O - 国立環境研究所

(株)島津テクノリサーチ
チオリン酸O,O-ジメチル-O-(3-メチル-4-メチルチオフェニル)
(Phosphorothioic acid, O,O-dimethyl O-[3-methyl-4-(methylthio)phenyl])
(別名:フェンチオン、MPP、Mercaptohos)
【対象物質の構造】
O
S
P
O
S
O
CAS 番号 : 55-38-9
【物理化学的性状】
分子量
278.33
沸点(℃)
蒸気圧(kPa)
87(0.01 mmHg) 0.000004(20℃)
水溶解度(mg/L)
Log Pow
2(20℃)
水に不溶との報告もある
4.091*1
*1: National Library of Medicine (1994) Hazardous substances data bank (HSDB), STN online
【毒性、用途等】
毒性
: ラット(腹腔内注射 LD50) 800 mg/kg
ラット(経気道吸入、4 時間 LC50) 3100 mg/m3
ラット(経口 LD50) 5660 mg/kg
マウス(経口 LD50) 4900 mg/kg
マウス(腹腔内注射 LD50) 1860 mg/kg
マウス(経気道吸入、7 時間 LC50) 1930 ppm
許容濃度 : ACGIH TWA 25 ppm
用途
: 農薬・合成中間体
404
§1
分 析 法
(1) 分析法の概要
生物試料 10 g をアセトニトリルで抽出後、ヘキサン洗浄しアルミナカラムで精製す
る。溶出液を濃縮後、GC/MS(SIM)法で測定する。なおフェンチオンの代謝物である、
フェンチオンスルホキサイド及びフェンチオンスルホンも同時に測定する。
(2) 試薬・器具
【試薬】
フェンチオン
フェンチオンスルホキサイド
フェンチオンスルホン
イソプロチオラン-d4
アセトニトリル
:
:
:
:
:
ヘキサン
:
ジクロロメタン
:
塩化ナトリウム
無水硫酸ナトリウム
アルミナ
:
:
:
残留農薬試験用 98% 和光純薬工業株式会社製
98% シグマアルドリッチジャパン製
98.9% シグマアルドリッチジャパン製
林純薬工業社製
残留農薬試験・PCB 試験用 5000
関東化学株式会社製
残留農薬試験・PCB 試験用 5000
和光純薬工業株式会社製
残留農薬試験・PCB 試験用 5000
和光純薬工業株式会社製
残留農薬試験用 和光純薬工業株式会社製
残留農薬試験用 和光純薬工業株式会社製
MERCK 社製
【試薬の安定性・毒性】
暴露されないよう取り扱いに注意する。
【器具】
ホモジナイザー
:試料からの抽出に用いる。
遠心分離器
:試料と抽出液の分離に用いる。
ロータリーエバポレーター:濃縮に用いる。
振とう器
:振とうに用いる。
アルミナカラム
:長さ 30 cm、内径 15 mm のガラスカラムに 3%含水アル
ミナ 10 g、乾式充てんしたもの。
分液ロート、遠心分離管、カラム管、三角フラスコその他のガラス器具は使用前にア
セトン及びヘキサンで洗浄した後、乾燥して使用する。
405
(3) 分析法
【試料採取及び保存】
環境省「化学物質環境調査における試料採取にあたっての留意事項」に従う。
【試料の前処理】
均一化した試料 10 g に、アセトニトリル 30 mL を加えホモジナイザーで 2 分間ホ
モジナイズする。これを 3000 rpm で 10 分間遠心分離し、上澄みを 300 mL の分液ロ
ートに入れる。この操作を再度繰り返し、抽出液を合わせる。これにアセトニトリル
飽和ヘキサンを 30 mL 添加し、10 分間振とうしアセトニトリル層を回収する。ヘキ
サン層を捨て、再度アセトニトリル飽和ヘキサン 30 mL でアセトニトリルを洗浄する。
水分の多い試料の場合は無水硫酸ナトリウムで脱水し(注 1)、アセトニトリル層を約
10 mL まで濃縮する。濃縮液をあらかじめ 5%塩化ナトリウム 100 mL の入った分液ロ
ートに移し、ジクロロメタン 30 mL で抽出する。ジクロロメタンを別の容器に移し、
