Ⅴ 全体構想 1 都市づくりの基本理念と都市像 「新・相模原市総合計画」の基本構想(基本理念、都市像、基本目標)に示される「基本理念」と「都 市像」の実現に向けた都市づくりを進めます。 【都市像】 「人・自然・産業が共生する 活力あるさがみはら」 相模原市基本構想 基本理念 わたくしたちのまちは、丹沢の雄大な山なみ、相模川の清ら かな流れ、相模野の広大な台地に抱かれ、先人の知恵とたゆま ぬ努力により、豊かな水資源のもと、歴史と文化が培われ、発 展してきました。 まちづくりの目的は、平和な社会のもと、すべての市民が生 きがいと活気に満ちて、安全で安心して心豊かに暮らせるまち を創ることにあります。 しかし、わたくしたちを取り巻く社会は、地球温暖化などの 環境問題、人口減少や超高齢社会の到来、産業構造や雇用形態 の変化、米軍基地の存在、地域コミュニティの希薄化など、多 くの課題を抱えています。 こうした課題を乗り越え、心豊かな人づくりと次代に誇れる まちづくりを進めることが今に生きるわたくしたちの責務です。 わたくしたちは、一人ひとりがまちづくりの主役となり、豊 かな自然を守り育て、安全で快適な生活環境をはぐくむととも に、住み、働き、学び、集うすべての人とともに生き、個性と 創造力を発揮し、人と自然と産業が共生する活力ある相模原市 を創造します。 17 2 都市づくりの基本目標 「都市像」の実現に向けて、次の3つの基本目標を設定します。 〈都市づくりの基本目標1〉 『活力にあふれ多様な交流が生まれる広域交流拠点都市』 ◇ 首都圏南西部における広域的な交流拠点都市として、暮らしの利便性の向上や地域経済活 動の発展に向け、国や県、周辺市町村との連携により、さがみ縦貫道路 16 などの広域交通ネッ トワークの整備や鉄道・バスなど公共交通の利便性を高めるとともに、活力ある中心市街地 づくりや新しい拠点づくりを進め、人・もの・情報が活発に行き交い、市民活力、都市活力 がはぐくまれる都市をつくります。 また、魅力ある景観や良好な住環境の形成に向け、貴重な自然や、歴史的・文化的な景観 を保全し、地域の特性を生かした、まちなみの美しい都市をつくります。 〈都市づくりの基本目標2〉 『やすらぎと潤いがあふれる環境共生都市』 ◇ 広大で美しい山なみや貴重な水資源を有する都市として、持続可能な社会の実現に向け、 温室効果ガスの排出削減や省エネルギー対策を進めるとともに、環境を守り育てる人づくり に取り組み、人と地球にやさしい環境負荷の少ない都市をつくります。 また、やすらぎとうるおいがあふれる自然環境や安全で快適な生活環境の創出に向け、水 とみどりの保全・再生・活用や多様な生物の生息・生育環境を守るとともに、大気や水質な どの生活環境の保全を進め、いつまでも人と自然が共生する都市をつくります。 さらに、市民の豊かな暮らしと活力ある都市の実現に向け、自然環境や生活環境への配慮 のもと、ものづくり産業の集積、新たな成長産業の創出・育成、魅力ある商業・サービス業・ 農林業・観光を振興し、活力ある産業が育ち、栄える都市をつくります。 〈都市づくりの基本目標3〉 『誰もが安全でいきいきと暮らせる安心・福祉都市』∼災害に強い都市∼ ◇ 市民の生命と財産が守られる社会の実現に向け、防犯対策や交通安全対策を推進するとと もに、自然災害に強い都市基盤づくり、防災対策、消防力の強化などにより、安全で安心し て暮らせる都市をつくります。 16 さがみ縦貫道路:首都圏中央連絡自動車道のうち、神奈川県区間を「さがみ縦貫道路」と呼んでおり、麻溝地域に(仮称)相模原 IC、城山地域に(仮称)城山 IC が設置されます。 18 3 将来都市構造 将来都市構造とは 将来都市構造は、将来のめざすべき都市のすがたを概念的に示すものです。 「将来都市構造」の構築にあたっては、自然環境と都市環境が共生した活力と魅力あふれ る自立都市の実現に向け、多様な都市機能を効果的・効率的に集約し、総合的・計画的に都 市基盤を整備するなど、 「選択と集中」による都市づくりを進めていくことが求められてい ます。 そのため、3つの「都市づくりの基本目標」のもと、次の「ゾーン」 、「拠点」及び「軸」 の3つの要素により将来都市構造を示します。 東京方面 埼玉方面 東京方面 山梨方面 中京・近畿方面 町田駅 周辺 横浜方面 湘南方面 自然公園 首都圏南西部にお ける広域交流拠点 水とみどりのふ れあい交流拠点 都市の連携拠点 みどりの拠点 中心市街地 水辺の拠点 産業を中心とした新た な都市づくりの拠点 水とみどりの軸 地域の拠点 うるおいとい こいのゾーン リニア中央新幹線 都市の軸 くらしとにぎ わいのゾーン 19 共生する ゾーン形成の視点―自然、歴史・文化、市街地の特性などを生かし、共生する都市づくりを進め 「ゾーン」 ます ○ 特性の異なる地域が一体の都市として共生していくためには、地域の実情に応じた土地 利用や地域資源の有効活用などが必要です。