に設定されていることを確認してください。 1.IBM BladeCenter HS22 の電源を ON にします。 2.IBM System x のロゴが表示されます。しばらくして画面下に「<F1> Setup」と表示されたら、<F1>キーを押して「Setup Utility」を起動します。 8 3.「System Configuration and Boot Management」画面が表示されます。「System Settings」を選択して<Enter>キーを押してく ださい。 4.「System Settings」画面が表示されます。「Processors」を選択して<Enter>キーを押してください。 5.「Processors」画面が表示されます。「Execute Disable」と「Intel Virtualization – VT-x」の項目が、どちらも「Enable」となって いることを確認してください。 「Disable」となっている場合は、<↑><↓>キーで項目を選択して<Enter>キーを押し、「Enable」に変更します。 6.設定を保存(Save)して、「Configuration/Setup Utility」を終了します。 メモ! 上記の設定項目が表示されない場合は、uEFI を最新版に更新してください。 9 2.2 Windows Server 2012 の導入 Hyper-V を導入するためには、事前にホスト用の OS となる Windows Server 2012 を導入しておく必要があります。 当導入ガイドでは IBM System x 製品 への Windows Server 2012 の導入手順については記載いたしません。 IBM System x 製品への Windows Server 2012 / Windows Server 2012 R2 の導入手順については、各製品の Windows Server 2012 導入ガイド、もしくは Windows Server 2012 R2 導入ガイドをご参考ください。 IBM System x はじめての導入セットアップ・ガイド http://www.ibm.com/jp/domino04/pc/support/Sylphd07.nsf/jtechinfo/SYJ0-03D24FE IBM BladeCenter はじめての導入セットアップ・ガイド http://www.ibm.com/jp/domino04/pc/support/Sylphd07.nsf/jtechinfo/SYJ0-038A252 IBM Flex System はじめての導入セットアップ・ガイド http://www.ibm.com/jp/domino04/pc/support/Sylphd08.nsf/jtechinfo/SYJ0-03F87FE また、Hyper-V で適用が推奨される update や hotfix の一覧が、Microsoft 社の Web サイトにて公開されていますので、ご参 照のうえ、適用をご検討されることを推奨いたします。 Hyper-V: Update List for Windows Server 2012 http://social.technet.microsoft.com/wiki/contents/articles/15576.hyper-v-update-list-for-windows-server-2012.aspx Hyper-V: Update List for Windows Server 2012 R2 http://social.technet.microsoft.com/wiki/contents/articles/20885.hyper-v-update-list-for-windows-server-2012-r2.aspx 10 3. Hyper-V の導入 3.1 ネットワークの設定 Hyper-V 環境を構築する前に、仮想環境が利用するネットワーク接続の設定をしておきます。 ここでは、固定で IP アドレスを割り振ったネットワーク接続の設定を行い、そのネットワーク接続をゲスト OS が利用することを 想定した手順を記載しています。 それぞれ、ご利用になられる環境に合わせた設定を行ってください。 1.[サーバーマネージャー]→[ローカルサーバー]より、表示されているネットワークデバイスをクリックして[ネットワーク接続]を 表示させます。 2.ネットワークケーブルが接続されていることを確認し、設定を行う「イーサネット」を右クリックします。 