もう一度ジクロロメタン 30 mL で抽出する。先のジクロロメタンと合わせ、無水硫酸
ナトリウムで脱水後、約 5 mL まで濃縮し、これを試料前処理液とする。
【試料液の調製】
試料前処理液を 3%含水アルミナ 10 g の入ったカラムに負荷する。ジクロロメタン
数 mL で洗い込み、カラムに負荷後、ジクロロメタン 100 mL で溶出させ Fr.1 とする。
次にジクロロメタン/アセトン(1:1)100 mL で溶出させ Fr.2 とする。それぞれの溶出
液を 0.5 mL まで濃縮後、内部標準物質(イソプロチオラン-d4)を添加し測定試料液とす
る。
【空試験液の調製】
試料を用いずに【試料の前処理】及び【試料の調製】の項に従って操作し、得られ
た試料液を空試験液とする。
【標準液の調製】
フェンチオンを正確に 10 mg はかり取り、アセトン 10 mL に溶解し、1000 μg/mL
の標準原液とする。フェンチオンスルホキサイド、フェンチオンスルホン及び内部標
準物質(イソプロチオラン-d4)も同様の操作で、1000 μg/mL の標準原液を調製する。こ
れらの標準原液をヘキサンで順次希釈し 10~500 ng/mL の検量線作製用標準液を調製
する。
406
【測定】
[GC/MS 分析条件]
GC/MS 機器
カラム
昇温条件
注入方法
キャリヤーガス
インターフェース温度
イオン源温度
検出モード
イオン化法
イオン化電圧
: 島津製作所製 GC/MS-QP2010
: J&W 製 DB-5MS (30 m×0.25 mmID×0.25 μm)
: 120 ℃ (5 min) → 10 ℃ /min → 160 ℃ (0 min) →
5℃/min→210℃(3min)→10℃/min→300℃(2 min)
: スプリットレス (1 分)
: 1.0 mL/min (He)
: 260℃
: 230℃
: SIM
: EI
: 70eV
モニターイオン
フェンチオン
フェンチオンスルホキサイド
フェンチオンスルホン
イソプロチオラン-d4
:
:
:
:
(定量)278
(定量)279
(定量)310
(定量)294
(確認 1)169 (確認 2)279
(確認 1)294 (確認 2)278
(確認 1)312 (確認 2)247
(確認 1)235
[検量線]
検量線作成用標準溶液 2 μL を GC/MS に注入し、フェンチオンとイソプロチオラン
-d4 の面積比から検量線を作成する。フェンチオンスルホキサイド及びフェンチオンス
ルホンも同様に行う。
[定量]
試料液 2 μL を GC/MS に注入し、得られたクロマトグラムのピーク面積と内部標準
物質のピーク面積比から検量線により定量する。
[濃度の算出]
濃度(μg/kg-wet)= 検出濃度(ng/mL)×
407
最終液量(mL)
試料量(g)
[装置検出下限 (IDL)]
本分析に用いた GC/MS の IDL を以下に示す。(注 2)
物質
IDL(ng/mL)
採取量(g)
最終液量(mL)
フェンチオン
フェンチオン
スルホキサイド
フェンチオン
スルホン
1.3
10
0.5
IDL 試料換算値
(μg/kg-wet)
0.063
11
10
0.5
0.54
2.8
10
0.5
0.14
[測定方法の検出下限 (MDL)、定量下限(MQL)]
本測定法における MDL 及び MQL を以下に示す。(注 3)
採取量
最終液量
検出下限値
物質
(g)
(μg/kg-wet)
(mL)
10
0.5
0.57
フェンチオン
フェンチオン
10
0.5
10
スルホキサイド
フェンチオン
10
0.5
5.6
スルホン
408
定量下限値
(μg/kg-wet)
1.5
26
14
注
解
(注 1)水分が残存すると濃縮の際、突沸する場合がある。
(注 2)IDL(装置検出下限値)は、「化学物質環境実態調査実施の手引き」(平成 17
年 3 月)に従って、表 1 のとおり算出した。
表 1.