そのため、これまでの都市づくりの経緯や地 勢などを踏まえ、大枠での都市づくりの方向性を示す、 「くらしとにぎわいのゾーン」と「う るおいといこいのゾーン」の2つのゾーンを形成します。 『主なゾーンの構成要素』 ◇「くらしとにぎわいのゾーン」 ・多様な都市機能の充実・強化を図るとともに、市街地内のみどりの保全・創出などにより、 環境と共生する質の高い市街地の形成を進めるゾーン ◇「うるおいといこいのゾーン」 ・水源地域の豊かな自然環境の保全・再生に取り組むとともに、ゆとりある住環境や交通環 境の形成を図り、立地特性を生かした土地利用や地域資源の活用など、地域の特性を生か した魅力ある都市づくりを進めるゾーン うるおいといこいのゾーン、くらしとにぎわいのゾーン 20 交流する 「拠点」 拠点形成の視点―都市基盤の充実や自然とのふれあいによる交流人口を拡大し、環境と共生する 活力ある都市づくりを進めます ○ 周辺都市との多様な交流・連携を通じて相互に価値を高めあう都市づくりを進めるため、中 心市街地を含め「首都圏南西部における広域交流拠点」及び「都市の連携拠点」を形成します。 ○ 商業・業務機能 17、生産・研究機能など、さまざまな都市機能の充実・強化を図るとともに、 活発な交流を促進し、都市の活力を高めていくための「拠点」を形成します。 『主な拠点の構成要素』 ◇ 「首都圏南西部における広域交流拠点」 相模原駅周辺と橋本駅周辺を含む一体的なエリア ◇ 「都市の連携拠点」 相模大野駅周辺と、近接する町田駅周辺を含む一体的なエリア ◇ 「産業を中心とした新たな都市づくりの拠点」 当麻地区、川尻大島界地区、麻溝台・新磯野地区、金原地区、若柳地区 ◇ 「地域の拠点」 淵野辺地区・上溝地区・小田急相模原地区・東林間地区・古淵地区の5つの地区中心商業地 18、 城山地域・津久井地域・相模湖地域・藤野地域の各総合事務所周辺 ○ 神奈川県の貴重な水源地として重要な役割を担う観点から、人と自然とのふれあいを通 じて市内外の交流を促進する「水とみどりのふれあい交流拠点」を形成します。 ○ 市街地に残る貴重な樹林地や大規模な公園及び湖周辺において、水とみどり豊かなうる おいある空間として人と自然が触れ合う場となる「拠点」を形成します。 『主な拠点の構成要素』 㒰 ◇ 「水とみどりのふれあい交流拠点」 津久井湖を中心に周辺の大規模な公園などを含む地域 ◇ 「水辺の拠点」「みどりの拠点」 相模湖周辺、宮ヶ瀬湖周辺、県立相模原公園・相模原麻溝公園、木もれびの森など 3つの都市の拠点、新たな都市づくりの拠点、水とみどりの拠点 17 業務機能:企業の本社や支店、営業所などの事務所を指します。 18 地区中心商業地:主要な鉄道駅周辺などで商業機能が集積している地区を地域の中心地として位置づけるものです。 21 連携する 軸形成の視点−多様な交流活動、豊かな自然を享受できる都市づくりを進めます 「軸」 ○ 都市間や地域間などの交流・連携を促進するためには、多様な移動手段や移動経路が確 保されていることが重要であり、人・もの・情報が活発に行き交い、更なる都市の活力に 繋げていくための「都市の軸」を形成します。 『主な軸の構成要素』 ◇ 鉄道をはじめとする公共交通機関、さがみ縦貫道路や国道 16 号、津久井広域道路 19 など の幹線道路、小田急多摩線の延伸、新しい交通システム 20 の導入、リニア中央新幹線 21 の市 内への駅誘致など ○ 河川とその河畔林など多様な自然環境の保全・活用を図るため、 「水とみどりの軸」を 形成します。 『主な軸の構成要素』 ◇ 相模川、道志川、道保川、姥川、八瀬川、境川などの河川とその斜面林、横山丘陵など 都市の軸と水とみどりの軸 ! 19 津久井広域道路:国道 16 号橋本五差路付近から国道 20 号中央自動車道相模湖 IC 付近までを結び、旧相模原地域、旧津久井地域の 一体化を図る主要な交通軸として、また、さがみ縦貫道路へのアクセス道路として、県内、県外の各地域と連絡強化を図ろうとす るものです。 20 新しい交通システム:市内拠点間の連携を強化し、高齢社会の進展に伴う移動手段の確保や道路混雑緩和による環境負荷の軽減な どに対応するための、定時性や高速性を確保した利便性の高い交通システムとして、幹線快速バスシステム(BRT)などがあります。 21 リニア中央新幹線:全国新幹線鉄道整備法の基本計画路線に位置付けられているもので、リニアモーターカーを磁力で浮上させて 時速 500㎞で走らせ、東京―大阪間を約 1 時間で結ぶものです。 22
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