表示されるメニューより「プロパティ」を選択してください。 ※下図では、「イーサネット 2」に対して設定を行っています。 11 3.「ローカル エリア接続のプロパティ」ウィンドウが表示されます。 [この接続は次の項目を使用します]の項に表示される一覧から「インターネット プロトコル バージョン 4 (TCP/IPv4)」を選択し て、<プロパティ>ボタンを押します。 4.「インターネット プロトコル バージョン 4 (TCP/IPv4)のプロパティ」ウィンドウが表示されます。 [次の IP アドレスを使う]の項にチェックを入れて、ご利用の環境に合わせた IP アドレスを設定し、<OK>ボタンを押してください。 ※下図では、[192.168.102.15]を割り振っています。 以上で、Hyper-V 環境用のネットワーク接続の設定ができました。ping コマンドや ipconfig コマンドなどを利用して、設定が正 しく行われていること、通信が正しく行えることを確認しておいてください。 ※初期状態では Windows ファイアウォールが有効になっています。通信の確認時にはご注意ください。 12 3.2 役割の追加 Hyper-V の機能を使用するためには、Windows Server 2012 上で「サーバーの役割」として追加する必要があります。 サーバーの役割として、Hyper-V の機能を追加するには、以下の手順を行ってください。 1.サーバー マネージャー画面右上より[管理]を選択し、[役割と機能の追加]をクリックしてください。 2.役割と機能の追加ウィザードが起動して「開始する前に」画面が表示されますので、<次へ>ボタンを押してください。 3.「インストールの種類の選択」画面では、[役割ベースまたは機能ベースのインストール]にチェックを入れて、<次へ>ボタンを 押してください。 13 4.「対象サーバーの選択」画面では Hyper-V の役割を追加するサーバーを選択します。ここではローカルサーバーである 「HYPER-V-HOST」を選択しました。 5.「サーバーの役割の選択」画面では「Hyper-V」にチェックを入れます。 14 6.「Hyper-V に必要な機能を追加しますか?」画面が表示されます。内容を確認し「管理ツールを含める(存在する場合)」にチ ェックをいれて<機能の追加>ボタンを押した後、「サーバーの役割の選択」画面で<次へ>ボタンを押してください。 7.「機能の選択」画面が表示されます。内容を確認して、<次へ>ボタンを押してください。 8.Hyper-V についての説明が表示されます。<次へ>ボタンを押してください。 15 9.「仮想スイッチの作成」画面では、「3.1 ネットワークの設定」の手順で作成した Hyper-V 環境用のネットワーク接続にチェッ クを入れて、<次へ>ボタンを押してください。 10.「仮想マシンの移行」画面が表示されます。ここではなにも設定せずに<次に>をクリックします。Hyper-V ホスト間でフェー ルオーバークラスターを構成する場合は、ここで設定をする必要はありません。 16 11.「既定の保存場所」画面が表示されます。内容を確認して<次へ>をクリックします。 12.「インストールオプションの確認」画面が表示されます。[必要に応じて対象サーバーを自動的に再起動する]にチェックを入 れると、ポップアップダイアログが表示されるので<はい>を選択し、「インストールオプションの確認」画面で<インストール>をク リックします。 17 11.インストールが開始され、自動的に再起動が行われます。 12.再起動後ログインします。 自動的に構成の再開ウィザードが起動しますので、インストールが完了するまでお待ちください。 インストールが正常に完了すると、再び「インストールの進行状況」画面が表示されますので、<閉じる>ボタンを押してください。 以上で、Windows Server 2012 で、Hyper-V の機能が使用できるようになりました。 続けて、予定している Hyper-V の管理方法に合わせて、それぞれの手順に進んでください。 ・Hyper-V による仮想環境を管理するために、別途管理用サーバーを用意する場合 「4. Hyper-V 管理環境の構築」に進んでください。 ・Hyper-V を導入したサーバーで直接管理を行う場合 「4. Hyper-V 管理環境の構築」の作業は必要ありません。 「5. 仮想環境の作成」に進んでください。 18 4. Hyper-V 管理環境の構築 Hyper-V による仮想環境の構築・管理は、Hyper-V マネージャーを使用します。 