SIEMENCE Artis Q Biplane

放射線科検査紹介:血管造影装置
血管造影検査とは―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ストローのような樹脂製の細い管(カテーテル)を、太ももや腕の血管から挿入し、血管を見えやすくす
る薬(造影剤)を注入し、血管の構造を診る検査です。最近はこれを応用し血栓を溶かす薬や抗がん剤の
注入、細くなった血管を広げるバルーン拡張術、血管にできたコブ(動脈瘤)の破裂を防ぐコイル塞栓
術などの治療が行われるようになりました。
装置の特徴――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
X 線を受け、画像デ
ータにします
X 線を出します
特徴①:少ない放射線でよりきれいに!
従来のイメージインテンシファイア方式では、弱い X 線は画像に表すことができず、被ばく量だけ多
くしていました。しかし、今回導入されたフラットパネル方式は X 線利用効率が高く、弱い X 線でも
画像化できます。より少ない被ばくで、より鮮明な画像を得ることができるようになりました。このこ
とで、病変も見つけやすくなり、検査もスムーズに行え、患者さまの負担低減にもつながります。
特徴②:1 度に 2 方向とれる!
従来、X 線を発する管球が 1 つだったのに対し、新機器で用いられているバイプレーン型は2つの管球
を搭載しています。これは、1回の造影剤注入で、2方向から X 線照射することで 2 画像同時取得を
可能にします。
(下図)このことによって、造影剤の使用量が減らせ、より患者様の負担を減らせます。
当院における症例―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
循環器
経皮的冠動脈形成術(PTCA)
※狭窄部位
黒く映っているのは、心臓を栄養する血
管(冠動脈)です。※が狭くなっています。
この部分が完全に塞がると心筋梗塞にな
ります。それを避けるため、細い風船のよ
うな管(バルーン)で膨らまし、そこにスト
ロー状の金属網(ステント)をいれて、血管
を形成します。
心臓を栄養する血管冠動脈
脳外科
コイル塞栓術
動脈瘤(オレンジ部分)
脳血管(白い部分)
白い部分が脳の血管です。オレンジの部
分にコブ(動脈瘤)があります。これが破れ
ると脳出血になります。ここに、スチール
ウールのような金属(コイル)をいれ、コブ
への血流を遮断することで出血を未然に
防ぐことができます。
放射線科
肝がんへ対する肝動脈塞栓術(TAE)
肝臓を栄養する血管(肝動脈)
白い部分がお腹の血管の一部で、肝臓に
肝がん
流れ込む血管です。もやっと白く見える
のが肝がんです。肝がんへ流れ込む血管
にスポンジ状の物質を流し込み、血管を
塞ぎます。
こうすることにより、がんは血管から栄
養が摂れなくなり、がんを治療すること
ができます。