臨床技術 123I-IMP分割投与法によるアセタゾラミド負荷前後の - MT Pro

123
I-IMP分割投与法によるアセタゾラミド負荷前後の定量的局所脳血流量算出ソフトウエアの作成
(長木・他)
臨床技術
123
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I-IMP分割投与法によるアセタゾラミド負荷前後の
定量的局所脳血流量算出ソフトウエアの作成
長木昭男・小原耕一・松友紀和
論文受付
2003年 7 月 3 日
倉敷中央病院放射線センター
論文受理
2003年10月22日
Code No. 332
緒 言
定,痴呆などの変性疾患における脳機能低下の評価に
脳核医学における脳血流
(CBF:cerebral blood flow)
用いられている1).さらに定量的な測定解析法は治療
の 測 定 は , 1 2 3 I - I M P( N - i s o p r o p y l - p [
- 1 2 3 I ]-
前後の脳血流変化や全体的な脳血流の低下の検出が可
Tc-
能であり,123I-IMPではマイクロスフェアモデルに基
hexamethylpropylene amin oxime)
,99mTc-ECD
(99mTc-
づく持続動脈採血法2)や 2 コンパートメントモデルを
ethyl cysyeinate dimmer)
などの放射性医薬品を使用し
仮定したARG法3),99mTc製剤ではPatlak plot法4)など
て,脳血管障害患者の診断,治療方針の決定や効果判
が報告されている.また血行再建術の適応決定には脳
i o d o a m p h e t a m i n e )や
99m
T c - H M P A O(
99m
Development of Quantification Analysis Software for Measuring Regional
Cerebral Blood Flow by the Modified Split-dose Method with 123I-IMP
before and after Acetazolamide Loading
AKIO NAGAKI, KOUICHI KOBARA, and NORIKAZU MATSUTOMO
Department of Radiology, Kurashiki Central Hospital
Received July 3, 2003;
Revision accepted Oct. 22, 2003;
Code No. 332
Summary
We developed a quantification analysis software program for measuring regional cerebral blood flow
(rCBF)
at rest and under acetazolamide
(ACZ)
stress by the modified split-dose
(MSD)
method with iodine-123 Nisopropyl-p-iodoamphetamine
(IMP)
and compared the rCBF values measured by the MSD method and by the
(SD)
method requiring one continuous withdrawal of arterial blood. Since the MSD
split dose 123I-IMP SPECT
method allows the input of two arterial blood sampling parameter values, the background subtraction procedure for obtaining ACZ-induced images in the MSD method is not identical to the procedure in the SD method.
With our software program for rCBF quantification, the resting rCBF values determined by the MSD method
were closely correlated with the values measured by the SD method
(r=0.94)
, and there was also a good correlation between the ACZ-induced rCBF values obtained by the MSD method and by the SD method
(r=0.81)
. The
increase in rCBF under ACZ stress was estimated to be approximately 26% by the SD method and 38% by the
MSD method, suggesting that the MSD method tends to overestimate the increase in rCBF under ACZ stress
in comparison with the SD method, but the variability of the rCBF values at rest and during ACZ stress analyzed by the MSD method was smaller than the variability with the SD method. Further clinical studies are
required to validate our rCBF quantification analysis program for the MSD method.
Key words: N-isopropyl-p-[123I]-iodoamphetamine, SPECT, Cerebral blood flow, Cerebral vascular reserve,
Quantitative analysis
別刷資料請求先:〒710-8602
2003 年 12 月
岡山県倉敷市美和1-1-1
倉敷中央病院 放射線センター 長木昭男 宛
日本放射線技術学会雑誌
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循環予備能による重症度の分類が重要であり,PET
1.対象と方法
(positron emission tomography)では酸素摂取率
1-1 対象
(OEF:oxygen extraction fraction)
の亢進と血流の低
対象は2001年 5 月から10月までにSD法を施行した
下 , SPECT( single photon emission computed
虚血性脳疾患29症例で,男性22例,女性 7 例で平均年
tomography)
ではアセタゾラミド
(ACZ)
負荷前後の血
齢はそれぞれ56.7Ȁ15.1歳,66.4Ȁ12.4歳である.
管反応性と血流の低下を定量的に判定しているが,特
にSPECTでは使用する放射性医薬品や測定方法,定
5)
1-2 データ収集法および画像処理法
量解析法について精度の高い検査が要求される .