Hyper-V マネージャーは、Hyper-V の管理を行うリモート コンピュータに導入されている必要があります。 Hyper-V マネージャーは、役割の追加から Hyper-V の機能を導入することで自動的に追加されます。 したがって、 Hyper-V を導入したサーバーで直接管理を行う場合は必要となる導入作業はありませんので、「5.仮想環境の作 成」に進んでください。 ここでは、Windows Server 2008 R2 SP1 の導入された管理用コンピュータを用意して、リモートで管理を行う場合に必要な準 備について説明します。 ※管理用サーバーへの OS やドライバーの導入手順については、ここでは記載しません。必要であれば、各機種の導入ガイ ドなどをそれぞれご参照ください。 4.1 Hyper-V リモート管理ツールの入手 リモートから Hyper-V の管理を行う場合、リモート コンピュータに Hyper-V マネージャーを導入する必要があります。 Hyper-V マネージャーを導入するために、事前に Microsoft 社の Web サイトより適切な更新プログラムをダウンロードして適 用しなければならない場合があります。 ・Windows Server 2012 R2 の Hyper-V リモート管理について Windows 7 以前のリモートサーバー管理ツールで は、Windows Server 2012 R2 の Hyper-V を管理することは出来ません。 19 4.2 Hyper-V マネージャーの導入と設定 リモートから Hyper-V の管理を行う場合、管理を行うリモート コンピュータに、Hyper-V マネージャーを導入する必要がありま す。 次に「Hyper-V マネージャーを導入するコンピュータ」(管理する側) と「Hyper-V を導入したサーバー」(管理される側) の両方 に対して Windows ファイアウォールを正しく設定する必要があります。 最後に、Hyper-V マネージャーの設定を行います。 ここでは、Hyper-V マネージャーは、Windows Server 2008 R2 SP1 に導入することを想定して手順を説明します。 ・以降の手順は、「Hyper-V マネージャーを導入するコンピュータ」(管理する側) で行います。 1.[スタート]→[管理ツール]より、[サーバー マネージャー] を起動してください。 2.サーバー マネージャーの左側のペインより[機能]を選択し、右側のペインより[機能の追加]をクリックしてください。 3.機能の追加ウィザードが起動します。 20 4.「機能の選択」画面が表示されたら、[このサーバーにインストールする機能を 1 つ以上選択します]の項目から、「リモート サーバー管理ツール」→「役割管理ツール」の[+]ボタンを押して内容を展開し、「Hyper-V ツール」にチェックを入れて、<次へ> ボタンを押してください。 5.「インストール オプションの確認」画面が表示されます。 内容を確認して、<インストール>ボタンを押してください。 6.「インストールの結果」画面が表示されたら、<閉じる>ボタンを押してください。 ※Windows 自動更新が有効になっていないと、警告メッセージが表示される場合があります。 21 以上で、Windows Server 2008 R2 SP1 に、Hyper-V マネージャーが導入されました。 続けて、Windows ファイアウォールの設定を行います。 ! メモ: 「Hyper-V マネージャーを導入したコンピュータ」(管理する側) から 「Hyper-V を導入したサーバー」(管理される側) に対し て、リモートからアクセスし管理を行うためには、Windows ファイアウォールに対して適切な設定が行われている必要があり ます。 ※Windows ファイアウォールの機能を無効にする場合は、設定する必要はありません。 ・以降の手順は、「Hyper-V を導入したサーバー」(管理される側) で行います。ここでは、Windows Server 2012 での設定とな ります。 7. [サーバーマネージャー]→[ローカルサーバー]から[Windows ファイアウォール]の[パブリック:有効]をクリックします。 8.Windows ファイアウォールが起動しますので、[Windows ファイアウォールを介したアプリまたは機能を許可]をクリックし、[許 可されたアプリおよび機能]にて[Hyper-V]と[Hyper-V 管理クライアント]にチェックを入れます。 ! 