装置検出下限(IDL)の算出
10
0.5
10
2
フェンチオン
スルホキサイド
10
0.5
50
2
フェンチオン
スルホン
10
0.5
10
2
14.49
14.42
13.92
13.81
14.24
14.39
13.69
14.14
0.325
1.3
64.93
64.52
64.90
58.61
66.12
64.21
67.54
64.40
2.80
11
16.25
15.17
15.69
14.66
14.25
14.77
14.52
15.04
0.709
2.8
0.063
0.54
0.14
18
2.3
12
4.3
12
4.7
物質名
フェンチオン
試料量 (g)
最終液量 (mL)
注入濃度 (ng/mL)
装置注入量 (μL)
結果 1 (ng/mL)
結果 2 (ng/mL)
結果 3 (ng/mL)
結果 4 (ng/mL)
結果 5 (ng/mL)
結果 6 (ng/mL)
結果 7 (ng/mL)
平均値(ng/mL)
標準偏差(ng/mL)
IDL (ng/mL)
IDL 試料換算値
(μg/kg-wet)
S/N
CV (%)
※ IDL = t(n-1,0.05)×σn-1×2
409
IDL 標準溶液のクロマトを図 1 に示す。
図 1. IDL 標準溶液のクロマト
410
(濃度
10 ng/mL)
(注 3)測定方法の検出下限(MDL)及び定量下限(MQL)は、
「化学物質環境実態調査実
施の手引き」(平成 17 年 3 月)に従って、表 2 のとおり算出した。
表 2.
測定方法の検出下限(MDL)及び定量下限(MQL)の算出
物質名
試料
試料量 (g)
標準添加量 (ng)
試料換算濃度
(μg/kg)
最終液量 (mL)
注入濃度 (ng/mL)
装置注入量 (μL)
操作ブランク平均
(μg/kg)①
無添加平均
(μg/kg)②
結果 1 (μg/kg)
結果 2 (μg/kg)
結果 3 (μg/kg)
結果 4 (μg/kg)
結果 5 (μg/kg)
結果 6 (μg/kg)
結果 7 (μg/kg)
平均値 (μg/kg)
標準偏差 (μg/kg)
MDL (μg/kg-wet)
MQL (μg/kg-wet)
S/N
CV (%)
フェンチオン
スルホン
101
10
フェンチオン
スルホキサイド
生物
10
50
1
5
5
0.5
20
2
0.5
100
2
0.5
100
2
0
0
0
0
0
0
0.787
0.673
0.760
0.607
0.578
0.564
0.978
0.70
0.148
0.57
1.5
15
21
8.90
13.8
13.3
15.2
12.1
16.1
16.3
13.7
2.59
10
26
17
19
3.53
6.30
6.63
7.00
5.69
6.41
8.22
6.26
1.43
5.6
14
16
23
フェンチオン
10
50
※ MDL = t(n-1,0.05)×σn-1×2
※ MQL = σn-1×10
①操作ブランク平均: 試料マトリックスのみがない状態で他は同様の操作を行い測定
した値の平均値
②無添加平均: MDL 算出用試料に標準を添加していない状態で含まれる濃度の平均値
411
§2
解
説
【分析法】
[フローチャート]
分析のフローチャートを図 2 に示す。
試料
ホモジナイズ
10 g
遠心分離
アセトニトリル 30 mL ×2
脱水・濃縮
アセトニトリル層
ヘキサン洗浄
3000 rpm
アセトニトリル飽和ヘキサン
10 min
×2
ジクロロメタン抽出
脱水・濃縮
5%NaCl 100mL
約 5mL 程度
ジクロロメタン 30mL ×2
アルミナカラム
クロマトグラフィー
3%含水アルミナ
濃縮 0.5 mL
10g
GC/MS-SIM
内標準物質添加
Fr.1 ジクロロメタン 100 mL
Fr.2 ジクロロメタン/アセトン(1:1)100 mL
図 2. 分析フロー
[検量線]
図 3 に検量線の例を示した。
412
50 mL
図 3.