使用装置はLEHR PARALLEL HOLEコリメータを装
脳循環予備能の測定は,大量投与が可能な99mTc製
着した東芝 3 検出器型ガンマカメラ9300A/DIで,初回
剤を使用してACZ負荷前後の脳血流SPECT画像を同
123
6)
I-IMPを111MBq静注と同時にツルース万能注入器を
日に 1 回の検査で可能であるが ,ACZなどの脳血流
用いて静注した対側から 5 分55秒間の持続動脈採血を
が増加する検査に対しては放射能カウントに対する脳
行い,8 分10秒でACZを17mg/kg投与,24分15秒に 2 回
血流の直線性が高血流域まで比較的保たれる123I-IMP
目123I-IMPを111MBq静注と同時に初回と同様に持続動
99m
I-IMPを使用
脈採血を行った.なお,2 回目の123I-IMP投与直前に残
した方法も報告されている7,8).Hashikawaらが開発
存放射能を測定するため動脈採血を行った
(Fig. 1)
.得
が
5)
123
Tc製剤よりも適しているため ,
123
I-IMP SPECT法
(SD法)
は,多検出
られた動脈血は,0.5mlと1.0ml,オクタノール抽出を行
器を使用してできるだけ短い検査時間で良好な画像を
った1.0mlをそれぞれ 3 本ずつ採取してアロカ社製ウエ
得ることを目的に安静時およびACZ負荷時の脳血流
ル型シンチレーションカウンタARC-300で平均放射能
を同日に 1 回で測定する方法で,マイクロスフェアモ
量を測定した.
デルに基づく持続動脈採血を同時に施行することによ
撮像方法はマトリクスサイズが64×64でピクセルサイ
り定量画像や局所脳血流量
(rCBF:regional cerebral
ズは6.4mm,1 フレームが 1 分15秒の回転時間で連続36
blood flow)
を定量的に算出
(rCBF値)
することも可能
回転のDynamic SPECTデータ収集を行い,それを 2 フ
であり,2 回持続動脈採血法とそれを簡略化した 1 回
レームごとに加算し18フレームのSPECT画像を作成し
したSplit Dose
7)
持続動脈採血法が報告されている .
た(Fig. 1).画像処理条件は,前処理フィルタに
2 回持続動脈採血法によるSD法は,安静時および
Butterworth filter
(8,0.41cycles/cm)
を用い,減弱補正に
123
ACZ負荷時の I-IMP投与と同時に施行した 2 回の持
Sorenson
(0.07/cm)
,再構成フィルタはRamp を用いた.
続動脈採血から得られた入力パラメータとDynamic
SPECTからrCBF値を算出する.しかし,われわれの
1-3 MSD法
施設に導入された 1 回持続動脈採血法によるSD法は,
1-3-1 入力パラメータ
安静時 1 回の持続動脈採血から得られた入力パラメー
MSD法で必要な入力パラメータは,2 回持続動脈採
タで安静時のrCBF値を算出し,ACZ負荷時のrCBF値
血法によるSD法と同様である.すなわち,安静時と
は安静時とACZ負荷時の脳集積比からあらかじめ用意
ACZ負荷時の 2 回の動脈採血カウントとそれぞれの採
された相関式を用いて推定する方法である7).またSD
血測定時間の補正係数,2 回目の123I-IMP投与直前の動
123
法のバックグランドの算出に必要な回帰直線は, I-
脈血中残存放射能カウント,オクタノール抽出率,ク
IMPの限られた投与量でDynamic SPECTデータが不
ロスキャリブレーションファクター,ポンプスピード
安定な場合では傾きが大きく変わる可能性も考えられ
であり
(Fig. 2)
,これらを安静時とACZ負荷時のマイ
る.そこで今回われわれは,安静時およびACZ負荷
クロスフェアモデルの入力関数としてそれぞれ
時のより正確なrCBF値の算出を目的に, 2 回の持続
ImputR,ImputDを算出した.
動脈採血から得られたパラメータが入力可能でバック
1-3-2 定量画像の作成方法
グランドの算出方法が異なるソフトウエア
(MSD法:
MSD法による定量画像の作成方法は,バックグラン
Modified Split Dose法)
を作成して, 1 回持続動脈採
ドの算出方法が異なる以外は 2 回持続動脈採血法によ
血法によるSD法の定量画像とrCBF値を比較した.