注意: 「Hyper-V マネージャーを導入したコンピュータ」(管理する側) と「Hyper-V を導入したサーバー」(管理される側) の両 方がワークグループ環境である(ドメインに参加していない)場合、[リモート管理]にチェックを入れても接続できない場合 があります。このような場合は、[ファイルとプリンタの共有]にチェックを入れることで、接続に必要なポートの設定を有 効にすることができます。 22 10.<OK>ボタンを押して、「許可されたアプリ」画面を閉じてください。 ・「Hyper-V マネージャーを導入したコンピュータ」(管理する側) でも、同様の手順で設定の確認を行います。ここでは、 Windows Server 2008 R2 SP1 での設定となります。 11.[スタート]→[コントロール パネル]から[ファイアウォールの状態の確認]→[Windows ファイアウォールを介したプログラムま たは機能を許可する]を開き、[Hyper-V 管理クライアント]にチェックが入っていることを確認し、<OK>ボタンを押して、 「Windows ファイアウォールの設定」画面を閉じてください。 以上で、Windows ファイアウォールの設定が終了しました。 続けて、Hyper-V マネージャーの設定を行います。 23 ・以降の手順は、「Hyper-V マネージャーを導入したコンピュータ」(管理する側) で行います。 12.[スタート]→[管理ツール]より、[Hyper-V マネージャー] を起動してください。 13.Hyper-V マネージャーの右側のペインより[サーバーに接続]をクリックしてください。 14.「コンピュータの選択」画面が表示されます。 [別のコンピュータ]にチェックを入れて、「3. Hyper-V の導入」の手順で「Hyper-V 機能を導入したサーバー」(管理される側)を 指定します。 ※ここでは、「3.1 ネットワークの設定」にて割り当てた IP アドレスを用いて指定します。 15.導入と設定が正しく行われていれば、「Hyper-V を導入したサーバー」(管理される側) に接続されます。 エラーが表示される場合、「Hyper-V マネージャーを導入したコンピュータ」(管理する側) と 「Hyper-V を導入したサーバー」 (管理される側) の両方において、ネットワークの接続が正しく行われているかどうか、Windows ファイアウォールの設定が正し く行われているかどうか、Hyper-V と Hyper-V マネージャーが正しく導入されているかどうかを確認してください。 以上で、「Hyper-V マネージャーを導入したコンピュータ」(管理する側) から 「Hyper-V を導入したサーバー」(管理される側) に対して、リモートで管理できるようになりました。 24 5. 仮想環境の作成 実際に Hyper-V 機能を使ってゲスト OS を導入・運用するためには、ゲスト OS を導入するための仮想マシンと呼ばれる環境 を作成しておく必要があります。 仮想マシンの作成は、Hyper-V マネージャーから行います。 仮想マシンの作成時に、仮想環境で利用できる CPU パワー(コア数)やメモリ容量、ハードディスク容量などの、ハードウェアリ ソースを割り当てておき、この仮想マシンに対してゲスト OS をインストールします。 ・IBM OEM 版メディアを使用してゲスト OS を導入する場合の注意事項 ・OEM 版 Windows Server 2008, Windows Server 2008 R2 のメディアを使用する場合 IBM OEM 版メディア(System x 製品にバンドルされている Windows 2008 の DVD メディア)を使用してゲスト OS を導入す る場合、メディアブート直後の System Check で導入対象が IBM マシンではないことを示すウィンドウが表示され、仮想マ シンにゲスト OS の導入ができない場合があります。 この現象に関する詳細については、以下の Tips をご参照下さい。 H194256: Unable to install Microsoft Windows into a virtual host – Servers https://www-304.ibm.com/systems/support/supportsite.wss/docdisplay?lndocid=MIGR-5078451&brandind=5000008 この現象を回避するためには、以下の手順に従って「hyper-v_oem_bios.exe」を導入する必要があります。 1.