検量線(標準品濃度 10~500 ng/mL)
ただしフェンチオンスルホキサイドの検量線は、直線性が得られなかった為、2 次
曲線で作成した。
[アルミナクロマトグラフィー]
試料精製用のアルミナカラムクロマトグラフィーについて検討した。(図 4 参照)
130℃で一晩活性化させたアルミナを 3%含水させ、
その 10 g を長さ 30 cm、内径 15 mm
413
のガラスカラムに乾式で充填した。ジクロロメタンでコンディショニングをし、
1 μg/mL の標準溶液 1 mL を負荷し、溶出パターンを確認した。
Fr.1 ジクロロメタン 30 mL
Fr.2 ジクロロメタン 30 mL
Fr.3 ジクロロメタン 30 mL
Fr.4 ジクロロメタン/アセトン(1:1)50 mL
Fr.5 ジクロロメタン/アセトン(1:1)50 mL
フェンチオンとフェンチオンスルホンは Fr.1 でほぼ全量溶出したが、フェンチオン
スルホキサイドは、Fr.1 から Fr.4 まで溶出が確認された。
そこで、本法ではジクロロメタン 100 mL を Fr.1 としてフェンチオンとフェンチオ
ンスルホンを定量しジクロロメタン/アセトン(1:1)100 mL を Fr.2 とした。フェンチ
オンスルホキサイドは Fr.1 及び Fr.2 をそれぞれ測定し、計算結果を合わせて定量した。
140
フェンチオン
フェンチオン スルホキサイド
フェンチオン スルホン
120
回収率(%)
100
80
60
40
20
Fr.5
ジクロロメタン/
アセトン(1:1)
50mL
Fr.4
ジクロロメタン/
アセトン(1:1)
50mL
Fr.3
ジクロロメタン
30mL
Fr.2
ジクロロメタン
30mL
Fr.1
ジクロロメタン
30mL
0
図 4. アルミナカラムクロマトグラフィーでの溶出パターン
[マトリックス効果]
MDL 試験を実施した際、フェンチオンスルホキサイドの回収率は 100%を大きく超
える結果となった。そこでマトリックスの影響による検出濃度の変化を調べる為、魚
試料を処理した溶液にフェンチオン、フェンチオンスルホキシド、フェンチオンスル
ホン標準物質を 50 ng 添加し測定を行った。その結果、フェンチオンスルホキサイド
は
300 ng/mL を超え、マトリックスによる影響が見られた。また、フェンチオン及
びフェンチオンスルホンにもマトリックスによる影響が見られた。(表 3)
標準溶液と標準溶液未添加時の魚試料、標準溶液添加後の魚試料のクロマトグラム
を図 5、6 及び 7 に示す。
414
表 3. 前処理後のサンプルに標準物質を添加し定量した結果
未添加時
添加後
液量
添加量
調製液濃度
検出濃度
検出濃度
物質
(mL)
(ng)
(ng/mL)
(ng/mL)
(ng/mL)
0.5
60
120
N.D.
150
フェンチオン
フェンチオン
0.5
50
100
N.D.
302
スルホキサイド
フェンチオン
0.5
50
100
N.D.
162
スルホン
図 5. 標準溶液のクロマトグラム(100 ng/mL)
415
図 6. マダラのクロマトグラム(標準溶液未添加時)
図 7. マダラのクロマトグラム(標準溶液添加後)
416
[マススペクトル]
フェンチオン・フェンチオンスルホキサイド及びフェンチオンスルホンのマススペ
クトルを図 8、9 及び 10 に示す。
Inten.
(x100)
278
10.0
7.5
125
5.0
109
169
2.5
153
97
0.0
137
100.0
125.0
175.0
200.0
263
245
231
150.0
225.0
250.0
275.0
300.0
325.0
m/z
325.0
m/z
図 8. フェンチオンのマススペクトル
Inten.
(x100)
279
10.0
125
7.5
109
294
5.0
2.5
138
93
153
169
247
0.0
97
187
100.0
125.0
150.0
175.0
200
263
216
200.0
225.0
250.0
275.0
300.0
図 9. フェンチオンスルホキサイドのマススペクトル
Inten.
(x100)
125
10.0
310
109
7.5
5.0
93
105
136
2.5
0.0
153
100.0
125.0
150.0
169
175.0
200
215
200.0
231
225.0
247
250.0
275.0
300.0
図 10. フェンチオンスルホンのマススペクトル
[添加回収試験結果]
添加回収試験結果を表 4 に示す。
417
325.0
m/z
表 4.
フェンチオン
試料量
試料名
(g)
10
スズキ
10
添加量
(ng)
無添加
400
フェンチオンスルホキサイド
試料量
添加量
試料名
(g)
(ng)
10
スズキ
無添加
10
500
フェンチオンスルホン
試料量
添加量
試料名
(g)
(ng)
10
スズキ
無添加
10
500
添加回収実験結果
測定回数
5
5
測定回数
5
5
測定回数
5
5
検出濃度
(μg/kg)
ND
366
回収率
(%)
-
92
変動係数
(%)
-
8.0
検出濃度
(μg/kg)
ND
544
回収率
(%)
-
109
変動係数
(%)
-
4.4
検出濃度
(μg/kg)
ND
569
回収率
(%)
-
114
変動係数
(%)
-
6.7
[環境試料分析例]
スズキ及びマダラからフェンチオンは検出されなかった。
図 11.