るSD法と同様である.すなわち,定量画像作成に使
MSD法を作成したプログラミング環境はCシェルと東
用した係数は,Dynamic SPECTの基準スライスに関心
芝社製の一般プログラムおよびAWKを組み合わせて
領域
(ROI)
を設定し,その平均カウントの時間放射能
使用し,UNIXの処理装置で定量画像の作成や表示を
曲線から求めた.
可能とするため演算処理は四則計算に限定して簡略化
s1 = A×4 /C
した.
s2 = B×4 /D
a=
{
(f2+f3)
(f2+…+f9)
/
}
/s1
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I-IMP分割投与法によるアセタゾラミド負荷前後の定量的局所脳血流量算出ソフトウエアの作成
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Fig. 1 Data acquisition. For SPECT, the initial intravenous dose of 111 MBq 123I-IMP was injected,
and arterial blood sampling was started simultaneously and continued for 5 minutes 55 seconds. ACZ
(17 mg/kg)
was administered 8 minutes 10 seconds after the initial dose of the tracer.
The second dose of 111 MBq 123I-IMP was injected 24 minutes 15 seconds after the initial dose.
The second continuous arterial blood sampling was performed in the same way as the initial
sampling. Arterial blood was also collected to measure residual radioactivity immediately before injecting the second dose of 123I-IMP.
b = f9×8/
(f2+…+f9) …………………………
(1)
c=(
{ f11+f12)
−f9×2} / (
{ f11+…+f19)
−f9×8} / s2
…………………………
(2)
AとBは安静時とACZ負荷時の超早期画像のROIカ
ウントで,CとDは安静時画像とACZ画像のROIカウ
ントである.s1とs2は安静時とACZ負荷時画像とそれ
ぞれの超早期画像との脳内集積比を表す.また,a と
c は脳内集積比算出の係数,b はACZ負荷時画像から
減算する安静時画像を作成するための比率であり,f
はそれぞれのフレームのROIカウントを表す.
MSD法で作成した安静時定量画像は 2 フレームか
ら 9 フレームを加算した安静時画像
(image1)
に係数 a
とImputR,ACZ定量画像は11フレームから18フレー
ムを加算した画像
(image2)
からimage1に係数 b を乗
算した画像のサブトラクションに係数 c とImputDを
使用して作成した
(Fig. 1)
.
安静時定量画像 = ImputR×a×image1
ACZ定量画像 = ImputD×c×
(image2−image1×b)
1-3-3 バックグランドの算出方法
2 回目の123I-IMP投与画像から 1 回目の投与画像を
Fig. 2 Input panel for parameters in the
MSD method.
サブトラクションしてACZ負荷画像を作成する場合に
必要なバックグランドの算出方法は,SD法は 5 から
負荷時の定量画像を作成し,水平断層像のほぼ同一ス
9 フレームの脳放射能曲線の回帰直線から推定する
ライスに 6×4 ピクセルサイズのROIを左右の前頭,側
が,MSD法では
(1)
と
(2)
式に示すごとく係数 b と c を
頭,後頭葉に設定してrCBF値を求め比較した
(Fig. 4)
.
123
算出するために I-IMP 2 回目投与直前の 9 フレーム
を 8 倍した値と 2 倍した値を使用した
(Fig. 3)
.
2.結 果
SD法とMSD法から算出した安静時のrCBF値は
1-4 SD法とMSD法とのrCBF値の比較
r=0.94と非常に良好な相関が認められ,SD法とMSD
29症例についてSD法とMSD法により安静時とACZ
法の回帰式はy=0.87x+2.00とMSD法のrCBF値はやや
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Fig. 3 Background subtraction procedures of the SD method and MSD
method are different. Background counts are estimated from
the regression equation obtained from the cerebral blood radioactivity curve with 5 to 9 frames in the SD method
(a)
,
whereas the 9 frames immediately before the second injection of 123I-IMP are used in the MSD method
(b)
.
Fig. 4 With both the SD method and the MSD
method, regions of interest
(ROIs)
at a
pixel size of 6×4 were established bilaterally in the frontal, temporal, and
occipital lobes on horizontal axis slices
that were almost perfectly matched at
rest and under ACZ stress.