上記の Tips の Web サイトより「hyper-v_oem_bios.exe」ファイルをダウンロードします。 2.「Hyper-V を導入したサーバー」に USB メモリなどを用いて「hyper-v_oem_bios.exe」ファイルをコピーします。 3.「hyper-v_oem_bios.exe」ファイルをダブルクリックして実行し、表示されるウィザードに従って導入を行います。 4.導入後、システムを再起動します。 5.「5.1 仮想マシンの作成」の手順に従って仮想マシンを作成してください。※すでに仮想マシンを作成している場合は、削 除して再作成してください。 25 ・OEM 版 Windows Server 2012 R2 のメディアを使用する場合 IBM OEM 版 Windows Server 2012 R2 を使用してゲスト OS を導入する場合、メディアブート直後の System Check で導入 対象が IBM マシンでないことを示すウィンドウが表示され、仮想マシンにゲスト OS の導入が出来ない場合があります。 この現象については、以下の Tips をご参照ください。 Unable to install MS Windows server into MS Windows Server 2012 R2 Hyper-V using IBM provided OS installation media - IBM Servers http://www-947.ibm.com/support/entry/portal/docdisplay?lndocid=MIGR5094614&brandind=5000020&myns=x108750&mync=E この現象を回避するためには、上記 Tips の Web サイトより「hyper-v_oem_bios-v2.exe」ファイルをダウンロードし、「hyperv_oem_bios.exe」と同様の手順に従って導入する必要があります。 当ガイドでは例として、Hyper-V 機能の導入された IBM BladeCenter HS22 (7870)に対して仮想マシンを作成し、ゲスト OS と して、Windows Server 2008 R2 SP1 を導入しています。 26 5.1 仮想マシンの作成 Hyper-V マネージャーを起動して、ゲスト OS を導入するための仮想マシンを作成します。 1.「Hyper-V を導入したサーバー」、または、「4. Hyper-V 管理環境の構築」でリモートコンピュータに Hyper-V マネージャーを 導入した場合は「Hyper-V マネージャーを導入したコンピュータ」から以下の操作を行ってください。 [スタート]→[管理ツール]より、[Hyper-V マネージャー] を起動します。 2.左側のペインから、対象の Hyper-V 動作環境(Hyper-V を導入したサーバー)を選択します。 ※ここでは「HYPER-V-HC」と表示されています。 3.右側のペインより、[新規]→[仮想マシン]をクリックします。 4.仮想マシンの新規作成ウィザードが開始されます。<次へ>ボタンを押してください。 27 5.「名前と場所の指定」画面が表示されます。[名前]の項に仮想マシンの名前を入力してください。 ※ここでは、「Win2k8R2-VM」としました。 6.続いて、仮想マシンを格納する場所を指定します。 変更する場合は[仮想マシンを別の場所に格納する]にチェックを入れて、<参照...>ボタンを押してください。 ※Windows Server 2012 R2 の場合、仮想マシンを格納する場所を指定した後に仮想マシンの世代を選択します。 第 2 世代では、仮想ハードウェア構成が見直され、レガシーハードウェアの排除、新しいハードウェアの追加といった特徴が ありますが、使用可能なゲスト OS に制限があります。 2012R2 のみ 28 7.「メモリの割り当て」画面が表示されます。 仮想マシンに割り当てるメモリ容量を入力し、動的メモリを有効にする場合は、[この仮想マシンに動的メモリを使用します。] をチェックして<次へ>ボタンを押してください。 10.「ネットワークの構成」画面が表示されます。 [接続]の項から仮想マシンが接続する仮想ネットワークを選択して<次へ>ボタンを押してください。 29 11.「仮想ハード ディスクの接続」画面が表示されます。 [仮想ハード ディスクを作成する]にチェックが入っており、 [名前]と[場所]の項が入力されていることを確認します。 [サイズ]の項に、仮想マシンに割り当てるハードディスク容量を入力して、<次へ>ボタンを押します。