マダラのクロマトグラム
418
【評価】
本法により、生物試料中フェンチオンは、0.57 μg/kg-wet レベルで測定(1.5 μg/kg-wet
レベルで定量)が可能である。ただし、フェンチオンの代謝物であるフェンチオンス
ルホキサイド及びフェンチオンスルホンの定量は今後さらに検討が必要と考えられ
る。
【参考文献】
「農薬の残留分析法」 1995 年 4 月 1 日
編集 :農薬残留分析法研究班
発行者:荘村多加志
発行所:中央法規出版(株)
発行
「環境中微量有害化学物質の分析,検索技術の開発に関する研究
―GC/MS による農薬の多成分同時分析法の検討―」
岡山県環境保健センター年報 29,55-66,2005
浦山豊弘,劒持堅志,藤原博一,杉山広和,高野洋(水質第二科)
【担当者氏名・連絡先】 担当 株式会社島津テクノリサーチ
住所 〒604-8436 京都市中京区西ノ京下合町 1 番地
TEL:075-811-3182
FAX:075-811-3278
担当者 早川和宏 [email protected]
大井悦雅 [email protected]
419
Phosphorothioic acid, O,O-dimethyl-O-[3-methyl-4-(methylthio)phenyl]
Biological sample extraction, cleanup and analytical methodology was developed for
Phosphorothioic acid, O,O-dimethyl-O-[3-methyl-4-(methylthio)phenyl] (Analyte-1) and
O,O-dimethyl-O-[3-methyl-4-(methylthio)phenyl] ester (Analyte-2) and O,O-dimethyl
-O-[3-methyl-4-(methylthio)phenyl]thiophosphate (Analyte-3). Briefly, 10 g biological
sample was homogenized with 30 mL of acetonitrile and centrifuge for 10 min at 3000 rpm.
The homogenization and centrifugation extraction was repeated for 2 times. The extract was
then re-extracted with 30 mL of hexane saturated with acetonitrile and shake for 10 min.
The above procedure was repeated for 2 times. This acetonitrile washed hexane further
dehydrated with sodium sulfate and rotary evaporated to 10 mL.
After the addition of 100 mL of 5% sodium chloride solution and extract dichloromethane
(DCM) of 30 mL. This extract was repeated for 2 times. Then the extract was dehydrated with
sodium sulfate and concentrated to 5 mL with rotary evaporator. And it was applied to Almina
column chromatography and was fractionated. The first fraction was eluted with 100 mL of
DCM. Where fraction-2 was eluted with 50% Acetone in DCM. Then fraction was
concentrated to 0.5 mL and then rotary evaporated, finally internal standard (Isoprothioran-d4)
was spiked and analyzed with GC/MS.
The recoveries of Analyte-1,2, and 3 in Sea bass containing 40-50 μg/kg were 92-114%.
These relative standard deviations RSD were 4.4-8.0%. The detection limit for Analyte-1
was 0.063 μg/kg .The recoveries of Analyte-1 in carnivorous fish containing 1 μg/kg were
56-98%, while, RSD was 21%.
Biological
sample
Homogenization
with acetonitrile
De-hydration
Concentration
Centrifuge
Extract with
dichloromethane
Extract with
dichloromethane
Concentration
(0.5 mL)
Almina column
chromatography
420
Washed with
Hexane
Analysis with
GC/MS-SIM
物質名
リン酸 O,O-ジメ
チル-O-(3-メチ
ル-4-メチルチオ
フェニル)
分析法フローチャート
試料
10 g
備考
ホモジナイズ
遠心分離
ヘキサン洗浄
アセトニトリル 30 mL
2回
3000 rpm
10 min
アセトニトリル飽和ヘキサン
50 mL ×2
カラム
J&W DB-5MS
(30 m×0.25 mm
×0.25 μm)
注入方法
スプリットレス
別名:フェンチ
オン
脱水・濃縮
ジクロロメタン抽出
脱水・濃縮
アセトニトリル層
5%NaCl 水 100mL
ジクロロメタン 30mL
約 5mL
アルミナカラム
クロマトグラフィー
3%含水アルミナ
Fr.1
Fr.1
濃縮 0.5 ml
10g
ジクロロメタン 100 mL
ジクロロメタン/アセトン(1:1)100 mL
421
GC/MS-SIM
内標準物質添加
検出モード
SIM
検出下限
<生物>
0.57 μg/kg-wet