Fig. 5 (a)Resting rCBF values quantified by the MSD method were closely correlated with those obtained by the SD method
(r=0.94)
.
(b)There was also a good correlation between ACZ-induced rCBF values
measured by the MSD method and by the SD method
(r=0.81)
.
a
b
低い傾向であったがほぼ同等の値を示した.一方,
率は,SD法が26%でMSD法が38%とMSD法が高めに
SD法とMSD法から算出したACZ負荷時のrCBF値は
算出する傾向であった
(Fig. 6)
.
r=0.81と良好な相関が認められ,SD法とMSD法の回
帰式はy=0.93x+8.24と回帰式の傾きはy=xに近似して
3.考 察
いるが y 切片が大きくMSD法のrCBF値は安静時とは
脳循環予備能の測定は,安静時とACZ負荷時の
逆に高く算出する傾向であった
(Fig. 5)
.
SPECT画像からrCBFの定量的な解析が行われてい
また,SD法とMSD法から算出した安静時とACZ負
る.これらの検査を 1 回で施行する場合,初回投与で
荷時のrCBF値は,それぞれ33.9Ȁ6.6,31.4Ȁ6.0と
安静時のSPECT画像を作成し,ACZ負荷時のSPECT
45.5Ȁ8.6,50.7Ȁ9.9を示し,ACZによるrCBFの増加
画像はACZ投与後の 2 回目投与画像から初回の安静時
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画像をサブトラクションして作成するため,大量投与
が可能な99mTc-HMPAOや99mTc-ECDが有利であり単検
出器型ガンマカメラでも測定できる.一方,123I-IMP
は投与量の制限から限られた検査時間では収集カウン
トが少なくサブトラクションによる良好な画像を得る
ことが困難であるが,放射能カウントに対する脳血流
の直線性が高血流域まで比較的保たれるため99mTcHMPAOや99mTc-ECDと比較して脳血流が増加する検
査に対しては適している5).
SD法は123I-IMPの優れた薬剤特性と多検出器を使用
して,収集カウントが少ないことによる検査時間の問
題とサブトラクションによる画質の問題を解決し,安
静時とACZ負荷時の脳血流の変化を約40∼50分間で
同日に 1 回で検査することが可能である.この検査時
Fig. 6 Resting rCBF values estimated by the MSD method
and the SD method were 31.4Ȁ6.0 and 33.9Ȁ6.6,
respectively, and the ACZ-loaded rCBF values were
50.7Ȁ9.9 and 45.5Ȁ8.6, respectively.
間と画質は使用するコリメータに関与するため,当施
設では収集カウントを考慮してLEHR PARALLEL
HOLEコリメータを選択した.
は,残存する脳内放射能を推定する回帰直線の傾きが
SD法では安静時およびACZ負荷時のrCBF値の算出
大きく変わる可能性も考えられ,安定したACZ負荷時
には 2 回の持続動脈採血が必要とされるが,2 回の持
のrCBF値を求めるにはバックグランドの算出方法も
続動脈採血は侵襲的であり手技が煩雑であるため,2
工夫する必要があると考えた.
回目の持続動脈採血を省略して多数症例の安静時およ
その結果MSD法で算出した安静時のrCBF値は,SD
びACZ負荷時のrCBF比と集積比との回帰式を用いて
法で算出した値と非常に良好な相関を示しやや低値の
ACZ負荷時のrCBF値を算出する簡略化した方法も考案
傾向はあるがほぼ同等の値を示したが,MSD法で算
7,8)
されている
.当施設に導入されたこの簡略化した 1
出したACZ負荷時のrCBF値はSD法と比較して高めに
回持続動脈採血法によるSD法では,原因は明らかでは
算出する傾向でありACZによるrCBFの増加率も高値
ないがACZ負荷時の血流値が非常に高い症例
(Fig. 7)
を
となった.この原因としては,2 回目投与画像から 1
経験した.Hashikawaらは回帰式を用いて約 6%の変動
回目投与画像をサブトラクションする方法の違いが考
7)
係数で推定可能 と報告しているが,正確な定量値の
えられる.SD法のサブトラクションは,5 フレームか
算出には 2 回の持続動脈採血とパラメータの入力が必
ら 9 フレームまでのSPECTカウントの増加を回帰直線
要であり,ACZなどの薬剤による取り込みの影響,注
で近似して 1 回目の123I-IMP投与による残存脳放射能
入量や三方活栓などへの残存等の技術的要因による変
を推定しているが6),われわれの方法では 2 回目投与
動を補正する面からも重要であると思われる9).