ここでは「Win2k8R2VM.vhdx」という名前で、40GB のサイズを入力しました。このウィザードで仮想ハードディスクを作成した場合は「容量可変」の vhdx ファイルが作成されます。他の形式の仮想ハードディスクを作成する場合は、[後で仮想ハードディスクを接続する]を選 択し、後ほど作成します。 ※「第 1 世代」の仮想マシンでは起動ディスクとして使用できるのは IDE ディスクとして接続した仮想ディスクのみです。 「第 2 世代」の仮想マシンでは IDE ディスクを使用できず、SCSI ディスクとして接続した仮想ディスクを起動ディスクとして使用 します。 30 12.「インストール オプション」画面が表示されます。 ここでは OS のインストールは後で行いますので、[後でオペレーティング システムをインストールする]にチェックが入っている ことを確認して、<次へ>ボタンを押してください。 ※第 2 世代仮想マシンでは、選択できるオプションは 2 つとなっています。また、CD/DVD-ROM から OS をインストールする ことはできず、イメージファイルを使用します。 2012R2 のみ 31 13.「仮想マシンの新規作成ウィザードの完了」画面が表示されますので、内容を確認し、<完了>ボタンを押してください。設定 した内容で仮想マシンが作成されます。 14.Hyper-V マネージャーの[仮想マシン]の項に、作成した仮想マシンが表示されていることを確認してください。 以上で、仮想マシンが作成されました。 続いて、仮想マシンにゲスト OS(Windows Server 2008 R2 SP1) の導入を行います。 32 5.2 ゲスト OS の導入 仮想マシンに:ゲスト OS の導入を行います。 ゲスト OS の導入は、CD-ROM や DVD-ROM などの OS インストールメディアを、「Hyper-V を導入したサーバー」の光学ドラ イブから読み込んでインストールする方法、イメージファイル( iso ファイル)などからインストールする方法、ネットワーク経由で インストールする方法などがあります。 ※第 2 世代仮想マシンの場合、インストールメディアを、「Hyper-V を導入したサーバー」の光学ドライブから読み込んでインス トールが出来ません。イメージファイルからインストールする方法、もしくはネットワーク経由でインストールする方法があります。 ! 注意: IBM OEM 版メディアを使用してゲスト OS を導入する場合、メディアブート直後の System Check で導入対象が IBM マ シンではないことを示すウィンドウが表示され、ゲスト OS の導入ができない場合があります。 このような場合には、「hyper-v_oem_bios.exe」を導入し、仮想マシンを再作成する必要があります。 「hyper-v_oem_bios.exe」とその導入については、「5. 仮想環境の作成」の「・IBM OEM 版メディアを使用してゲスト OS を導入する場合の注意事項」を参照してください。 当ガイドでは、第 1 世代の仮想マシンに対して、Windows Server 2008 R2 SP1 のインストールメディア(CD-ROM)を使用して、 Hyper-V を導入したサーバーである IBM BladeCenter HS22 (7870) が挿入された IBM BladeCenter H (8852)の光学ドライブ から導入しています。また、参考情報として、第 2 世代の仮想マシンに対して、Windows Server 2012 R2 のイメージファイルを 使用してゲスト OS をインストールする手順を記載しています。 ※OS の導入手順のうち Hyper-V 環境に依存しない部分については、当ガイドでは記載いたしません。 1.ゲスト OS の導入は、Hyper-V マネージャーから行います。 OS インストール CD-ROM から Windows Server 2008 R2 SP1 を仮想マシンに導入するためには、仮想マシンの構築されてい るハードウェア(Hyper-V を導入したサーバー)の光学ドライブを、仮想マシンから使用できるように、仮想マシンの設定を変更 します。この設定も Hyper-V マネージャーから行います。 「Hyper-V を導入したサーバー」、または、「4. Hyper-V 管理環境の構築」でリモートコンピュータに Hyper-V マネージャーを 導入した場合は「Hyper-V マネージャーを導入したコンピュータ」から以下の操作を行ってください。 [サーバーマネージャー]画面右上にある[管理ツール]より、[Hyper-V マネージャー] を起動して Hyper-V を導入したサーバー に接続します。 33 2.ゲスト OS を導入する仮想マシンを選択して右クリックして[設定]をクリックします。 ※設定を行う前に、対象の仮想マシンの状態が”オフ”になっていることを確認してください。 3.仮想マシンの設定画面が表示されます。 左側の「ハードウェア」のペインから「IDE コントローラ 1」-「DVD ドライブ」の項目を選択します。 右側の「DVD ドライブ」のペインの「メディア]より[物理 CD/DVD ドライブ]の項目にチェックを入れて、ゲスト OS の導入に使用 する光学ドライブを選択します。 <適用>ボタンを押してから、<OK>ボタン押して設定を終了します。 ※メモリや CPU の設定・変更や、自動開始・自動停止アクションの設定も、ここから行うことが出来ます。 34 4.ゲスト OS を導入する仮想マシンを選択して、右クリックして[接続]を押します。 5.仮想マシンのコンソール画面が表示されます。 仮想マシンに割り当てた(設定した)光学ドライブに OS インストールメディアを挿入します。 その後、仮想マシンのコンソール画面左上の[開始]ボタンを押す、または[操作]→[開始]をクリックして、仮想マシンを起動して ください。 6.仮想マシンが正しく起動すると、コンソール画面左下に[状態: 実行中]と表示されます。 OS インストールメディアからの読み込みが正常に行われていれば、OS の導入が開始されます。 以降、画面の指示に従って OS の導入を行ってください。 35 7.ゲスト OS の導入が終了したら、ログオンしてください。 通常、Windows Server 2008 R2 SP1 の場合は、ログオンするために<Ctrl>+<Alt>+<Delete> キーを同時に押す必要がありま すが、仮想マシンに対してこの入力を行う場合は、仮想マシンのコンソール画面の[Ctrl+Alt+Delete]ボタンを押す、または[操 作]→[Ctrl+Alt+Delete]をクリックすることで行います。 ※キーボードから[Ctrl+Alt+End]ボタンを押すことでも、仮想マシンに対する[Ctrl+Alt+Delete]の入力が可能です。 ! メモ: ゲスト OS を終了させる場合は、OS 上から終了操作を行ってください。その後、自動的に仮想マシンが”オフ”になります。 ※[ファイル]→[終了]をクリックして接続を切るだけでは、仮想マシンは停止せず稼動し続けます。 仮想マシンを起動させる場合は、開始ボタンを押す、または[操作]→[開始]をクリックしてください。 以上で、仮想マシンへのゲスト OS (Windows Server 2008 R2 SP1) の導入が終了しました。 続けて、ゲスト OS に対して統合サービスを適用します。「5.3 統合サービスの適用」に進んでください。 36 【参考情報】 ・第 2 世代仮想マシンのゲスト OS のインストール 1.ゲスト OS の導入は、Hyper-V マネージャーから行います。 イメージファイルを使って Windows Server 2012 R2 を仮想マシンに導入するためには、SCSI コントローラーに DVD ドライブを アタッチし、イメージファイルが仮想マシンから使用できるように、仮想マシンの設定を変更します。この設定も Hyper-V マネ ージャーから行います。 「Hyper-V を導入したサーバー」、または、「4. Hyper-V 管理環境の構築」でリモートコンピュータに Hyper-V マネージャーを 導入した場合は「Hyper-V マネージャーを導入したコンピュータ」から以下の操作を行ってください。 [サーバーマネージャー]画面右上にある[管理ツール]より、[Hyper-V マネージャー] を起動して Hyper-V を導入したサーバー に接続します。 2.ゲスト OS を導入する仮想マシンを選択して右クリックして[設定]をクリックします。 ※設定を行う前に、対象の仮想マシンの状態が”オフ”になっていることを確認してください。 3.仮想マシンの設定画面が表示されます。 左側の「ハードウェア」のペインから「SCSI コントローラー」-「DVD ドライブ」の項目を選択し、[追加]をクリックします。 37 4. 左側の「ハードウェア」のペインから、追加された「DVD ドライブ」を選択し、「イメージファイル」の[参照]をクリックします。イ ンストールに使用する iso ファイルを選択します。