の直前の 9 フレームを 8 倍してサブトラクションして
また,脳主幹動脈閉塞症例では脳循環予備能すなわ
いる.そのため,ACZ負荷時の画像はサブトラクショ
ち脳血流が低下し代謝予備能が働いてくるStage IIを
ンによる減算量が少なくrCBF値が大きく算出され増加
JET StudyではSPECTを使用して,rCBF値が正常値の
率も同様に大きく算出されたと推測される.123I-IMP
80%未満でACZによる増加率が 0 以上で10%未満を
は約30分後に脳の集積が見かけ上平衡状態となるが,
中等度,0 未満を重症に分類している5).その検査は
この収集プロトコールでは 1 回目」
に123I-IMPを投与し
123
I-IMPを使用した持続動脈採血法またはARG法を用
て約25分後に 2 回目の投与を行うため 1 回目の123I-
いた定量性や測定精度の高い方法であり,通常は安静
IMPの変化を無視することができない症例もあると思
時の脳血流測定を行ったその約 1 週間後にACZを負荷
われる.したがって,初回投与のバックグランド影響
した脳循環予備能の検査を施行している.したがって
を考慮した簡単な画像サブトラクションの方法も今後
脳循環予備能を同日に施行するSD法においても高い
の課題であると思われる.
定量精度が望まれる.
今回われわれが作成したMSD法は 2 回の持続動脈
4.結 語
採血から得られたパラメータの入力が可能であり,プ
123 I-IMP分割投与法によるACZ負荷前後の正確な
ログラミングを簡略化して演算処理については四則計
rCBF値を算出するために 2 回の持続動脈採血のパラ
123
算に限定している.また I-IMPの限られた投与量か
メータが入力可能でバックグランドの算出方法が異な
ら収集したDynamic SPECTデータが不安定な場合に
るMSD法を作成して 1 回持続動脈採血法によるSD法
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日本放射線技術学会雑誌
Fig. 7 One patient with bilateral internal carotid artery occlusion had very high rCBF values under
ACZ stress:
(a)
quantitative image views at rest and under ACZ stress obtained by the SD method
and
(b)
quantitative image views at rest and under ACZ stress obtained by the MSD method.
とrCBF値を比較した.安静時のrCBF値はMSD法がや
ある.
や低い傾向であったがSD法とほぼ同等の値を示し
た.ACZ負荷時のrCBF値はMSD法がSD法と比較して
なお,本論文の要旨は,日本放射線技術学会第29回
高めに算出する傾向があり,ACZによるrCBFの増加
秋季学術大会
(2001年11月,名古屋)
にて発表した.
率も高値となったが,さらに今後の臨床評価が必要で
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9)奥 直彦:IMP split dose法による脳循環予備能測定の実際
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2001.11 , 脳 機 能 画 像 研 究 会 , 記 録 集 ,17, 69-72 ,
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.
第 59 卷 第 12 号
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I-IMP分割投与法によるアセタゾラミド負荷前後の定量的局所脳血流量算出ソフトウエアの作成
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図表の説明
Fig. 1
データ収集方法と定量画像作成方法を示す.
Fig. 2
MSD法のパラメータ入力パネルを示す.
Fig. 3
SD法とMSD法のバックグランド減算法の違いを示す.
(a)
SD法は 5 から 9 フレームの脳放射能曲線の回帰式から推定するが,
(b)
MSD法では123I-IMP 2 回目投与直前の 9 フレ
ームを使用している.
Fig. 4
Fig. 5
rCBF値算出のためのSD法およびMSD法のROI設定方法を示す.
(a)
SD法とMSD法から算出した安静時のrCBF値の相関を示す.
(b)
MSD法とSD法から算出したACZ負荷時のrCBF値の相関を示す.
Fig. 6
SD法とMSD法の安静時およびACZ負荷時のrCBF値を示す.
Fig. 7
ACZ負荷時のrCBF値が非常に高値を示した両側の内頸動脈狭窄症例,
(a)
SD法の安静時とACZ負荷時の定量画像,
(b)
MSD
法の安静時とACZ負荷時の定量画像.
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