右下の[適用]をクリックしたあと、[OK]を押して設定画面を閉じます。 5.再び仮想マシンの設定画面を開き、「ハードウェア」のペインから「ファームウェア」を選択し、「ブート順」で「DVD ドライブ」を 選択した状態で[上へ移動]を数回クリックして一番上に移動させます。ブート順を変更したら[適用]をクリックして、[OK]で設定 画面を閉じます。 38 6. ゲスト OS を導入する仮想マシンを選択して右クリックして[接続]をクリックします。「メディア」-「DVD ドライブ」を選択し、イメ ージファイルが DVD ドライブとしてアタッチされていることを確認して、左上緑のボタンをクリックして仮想マシンを起動します。 7.OS の導入が開始されます。以降、画面の指示に従って OS の導入を行ってください。 39 5.3 統合サービスの適用 ゲスト OS に対して統合サービスを適用することで、ハイパーバイザーと連携してより効率的にハードウェアの機能を利用でき るようになります。 統合サービスを適用することによって、Hyper-V マネージャーを導入したコンピュータと仮想マシンとの間でマウスやキーボー ドからの入力がシームレスに行えるようになるため、<Ctrl>+<Alt>+<←> キーを押す必要がなくなり、マウスの開放を意識する 必要がなくなります。 また、Hyper-V マネージャーから、OS のシャットダウンも含めた仮想環境の停止を行えるようになります。 他にも、統合サービスを適用することによってネットワークに接続できるようになります。 ※統合サービスを適用しなくても、仮想マシンにレガシー ネットワーク アダプタを追加・設定することでネットワークに接続する ことができます。 ここでは、Windows Server 2008 R2 SP1 に対して統合サービスを適用します。 1.統合サービス セットアップ ディスクの準備 Windows Server 2008 R2 SP1 の場合は、統合サービス セットアップ ディスクを別途用意する必要はありません。 2.統合サービスの適用は、Hyper-V マネージャーから行います。 「Hyper-V を導入したサーバー」、または「4. Hyper-V 管理環境の構築」でリモートコンピュータに Hyper-V マネージャーを導 入した場合は「Hyper-V マネージャーを導入したコンピュータ」から、以下の操作を行ってください。 [サーバーマネージャー]→[管理ツール]より、[Hyper-V マネージャー] を起動して Hyper-V を導入したサーバーに接続します。 3.対象の仮想マシンを起動します。 ゲスト OS が導入されている仮想マシンを選択して右クリックし、メニューから[接続]をクリックします。 仮想マシンのコンソール画面が表示されますので、 [開始]ボタンを押す、または[操作]→[開始]をクリックして、仮想マシンを 起動してください。 4.ゲスト OS が起動しますので、ログオンしてください。 ! メモ: Linux 用の統合サービスについて ゲスト OS が Linux の場合 は、Linux 統合サービス(Linux Integration Components for Hyper-V)を、Microsoft Download Center からダウンロードする必要があります。 【Microsoft】Linux Integration Services Version 3.4 for Hyper-V http://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=34603 40 5.統合サービスを適用します。 仮想マシンのコンソール画面の[操作]→[統合サービスセットアップ ディスクの挿入]を選択します。 6.統合サービス セットアップ ディスクが挿入されると、自動的に統合サービスのインストールが開始されます。 41 7.統合サービスのインストールが完了すると、再起動について確認メッセージが表示されますので、<はい>ボタンをクリックし て、仮想マシンを再起動します。 ! メモ: 必要に応じて、ゲスト OS 上でネットワーク接続の設定を行ってください。 Windows Server 2008 R2 SP1 の場合は、[スタート]→[コントロール パネル]→[ネットワーク接続]から、設定を行う「ロ ーカル エリア接続」を右クリックして行ってください。 以上で、統合サービスの適用が終了しました。 42
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